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創作小説 投稿掲示板『登竜門』 『背中越し、君と奴』
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- 『背中越し、君と奴』 作者：はるか / 未分類 未分類
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全角825.5文字
容量1651 bytes
原稿用紙約3.1枚運動場では・・死ぬもの狂いで部活に励んでいる人々。
その端で・・私は何をしているのか。
雲行きが怪しい・・私の心と同じ様に天候まで暗くなってしまうのか。
闇に包まれ、闇雨が降り注ぎ出した時この場はどうなっているのか。
先の見えない開放の窓。
その窓には何を映すというのか。
闇雨か・・？青空か・・？
なんだっていい。
どうせ何も変わりやしない。
高鉄棒に両手をかけて俯いている奴とその下で頭を抱え込んでいる君。
誰かが何かを言った訳でもない。ボールが飛んできた訳でもない。
なのに２人とも泣いている。
引き金を引いたのは奴だ。
仕方ないって君は何度も言う。
だが奴には聞こえない。
分かっているから。知っているから。
何で返事をしないのか。そう思ったのだろう。君が声を濁した。
それを聞いた奴はふっと糸が切れた様に涙が流した。
心は透けない。誰だって見透かす事は出来ない。
だから・・こんなすれ違いだって起こるんだ。
君が顔を上げて高鉄棒に手をかけた。と同時に奴は崩れ落ちた。
いつ・・いつ・・・ってずっと思ってた。だけどすぐ何かに邪魔される。
君も同じ様に邪魔されてた。
頑張ってるのに・・頑張れば頑張るほど邪魔される。
そう思うと止まらない。視界がぼやけて立っていられなくなる。だから崩れ落ちたんだ。
泣かせられた様なもんなのに君が先に顔をあげた。惨めさを感じて崩れ落ちたんだ。
先の見えない窓に手をかざして瞳に何を映すのか。
それは奴と君にしか見えないだろう。
哀しいんだ。虚しいんだ。
頑張ればその分、力になるって知ってるから・・余計に哀しく虚しくなる。
窓越し、背中合わせに君と奴。
２人は何を思うのか。
見えないから・・透けてないから分からない。
だけど・・・思っている事は同じだと思う。
「こんなとこから早く開放されて運動場を走りたい。」
空も空気も透明じゃないから見えない。けど君より奴より哀しいのはきっと、２人を包んでいた空気と空だ・・・。 -
2003/08/29(Fri)14:09:01 公開 / はるか
■この作品の著作権ははるかさんにあります。無断転載は禁止です。 -
■作者からのメッセージ
これまた実際経験です。（笑）
２人の思いと周りの景色（くうき）を感じて貰えれば嬉しいです。
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