- 『異世界の戦争 一話』 作者:えふぇ / 未分類 未分類
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 異世界の戦争
 <一話・異世界へ>
 
 「剣士隊!前へ!」
 彼の声で、一斉に剣士が前進し、山賊を蹴散らす。
 「口ほどにもないな・・・」
 彼は呟き、バサッ、とマントを翻し、城の見える方に返る。
 そんな別世界があった。今はどうだか知らないが。
 その世界、すなわち、別世界。
 一般に、異世界と呼ばれるものである。
 そこへ、足を踏み入れようとは、微塵も感じていなかった―――。
 
 「和也」
 自分の名前を呼ばれ、振り向く。
 「?」
 「明日、森林研修だぞ、用意しなくて良いのか?」
 それを言ったのは、クラスメートの小林。
 ここはN県の中学校にある寮。三人一部屋で使っている。
 「あっ!悪い、まだしてなかった」
 自分が急いでバッグを出す。
 「おいおい、大丈夫かよ」
 と、三段ベッドの一番下でごろごろしながら漫画を読んでいた岩崎が、イヤミったらしく言う。
 「そーいうお前はどーなんだよ」
 「俺はもう用意ぐらいしてるしな、お前じゃねぇから」
 (ヤな奴・・・)
 内心そう呟きながら用意する。
 (えーっと、筆記用具、着替え、ロープ、新聞紙、軍手、洗面用具・・・)
 考えずに、どさどさっとバッグに入れる事30分。ようやく用意が終わった。
 「お、もう7時だ、食事の時間だな」
 用意し終わったときに、丁度小林が独り言を言った。
 「ああー良かった。俺もう腹減って・・・」
 俺は部活をしたので腹が減っている。
 「じゃ、行くか」
 「ん」
 「おう」
 その後は何気ないいつもの夜だった。
 
 
 事件は、1日目、野外炊事から始まる。
 「どうだ?」
 自分はクラスメート(野外炊事用の班だ)に話しかける。
 「んー、火力が足んないな。悪いけど鈴木、薪取ってきてくれ」
 「分かった」
 自分はちなみに、鈴木 和也である。
 自分は言われたとおり、薪を薪置き場(ここからは少し遠い)に行く。
 チュンチュン・・・
 どこかでスズメが鳴く声が聞こえる。
 (まだN県にもこんな所があったんだな)
 そう思いながら、さっさと薪置き場に行く。
 
 「おーい、鈴木ーっ!」
 後ろから声。振り向くと、小林の姿。
 小林は走って自分の方に来ると、
 「おい、変なのが出た!」
 「は?変なのって?蛇か?」
 「いや、人みたいなんだけど肌が紫で、唇はもの凄い赤なんだ!」
 「何言ってるんだ?小林、何かへんな錯覚だろ?」
 「いや!あいつ(変なのの事だ)は黒い霧で人を消してるんだよ!
 早く逃げるぞ!和也!」
 いうなり、凄い力で自分の腕を掴み、駐車場へ引っぱる。
 「痛て、痛てて!何すんだよ!」
 行って小林の手を振りほどく。
 「変な冗談はその辺にしろ!」
 さすがに、自分も怒る。
 「き、来たー!」
 小林は後ろ、すなわち自分の方にガクガクと歩いてくる。
 前方には、確かに小林の言っていた、変なのの姿があった
 体は紫で、人型。
 口は赤・・・と言うより深紅。
 ニタァッ、と不気味に牙を出して笑うと、こっちに凄いスピードで来る。
 「げっ!」
 自分の目を疑った。
 (これは・・・夢か?)
 そう内心思ったが、それは現実拒否しているだけに過ぎなかった。
 「あ・・・っ」
 薪を拾おうとしたが、黒い霧を口から変なのは放ち、目の前が真っ暗になる。
 「う・・・わぁぁぁっ!」
 薪置き場に、自分の声が、木霊した―――――。
 
 
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2003/08/27(Wed)16:30:08 公開 / えふぇ
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■作者からのメッセージ
 初めまして!このような物を読んで下さり、
 ありがとうございます。仕上がりはイマイチ、
 って感じです。
 このテの小説は苦手な物で・・・。(ぉ)
 出来れば、感想を下さい。アドバイスとかが
 ありましたら書いて下さい。宜しくお願いします。(頼みまくりでスイマセン)