『「ウォータニクル」第一章(第一の武具)』作者:ニラ / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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剣士は、あの洞窟を抜けた後、剣の反応する方向へと、黙々と進んでいた。しかし、簡単に行けるものではなかった。剣士が歩いていると、草陰から魔物が十匹〜二十匹出てきた。剣士はすぐさま戦闘の用意をし、魔物に向かって剣を構えた。
「10〜20か…多いな・・」
剣士は魔物の中に飛びこみ、剣を振るい始めた。最初は何匹も蹴散らしていたのだが、剣士にも疲れが出始め、とうとう立つのも辛くなった。
「くそっこんな所で!やられてたまるかぁ!」
剣士は残っている力を振り絞り、最後の一匹に向かって剣を振るった。しかし、その力も、魔物の右足をかするだけで終わってしまった。
「もう・・・・だめだ・・・・力・・が・・」
剣士はとうとう疲れのため、倒れてしまった。



・・…気がつくと、剣士はベッドにいた。そして、ベッドから降りようとした時、誰かの手が顔を叩いた。
「だめ!まだ治療できてないし、かなりの疲れがたまってるよ!」
その声の方を向くと、一人の子供がいた。
「きみは?」と剣士が聞くと、子供が大声で言った。
「俺はレムル!治療術士だ!お前が魔物に教われてたから、助けた!」
彼はそう言うと、剣士に手をかざした。
「聖なる光よ・・この邪悪なる傷を治したまえ…『エルゼ』!」
そう彼が言うと、剣士の所々にある傷口が、閉じて消えていくのだ。その時には、剣士はもう動ける状態になった。そして剣士は立ちあがり、彼に礼を言った。
「世話をかけたな…俺はもう行かなくてはならない…じゃあな・・」
そう言って、その家を出ようとした瞬間、彼が剣士を引きとめた。
「待ってよ!実はお願いしたい事があるんだ!そのために助けたんだ!頼む!」
剣士は、さっきの礼もあることだし、しかたなく、その願いを聞いた。
「いい?実は今日この村に1年に一度だけ出る魔物がいるんだ・・そいつに毎回村の物を全て持っていかれ、何度も危ない状態になってしまう・…今回そいつにやられたら、この村は全滅だ・・だから、その魔物を倒して欲しい。お願いだ!」
剣士は溜め息をついて、彼の頭をなでたそして、「分かった。村を守るためなら良いだろう」と言い返した。
「ありがとう!じゃあその魔物の毎年の出現ポイントと、時間を教えておくよ!」
そう言うと、彼は地図と時計を持ってきた。
「出現ポイントは、この村の中心にある井戸、そして、時間は夜中の11時ぐらい・・・・この時間に、この場所にいれば、絶対出てくる!お願いだよ!」
そうして、その間に村の状態を確かめた。全体を見ると、ほとんどの家がボロボロで、住民たちも希望もないじょうたいだ・・剣士は、一度、装備を整えるため、店を回っただけで、後は、夜を待った。
……夜・……
村の搭から鐘が鳴った。その後、「出たぞ〜逃げろ〜〜!」と言う声と、さまざまな悲鳴が聞こえてきた。そして、彼がドアを開けて、息を荒げながら「出た!」と言った。そして、剣士と彼は、ポイントの所に差し掛かると、大きな翼を持つ魔物があらゆる物を破壊し始めていた。
「あいつか?」そう剣士が聞くと、彼はゆっくり頷いた。
「分かった…行って来る!」
そう行って、剣士は剣を構えて魔物へと向かっていった。
「だああああああ!」
剣士の剣は魔物の右の翼を貫いた。いきなりの攻撃で、魔物も悲鳴をあげた。そして、剣士の方に振り向くと、炎を吐き始めた。これには、剣士も太刀打ちできないので、魔物の後ろへ逃げ込むが、魔物の尾の部分が動き、剣士の右脇にヒットした
「ガッ」大きなダメージで剣士がよろめくと、そこに魔物の炎が襲ってきた。
ゴオオという炎の音と共に、剣士の鎧が溶け始める。そして、剣士は右腕に、大きな火傷を負った。
「ぐっ・…この火傷じゃ、剣を扱う事も出来ない」そう思いながら、剣士は魔物から離れ始める。しかし、またもや魔物の尾が右脇を叩いた。その衝撃で、剣士は後ろの家に激突した。
{レベルが…違いすぎる・・…どうすれば…}
すると、だんだんと右腕に負った火傷の痛みが和らいでいくのを感じ、村人の方を見る。すると、彼が呪術を使って剣士の回復役に徹していた。
「剣士さん!回復は任せてください!その間に!早く魔物を!」
剣士の傷が治ると、剣士はまた剣を持ち、魔物に向かって行った。また魔物の炎が来るが、それを前転して避けて、魔物の右足を引き裂いた。そして、魔物がバランスを崩したときに、剣士が剣を振り上げ、魔物の左胸を貫いた。・…勝った・…そう確信したとき、魔物が動き、爪で剣士の背中を引っかいた。そして、魔物が力無く倒れると同時に、剣士も気絶した。


・……………気がつくと、冷たい土の感触で飛び起きた。あたりを見回してみると、家の廃墟が建ち並んでいた。「なぜだ?俺は魔物を倒したはず、」そう考えながら、廃墟を見回ってみると、一つの文字が書いてある岩があった。
《ここに、異世界から来た勇者の絵を残す・・…967年村責任者「レムル」》
「967年!?今は1600年だぞ!なぜだ!」
剣士はハっと思い、岩にある泥を落としてみた。そこには、紛れも無く自分の絵が書いてあった。それを見て、彼は確信した。「俺はこの村の未来を変えて、平和にしたんだ」と…・・そして、ゆっくりと絵を見ているうちに、岩の後ろから、何かのずれる音がした。そこを見てみると、地下に続く階段があった。剣を構えつつ、階段を降りていくと、一つの宝箱と、一つの日記があった。日記を読んでみると、
<剣士さんへ…もう合えないかもしれないけど、これを見つける事が出来たのなら、貴方はきっと未来の人と思います。僕達の村を救ってくれてありがとう・・>
剣士はそれを見た後、宝箱を開けて見た。その中に、聖なる光で輝いてる「篭手」があった。それを手に持つと、またもや声が聞こえた。
「二つ目を手に入れたのですね・・これは『治療の篭手』これを付けていれば、少しずつ、傷の手当てが出来ます。七つの部品は、全て集まると、一つの剣になります…・それまできっと役に立つでしょう…・」
そして、剣士は篭手を腕にはめた。そして、岩に花を添えると、その村を後にした…
2004-03-13 14:27:13公開 / 作者:ニラ
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■作者からのメッセージ
長くなりました…・アドバイスできたらお願いします
この作品に対する感想 - 昇順
『短い』のでこれからは追記するように。前同名投稿作品は削除しておきました。
2004-03-13 17:48:39【☆☆☆☆☆】紅堂幹人【EDP】
計:0点
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