『アイのカタチ』作者:クローズン / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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そんな、こんなことがありえるのだろうか?
心はともかく、体は女のもの。そりゃ、昔っから男っぽかったし、あまり男とか女とか意識しちゃいなかった。
けれど、さすがにこれは予想すらつかなかった。
「前から・・・・・・・、好きだったの。」
「・・・えっ?」
正直、透は何を言われたか解らなかった。というより、理解できなかった。
中学三年の、受験真っ只中。
彼女、長谷川透は、今このとき、同じクラスの女子に告白されたのだった。
もちろん、誰もいない放課後の体育館裏に連れて行かれて。
「す、好き・・・って・・・」
透は、無論これでも女の子。
まさか、おなじ女子から告白を受けるなんて、思いもしなかった。
「もしかして、あれ?レズっていうの?」
透はできるだけ彼女を傷つけないように言った・・・つもりだ。
しかし、それは今の彼女には堪えたらしい。
途端に、彼女は泣き出してしまったのだ。
「あ、いや、えーと、・・・その・・・。」
何をすればいいかわからず、透はただオロオロするばかりだ。
だって、告白というもの自体が初体験だし。
自分だって女だけど、こういうのって、苦手だ。
仕方なく、透は彼女が泣き止むまで、そこに居てやることにした。



彼女の名前は小山恭子。
同じクラスといえど、あまり言葉を交わしたことはなかった。
「・・・ごめん・・・」
先に恭子のほうが謝ってきた。
彼女が泣き止むまでそばに居た透は、成り行きで一緒に帰るとこまでいってしまったのである。
「いいよ、別に、家近いしさ。」
「違う、そうじゃないの。」
言って、恭子は透の前に出た。
「やっぱり、いけないんだよね・・・、女同士だもん・・・・・うん、いいの、今日のことはもう忘れて。」
「えっ。」
「忘れて、お願いよ。誰にも言わないでね。」
それだけ言うと、恭子は走って行ってしまった。
透はただぼーぜんとそれを見送る。
「・・・・・・。」
なんとなく、何もしてあげられなかった自分が悔しかった。




そして、翌日。
透はいつもどうり学校へと赴く。
恭子のことは頭から離れそうになかった。
(まさか、学校休んだりしてない・・・よね・・・)
そんな不安が脳裏をよぎる。
漫画かなんかでよく見るけど、女の子ってこうゆうときは学校をやすんでしまいがち。
その点、透はボーイッシュそのものだから。
学校を休むなんて気は起こりそうもない。
(レズ・・・か・・・)
別に、自分はそれが変だとか、おかしいとは思っちゃいない。
とゆうか、考えたことすらない。
でも、考えたところで、やっぱりピンとくることもないだろうし。
そんなことを考えてたら、いつの間にか学校に着いていた。


2003-09-15 12:04:21公開 / 作者:クローズン
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■作者からのメッセージ
初投稿です。
続き物です。
時間がなくてこうなってしまったらそれまでですが、続きがあります。
よろしくお願いします。
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