『あの夜から〜この夜まで 第二話』作者:おにぎり / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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再度、玄関の方で扉の閉まる音がした。
  パタパタとスリッパが階段をのぼる音がする。
   俺の部屋の前で鳴り止むと、ノックの音と共に扉が開いた。
「アンタに小包よ。」
そう言って、俺のベットにポンと小包を置くと、また階段を降りていった。
「…たく、扉ぐらい閉めていけよ。」
俺はベットからノッソリと立ち上がると、扉を閉める。
そして、ベットの上にある小包を手にとって見る。
大きさはビデオカセットほどで、それなりに重い、揺らすとガコガコと音が鳴る。
「ナンだよ…これ……?」
俺は、まぁ……そりゃ開けてみる。

「…!!」

一本のバタフライナイフだった。
思い出される三日前の夜…あの後の事がまた。


 「なんなのよぉ〜」
今度は本当にふてくされた。
それも可笑しくて笑った俺、ふと…時計に目をやると、もう12時をまわっている。寒いわけだ。
「じゃあ…もう遅いし、帰るか。」
彼女は一言「うん」と言うと、俺たちは原っぱを上がって、道路に出た。
もうだいぶ夜だし、この小さい道路には車は一台もいない。
彼女の家は右方向、俺は左、

「お前を一人でこんな夜中に帰せるかよ!俺が送ってってやるぜ!!」

………んなカッコイイ事を言える俺ではない、適当に
「じゃあな」
と言って一人で帰してしまった。

まず、この時点で俺は、昔の俺をぶち殺したくなる。
何故あの時、送ってやらなかったのか。
俺があの時、送ってやれば彼女は今も俺とずっと一緒にいたのに!!!

……いや、フラれるとかは考えないでの話でね。

その夜、俺は近くのコンビニに寄って帰宅する途中。
ほんの少し、数分後…彼女は、俺の数メートル先で倒れていた。

帰る方向が違うのに、俺の帰宅路に死んでいたのかわからない。
ただ、彼女の背中に一本のナイフが刺さっていた。

そう、俺は彼女の死んでいる所を見ているのだ。ただ、やはり今でも生きてる気がしてならない。


……と、そんな夜だったのだが、何故に俺の所にその時、彼女に刺さっていたモノと同じ形のナイフが送られて来たのか…まったくわからない。

「なんだってんだよ」
送り主を見てみる……予想通り書いちゃいない。
「けど、まァ…良くわかんないけど、ナイフの事を知ってるのって、警察と俺だけ…」
では、なかった。


「犯人だ…!!」
そう、ソイツしかいない!
「ただ…」
何故、こんなことをする必要が?
俺の事を知っている、送り先の名前が俺のフルネーム、彼女を見つけた時にいたのか?

そんな、俺らしからぬ頭を使っている俺。

彼女を殺した凶器と同じモノが目の前にあるのに、自分の今の姿がすこしカッコイイと思ってしまっている。
俺は死んでいい…と言うか何故、彼女より先に死んでないのか、人間にランクをつけるなら、俺が10だとしたら、彼女は100はある。
殺されるなら俺の方がロクな人間じゃないはずだ。

「………んな、ムダな事考えてるヒマがあったら、彼女を殺した犯人探せよっ!!」

自分への声は、部屋に響いて消えていった。

つづく

2004-02-15 11:40:46公開 / 作者:おにぎり
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■作者からのメッセージ
前に言われた事を踏まえたつもりなのですが・・・どうでしょうか?
この作品に対する感想 - 昇順
えっと…利用規約を読んでますか? 連載物の場合、前の連載から編集するようにかかれています。違反報告になっていしまいますよ。
2004-02-15 11:40:24【★★☆☆☆】星月夜 雪渓
↓すみません、パソコンのデータが遅い為に誤解を…。失礼しました。
2004-02-15 11:44:40【★★★★☆】星月夜 雪渓
計:6点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。