- 『christmas tow next white day 雪が降ってきた』作者:葵 琉娃 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
- 全角1810.5文字「christmas tow next white day 雪が降ってきた」
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葵 琉娃
「急げ、こっちだ。」
「メアディー大丈夫か。」
「くそっ!」
「もう少しだ!」
「今日は、息子の誕生日だってのに!」
色々な声を耳にした、怒り、悲しみ、憎しみ、楽しい声。
クリスマスが過ぎて二日、この街は、魔物に襲われている。
寒いのに雪は、降ってもくれない。
「隊長、いっこうに数が減りません。」
「此奴は、朝まで掛かりそうだな。」
今の時間は、朝の二時。夜中の十二時過ぎに敵が発見され、みんなが撃退準備に入った頃敵の攻撃が始まった。
「隊長、前方エネルギー部隊が落とされました!」
「なんだって!まさか…」
「はい。敵は、無限魔隊です。」
「無限魔隊。」
昔聞いた事がある。悪魔が沢山いる軍団らしいが、襲われた街は、全て破壊されている。
「この街も終わりか…」
隊長がそんな弱音を吐いたのを初めて聞いた。
「隊長まだ手は、あります。」
「何があると言うんだ。」
俺は、浮かんだあんを隊長に話してみることにした。
「後方に残っているエネルギー部隊で敵の侵入を防ぎます、後それだけじゃ足りないかもしれないので前方では、魔道部隊で敵を少しずつ削ります。その間に我々魔神殲滅隊が高エネルギー砲を完成させます。」
「…よし、良い案だ。直ちに実行する。」
司令部を離れた俺は、急いでこの作戦を魔神殲滅隊の仲間にしらせなければならない。
「おい、みんな聞いてくれ。」
「なんだ、スノウ。」
「新しい作戦だ、よく聞けよ。これから俺達魔神殲滅隊は、開発途中の高エネルギー砲ルサラスを完成させる。時間は、あまりない。前と後ろで頑張っている仲間達の事を考えて四時までには、完成させるぞ。」
そう言うとみんな急いで持ち場に着き、ルサラスの開発に入った。
「なあ、スノウ。」
「なんだ?コルディ。」
「敵は、どうなってるんだ?」
「あ、そうだったな。無限魔隊だ。」
「まさかっ彼奴等が。」
「ああそのまさかだ。」
コルディには、二歳下の妹が居た。丁度二年前無限魔隊に襲われたとき妹が魔物に殺された。それが許せないコルディは、魔神殲滅隊に入った。
「お前等喋りもそこそこにしな。」
「なんだよリアトリスお前は、向こうの兵器の開発だろ。」
「もう出来たから手伝いに来たのさ。」
リアトリスに続いて出てきたのは、キルタナシスだった。
「もう出来たって、まさか。」
「お前等さっさと行っちまうから言ってなかったが、みんな揃って一台作った方が十倍早いらしい。」
頭の良いリアトリスが言う。
「なるほどな、じゃあ頑張ろうぜ。」
コルディが言う。
「みんな差し入れだよ。」
女の子が言う。
「みんな休憩だ、ありがとうライム。」
「ちょっと小腹が空いていた頃だ。お、ライムの手料理は、いつも美味いな。」
「それ、お母さんが作った奴だけど。私のは、あれ。」
ライムが指を差したのは、俺がライムから受け取った御握りだった。
「ちょっと失敬。」
コルディが俺の持っていたボックスから御握りを取ると一口で平らげて。
「ホントうまいっす。」
「あ、ありがとう。じゃあ私行くね魔物退治頑張ってね。」
「ああ任せておけ。」
それから少したってから作業を再開した、ふと時計を見れば三時五十分だった。
予定通り十台出来た、出来ていった物から外に出されて行ったがこれが最後の一台だ。
「さあ決着を付けよう。」
工場から出て辺りを見渡してみると戦況は、圧倒的にこちらが上回っている。
「じゃあ此奴を中央広場まで運んでくれ。」
輸送兵に頼んで司令部へ戻る。
「よくやってくれた。」
「いえみんなの協力と隊長の判断の御陰です。」
「でわ、魔物殲滅作戦終幕に入るか。」
その合図と共にルサラスの攻撃が一斉に始まった、他の魔道部隊やエネルギー部隊の攻撃と共に無限魔隊を殲滅していった。
「終わったな。」
「そうですね。」
「見ろ、あれ。」
誰かがそんな事を言う。俺と隊長が指令部の外にでる。
「終わりを告げる、白い鳩の役割かな。」
隊長が言う。
「そうですね、久しぶりですね。」
そう、周り一面に白い、
「雪が降ってきた。」 - 2004-02-07 23:17:54公開 / 作者:葵 琉娃
■この作品の著作権は葵 琉娃さんにあります。無断転載は禁止です。 - ■作者からのメッセージ
どうも、お初の葵 琉娃です。
今回は、短編を書かせていただきました。
魔物戦争の終結を告げる雪をイメージに描いてみました。
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