『alone』作者:レボリューション Y 田中 / AE - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
予備校時代を思い出しながら描きました。
全角1213文字
容量2426 bytes
原稿用紙約3.03枚
胸に電流が走ったような痛みが走る。俺は病気に侵されていた。一日一回のその感覚が徐々に蝕むその事実を示していた。普段は予備校に通い何気ない日々を過ごしている。予備校のチューターさんは決まりきった挨拶を返し俺の一日は始まる。でも予備校では友達を作っていなかった。「let alone まして〜」
単語帳を開いて脳内で口ずさみながら俺は心底この予備校生活に飽き飽きとしていた。早く大学に行きたいなあ、と何度考えたことか。
 
 俺の部屋には相棒みたいなやつがいる。名前は「化物」。というか俺が命名しただけなのだが。目は数百を数え、体は竜で人間大。太い尻尾をいつも床に寝そべらしたり、床にたたきつけたりしている。背中には朽ち果てたような翼が四つついている。そいつは竜に似ているが、本当は悪魔だと思っている。俺が憂鬱な時俺の部屋にボーと現れては床にどっかりと腰を据えている。
 
 「さようなら」
いつもの予備校のチューターが決まりきった挨拶をする。俺は彼女、つまりそのチューターに好意を抱いていた。いつも白のフリースの上から黒のスーツを着て、足は黒のタイツに足がぴちぴちなぐらいに見える黒のスカートをはいている。周りの男のチューターが俺に何気ない返事を返す中彼女の挨拶だけは決まりきったものであろうと、いつも笑顔でまるで俺に人間的興味を抱いているかのようだった。塾から出ると俺は彼女の太ももあたりの足について考えていた。いつもきれいだなあと。駅に入ると帰りの電車がいつも通り停車している。
 「福永」と書かれた名札を付けた駅員が電車の最後部で大きな声で「ヨシッ」と何度も確認をとっている。近くの高校生の四人組が声をあげて笑っていた。俺もニヤッとしてしまう。
   
 家に着くと階段を上がる。真黒な闇のんかひときわ黒い何かがいた、「化物」だ。こいつさえいなければといつも思う。だが、消そうとしてもなぜか存在するそいつは、俺と運命を共にしたいらしい。
 就寝時間に俺はまた溜息をつく。
「痛むんだよなあ」
 と一言言って、 とっとと布団にもぐりこんだ。
 いいことをもっと考えよう。またあいつが現れる。
 俺は予備校の俺が好意を抱いているチューターを考えた。あの一人だ。黒いスカートで、細身を覆い、こつこつと黒のハイヒールを鳴らす彼女で俺はエクスタシーに達した。
「まずは、友達を作らなきゃいけないのに、チューターを愛してしまうとは」
と独り言ちた。
  
 眠りが深まったとき胸に痛みがはしった。未明である。いつも未明にこうやって胸が痛み不快な思いを続けるのだ。おれは「化物」をにらんだ。机の上に転がっていたシャープペンシルをさらうと、その勢いで俺は「化物」に襲い掛かった。
 鈍い痛みが俺の手に走った。俺は自分で自分の手を射止めいていた。
 「くそっ」
 そう吐き捨てると俺は悲しみの底に沈んだ。
2015-02-12 18:26:11公開 / 作者:レボリューション Y 田中
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■作者からのメッセージ
この作品に対する感想 - 昇順
 作品を読ませていただきました。
 思ったのですが、貴方はこの作品を、読み手にどのような形で味わってもらおうと考えてお書きになったのでしょうか。好奇心というか何というか……それだけが気になりました。貴方は、別の誰かがこの作品を書いていたとして、読んで感想を書こうと思えるのでしょうか。
 最後まできちんと読めずに感想を残す無礼をお許しください。普段は読めなかったものには感想をつけないようにしているのですが……本当にごめんなさい。僕にはこの作品は合いませんでした。
 以上で感想返しとさせていただきます。ピンク色伯爵でした。
2015-02-22 20:40:27【☆☆☆☆☆】ピンク色伯爵
ピンク色伯爵様、ありがとうございました。軽率にも勢いで書いた小説を投稿してしまい、後の祭りだったというところです。次からは慎重を期して投稿したいと思います。
2015-02-24 19:16:17【☆☆☆☆☆】レボリューション Y 田中
計:0点
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