『消えたクリスマス』作者:きいろ / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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原稿用紙約6.54枚


今日は12月21日町はすっかり、クリスマスムードだ!!


「あ〜面白くねぇ〜」


そんな華やかなムードとは打って変わり、町の広場に飾られたツリーを睨みつける少女が一人。

この少女の名前は佐奈、ゴク普通の中学生である


「クリスマスなんてキライだ〜!!なんで私だけ一人なんだよ!!」


ちょうど1年前のクリスマス、親が交通事故で死に親戚に預けられた佐奈は
クリスマスが大嫌いになっていた


「あぁ〜クリスマスなんかなくなればいいのに〜」


佐奈がそう言ったときだった









「なくしたい?クリスマスを?」


佐奈が声の方を振り返ると、黒いマントみたいなものを被った髪の長い女の占い師が立っていた。


「・・・・・え!?・・なくせるものならなくしたいよ!?」


佐奈が少し驚き笑いながら言うと、占い師は佐奈に小さな箱を渡した


「この箱をツリーの近くで開けてごらん?あなたの願いがかなうから・・・」


「え〜そんなまさか〜・・・・」


少し箱を眺め、占い師のほうを振り返ると占い師はもうその場にいなかった


「・・・・・・・ありえないと思うけどとりあえず開けてみようかな」


そう言うと佐奈は箱を持ってツリーの近くへ行って、箱を開けた

その瞬間、物凄い光が箱から飛び出した


「うわっ!!」


あまりのまぶしさに佐奈は思わず目を閉じた




「・・・・。何だったんだって、ええ!?」


佐奈は目を疑った街中がほんのさっきまでクリスマス一色だったのに、正月に変わっていたのだから


「えぇ!?なにこれ??どうなってんの??」


佐奈が後ろを振り返ると、さっきまであったはずのツリーが鏡もちにかわっている


「ええ!?」


向こうにあったクリスマスの特売セールもお正月の特売セールに

サンタの置物も羽子板をもったおかっぱの女の子の人形になっている


「ほんとにクリスマスが消えちゃった・・・・・」


その場にぼーぜんと立ち尽くしていると後ろからポンポンと誰かが佐奈をたたいた


「ユーコ!!」


「ヤッホゥ!!佐奈!!こんなとこでなにやってんの?」


それは幼なじみの裕子だった


「ユーコどうしよう!!私クリスマスを消しちゃった!!」


佐奈が裕子にしがみ付きながら言うと、裕子はポカンとした表情で言った


「なにそのくりすまっすって??」


「わあああ!?なんか知らんが発音まで忘れられてる!?」


「なに一人で騒いでんの?」











「ふ〜ん占い師にもらった箱をねぇ、でもさ別にいいんじゃないの?佐奈イヤだったんでしょ?
なんだっけ?えーとそうそう!!くりっすまって!!」


「クリスマスだよ!!でもさ〜やっぱし自分のせいで消えたのはなんか嫌な感じだし・・・」


「でもさ、戻すにしてもどうすればいいわけ?」


裕子が言うと、佐奈はそういえば!!というような表情をした


「思いつくのは、その占い師を探し出して元に戻してもらうことだよね〜つーかそれ以外
 考え付かないし・・・・」


遠くを眺めるように佐奈はいった


「でもドコにいるんだろう・・・・」


力なくつぶやくと、裕子は


「なに探す前から、弱気になってんの!!ほら私も手伝うから、佐奈は向こう私はあっち!!
 手分けして探せば見つかるよ」


「そうだね・・・よし!!がんばろう!!」









2時間後(in公園)







「・・・・見つかった?」


「いいや・・・・」


二人は2時間探し回ったが一向に見つからない様子


「あ〜どうしよ〜」


佐奈がそういってベンチにドサッと座った、その拍子に何かがポケットからパサッと落ちた


「なにこれ?」


裕子がそれを拾い上げた、それは小さなサンタの形をしたキャンドルだった


「これってもしかして佐奈のいうくっすま(クリスマスと言ってるつもり)の?」


「え?うんそう・・(くっすま?;)」


そう言うとなぜか佐奈はうつむいてしまった


「・・・・もしかしてさ、佐奈本当はくっすまをしたかったんじゃない?」


「え!?そ・そんなわけないじゃん!!だってクリスマスは私の親のっ・・・・・・」


すべてを言い終わる前に話を止めた、口ではこう言ってるけど本当は裕子の言うとおりだった、

クリスマスを本当はしたかった、去年もしたかった・・・両親と・・・・


「・・・・・・・・・。」


佐奈は黙りこくってしまった


「・・・・・そうだ!!やろうよ!!二人でくっすまを!!」


いきなりひらめいたように裕子が叫んだ


「え?でもどうやって」


「コレ!!」


そういって佐奈に見せたのはさっきのキャンドルだった



「これだけでも雰囲気くらいでるんじゃない?」


裕子は近くにあったもみの木の近くへ行きキャンドルに火をつけた

キャンドルの炎は二人を黄金色に照らした


「へ〜いいもんだね、くりすまも、ね、佐奈!!」


裕子が励ましてくれてるように言った、何気ない言葉だったけど佐奈は嬉しかった

心があったまるようだった

佐奈の頬を一筋の涙が流れ落ち、キャンドルにかかった




その瞬間またあのまぶしい光が放たれた、2人が目を開けると後ろのもみの木は
キレイなツリーに戻っていて、なにもかももとに戻っていた。







おまけ

「わあああ!!戻ってる!!やったぁ♪\(>∀<)/」

「佐奈!!私もくっすま思い出したよ!!(●^▽^●)」

「(発音は戻ってない!???(@□@;))」

2003-12-19 14:29:26公開 / 作者:きいろ
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■作者からのメッセージ
クリスマスもうすぐですね!!
この作品に対する感想 - 昇順
拝見させていただきました。少し思った事を言わせていただきますね。最後のおまけの顔文字は使わない方が良いと思います。行間が開き過ぎて見にくいということも少し思いました。次回作に期待します。
2003-12-19 17:18:26【☆☆☆☆☆】木村
うん、なかなかよくまとまった話だったと思う。どうしてもクリスマスの発音を言えない友人など、たいへん非日常に対するリアリティを考える作者さんであることがうかがえる。これは小説を書く人にとって大変大切なセンスのひとつで、出来る人は誰から教えてもらわなくても出来るし、出来ない人は何十年書きつづけても出来ない。作者さんはその点に関しては自信を持っていいと思う。なにより、ベタな展開ではあるが面白く読めた。句読点「。」「、」を正確に打つ、余計な空白行は避けるなどしたら、更にいろんな人に読んで貰い易くなるのではないだろうか。次回作も期待。
2003-12-19 21:04:35【☆☆☆☆☆】くるみぱんチップ
クリスマスが無くなるという設定と友人が正しく発音できないという点はとても面白い。この発想は凄いです。でも所々に無理のある展開と不自然な台詞があって気になります。あとは他の方の指摘と同じなので省略。この面白い話に文章力が加われば傑作になると思います。
2003-12-21 03:24:42【★★★★☆】taku
友人が面白いですね(笑
2003-12-23 18:13:49【★★★★☆】はるか
計:8点
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