『省エネ』作者:スピンナ / V[g*2 - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
全角460文字
容量920 bytes
原稿用紙約1.15枚
閑静な住宅街の一角にその家はあった。
「何だ、また廊下の電気をつけっぱなしじゃないか」
男は、電気を切って、リビングに入った。
「あら、あなた、お帰り」
「ただいま」
男はネクタイをゆるめ、カバンを置いた。
「電気、またついてたぞ」
「あら、ごめんなさい」
「気をつけてくれよ、電気は高いんだから」
「そうね、エネルギーがこんなに貴重なんて、子供の頃は考えもしなかったわ」
「そうだな、大切なことは後になって気がつくものだな」
ビールをグラスにつぎ、乾杯をした。
「今日までお疲れ様」
「お前のおかげだよ」
二人は夕食を済ませ、風呂に入った後、二回に上がる。
部屋に入ると、人が入れるほどの大きさのカプセルが二台置いてある。
「じゃあ、電気を消そうか」
「そうね。こんど会うときは二年後になるわ」
「そうだな。しかし、いくら省エネと言っても、冬眠までしなければいけないなんて」
「仕方ないわよ、冬眠法が成立しちゃったんだから」
二人は、それぞれカプセルに入ると、眠りについた。
2013-03-29 09:32:29公開 / 作者:スピンナ
■この作品の著作権はスピンナさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
この作品に対する感想 - 昇順
感想記事の投稿は現在ありません。
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。