- 『動物園』作者:スピンナ / V[g*2 - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
- 全角489文字その星は、高層ビルで覆われていた。
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原稿用紙約1.22枚
自然のままの風景は、ほとんどない。
動物は次々に絶滅していき、数少ない種がこの星の唯一の動物園では見られるのだ。
子連れの夫婦が、たまの休みにその動物園にやって来た。
「見てみろ。あれがキリンだ」
父が言う。
「ほんとだ。首が長いね」
子供は初めて見るキリンに興奮している。
「かわいいわね」
「見てみろ。あれがゾウだ」
「ほんとだ。耳が大きいね」
子供は初めて見るゾウに興奮している。。
「かわいいわね」
その動物の前では人だかりができていた。
「見てみろ、この動物は凶暴だぞ」
父が子供を肩車して言う。
「何か、僕たちに似てるね」
「そうだな、もともとはこいつらがこの星を支配していたんだ」
「へぇ。何で動物園にいるの」
「昔は、私たちのことを知能向上の研究の実験台にしていたんだが、やがて知能が上がると、
私たちが逆に研究の実験台にするようになったんだ」
「あなた、そろそろ帰りましょうか」
「そうだな」
猿の家族は、三人で手を繋いで動物園を後にした。 - 2013-03-07 18:26:05公開 / 作者:スピンナ
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面白いです。いつかこんな時代が来るのでしょうかw
2013-03-08 12:43:05【★★★★☆】先駆 回サンキュ!!2013-03-08 19:51:08【☆☆☆☆☆】スピンナ某SF映画を思い出しました。皮肉で書いたのでしょうか? だとしてら素晴らしい、最高の皮肉です。
短い作品ながら、ニヤリとさせてもらいました。2013-03-10 02:08:31【☆☆☆☆☆】コーヒーCUPそれもありますよ。サンキュ!!2013-03-10 15:12:01【☆☆☆☆☆】スピンナ計:4点 - お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。