『未来家族』作者:スピンナ / V[g*2 - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
一見すると普通の家族だが、実は未来家族。
全角614文字
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原稿用紙約1.54枚

「早く起きなさい」
母は、カーテンを開けながら娘の美紀に言った。
「もうちょっとだけ」
美紀は布団をかぶろうとすると母は
「ダメ。朝ご飯を食べる時間がなくなっちゃうわよ」
と、布団をはがす。
「う〜ん」
美紀は眠い目をこすりながら布団を出た。

テールブルの上には、朝には似つかわしい豪勢な料理が並んでいる。
母は調理師学校に通っていたらしく、料理の腕前はなかなかのものである。
「おはよう。学校の方はどうなんだ。ちゃんと勉強してるのか」
父が茶碗を片手に聞いてきた。
「いちよう」
美紀はそっけなく答えて、お茶を一口。
「お父さんこそどうなのよ、仕事」
「最近は証券も厳しくてな。どの銘柄が安全なのかわからん」
「ふ〜ん」
美紀には全く興味のもてない話だった。
「あっ、そろそろ時間だ」
「あなた、今日も一日がんばってくださいね」
「いってらっしゃ〜い」と、美紀。
「行ってきます」
父はテーブルの上に置かれた液晶の画面の中から消えていった。

そう、何を隠そうこの一家の大黒柱はネットの世界にしか存在しないのである。
時代は進んだもので、人工知能の発達により、効率よく金を回し、利益を出せるように
なったのである。

「お父さん仕事大変そうだね」
と、美紀が言うと、母は
「そんなことないわよ。だって右から左にお金を流してるだけなんだから」
と返した。
2013-01-14 20:27:23公開 / 作者:スピンナ
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この作品に対する感想 - 昇順
初めまして。
中高生にありがちな言葉の間違いを表現しているのか、本気で間違えているのか判断が難しい……
とりあえずそこは置いておいて、一度 http://gallebasra.sakura.ne.jp/p_novel_01.html に目を通してみてはいかがでしょうか。

話や雰囲気は個人的に好きです。星新一さんを参考にされているのでしょうか(違ったらすみません)。
冒頭にある母が娘を起こす場面が最初は蛇足に感じたのですが、ごく普通の家庭でよくある場面を書くことでオチがより際立っているのかなとも思いました。
2013-01-15 18:17:34【☆☆☆☆☆】先駆 回
読んでいただいて本当にありがとうございます。
2013-01-16 19:48:27【☆☆☆☆☆】スピンナ
計:0点
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