『墓参り』作者:るん / t@^W[ - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
村に住む少年、トキは孤児であった。トキの両親は誕生日の日に失踪し、村からいなくなってしまったのだ。両親は「二人はこの村からいなくなった。それは村の人々を守る神々からの御加護を受けなくなったも同然である。残念だが二人は死んだことにしよう」と言う村長の決定により、誕生日に死んだことにされた。親がいなくても色んな人に助けてもらって生きていたトキは、ある日不思議な少年に出会い村の秘密を知る―――。
全角14523文字
容量29046 bytes
原稿用紙約36.31枚
「父さん、母さん、今日もまた一日が始まりました。今日という日を大切に生き、そして無事にここに戻ってきます」
 トキは家の近くに生えていた小さな白い花を二つ、墓前の前に置き、暫く手を合わせた。数秒経って、風が大きく横切った時に目を開け、そっとその場から離れた。

 この行為は随分前から行っている。父母が死んだのは僕が十歳の時のことだった。その日は丁度僕の誕生日で、家に着く頃は父母達の仕事が片付いているだろうと、胸を高鳴らせて早足で帰った。ドアを開け、勢い良く飛び込むとそこには誰もいなかった。あれ?と思って家の中を探し回ったけれど、誰も居なかった。夜まで待っても、朝まで待っても、父さんと母さんは帰ってこなかった。そのことを近所のおばさんに伝えると、おばさんは駆け足で村長の所に行き、そのことを伝えた。その間も僕は村中を駆け回って、父さんと母さんを呼んだけれど、村の人々が僕を訝しく見るだけで、どこからも返事は無かった。
 数日経っても父母は帰ってこなかった。村長が「二人はこの村からいなくなった。それは村の人々を守る神々からの御加護を受けなくなったも同然である。残念だが二人は死んだことにしよう」と言った。村の人々はその考えに頷き、結局僕の誕生日に死んだことにされた。

 今は一人暮らしをしている。近所のおばさんが家に来ないかと言ったのだけれど、丁寧に断った。父母が死んだ家にはさすがに住んでいないけど、そこから遠くはない青々しい草原の中にぽつんとある小さな家に住んでいる。
 おばさんは断ったあと、毎日家に来てくれるようになった。ご飯も毎日作って来てくれた。あとおばさんの家にいる同い年のパリッカもおばさんにいつもくっ付いてきて僕とよく遊んだりするようになった。だから、父母がいないから悲観になることはないし、寂しくなることもないのだ。
 墓から家へはそう遠くない。墓は山の下方にある小さな湖、大きな水溜りのような、浅い青い水に囲まれた真ん中にぽつんと日の光を浴びてある。村の人達が父母の為に特別に作ったそうだ。その墓の周りは木が無くて、僕にはまるで神聖な場所に見えた。だからいつも行くときは身なりをきちんとして、姿勢を正して入るのだ。

 朝日に目を細めながら家へ帰ると、長い髪を二つに分けているパリッカがテーブルに着いていた。その横には朝食を作っているおばさんが居て、ドアの音に反応してこちらを向いた。
「おはよう! トキ!」
「おはよう、パリッカ、おばさん」
「おはようトキ。もうすぐでご飯出来るからね」
 おばさんはにこにこと明るく笑いながら楽しそうに準備をしている。パリッカは下の方で髪を括り終え、満足そうに手鏡で何度も見て、こちらに目をやった。
「どう?」
「うん。上手く分けれてるよ」
「そっか。良かった!」
 ちょっと照れたように笑って、パリッカは手鏡をポケットの中に閉まった。パリッカはいつも鏡を持っていて、学校でもよく鏡を除いている。
「そういえば、今日は学校が無い日よね?」
「そうだよ。おばさん」
「ねえトキ! 私と一緒に山へ行かない?」
 パリッカは今日が休みだということを忘れていたのか、その話を聞いて目を輝かし、椅子から降りてこちらへ駆け寄ってきて、腕の裾をぐいぐいと引っ張った。おばさんはそれを嗜める様に「パリッカ」と強く言った。パリッカは渋々というように手を放し、唸り声を上げて頭を垂れた。
「ねえトキ。本当に申し訳ないのだけれど、今日おばさんね、ご近所さんと隣村に遊びに行こうと思ってるの」
 おばさんは眉を下げ、こう言った。
「断ったんだけれど、強く言われて、断るに断れなくてね……。本当にごめんなさい。トキとパリッカには悪いんだけれど、今日一日だけお留守番してくれないかしら。帰るのは夜遅くになりそうなの」
 トキはおばさんが今の今まで隣村に行くとか、遊び歩いていることを知らないので、たまには息抜きをして欲しいと思い、
「行って来なよ。僕がパリッカの面倒を責任持って見るから」と深く望んで言うとおばさんはそれが伝わったのか「ありがとう」と言い、それからパリッカを見て、パリッカがこくこくと頷いているのを見ると朝食を机に並べ家を出て行った。おばさんは扉が閉まるまでこちらをじっと見ていた。
「ねえトキ。さっきの発言、ちょっと違うんじゃないの」
「何が?」
「僕がパリッカの面倒を見ます〜って言ってたこと!」
 パリッカは怒りながら僕を睨みつけ、椅子に座ると朝食をばくばくと食べ始めた。
「何が違うんだよ」
「何がって、私が面倒を見る側だもん!」
「あー」
 パリッカの言いたいことが分かって、僕は気の抜けた返事をした。パリッカは子ども扱いされたのに腹が立っているようだ。僕は朝食に出ていたパリッカの好きな赤い果実をそっと皿に置いてやった。パリッカはそれを凝視して、僕の方は見ずに無言でそれにむしゃぶりついた。その赤い果実は僕の家の横に植わっている木に実っている果物で、ザクロと言う。
「ねえ、トキ。さっきのことなんだけど」
「……ごめん」
「違うわよ!」
 先程の事をまだ怒っているんだなと思って謝るとパリッカは素っ頓狂な声をあげた。
「ほら、さっきの森の探索に行こうって話しよ」
「ああ……」
「ね、いつもお母さんに禁止されてるとこに行こうよ」
 パリッカは悪者のようににやにやと笑った。
 おばさんに禁止された場所とは、父母の墓前から少し奥に行った所だった。そこには村を守る神々が住む場所とされ、誰も近づいてはならないのだ。その言いつけを破った者は酷い仕打ちを受けると言われている。おばさんはその話をする時だけは鬼のように怖い顔をしていて、パリッカも僕もだんまりとそれを大人しく聞くのだ。
 でもそんなに厳守されているとなれば気になる。見て見たいと思うのが人間だ。パリッカは今大人の監視が無くなって、村の秘密を覗きたくなっているのだ。
「ダメだよ。おばさんに言われてるんだから」
「お母さんがいないからこそ行くんでしょ。お父さんは違う遠い村で働いているし、今なら皆外を出歩かない時間だし」
 パリッカが言うように、今は朝早い。ようやく朝日が出てきた所だし、何より早起きをする母親達はもうこの村を出ている頃だろう。おばさんが急いで家を出て行ったことから、約束の時間までもうすぐだったのだろう。大人の男達は昨日きつい肉体労働をしていたので、起きるのは昼ぐらいになるだろうし。子供達は親に言われて僕の家の周りへは来ない。行ってはならない領域の近くだからだ。
 パリッカは僕が行かないと決め付けたのか、ふんと鼻を鳴らすと僕の家に置いてある人形で遊び始めた。その人形はパリッカのおばさんが昔にくれたもので、男の子と女の子二人がにっこりと笑っているものだ。パリッカはそれで遊んでいたのだが、暇になったのかすぐにそれを元にあった場所に戻した。そしてこちらをぼんやりと見て、はっと閃いた顔をした。
「私、トキのお母さんとお父さんのお墓参りしたい」
「急にどうしたの?」
「だって、私最近行ってないもの。偶には行きたいわ」
 パリッカは墓にはちょくちょく一緒に着いて来た。いつも綺麗と言って水溜りの様な池の周りをぐるぐる歩いていた。そして持ってきた花を墓前に置くのだ。僕が手を合わせている間は真似っこのようにパリッカも手を合わす。それで直ぐには帰らず、パリッカはその後も小さな池の水を眺め、飽きた頃にようやく帰るのだ。
「じゃあ、行こうか」
「うん!」
 パリッカは元気良く返事をし、家の外に飛び出し、木の下に落ちてあったザクロを手に取ると「今日はこれをあげよう」とにこにこ言っていた。僕は花以外にあげたことがなかったので、果物のほうが父さんと母さんは喜ぶかなあと思った。
 外は乾いた風が吹いていて、草原を力強く揺らしていた

 僕の家から墓までは一本道で、草原の中にひっそりとある。パリッカはこの道が嫌いだと言っていた。寂しい、活気が無い、からだそうだ。道に活気なんてあるの? 聞くと、あるよ、と自信に満ち溢れて言い「私の家の前の道は皆がおしゃべりしながら楽しそうに歩くけど、ここは静かで誰も歩かないから」と僕の方を見ないで言った。僕は毎日歩いているし、パリッカも偶には歩くだろう、と聞き返すと、パリッカはそれは用があるからよ、と地面と睨めっこしながらぽつりと言った。
 パリッカには言っていないが僕はこの道が大好きだった。誰の気配も感じない代わりに、自然の音がよく聞こえるからだ。耳を澄まさないでも聞こえる草のざわざわとさざめいている音。森から聞こえる動物の声。人がいる方に行くと全く聞こえなくなるので、僕は此処が重要な場所だと思っている。
「ねえトキ。ザクロ、ちょっと食べていい?」
「何言ってるんだよ。お供え物だろ? 綺麗なものを渡さなくちゃ」
「ええー。でも、ちょっとくらいいいじゃないの」
「だめ」
 僕が言い聞かせるようにして言うと、パリッカは諦めたようだった。パリッカは素直で聞き分けの良い子なので、約束を破ったりはしない。だから僕は安心してパリッカから目を放し、墓のある森へと目を向けた。墓がある部分だけぽっかりと穴が開いているので見つけやすい。
 その場所から少し奥を見る。おばさんから行くなと禁止されている場所だ。特に何かあるわけでもなく、周りと同じように木が覆っている。
 何があるのだろう。パリッカと同じように、気になることは気になるのだ。でも、おばさんの言いつけを破ってまでは見ようとは思わない。
「今日は風が強いね」
 パリッカは強風に髪を乱れさせながらそう言った。
 確かに今日は一段と風が強い。森の緑が横に傾いている。人間をよろけさせるほどの力は無いが、物を飛ばすのには充分だ。何か飛んでくる可能性もあると判断し、周りに目をやりながら慎重に行くことに決めた。パリッカは目を細め、僕の腕を掴んで歩き始めた。
 数分歩いて、森の中に入ろうとしたときだった。今まで体験したことの無いほどの風が僕達を襲った。
「きゃあ!」
 パリッカはよろめき、尻を思い切り地につけた。腕を掴まれていた僕もパリッカがこけたことにより巻き添えを食らい、どすんと尻餅をついた。
「痛い……」
 尻の痛みに呻くと、パリッカはこちらを向いて状態を把握した後、申し訳なさそうに眉を下げた。
「ごめんね、トキ……」
「いや、いいよ。大丈夫だから。それよりパリッカは大丈夫?」
「うん、平気! でも、ザクロ、ちょっと潰れちゃった……」
 見るとパリッカの手はザクロの液体でべたべたになっていた。木から落ちてくるザクロは、落ちた衝撃で真っ二つになっていたので、パリッカが尻餅をついた時に強く握り締めてしまい、中にある沢山の実を潰してしまったのだろう。
 パリッカは手から滴り落ちる赤い液体をもったいなさそうに見ている。
「汚くなっちゃったけど、お供えしていいかな……」
 パリッカはそろそろと僕の様子を窺いながら泣きそうな顔で、ごめんね、と何度も謝った。僕はふるふると首を振りながら立ち上がると、パリッカの腕をとって起き上がらせた。
「これは不幸な事故だったから、きっと許してくれるよ」
 これはしょうがないことだろう。わざとじゃないんだし、怒ることはない。だから責めるべきではない。パリッカに微笑むと、パリッカはぽかんと口を開け、きらきらと目を輝かした。
「……うん!」
 パリッカは花が開いたように満面の笑みになって、墓まで走り出した。慌てて僕もその後を走り、その時にじんじんと尻が痛み出したので、目の前のパリッカに思わず目をやった。だがパリッカは痛みなんてもう吹き飛んでいるようだ。足の速いパリッカは生き生きと走っている。
 墓について、パリッカは急に真面目な面持ちになって、小さな池の中にある大きな石を渡って墓前へと音も無く歩いた。墓の前でざくろを両手に持ちかえ、そっと墓前に置いた。赤い汁がその間も手の隙間から落ちていたが、パリッカは気にしていないのか、気付いてないのか、落ちる果汁に目もくれなかった。パリッカは合掌をしてからこちらに来て、トキはしないの? と聞いた。
「朝もやったんだけどね。もう一度しておこうかな」
 そう言うとパリッカはまた池の周りを歩き出し、その間に僕は朝から今までの出来事を話し終え、墓から離れた。
 帰ろうか、と言おうとしたところで、口を噤んだ。パリッカが禁止されている場所をじっと眺めていたからだ。
 そろりと気付かれずにパリッカの背後に立ち、パリッカが見ている方向に目をやる。いつも霧で立ち込めているの場所が、強い風のせいかはっきりと見えた。ぼんやりとだが、ここから遠い場所に何か小さな、僕の膝くらいまである石のようなものが立っているのが見えた。それが何個もばらばらにあり、僕はぶるりと震えた。
「……トキ」
 パリッカがこちらを向かずに僕を呼んだ。僕はその声にもびくりと体を震わし、さっとパリッカを見るとパリッカも震えていた。
「……何?」
「早く、帰ろう」
「うん……」
 パリッカは静かにそう告げた。僕も大人しくそれに頷き、パリッカが手を握ってきたので、それに応えるように握り返した。
 帰りはずっと無言で、パリッカは無表情で、僕は嫌な気持ちで家路に着いたのだった。
 まだ夕方だというのに家に帰ってそのまま直ぐに寝た。パリッカも僕のベッドに潜り込んで、一緒に寝た。

 朝起きると一階から美味しそうな匂いが漂ってきて、おばさんが帰って来たんだとわかるとどっと安心した。窓からは明るい光が差し込んでいて、隣にはパリッカがいる。それが嬉しくてまだ寝ているパリッカの手を握ると、べたついていた。

 階下に降りると、僕はそのままテーブルへと一直線に向かった。パリッカはザクロの果汁で汚れていることを知るとすぐさま手を洗いに行った。僕は赤く染まる掌を暫く眺め続けた。
 昨日はとてつもなく大切なものを見てしまった。あれが何かはわからなかったが、でも、きっとこの村の重要なものに違いない。あそこは村の掟で禁止されている場所だから。
 忘れたほうがいい。僕が最終的に決めた結果がこれだった。あれは僕が見るべきではなかった筈だ。だから、忘れる。何日も掛かるだろうけれど、それが最善の策だ。
 気持ちを入れ替える為に一先ず手を洗おうとしたとき、おばさんがこちらを見ていることに気がついた。
「な、何?」
「ううん。何でもないのよ。ただ、昨日何してたのかなって思ってね」
「え、き、昨日? パリッカと墓参りして、それから寝ただけだよ」
 僕は無意識のうちに赤い手を背に隠していた。じんわりと掌が汗で滲む。
「そう……」
「む、村で何かあったの?」
「何も、ないわ。何でそう、聞くのかしら?」
 今度はおばさんがたじろぐ番だった。いつもと様子の違うおばさんに僕は不快な気分になった。
「別に……。特に意味はないよ」
「……そう。ねえ、今日は学校がある日よね? 早く墓参りをして行かないと、遅刻しちゃうわよ」
「うん……」
 急に明るい態度になって、おばさんは白々しい笑顔で僕に朝食を差し出した。それを受け取って、僕は汚れた手を使わないようにして食べ切った。食べ終えると同時に洗面所に駆け込み、手をごしごしと痛くなるほどに洗った。パリッカはまだ洗面所にいて、僕の手が洗い終わると「ねえ」と話しかけてきた。
「どうしたの?」
「昨日のこと、お母さんに言う?」
「言わない」
 反射的に答えた。パリッカもうん、と頷き下を向いた。
 僕もパリッカも、あの場所にはもう近づいたことを大人に知られたくないのだ。禁止されている場所をわざとではないとは言え、見てしまったのだから。
 考えないようにしようと決めた途端に、こうも直ぐに思い出してしまった。嫌になって、僕はパリッカを置いて家を飛び出した。
 いつもは軽い足取りが重かった。墓まで続く一本道も、いつもは楽しいのに全く楽しくなかった。空も曇っていて、なんだか陰鬱としている。
 いつもならもうとっくに着いているはずの時間に、今日はまだ墓の数十メートル前にいた。これでは学校に遅刻してしまう。僕は全力で走り出した。
 次第に息が荒くなって、目を瞑って思い切り最後のラストスパートを走った。木の陰が無くなって、目を瞑ったままでも視界が明るくなったのがわかる。雲の合間から太陽が顔を覗かせたのだ。そっと目を開けると、墓前に黒い影があった。暗がりから明るい場所に出たのもあって、目が眩み、その人物が誰なのかはわからない。目をぎゅっと瞑り、明るさに慣れるのを待った。
 父母の墓には僕とパリッカ以外には誰も来ない。では、誰? 明るさに慣れてきた目を開けると、そこには見たことのない男の子が墓前の前で立っていた。髪も、服も、全てが真っ黒だった。
「やあ」
 男の子は僕の気配に気がつくと、振り返り軽い挨拶をしてきた。男の子の口から赤い液体が零れていて、僕はびっくりして、少し後退ると男の子はくすりと笑った。
「ごめん、ごめん。これはザクロの汁だよ。血と思った?」
 男の子は冗談を言って、親指でその赤い液体、ザクロの汁を拭った。
「だ、れ?」
「誰って言われても、ここに住んでいる者さ」
 男の子はぐるりと一回転して、こちらに向き直った。
「それ……」
「ああ。お供えしてあったから食べちゃった」と男の子はさも当然かのように言った。
 僕は男の子の手にあるザクロを指差したまま「それは僕の父さんと母さんにあげたものだ」ときつく言った。
 男の子はザクロと僕をちらちらと見比べ、ザクロを豪快に食べ始めた。
「な! 何してるんだ!」
「何って、食べてるのさ」
「それは父さんと母さんのものだ!」
「いやいや……。それはイコール僕のものになるんだよ。ううん。ちょっと語弊があるのかな?」
 男の子は赤く染まった唇を歪めて僕をちらと見た。僕は腸が煮えくり返っていて、男の子の方へずんずんと近づいた。
「返せっていってるだろ!?」
 男の子からもうほとんど実の無いザクロをひったくると、男の子は急に怒った顔つきになった。
「返せ、は私が言う側だ。何故僕と同じ立場でもないお前に言われなくてはならない? どうしておまえが私に命令をするんだ」
 今まで誰にも向けられたことのない、殺意に満ちた顔だった。怖くなって一歩後退すると、ぼちゃんと池に足を突っ込んだ。そしてそのまま池の中の泥にバランスを崩し、そのまま後ろに倒れこんだ。
「うわっ!」
 今度はもっと大きな音を立て、池に波紋を作った。頭を打たなかったものの、背中や肘に大きな衝撃を受けた。
「く……っ」
 痛みに呻いていると、いつのまにか池の中に入って近づいてきた男の子が上から見下すように僕を見ていた。
「何だ、よ……」
「いや、哀れだと思って」
「!?」
 男の子はしゃがみこむと服が濡れるのも気にしないで、悲しそうに笑った。
「何も、知らないんだ」
 男の子の底なしの黒い目が僕を映しこんでいるはずなのに、その目にいるはずの僕は映っていなかった。男の子は僕の隣に沈んでいたザクロを取って立ち上がると、それを墓前に置いた。
「この墓には君のお父さんとお母さんがいるんだね」
「……」
「僕にはそうは見えなくてね、つい食べてしまった」
 男の子は墓を触り、その部分を見ている。
「君はこの奥に行ったことはあるかい?」
 男の子がこちらを向いた。僕は昨日のことを思い出した。今男の子が触っているものと同じものが、確かに奥にあった。
 ――――そう、あれは墓だった。
 墓はここと、村のはずれにしかない筈なのに、あんな場所に、あるわけないのだ。
「ないの?」
 こくこくと、水面に映る自分を見ながら何度も頷いた。込み上げる吐き気と嗚咽を、必死に殺した。
「そう……。いずれ、わかることだと思う。きっとね。そういう仕組みなんだ。でも、君は見たほうがいいかもしれない」
 見た。見たよ。
 唇を噛締めるだけじゃ抑えきれなくなった悲痛な声に、今度は両手で息を止めるように押さえた。
「もしかして、見たの?」
 男の子は僕の異常な程の脅え方にそう尋ねてきた。僕が膝を抱えて丸くなると、肯定だと言う風に捕らえたのかそれ以上は何も聞かなかった。
 暫くして、僕が落ち着いてくるを見計らい男の子は僕を池から引き上げた。
「秘密を知った以上、後戻りは出来ないと思うよ」
 男の子は僕を逃がさないようにぎゅっと腕を締め付けた。
 そして「一緒に行くかい?」と耳元で囁いた。

 僕はその誘惑にも近い言葉に惑わされてしまった。極限に恐怖を抱いてしまって、思考回路が正常ではなかったからだと思う。
 僕は、前を歩く男の子の後を追いかけ、時差よろめきながら行ってはならない森の奥へと進んでいた。男の子は僕が呻いても、つまずいても振り向くことはなかった。男の子は最初の冗談を言う明るい男の子ではなくなっていて、厳格な少年へと変貌をしていた。
「うわ……」
 大きな木の根に足を捕られてこけてしまった。
「……痛た」
 これで三度目。木の根っこにつまずくのは。
 慌てて前を向くと、少年は初めてこちらを見ていた。でもその表情は無機質で怖い。早く立ち上がらないと駄目なのはわかっていた。でも、精神的な疲れと、これからの恐怖になかなか立ち上がることは出来ない。情けなくて、僕は唇を噛締めた。
「僕は君に見てほしいんだ」
「え?」
 少年は森の出口を見て、そう言った。
「今まではこんなこと、なかったんだ。でも、君には見てほしいと思ったんだよ」
 言っている意味が一ミリたりともわからなかった。でも大切なことを言われている気がして、何も聞かずじっと少年を見ていた。
「酷なことだと思う。でも、何を見ても騒がず、冷静でいてほしい。僕だって、無理なことだとはわかっているんだよ。でも、そうしてほしい」
 少年は空を見上げ、ゆっくりと視点を下に向けた。強く握り締められた拳が腰の横で震えていることに気がついて、僕は立ち上がった。
「そんなに力を入れると血が出ちゃうよ」
「血……。大丈夫。血なんて出ないよ。……だって僕は非力だから……」
 少年はそう言うとふっと微笑んで、また歩き始めた。
「あ、待って」
 呼び止めても少年は振り返らなかった。
「君の名前、なんていうの?」
 肩が一度大きく揺れた。少年の強く握っていた手がやんわりと開いていき、僕は握り締めていた手と、肌の色が変わらないことに気がついた。少年はとても白かった。
 どうして今の今まで気付かなかったのだろう? 多分、頭が混乱していて、注意深く見れなかったせいだろう。冷静な今では彼のことをもっと知れる気がした。
「ユマ」 
 微かな声が聞こえた。耳を澄ませないと聞こえないくらい、小さい。
 森が揺れた。大きな風が吹いて、辺りを包み込む。
 今にも日の光に消え入りそうなほど白い少年、ユマ、は再び歩き始めた。

 ユマは時差後ろを振り返っては「大丈夫?」と声を掛けるようになった。先程とは打って変わって優しくなった。僕も大分緊張が解けて、木の根っこにつまずくこと無く、しっかりとユマの後ろを着いていっていた。もしかしたら、ユマも緊張していたのかもしれない。
「もうすぐだよ」
 顔を上げて遥か前方を見るが、霧で見えなかった。
 それから数歩歩いたところでユマが立ち止まった。着いたんだ。僕はすぐさま理解した。
「霧で、よく見えないね」
「うん……」
「霧の中に入ると、もう、戻れないよ」
 ユマは下を向いた。僕は顔を上げてユマの腕を取った。
「僕は、もう見ることしかできないよ」
 全く反対の立場になっていた。今度は僕がユマを導く側になっていたのだ。
 僕はその腕を握った。

 息を整えて、ユマの細い腕を握りなおすと、勇気を振り絞って霧の中へと入った。目を瞑って勢いよく入ったものだから、腕を掴んでいたユマが反動でつんのめってしまった。そのよろめいた体が僕の背中にぶつかり、僕はその衝撃に耐えられずそのまま前に傾いた。
 どすん! と地を揺るがす音が聞こえて、背中に乗っているユマが呻いた。
「重い……」
 僕がそう言って起き上がろうとする振りをすると、ユマは状態を把握して慌てて起き上がった。
「ごめんよ、強く引っ張られるとは思ってなくて」
「ううん、大丈夫。僕も何も言わず引っ張っちゃってごめんね」
 ユマは気遣う視線を体中に向けている。それが嫌で、僕はそっと体を起こした。
 僕はまだ気にしているユマに、何か気の利いた言葉を言おうと、口を開いた。でも、それは叶わなかった。一瞬の出来事に気を捕られていた。目の前に、苔でほとんど覆われてしまっている一つの墓を見てしまったからだ。
「あ……」
 ついにこんなに間近で見てしまった。さっきまで怖がっていたそれは、不思議とそんなに怖くはなかった。むしろ、可哀想だと思った。
 僕は立ち上がって辺りをぐるりと見回した。バラバラにそれは沢山点在していた。ざっと数えて、十数個あった。ゆっくりとそれを一つ一つ確かめていきながら、あることに気がついた。墓石に、何も刻まれていないのだ。
「ねえユマ。墓石には何も刻まれていないね」
 普通なら名前とか、没年とかが刻まれているはずなのだ。村から離れた場所の墓地には皆刻まれている。なのに、何故?
「トキ、君のお父さんとお母さんの墓には、何か刻まれていた?」
「……え?」
「何も、刻まれてないよね」
 ユマがしゃがんで、一番近くにあった墓を撫でると、少しだけ土がぱらぱらと取れた。
「そういえば、何も……」
「うん。ここらの墓はね、名前も、死んだ日も、刻んじゃだめなんだ。誰にも知られないようにしないとダメな決まりでさ」
 ユマは、僕は全て知っている、だから静かに聞けというように、しゃがんだまま僕の手を握った。
「何でかわかる? 誰かが、もし、この墓を見てしまったときに、復讐を企ててしまうかもしれないから。決定した村長に、それに同意した村の大人たちにさ」
「それって……、どういうこと?」
 ユマは僕の手を頼りに立ち上がると、奥へとまた歩き始めた。
「ねえ、どういうことなの?」
「これを見て」
 ユマは真っ直ぐに一つの墓を指した。その指の先を見ると、僕が最初に見た墓よりも苔に覆われていて、石の部分が見えにくくなっている墓があった。
 ユマがごくりと生唾を飲み込んだ。それを合図に、ユマは口を開けて、話し始めた。
「昔、隣村とは不仲で、闘いが絶えなかった。その闘いが長いこと続いてね、時にはこちらが優勢になったり、あちらが優勢になったりもした。その闘いも数年経って、終止符が打たれようとしていた。その時、こちらの村はもうぼろぼろで、後一つ手を打たれたら負けるという所まで追い詰められていた。それでも敗北宣言を出さないのは村全体で決めたことだった。今更止められる訳がないと、村の誇りに懸けて我々は屈しないと、皆口々にそう言っていた。そんな時、村長はある提案を秘密裏に相手側の村長へ持ち出していたんだ。……こちらが負けを認め、傘下に入ろう、その代わり、村の利益は手を出さないでくれ、と。その提案を隣村は快く呑んだ。普通なら農作物の謙譲を求める所を、隣村は傘下に入るという利益に目を付けて、本当に村の利益には手を出さなかった。村の人々はその事実を知ると怒った。村長の家を取り囲んで、火を点ける者までいた……。でも、隣村の警備達に捕まり、村には一度も帰ることがなかった」
 所々、詰まりながらもユマは一区切りを付けた。
 僕はいきなり、何を言い出すの? とユマに問いかけたかったけど、今は話せる雰囲気でも、そういう気力も無かった。
 ユマは話し疲れたのか、嫌な気分になったのか、ぐったりとして、近くの木を背もたれにして座り込んだ。
 僕は、ユマが指差した墓の前から動けなかった。
「それからも、村内で反発がまだ起こっていた。闘いが終わって一ヶ月が経っているのに、まだ皆は隣村を倒す計画を密かに立てていたり、武器をこっそりと調達したりと、反乱を起こそうとしていた。その時にはもう村長は死んでいた。……、村の誰かに殺されたことは明らかだった。隣村もこうなることは予想していたのか、面倒くさかったのか、何も解明しないまま、その事件は闇に葬られた」
 ユマは三角座りをして、自分を守るようにぎゅっと縮こまった。
「そして、隣村の村長が村に来て、言ったんだ。生贄を用意しろ、と」
 僕はびっくりして、その場から数歩後ずさった。温度が一気に下がった気がする。鳥肌がぶつぶつと立ち、寒さを紛らわすように肌を擦った。でも、全く擦れなかった。力が全然入らなかったのだ。結局腕を撫で付けるだけで終わった。
「反抗ばかりする村人を大人しくさせる為だ。皆は最初こそ怒鳴り散らして隣村を襲いに行ったものの、その闘いを仕掛けに行った者達が死んだと手紙で伝えられると、大人しくなった。それで、嫌々ながら村の大人達だけで緊急会議が開かれた。誰も生贄になんてなりたくなかった。だから、話し合いなんてしても無駄だった。そこで、大人たちは弱いものに目を付けた。親のいない、一人の少年だった。親は闘いで亡くなってて、姉と二人暮らしだった。大人たちは、親がいないのではこれから生きていくのには難しい、だから生贄にして楽にさせてあげよう、という言い分だった」
 滅茶苦茶だ。僕は親がいなくても、楽しく生きている。おばさんが世話をしてくれるから、生きていくのが難しいなんて思ったことなんてない。この大人達は最低だ。自分たちは少年に何もしてあげることもなく、可哀想だと言って逃げている。
「大人達はその少年の家を訪ね、一斉に襲い掛かった。少年と姉は布に乱暴に包まされて、紐で縛られて、無理やり隣村へと連れて行かれた。隣村に着いて、あっちの村長は生贄は一人で充分だ、と言い出したので、二人を連れて来た村人は困った。どちらかを選ばなきゃダメだ。でも、どっちにしよう? と。そんな時、少年が布の隙間から手を出して、村長の腕を掴んだ。村長は少年の顔を覆っている部分を剥ぎ、何だ、と問うた。少年は、僕は一つの罪を犯した。だから、僕を生贄にしてください、と涙ながらに伝えた。村長はその言葉を聞いて、少年を生贄にすることに決めた」
 重い空気の中、ユマがぱっと顔を明るくして
「日が暮れてきたね。もう帰ろうか」
 と言ったので僕は唖然とした。
「続きは?」
「さあ、僕は知らないね」
 絶対知ってる。僕はこの時確信した。でも、どうして話してくれないのだろう?
「ユマ、教えてよ。お願い」
「本当に知らないんだ。ここからは誰の記憶の中にも残っていないんだよ。でも一つ言える事は、少年が姉の様にならないことを皆が望んでいるということさ」
 しつこく食い下がるとまたよく分からない返答で、更に頭の中がこんがらがった。追求するとユマはもっと奇妙な返事をして僕の頭の中を引っ掻き回すだろうから、僕は大人しく引き下がった。
「……わかった」
 ユマは僕の言葉にほっとして一息吐き、にっこりと笑った。
「じゃあ御両親の墓まで送るよ」
「……」
 赤く色付いていた空が闇に包まれようとしている頃に、僕等は墓前に着いた。
「じゃあね、トキ」
「……」
 ユマの発言にあれ? と引っ掛かった。思い出して頭の中で再生したけど、引っ掛かった原因は見つからなかった。今、何かに気付いた気がするんだけどなあ、と首を捻っていると、ユマの背中が遠くにあることに気がついた。ユマは暗い森の中で紛れることなくどんどん小さくなっていく。普通の人なら既に闇に溶け込んでいる筈なのに見えなくならないのは、ユマの肌の白さのせいだ。
 家に帰ると、おばさんとパリッカが「遅い!」とドアを開けた瞬間に恐い顔で言った。
 まだ怒り続けているパリッカを宥めて(僕が遅いために夕食を待たされて怒っていた)、おばさんに心配を掛けた事を謝ってからベッドに潜り込んだ。窓から差し込む月の光が僕の顔を照らす。―――母さんと父さんは生贄になったんだ。あそこは全て生贄になった者達の墓場で、父さんと母さんの墓はそこになかったけど、墓の形から、何も刻まれていないことから、生贄ではない者の普通の墓場に埋められてないことから、きっと父さんと母さんは生贄になったのだ。目から涙が零れた。一粒、二粒……。堪え切れなくなって止め処なく流れ出す涙に自分でも気付いていなかった。月の光が涙に反射したのを見て、初めて分かった。
 僕はどうしたらいいのだろう。父さんと母さんは生贄で、何故生贄になってしまったのかわからなくて、村の人たちが生贄の墓に名前を刻むことを禁じているのは、生贄になった人達の家族や友人がその墓の人を生贄にした村の人々に復讐させない為で、つまり父さんと母さんは村の人達に殺されてしまって…………僕は一人になってしまった。
 涙も拭かないまま月を睨んだ。潤んだ視界は月の形を歪ませて、それも次から次へと溢れる涙で見えなくなってしまった。
「ねえ、トキ」
 パリッカの声が直ぐ傍で聞こえた。驚きはしたが、それよりも様々な感情がこんがらがっていて、何の反応も出来ないで窓の方を見たまま答えた。
「何?」
「一緒に寝ていい?」
「……」
「怖い夢を見たの。お母さんがどこかへ連れて行かれる夢……」
「……いいよ」
 パリッカの冷たい肌が背中に当たる。パリッカは頭を背中に摺り寄せ、小さな声で言った。
「今日はいつもと違うね。何だか、怖いような、悲しいような、そんな顔してるね」
「……いつも通りだよ。何の変化も無く、一日を過ごしたよ」
「そうかなあ。だって背中が寂しいって言ってるよ。誰かを欲しがってるみたい」
「…………」
「我慢すると、心が死んでいくんだよ。きっといつか笑えなくなっちゃう。私はトキの笑う顔が好き。思い出になんか、したくないよ」
 パリッカは今にも泣き出しそうな声で必死にこう言った。
「トキ、教えてよ、きっとまだ間に合うよ、今なら、きっと」
 ああ、どうしてパリッカはこんなに必死になって僕を止めようとしているのだろう。せっかく覚悟しようとしていたのに。父さんと母さんの仇を討とうとしたのに、パリッカが引き止めるから、しなくてもいいんじゃないかって思ってしまう。本当は復讐なんてしたいとは思っていないって思ってしまう。
「父さん……、母さん……」
「私と、お母さんは傍にいるよ。絶対に離れないよ」
「…………うん」
 昔、父さんと母さんと、ずっと一緒だよ、と約束した思い出が蘇った。今度こそこの約束が破られませんようにと、霞む月に願った。
2012-04-09 20:03:03公開 / 作者:るん
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この作品に対する感想 - 昇順
いい意味で癖のない文章で読みやすかったです。
村からいなくなるというのは、神からの御加護がなくなったことだから、死んだことにしよう、という村長の言葉がすごいですね。ヒヤリと冷水を浴びせられたような、村の周囲は実は恐ろしいものに取り囲まれているのではという漠然とした予感を感じさせられました。
前書きで今後の投稿内容までも書いてしまうのは、ちょっともったいないような気がしました。
2012-02-11 22:19:47【☆☆☆☆☆】玉里千尋
玉里さん、感想ありがとうございました!
お褒め頂き光栄です(^^)分かりやすい文章を目標に練習してきたので、そう言って頂けると自信にもなりますし、向上心も湧いてきました。
村長は色々なことを知っているので今後重要人物になります。村長の言う言葉はこれからの話に繋がるので大切です!
前書きの件に関してましては、指摘されて気付きました(汗)確かにまだあらすじの所までいっていないのに書いてしまうのは面白みが無くなってしまいますよね。改善しておきます!

玉里さんの感想は的確で、本当に有難いです。これからもお暇があればお付き合いください!
2012-02-12 19:11:11【☆☆☆☆☆】るん
 楽しく読ませてもらいました。村長の「村からいなくなったから死んだことにしよう」と言う展開には少し付いていけないところもありましたが、玉里さんのように取れば、ああっ、納得。と言う感じです。話がうまく膨らんできているので、続きが楽しみです。
2012-02-17 22:51:59【☆☆☆☆☆】土塔 美和
土塔 美和さん
感想ありがとうございます!
村長の「村からいなくなったから死んだことにしよう」という言葉についてはいずれ小説内で説明しようと思っていたのですが、やっぱり最初にそんな言葉はついていけないですよね。皆様のご想像に頼ってばかりで申し訳ないです。

いつも展開がぐだぐだになるので今回は結構スピード速めに作っております。そこに気付いて頂けて嬉しいです!
これからもよろしくお願いします(^^)
2012-02-18 17:44:24【☆☆☆☆☆】るん
初めまして、みのるです。作品拝見しました。
いい意味で淡々としていて、読みやすい文章でした。この書き方だからこそ伝わる、神々しさや恐怖、躍動感などがあると思います。
ただ、引っかかる部分もありました。文章の魅せ方とでもいいましょうか……歌を歌うことにたとえると、歌うことそのものは巧いけれど、息継ぎの仕方や語尾の切り方など、ちょっとした部分が気になると言うか。(分かりにくいたとえですみません;)
人物に関しては、メインの三人に好感が持てました。性格はとても掴みやすかったので、外見の描写がもっとあればありがたいなと思いました。

続きを楽しみに待っています!
2012-03-03 22:40:03【☆☆☆☆☆】みのる
初めまして、みのるさん。
読みやすさについて褒めて頂けると嬉しいです(^^)
魅せ方……、ですか。私は語彙がないので、文章を書く際、何度も同じ表現を使ったりしてしまいます。言葉を知らない為に伝わり辛い文章になったり……とかですね。ボキャブラリーを沢山知らない事が一番の原因だと思っています。
なので分かりやすく面白い文章を学ぶ為に色んな小説を読んでいます。ですがそれでも上手く書けないもので……。小説って本当に難しいです。私の記憶力の無さも相俟っているのでしょうが。
メイン三人のキャラに好感を持ってくれて本当に良かったです。メインが嫌われちゃったら、もうそこで読むのやめますものね。それ以上に話や書き方に魅力があったら読むと思いますけれど。
外観描写は私も少ないなあと思っていました。それで少しは付け加えたのですが、まだ足りないですよね(><)トキやパリッカ、それからおばさんとユマ。それぞれの外見を後々足そうと思います。

お暇な時がありましたら「ここの文章がわかりにくい」等、教えて頂けたら嬉しいです。
是非またお読みください(^^)ご指摘どうもありがとうございました!
2012-03-07 20:00:44【☆☆☆☆☆】るん
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