『咲き散る桜達  一話』作者: / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
新撰組
全角1052文字
容量2104 bytes
原稿用紙約2.63枚



「貴様は…、何者だ。」




ふさ…ー


風に揺られ長い髪が揺れる。



「何者……?強いて言うなら"鬼"の子だ。」



大きい瞳が鋭く相手を睨む。元々大きい目なのにつり目なのが、少しきつく感じる。



「鬼、か……」



鬼。この男、土方歳三も"鬼"と呼ばれた男。にやっと口元が歪む。

この男は自ら"鬼"となった。



ビュン…っーーーーーー


風を切り裂くように、刀の先が土方の首元に当てられた。

それでも、土方は笑うだけ。


「くくくっ……」


「何がおかしい……」


殺気溢れる刀の主は苛立ちながら言う。



「俺はお前を殺しに来たわけじゃない、勘違いすんな。」


その言葉を聞き、刀の主の殺気は半減した。

だが刀の先はまだ首元に向けてある。


「………ゴホっ…ゲホゲホ…!!」


ガチャン!!



刀が大きな音を立て落ちた。

突然、刀の主はよろけ、地に膝をついた。口元を手で押さえ苦しそう咳をする。



「お前……」




土方は目を見開いた。



まさかーーーーーー…



ある病が脳裏を横切った。


ゆっくりと近ずき、背中を手を沿え、さする。




「ゲホっ!!…ゴホ…!!!…は、………殺る、…なら…今しか…ゴホゴホ!!…ないぞ…っーー!!」



ポタ、ポターーーーーー……



指の隙間から血が滴る。


すると、刀の主だった者は力が抜けたようにぐったりとした。

気を失ったのか……


それを支えるように、土方は抱きしめた。


満月の月が曇っていた雲からでてくる。相手の顔が月明かりに照らされる。





「……、小春……」



苦しそうに顔を歪めるその顔は、口元から赤い血が流れ出る。


長い睫毛、すっとしている鼻、…ーーーーーー整った顔。



八雲 小春。それが名前だった。




がりがりに痩せた小春を少しきつく抱きしめる。


そして、立ち上がり、小春を大事そうに背負い歩きだす。



「もう、大丈夫だ……」


新撰組 屯所へ……ーーーーーーーーーーーーーーー





2011-08-25 13:15:05公開 / 作者:南
■この作品の著作権は南さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
二話に続きます。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
この作品に対する感想 - 昇順
作品を読ませていただきました。
行間を空けすぎのためスカスカした印象を受けます。
イメージ的には薄桜鬼みたいな作品なのかな、でも今の書き方だと描写が少なすぎてマンガのシナリオを読んでいる感じです。いつ、どんな場所で、どんな状況で土方が鬼と出会っているのかなど情報を入れた方がいいですよ。
2011-09-13 08:01:43【☆☆☆☆☆】甘木
計:0点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。