『クリスマスより』作者:JKD / V[g*2 - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
毎年クリスマスにサンタはやってくる。でもサンタはみんなのところにやってくるわけではない。
全角1177文字
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原稿用紙約2.94枚
「クリス、今年のクリスマスは盛大にしような」
「うん」
 クリスは満面の笑顔で答えた。
「今年もすっごくおいしいものを作ってあげるからね」
 母親がそう言うとテーブルに料理が運ばれてきた。
「すごくおいしそうだけど、こんなにいっぱい食べられるかな」
「クリス、心配するな。パパは育ち盛りだから全部食べてやる」
「もう、パパったら。それにまだまだ料理は出てくるわよ」
 楽しそうにクリスマスパーティの話しをするこの家族は、この町で一番の大金持ちの家族だ。
 一人息子のクリスは今年で8歳になる。だからまだサンタの事を信じている。
「さあクリス、窓の外を見てごらん」
 クリスのパパが、クリスを肩車して窓に近づいた。
「わー、すごーい」
 クリスが窓の外を見ると、五メートル程の杉の木に立派なクリスマスツリーの装飾がしてあった。
「んっ?」
 クリスはクリスマスツリーの後ろに目をやると、公園が見えた。そして、そこには子どもたちが集まっていた。なんでこんなに寒いのに、公園でパーティをしているのかと、子どもたちをよく見てみると、みんなの着ている服はボロボロだった。
 クリスには少し理解が出来なかったので、親に聞いてみた。
「ねえパパ、あの子たちは何で公園に居るの?」
「クリス、あの子たちにはね、家が無いんだよ」
 パパは難しい口調で言った。
「でもあの子たちのところにもサンタは来るんだよね?」
「ん〜、あの子たちのところにはサンタは来ないんじゃないかな」
 パパは困っていた。
「何で来ないの?」
 さらにクリスの質問は続く。
「料理が出来たわよ。こっちへいらっしゃい」
「さあ、もうそろそろパーティをするから向こうに行こう」
 ママの言葉にホッとしたパパはごまかしながらクリスをテーブルへ連れて行った。
 クリスはショックを受けた。サンタは世界中の子供にプレゼントをくれると教えられていたし、そう信じていたからだ。
 なんで僕のところには来るのにあの子たちのところには来ないんだろう。そんなことを考えて、パーティが終わっても眠れなかった。
 そんなクリスのところに誰かが来た。
「誰?」
 夜なので暗くて誰なのかよくわからなかった。
「サンタだよ」
「サンタさん?」
 確かによく目を懲らしてみると、白い髭に赤い服、サンタの格好だった。
「君は今年良い子にしていたから、何でも君の願いを叶えてあげよう」
「なんでも叶えてくれるの?」
「何でも叶えてあげるさ」
「んー、それじゃあ……」

 クリスマスの日

 クリスはサンタになって町中の子供にプレゼントを配ってまわった。
 クリスは自らサンタになることを望んだ。
 この年のクリスマスは町中に笑顔があふれた。
2009-06-20 21:57:13公開 / 作者:JKD
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■作者からのメッセージ
この作品はかなり昔に書いたもので、偶然見つけて手直しして投稿しました。
昔に書いたものって今見るとすごく恥ずかしいです。
感想など頂けたら幸いです。
この作品に対する感想 - 昇順
[簡易感想]軽く読めてよかったです。
2009-06-22 12:49:33【☆☆☆☆☆】氷島
はじめまして、黒崎と言います。

子供の純粋なところな良くも悪くも出てたんじゃないかなと思います。
でも、簡潔に書かれてあるのでもう少し描写が多ければ良いかなとも思いました。
2009-06-22 21:14:44【☆☆☆☆☆】黒崎惣之丞
氷島さん感想ありがとうございます。
手軽に読めるように書いたので、その感想すごく嬉しいです。
読んで頂き、ありがとうございました。


黒崎惣之丞さん感想ありがとうございます。
手軽に読めるよう書いたのですが、少し内容が薄かったかもしれませんね。(話もベタですし)
もっと話しの肉付けが出来るように頑張りたいと思います。
ご指摘、ご感想ありがとうございました。
2009-06-24 14:27:11【☆☆☆☆☆】JKD
作品を読ませていただきました。物語としては綺麗だと思うけどクリスが貧しい子どもたちを見た時の心情などをもっと入れて物語を膨らませて欲しかったです。ちょっと読み足りない気分です。では、次回作品を期待しています。
2009-07-21 22:33:14【☆☆☆☆☆】甘木
計:0点
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