『ジャッジマン?』作者:神山 / AE - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
世の中にはいろんな人がいる。その中の一部に心の中に過去の過ちを隠して生きているものもいる。そのような人間は小さな失敗から大きな犯罪まで、数々の過去を持っている。そして裏社会には大きな過ちをおかしておきながら表社会で裁かれていないものを裁く者が裏社会に存在する。裏社会の住人は彼らの事を「ジャッジマン」と呼ぶ…
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いろいろな人が生活する平和な国日本。
しかし、いくら平和な国とはいえ、犯罪が無いわけではない。
犯罪を犯したものは、たいていは表社会で裁かれる。
だが、大きな犯罪を犯したものでも表社会で裁かれていないものがいる。
そんな者たちを裁く者達が裏社会に存在することを皆さんは知っているだろうか?
今日も過去の過ちについて裁かれるものがいる。
にぎやかな町並みを歩く極普通のサラリーマンがいる。
彼の名前は「今宮 銀二 31歳」
今宮が裏通りを通りかかったとき、誰かが今宮に話しかけた。
「今宮 銀二さん、ちょっといいですか?」
今宮が後ろへ振り向く、だが誰もいない。
「こっちです今宮さん、左です」
今宮が左を向くと、マンションとマンションの間に黒い服を着てフードをかぶっている男が立っている。
「何ですか? 私に何か用ですか?」と今宮が尋ねる。
「少しあなたに伝えたいことがありまして……こちらへ来てもらえますか?」
今宮が言われるままに男がいるほうに歩いていく、しばらく男についていくとそこには太陽の光はほとんど届いていないが、かなり広い広場のようなものが広がっていた。
「ここは…どこですか?」
「とにかくしばらく付いてきてください。」
今宮はしばらく男についていき5分ほど歩き続けた。
しばらくすると、なにやら人が5人ほどいて、周りには裁判所のような光景が広がっていた。
「何なんですか? そろそろ用件を言ってもいいんじゃないんですか?」
すると男は振り返り「では今宮 銀二さん、いまからあなたを裁きます」
「は? なにを言ってるんですか? あなたは?」
「あなたは過去に銀行強盗をやらかしその上、そこにいた人を全員殺した。しかし、あなたは警察から逃げ切り今現在こうして普通に暮らしています。そんなあなたを今から私達が裁きます。」
「わ、私はそんなことはやらかしておりません。ひ、ひやかしなら帰らしていただきます」
「今から行う裁判で『無罪』と判決されればあなたを元の場所まで無事に送り届けます。しかし、『有罪』と判決されればあなたは裁きを受け、二度と表社会に戻ることはできません。ここの住人として永遠に暮らしてもらい、表社会にあなたが存在したという証拠を全て消し去ります。」
「ふ、ふざけるな! 私は忙しいんだ、勝手に帰らせてもらう!」そう言って今宮は元来た道を走りだした。
「帰れるかな…」と男がつぶやいた。
最初に今宮が話しかけられた場所まで戻ってマンションとマンションの間から出ようとした、だが、気が付けばさっきいた裁判所に戻っていた。
「無駄ですよ。裁判はもう始まっている。裁判が終わるまであなたはここから一歩も出られない」
今宮は観念したのか、おとなしく証言台まで歩いていった。
「それでは裁判を開始します」
「まず彼の名前は今宮 銀二、過去の過ちは強盗と殺人、銀行強盗をして、そこにいた人を全員殺しました。しかし警察からは逃げ切り現在は一般の人間として生活しています」
「今宮 銀二 それに間違いは無いですか?」
「いいえ、私はそんな事はしていません。証拠はあるんですか? 証拠も無いのに決め付けられては困ります」
「証拠はありません。しかし、証人ならいます」
「え?」
「いまから彼に殺された人15人をこの場に呼びます」
今宮は頭の中で焦っていた「ばかな、彼らは死んだ、私が殺した。生きているはずが無い」
「では、15名の方、どうぞ」
今宮の後ろの扉から15人の人が入ってきた。
「彼らが15名の被害者です」
「あなた達は今宮 銀二に殺害されたんですか? 自由に証言してください」
「はい、確かに私達はそこにいる今宮 銀二に殺されました」
「な、何をい、言ってるんですか? わ、私はあなた達の顔など見たこと無い」今宮は冷静を装ったが喋りまでは冷静に出来なかった。
「あ、あなた達はそうやって私を落としいれようとしているだけだ! 私は何もしていない、最初から犯罪など犯していないんです」
それを聞くと男が「往生際が悪いですね。いい加減白状したらどうですか? 今なら裁きも軽くなるかもしれませんよ」
「う、うるさい! 私は彼らのことは見たこともない!」
「では、あなた達の中で証拠を持っている人はいませんか?」
「はい、私は死ぬ前に彼の姿を偶然持っていたビデオカメラに収めました」
15人のうちの1人はビデオカメラを取り出し映像を再生し、その映像の中に映ってるのは明らかに今宮銀二だった。
男は下を向いて微笑み「それでは今宮 銀二を裁きます。果たして『無罪』か『有罪』か」
男は右手を上に上げ、人差し指と親指を立てて、「手が挙げれば『有罪』手が上がらなければ『無罪』」
腕を振り下ろし、今宮銀二を指差した。
「ジャッジメント!」
5人の裁判官が一斉に手を挙げた
「今宮 銀二は文句なしの『有罪』です。あなたに裁きを与えます。あなたへの裁きは…」そういいかけたとき、今宮銀二は「ふざけるな!私は『無罪』だ! 私は何もしていない!」そう言って走りだそうとしたが今宮銀二の体はピクリとも動かなかった。
男はもう一度話しだした「あなたへの裁きはそこの15人が受けた苦しみを今後の人生この裏社会で死ぬまでの50年間受け続けてもらいます。その間苦しみで死ぬことはないし、自殺も不可能です。これも全て自業自得です。それでは後の人生苦しみを受けながらどう楽しむかです。それではこれで裁判を終わります」
その瞬間今宮銀二が苦しみだした。
「う、うわあぁぁぁぁぁぁ!!」
「だ、誰か…誰かたすけてくれ〜〜〜!」
「………………」
あなたは過去に犯罪を犯しましたか? 犯していたなら今すぐその罪を償いましょう。もしかしたら次に裁かれるのはあんたかもしれません。
2009-06-14 14:19:47公開 / 作者:神山
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