『The Universe』作者:Tona2 / t@^W[ - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
幻想ファンタジー
全角1089.5文字
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原稿用紙約2.72枚
夜中、目が覚めた。何も見えない。何の音もしない。

いきなり体が浮いた。無重力状態に陥ったように。ふわり、ふわり。

目が慣れてきた。暗闇に、たくさんの点が輝いている。

その点は星だった。「ああ、きれいだ」ただそれだけを呟いた。

ただ空間に流されるままになる。重力を感じない。心地いい。

何の障害も無い。壁も無く、無限の世界が広がる。

突然、誰かが耳元で囁いた。「こんにちは」と。

「君は誰」とにかく訊いてみた。

「僕は―名前は―infinity」

infinity、つまりそれは「無限」を表していた。

「君は無限なのかい」infinityに訊いた。

infinityは答えた。「無限ではありません。無限というのはあくまで人々の理想なのです」

infinityはさらに付け加えた。「この世界、この宇宙に無限はありませんよ。あらゆる生き物の命も無限では

ありません。森林や、群青色の大海原も、決して無限ではないでしょう。星だって、生まれれば、爆発して

死んでしまいます。無限であるものはありません」

infinityは優しい声で囁いた。

「有限であるほうがいいと思うのですよ。生きることが無限だったら、死ぬことは無い。生きることが無限

なら、生きることの大切さが分からないでしょう?創造してみてください。大切な人を失うことの無い世界を。

一見、良い世界に思えるかもしれません。ですが、大切な人は死なない。永遠に生き続ける。

次第に、その人が自分にとって大切な人では無くなってしまいます。これほど寂しい世界はありませんよ。

だから有限であるべきなのです。大切な人を失う悲しみは、簡単には忘れられないことでしょう。

しかし、人生は山あり谷あり。良いときもあれば、悪いときもある。喜びや楽しさだけでは、人として成長

できません。悲しみや怒り、空しさなどの、負の感情を持たなければ、人は前へとは進めません。

人はいつか死にます。命は有限だからです。だからこそ、今を大切に生きるのです。

『Now or never.』今をもって他に無い、という意味です。今という時間は人生で一度しかありません。

だから、生きるのです。今という時間を」

その瞬間、星の輝きも消えた。重力が戻る。四肢全てに感覚が戻る。

夢か、それとも現実か。いや、どちらにしても、何かとても良いことを聞いたと思う。

今のこの経験が、いつか役に立つのだろう。

心の中で、静かに誓った。今を大事にしようと。



2008-03-21 16:18:15公開 / 作者:Tona2
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■作者からのメッセージ
初投稿です。幻想ファンタジーです。読む人に命の大切さを知ってほしいと書きました。やっぱり、命は有限で、かけがえの無いものだと思います。
これを読んで、命の大切さを感じてほしいです。
この作品に対する感想 - 昇順
初めまして。作品を読ませていただきました。
まず。……えーと、自分もそうなんですけど、小説というより詩のような印象を受けました。作中に登場する「infinityは優しく微笑んだ。」に違和感を覚えました。だって、infinityはそれまで囁くだけだったのに。声のみの登場なら、何となく受け流すこともできたのです。でも“微笑んだ”ということは、顔が見えるということだったんでしょうか?infinity=無限なら、無限なのに形があり命があって、「それは名ばかり」と言われても唐突感が生じてしまいました。この作品のinfinityは生き物だった、という様子にしか、私の感受性では理解できなかったのです。情景描写をもっと増やせば、詩っぽい印象が薄れるのかもしれません(自分も同じ課題を持ってるので頑張ります)。

全てのものが有限であり、限られたものなのだから大切にしなさい。
というメッセージを込めるには、分量があまりに少なすぎると思いました。そして、少なくとも私には、この作品が命の大切さを伝えるというものには思えませんでした。だって、夢オチという様子にしか感じられなかったのですから。失礼な言い方ですが、Tona2さんはどうして「やっぱり、命は有限で、かけがえの無いものだと」思ったんでしょうか。どうして「読む人に命の大切さを知ってほしいと」思ったんでしょうか。恐らく、何かキッカケがあったのだと思います。これでは綺麗にまとめようとし過ぎていて、一番伝えたいことが伝わってきませんでした(少なくとも、私には)。もっと、感じたことをストレートに表現してほしいなと思ってしまいました。が、それは私のエゴですよね。

初投稿にしてあまりに辛口な意見を載せてしまってすみません。驚いたかもしれません。ですが、私はTona2さんの人格を否定したかったわけではありません。テーマが“命”の作品で辛口批評を受けると、ちょっと嫌な気持ちになるかもしれませんが。この話を小説にするには、どうすれば良いんだろう?ということを、一緒に考えているだけだと解釈していただければ幸いです。これからも頑張ってください。
2008-03-21 13:41:35【☆☆☆☆☆】目黒小夜子
目黒さん、素晴らしいレスを頂きました。どうもありがとうございます。
そのレスを参考にして、もう一度書き直してみました。
まだまだ修正点があると思いますが…
これからも頑張っていこうと思います。
2008-03-21 16:21:19【☆☆☆☆☆】Tona2
素晴らしいレス、ありがとうございます。
いくつか修正しました。まだまだですが…
これからも頑張っていこうと思います。
(↑のレスは誤りです…すいません)
2008-03-21 16:24:02【☆☆☆☆☆】Tona2
えーと、度々すいません。Tona2です。
僕のレスの(↑のレスは誤りです…すいません)が、目黒さんのレスを指していることに気付き、改めて修正を加えたいと思います。何の文章も無い僕からのレスが誤りです。
本当にご迷惑をお掛けしました…
2008-03-21 16:26:44【☆☆☆☆☆】Tona2
計:0点
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