『くろねこ』作者:佐野 / V[g*2 - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
十年前にみたくろねこについての、ぼくの考察。
全角503文字
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原稿用紙約1.26枚

十年前。ぼくには、くろねこが見えた。
くろねこっていっても、それはただのくろねこじゃない。
例えば、ひとりきりの帰り道。暗い公園の遊具の上。
向かいの家に咲いているパンジーの後ろ。
くろねこは、そこにいた。

「にゃあ」
ぼくがネコの物まねをしても、くろねこは出てきてくれない。
ぼくの物まねがへただからとか、そんなわけじゃあなかった。
くろねこは、ぼくの心のすきまに気まぐれにやってきた。

十年。長いようで短い月日。くろねこは、いつの間にかぼくの目の前から姿を消した。
ひとりきりの帰り道。
暗い公園の遊具の上。
向かいの上に咲いているパンジーの後ろ。
いつも通っていた帰り道は、「大人の都合」っていうやつできれいに変身した。
ぼくも大きくなったから、公園にいくことはなくなった。
パンジーは、気付いた時には枯れていた。
「にゃあ」
ぼくは、ネコの物まねをする。ぼくの声は、すっかり大人の声に変わった。

(もう、あえないんだなあ。)
心の奥底でぼくはそう感じた。ひとは、かわっていくんだ。
塵1つ、砂利ひとつないきれいな道路を、ぼくは歩いていく。
2008-01-22 22:09:48公開 / 作者:佐野
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■作者からのメッセージ
初めて投稿しました。自分なりに頑張って書いてみました。読んでくださってありがとうございました。
この作品に対する感想 - 昇順
このテーマで書くと、ノスタルジックな作品になりがちです。しかし、甘さがないのが良い。詩情豊かな作品だと思います。

改行が多すぎます。あと、段落の最初は一文字空けなくてはいけません。

丸括弧 () は、前に述べた文や語句について説明する時に使います。心情を表す時には「」かそのまま本文に書きます。

このような作品の場合、説明的になった瞬間、読者を興ざめさせる可能性がある。
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(もう、あえないんだなあ。)
心の奥底でぼくはそう感じた。ひとは、かわっていくんだ。
塵1つ、砂利ひとつないきれいな道路を、ぼくは歩いていく。
-> 「塵ひとつ、砂利ひとつないきれいな道路を、ぼくは歩いていく。」
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この部分は無い方が良いと思いました。前の部分の余韻が損なわれます。
2008-01-23 11:57:30【☆☆☆☆☆】プラクライマ
 アドバイス、ありがとうございました。
色々と参考になりました。気を付けます。また、頑張って書いてみたいと思います。
2008-01-24 18:44:39【☆☆☆☆☆】佐野
文章は短いですが、表現はなかなか上手いと思いました。勉強になりました。
2008-02-04 01:15:17【☆☆☆☆☆】ジョブ男
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