『水を飲まない街(企画に乗りたかったが期日もサイズも大幅に規定を外している)』作者:模造の冠を被ったお犬さま / TXyX - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
 ハリウッド映画の原作になる予定のパニック小説です。
全角8008文字
容量16016 bytes
原稿用紙約20.02枚
水を飲まない街







 三大都市がある県にしては知名度が低く「ああ、四国の」と言われる、パッとしない県。おい、愛媛と混同するな。
 その都市とも廃藩置県によって同じ県内に収まっているだけで、実際には遠く離れた土地。都市がある東側をエンド藩と無理やりに英語で読んでみれば、こちら西側はスリーリバーズ。スリーリバーズのひとつ、リッチリバーこそが現在地──俺の生活圏だ。
 NHK大河ドラマ『風林火山』の主人公、山本勘助ゆかりの地であり、稲荷でも全国的に有名だし、若葉祭は戦国時代の感謝を今に伝える由緒ある祭だ。若葉祭より『うなごうじ祭』の名前のほうが通りがいいか。ん、それも聞いたことがないだって。現代語訳すると、うじ虫祭だ。ほら、参加したくて堪らなくなってきただろう。遠慮しなくていいぞ、近うよれ。
 もともと、この辺り一帯は歴史が深い。垢抜けずとも都市があるということは、すなわちそこがある程度以上の広さを有する平野なのであり、歴史を紐解くまでもなく“平野あるところに文明あり”ということで、論理がウロボロスになってしまったが言いたいことは結局、そんなに田舎じゃないしうらぶれてもいない。だから馬鹿にするな。
 古都たる京都や奈良が目ではないほど仏閣や神社がある上、三英傑である信長・秀吉・家康出生の地でもある。 日本人ならこの武将たちを知らないなんてことはあるまい。戦乱の時代を駆け抜けた三人の中で、特に肩入れし英雄視している武将もいるだろう。俺は秀吉派だ。
 百姓の出でありながら天下を獲った秀吉。そのサクセスストーリには男の浪漫を感じる。──男色は生理的に受け付けないしな。
 上司の履物を懐で温めるような機転も発想も忠義も野望もない俺は、満開の桜を見てやりきれない思いを一時だけ忘れようとしている。
 天を仰げば視界いっぱいのさくらさくらさくら。やわらかな薄紅色の花が舞い、はらはらはらと注ぎ降る。真綿で包むようにやさしい。おだやかな心持ちになる。
 視線を水平に戻すと、一歩を踏み出すのにも危険予測を発揮しなければならない黒山の人だかり。彼らから見れば、桜を見上げる俺など障害物以外のなにものでもないだろう。視線に引きずられて精神まで俗世に落ちてくる。
 屋台がひしめく桜トンネル。満開の桜に、満員の人。桜を見に来たのか、桜を見に来た人を見に来たのか、桜を見に来た人を見に来た人を見に来たのか。“水、水を見る”の反転した境地。桜は綿のようで、また雲のようでもある。天上天下、風雅な桜と喧騒にまみれた酔っ払いども。桜の木の高さにさえ手が届かない。
 畏敬と憧憬をこめて、改めて桜を見る。はらはらはら、はらはらはらはらはら──じむじむ。零れ落ちる薄紅の向こうに黒い影が見えた。落ちてくる。大きさはすぐに花びらを超えて。質量を伴った物体が。
 野球のフライを捕るときの感覚が甦り、今の俺に重なる。オーライオーライ。俺に落ちている。自由落下の加速度が一本の直線を引く。その先に俺がいる。
 飛び退いた。綿菓子の割り箸が右手甲に刺さる。クレープを通して、女の歯が肩に当たる。ドミノ倒しの要領で、どこかで誰かが倒れたようだ。
 タイルの上、ぼるんっ。落ちて、それから少し跳ねた。洗濯して乾かしていたクッションでも風に飛ばされてきたのだろうか。腰を落として首を伸ばしたとき、首の後ろに衝撃を受けた。意識が途切れて──消えた。
 渡来道秀、享年四十。





 ひとり暮らしの寂しさを埋めるために点けていた21型テレビから漏れ出てくるJ−POPに注意を促すチャイム音が被さった。
 画面上部にテロップが流れている。
 “降りけが人が続出 死者は不明 警察は原因を究”。なにが降ったのだろう。季節はずれの雹だろうか。原因がわからないなら、常識的な氷の粒や水の類ではないのか。非常識な物質が降っている。今もまだ大量に、それも、広範囲に。
 “続出”ということは今なお起こっているということだし、数量を多いこともわかる。死者が“不明”ということは見てすぐに判断できないぐらい規模が大きいためだろう。
 テレビの画面が切り替わる。
『番組の途中ですが、報道特別番組をお送りします。愛知県南東部で午前十一時ごろから×××××が降っており……』
 見たことのないニュースキャスタが泡を食って早口に捲くし立てる。
 いまなんて──。日本人もエイプリルフールにジョークを放映するような、洒落の通じる民族になったのだろうか。しかし、趣味が悪い。人死にに関わるようなことをジョークにするなんて、ジョークだから趣味が悪い。これでは慢心で偽造の人道家を、それと熱心で偽善の動物愛護団体の運動を活発にするだけだ。
『……気流に乗って移動してきたなど憶測が飛んでいますが、真相は未だわかっていません。警察では現在、負傷者の救出に当たるほか……』
 そんな憶測はどこで聞いたんだ。ニュースディレクタが思いつきで考えたんじゃないのか。竜巻は局所的に発生するだけで『デイ・アフター・トゥモロー』だってそんな大移動はしないし、この時期にそんな方角から季節風は吹かないし、台風は熱帯海上で生まれるものであって南下してからまた北に上がってくるなんてことはない。気流に乗ってきたなら『それ』だけが飛ばされてくるなんてあり得ない。そんな知性のかけらもないジョークを言うより、「それは仮の姿で、真の姿はエイリアンだった」のほうがはるかに説得力がある。
 電気炊飯器の“ご飯を炊き終わった報せ”を聞いて立ち上がる。ご飯をよそり、ふりかけをかけてゆかりごはんにした。昨日の余りもの、ブリの煮つけを鍋から取り出して皿に盛り付ける。
 ショウガが利いていておいしい。すこし塩味が強すぎる気もする。
 こんなとき──あ。テレビに地図で説明されて、ようやく思い至る。アイチケンナントウブは愛知県南東部で、そこには祖父母が住んでいる。
 ケータイに手を伸ばす。呼び出し音が、繋がった。
「おばあちゃん、わたしわたし。そっちでコアラが降ってるってホントなの」
 エイプリルフールは先週、通過している。 





 玉砂利の上を草履が滑る。
 烏のように黒い装束を身に纏った人物は、身体のラインを隠すという和服の特性が発揮されてなお細長かった。それは夕暮れの影法師のようでもあったが、時間はまだ太陽の昇りきらない時刻。
 場所は仏教系稲荷の総本山、円福山豊川閣妙厳寺。通称、豊川稲荷。
 本尊は千手観音で鎮守は荼吉尼真天。稲荷と呼ばれていながら、同時に曹洞宗の寺社でもある。宗教に関して大らかな国民性が具現化したような建物であり、場所だった。
「んー。まあ、こんな感じだね」
 参拝客にしては不自然だ。順路通りに歩けばいいものを、玉砂利の上など歩いて響きを愉しんでいる。足取りは確かだが、どこか浮き足立っていた。参りに来たのなら、明らかに神仏の気を悪くしている。
 人物は賽銭箱の前に立ち、本尊を観察している。やがて、飽きたのかそのまま踵を返した。賽銭箱には視線を落としただけで、金銭は一円も奉納していない。一礼も、一拝たりともしていない。
 奥の院を通り、霊狐塚へと向かう。
「初詣に来るとこじゃないね。夏──うん、夏がいい」
 奈良や鎌倉みたいに派手な大仏とか、呼び物があるわけじゃないし。そんなことを口の中で唱えている。
 観光客が喜ぶところではない。それは的を射ている。由緒を知っているものだけが、その地を踏んだ思い出を記念にするだけである。有名な神社だからご利益がある、そう考えているものは神社というものの本質を根本的に間違えている。神社は願いを聞き届けてくれる場所ではない。
 この場所の特筆すべきは、霊狐塚。領域の質が他と切り離されて純粋。平たく言えば、空気が違う。
 一歩ごとに霊圧の高まる鳥居の道を、しかし飄々と突き進んでゆく。
「おや」
 人物の表情筋が初めて働いた。
 千体以上のキツネがおわすこの場所で、対峙する。
 人物が漆黒であるならば、対峙したのは真紅だった。ジャケットもパンツもブーツも赤い。髪の色も、左眼も。
 しかし、なにも起こらない。双方ともに、神前で事を構える無粋な真似をしようとは考えなかった。なにも気付かなかったように、すれ違う。
「白狐憑きだったっけね」
 つぶやきは、届かないことを前提にしている。



「いま帰ったぞい」
 僕はアパートに帰るたびに「ただいま」の挨拶が不安で仕方がない。もしも、返ってこなかったらどうしよう。そんな考えを隠すように、いつも少しアレンジした「ただいま」を使っている。
「おかえ、おなか空いた」
「『おかえり』ぐらい最後まで言ってくださいよう」
「あ、またキモノで出かけたの。うーわー、ウける。ふはは」
 今日も居る。僕は一安心した。最近、僕はこの人のために生きているのではないかと思える。僕もずいぶんと人に依存するようになったものだ。少し前までは考えられないこと。
「ずいぶんとうれしそうだな。恋でもしたか」
 僕はカップうどんをふたつ棚から取り出して、薬缶に火をかける。
「ええ。赤髪に会っちゃいました」
「ふーん。そ」
 あれ、素っ気ない。
「嫉妬ですか。らしくないと言うか、らしいと──」
「むっきゃー。それはどーゆーことかな。この僕が君に恋していると思っちゃてたりとかするの? 思い上がりも甚だしいね。この僕が? そんな君に? にゃいにゃい。
 だいたいさー、嫉妬する必要がにゃいじゃにゃい。僕のことがないにしてもさー。君は僕にぞっこんなワケだし。ラブラブラブじゃない。目がハートで、中では星が瞬いてるよっ。好き好きビーム全開でそんなことを仰るなんて、『まだまだだね』だぜ。
 ──僕のモンだろ、君は」
 そうだっけ。ぞっこんだったっけ。
 僕は高音を響き渡らせる薬缶の火を止め、カップうどんに熱湯を注いで三分間待つ。
「で、なにしにどこさ行ったのさ」
「お稲荷さん。地元を舞台にした小説を書こうと思って。フィールドワーク」
 ホントのことを言うと、調査ではなくて着想を得ようと思ってのことだったのだけれど。その程度のごまかしはご愛嬌。
「ふーん」
 素っ気なくない。なんでもないような顔してるけれど、目が輝いている。『目の中で星が瞬いてるよっ』ってこういうことか。僕の書くものに興味をもってくれている。
 僕は三分経ったカップうどんを二段ベッドの上まで運ぶ。
「お持ちいたしました」
「うむー。苦しゅうない苦しゅうない」
 僕の同居人は二段ベッドの上から降りない。それなのにその存在はどこか儚い。僕の部屋を去る姿が想像に易くて、だから嫌だ。ぞっこんじゃなくて結婚で。鎖で繋げて楔を打って。ずっといっしょに暮らしたい。
「あーあ」
「ん、どした?」
 そのとき、アパート全体が揺れた。投石されているような感じ。断続的にやってくる。物干し竿の折れる音がした。
「カーテン開けようよ」
「だーめ」
「もうお昼だよ」
「僕の中にいる魔王の封印が解けかけているんだ。うっ、くっ」
 僕たちは外でなにが起きているのか知らなかった。どんな非常事態で、世界中が注目しているニュースで、未曾有の事件で、あり得ない出来事だったとしても、僕たちふたりはそこで完結していた。
「世界が滅びるときも」
 笑いながら真剣な顔をしている。よくわからない顔だった。
「なに?」
「そばにいることを許可する」
 たぶん、僕はよろこんだ。





 わたしはお母さんと日よう日にさくらトンネルにさくらを見にいきました。
 わたしはお母さんに二百円でわたがしを買ってもらいました。わたしがわたがしを食べるとき、おじさんがわたがしにぶつかって、わたがしがなくなりました。
 おじさんはわたがしがなくなったことをわたしにあやまらなかったのでコアラで死んじゃいました。コアラがかわいかったです。
 みんながワーワー言っていて、お母さんはわたしを引っぱって図書かんに入れました。図書かんに入ったことは、なつ休みにプールのかえりにプナラテリウムを見てから一回もありませんでした。
 たくさんふってきたコアラが立って、さくらの木にのぼりませんでした。コアラがのぼることにしたのは図書かんなのでした。
 図書かんのかべをのぼったコアラが丸いやねにつくと穴があきました。コアラが食べたみたいです。プレタナルルームのやねが丸いやねだったので、もうプレタナルは見れません。わたしはかなしいと思いました。
 プテラレアエルムームのやねがなくなるとプテラレアエルムームの中にもコアラがふって、そっから1かいに下りてきました。コアラがかいだんをころがって下りてくると、みんながまたワーワー言います。
 男のおじさんがコアラをけりました。コアラはぜんぜんうごかなくて、おじさんは足をもってぴょんぴょんとびはねていました。いたかったからだと思います。でも自分がやられていやなことはあいてにしてはいけないから、しょうがないことです。
 コアラは本だなと本だなのあいだにも入ってきて、みんなは本だなとかテーブルの上にいます。コアラはかわいいけど、たくさんいるとちょっときもいです。わたしはお母さんと学習しつの中にかくれていました。
 コアラは図書かんを食べました。かべを食べて、大きなガラスも食べます。学習しつのかべやドアもがじがじがじと食べました。かべに穴があいてコアラのはなが見えました。コアラが食べると穴はもっと大きくなってコアラが学習しつに入ってきます。お母さんはねていました。
 コアラがだっこしたくなったけど、重くてできません。わたしは学習しつから出ました。図書かんのかべは穴ぼこだらけになっていたので外に出ました。コアラは空からふっていなかったです。
 コアラをふみつけないように図書かんのちゅう車じょうをあるいて、やたいにつきました。わたがしやさんからメロンパンナちゃんのわたがしをとりました。
 これはさっきのこまちとかれんのわたがしがダメになったからです。マックドナルでジュースをこぼしたときもあたらしいのをくれたのでいいことです。わたがしはまだ食べていなかったからこうかんします。わるくないです。
 わたがしはおいしくて、わたがしやさんはコアラが食べました。図書かんは入り口のとこがなくなりました。
 わたしはつかれました。
 まだ書かないといけないんですか。
 もういやです。
 おわり。





『おばあちゃん、わたしわたし。そっちでコアラが降ってるってホントなの』
 蜜柑を食べていると電話が鳴りました。座椅子から腰を上げて電話をとると、孫の声が聞こえました。元気でやってるみたいで、よかった。
「わたしわたし詐欺の方ですか。ご苦労さまです」
『わたしだって。今、神奈川にいる孫娘の芽久菜だって』
「孫にメグナなんていません。お引取りください」
『おばあちゃん、わざとボケてるのかホントにボケちゃってるのかわからないから、そんな確認やめて。確認したかったらディスプレイ表示する電話を買いなよ』
 本人だねえ。これからはIT社会だから新しい固定電話なんて買わないんだよ。
 ガンガン、と玄関扉を叩く音がします。
「芽久さん、おじいちゃんが帰ってきたからちょっと待っててね」
『ちょ、待……』
 照さんはなおもガンガン玄関扉を叩きます。あたしが開けなければ、叩き壊す気なんでしょうか。
「照さん。今、開けますからね」
 からからから、びしゃん。開けようとしたら、照さんが勢いよく開け放ちました。
「見ろ、ばーさん。おのれ鬼畜米兵め。今度はこんなものを落としてきよった」
 照さんのたくましい腕に片足を捕まれて、目のくりくりとした可愛らしいコアラがぶら下がっていました。
「いやですよ、照さん。それはコアラです」
「コアラか、そういえば動物園で見た獣にこんなのがいたな。あのときは動かなかったから人形かと思ったが。そうか、これがコアラか。米兵め、奇天烈なものを落としてきよる」
「照さん。コアラはオーストラリアらしいですよ。ニュースでやってます」
「米兵ならぬ濠兵か。戦況はどうなってる。すかさずこちらも反撃に出るぞ」
「照さん、戦争は起こっていません。異常気象で飛んできたようですよ」
「ばーさん、騙されちゃあいかん。こんなナリをしているが、コアラというやつは侮れん。こいつは商店街を瓦礫に変えよった。爆撃機より恐ろしいぞ。落とされた直後はなんともないが、周囲の建物を食い続けて焼け野原と同じにしてまう。商店街なんて酷い有様だ」
 テレビジョンで聞いている分にはそんなに凄惨な光景とは思いもよりませんでしたが、なるほどそんなに被害が出ているのなら大事ですね。
「おい、ばーさん。受話器が外れているぞ」
「ええ、そうでしたそうでした。芽久さんが心配してかけてくだ……」
「芽久か、儂だ儂。──詐欺じゃない。可愛い爺ちゃんを忘れたか。
 ──そう、大変なんだ。そっちは無事か。──ならいい。こっちはやられた。ぬかったな。──ああ、儂なら大過ない。ばあさんも相変わらずだ。──コアラか。そういえば芽久。お前、動物園に行ったときコアラが好きだと言っていたな。何匹送ってほしい。何匹でもいいぞ。──そうか。真実本当だ。コアラが降っとる。──怪我はないようだったが。大変だぞ。八の服屋はぺしゃんこだし、菊の家具屋なんて跡形もない。──ああ、そうだ。こっちのことは安心しろ。家とばーさんぐらい守れらあな。それより気をつけろよ。そっちでコアラが降らない保障はないからな。──そうだ。じゃあな」
 まだ、あたしが話し中でしたのに。
「ばーさん、篭城の準備だ。コアラのやつ、ガラスは食うくせして木材だけは食わんらしい。窓には板を打つぞ。ああ、腕が鳴るな。血潮が沸く。ばーさん、覚悟を決めろよ」
 照さん、凛々しい。





 街はコアラで埋め尽くされていた。
 当事者でないものたちは懸命に、“これはなんなのか”“これがどういうことなのか”“だれによるものなのか”“これからどうなるのか”“なぜその街なのか”“なぜコアラなのか”と議論を続けていたが、なにひとつとして答えが導かれる兆しが見えなかった。
 延々と根拠や理屈のない推論が無責任に垂れ流されていたが、その『根拠や理屈のないこと』が真相ではないかと気付き始めてもいた。それを振り払うように、さらに荒唐無稽な主張が述べられ議論は混沌と化す。もはや、子供の口喧嘩のような体裁だった。論者は『意味がない』ということに怯えているのだ。意味がなくては解決策を見つけられない。自分たちの理解できる範疇に落とし込んで、わかったつもりになって、回答を出したふりをする。十八番となったその手段が今回の件には使えなかった。
 コアラはあらかたコンクリを食べ終わっていた。ガラスと鉄筋もほとんど尽きた。次にコアラたちはアスファルトを食べ始めていた。道路だ。道路は全国に張り巡らされている。そういうことだった。
 コアラは行軍する。






2007-12-30 19:23:40公開 / 作者:模造の冠を被ったお犬さま
■この作品の著作権は模造の冠を被ったお犬さまさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
 山本勘助のお墓は祖父母の家から徒歩2分のところにあります。この間、ドラマになった記念だとかでお餅を振舞っていました。今もまだ幟が立っています。なんとかして人を呼び込もうとしているみたいです。やっぱり田舎ですね。
この作品に対する感想 - 昇順
 こんにちは、模造の冠を被ったお犬さま様。
 御作を読みました。
 愛らしいコアラを使ったことで、シュールさというか、奇天烈なおかしみを感じました。
 面白かったです。では。
2007-12-31 14:32:31【☆☆☆☆☆】上野文
こんばんは。あけましておめでとうございます☆

なんていうか、上手く感想にならないのですけれど、物凄く物凄く怖いです。私、ちっちゃい頃オーストラリアに旅行したので生でコアラを見たことがあるっていうかだっこしたことがあるんですけど、あれって可愛いけどたくさんいたら絶対怖いと思います。これがうさぎとか犬とかだったらそんなに怖くないんですけど、コアラだから怖いって言えば良いのでしょうか。恐ろしいとかでは無いのですが、ぞっとしました。前作の時よりもよっぽど気持ち悪い話だと思います(というか、前作に気持ち悪さはまったく感じなかったのですが。あ、気持ち悪いとか申しましたが、不快の意味ではありません、紛らわしくてごめんなさい)。
 一つ気になった(ってほどのことでもないのですが)のは、どこか一つの都道府県で起こった出来事にするよりも、全国規模にしたほうが面白かったんじゃないかなぁとか、そうじゃないにしても、その県について詳しい描写をする必要性あるのかなぁ、みたいなことです。多分企画用に書かれたものだからだとは思うのですが。それを考えないで普通に読んだ時、どうしても愛知(?)を舞台にしなきゃいけないのか、って思うとちょっとそうでもないかな、と思って。コアラが大量発生するのはどこでもよさそうなので、そこまで具体的にする必要性がよく判りませんでした。……む、夢幻花が馬鹿なせいでほんとは物凄い重要ポイントだったらどうしましょう(汗)
 怖かったけど、面白かったです。それから全然関係ないのですが、見渡す限り畑とたんぼの福島に生まれ育った夢幻花的には、愛知(?じゃなかったらどうしよう……)はとても都会だと思います。だって名古屋があるんですもの。
 なんだか長々と意味不明なことをごめんなさい。それではっ。
2008-01-01 04:04:57【☆☆☆☆☆】夢幻花 彩
 明けましておめでとうございます。

>上野文さま
 上野さんと私って犬猿の仲じゃなかったっけ(私が犬だから、上野さんは猿だな)。感想をもらえてびっくりしています。
 コアラは。うん、駄洒落だけれどコアラでよかった。

>夢幻花 彩さま
 コアラってよく見ると怖いよねー(*´・ω・)(・ω・`*)ねー。コアラって感情が掴みにくいじゃないですか、それが不気味です。
 最初の渡来さんが話を大きくしているのでわかりにくいですけれど、県ではなく市のレベルで書いているつもりです。ズームアップしていくためにまず、県を持ち出したのですけれど失敗だったかな。
 まあ、どちらにしたって『ご当地物』にはなってないです。普通の饅頭に焼き鏝で地名を入れてお土産にしているような感じですね。本当に必要なのは、空を見上げるための桜ぐらい。桜の名勝地なんて、どこでもあるのでどこでも使えます。
 桜の『桜トンネル』。避難場所として『プラネタリウム付きの図書館』。赤髪と出会うための『豊川稲荷』。祖母が働いていた『海軍工廠』(単語として登場させたかった)。あるといえばこのぐらいですからね。私の腕でここでしか書けないものを書くというのはできませんでした。読み物単体としては失格だよなあ。ふわあ。
 どちらかというと地の利を生かすというより、細かい地名が書かれていても鼻につかない手法に挑戦していたのですけれど。彩さんに指摘されてしまうということはやっぱりダメダメですね。

カンムリーヌ「福島? ああ、九州の」
夢幻花 彩「おい、福岡と混同するな」

 地理に疎くて、書く段になってようやく地元についてなにも知らないことに気付き、いろいろ調べてきた模造の冠を被ったお犬さまです。がんばってます。
2008-01-01 19:24:03【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
読んだ感想より前に、ツッコミが入れたくなりました。
え?勘助の墓?マジで?……勘助の墓は、私の家から徒歩一分足らず。というか家から外をみてもなぜか見えるぐらい。ありえないって……今度オフ会でも(すいません冗談ですwプラネタリウム付きの図書館はよく使うので知ってますw正月は閉館で、29日から?閉まってたんですね。29日に丁度資料アサリにいったんで。その近くに陸上競技場とアピタがあるのを覚えてるw夏には花火が綺麗で…w

感想は、自分の世界観を上手く語っていると思います。ただ、一人称と三人称(俗に自分目線と神様目線)が混ざっていますね。途中、わたしと自分を書いています。ですから、この場合には自分からの目線を統一しないといけないんです。そのほうが臨場感があるとか。それとですね、よくアマチュアで悩むのがこの最後の場面で、自分目線で貫いているのに、最後にだけ自分が見ていない場面を入れることです。主人公から見ていない場面は入れてはいけないんです。
 すいません、これぐらいしかいえないですw元々私は文章には自信がないんで。。最近はシナリオを重視するところが多いし。。
 全体的には、やはり書きなれているなー、という印象で、今度は作法を守るといい評価をもらえると思いますw(アマチュアでは、一目見ていい人かを見分けれないことがとても悔しいですね。。)
 私も地理に疎いです。でも来年にはうなごうじ祭に参加しないといけない。高1は参加しないのに、なぜ高2は参加するんだよーorz
2008-01-04 12:13:18【☆☆☆☆☆】佐紀
 お?

>佐紀さま
 12月24日に図書館に行ったら休館日でした。明日にでも一緒に豊川稲荷に詣でましょう。
 視点のバラつきがありましたか? まさか文章作法で指摘されるようなところがあるとは思いませんでした。指摘された今でもどこがそうなのかわかりません。

 一段落 渡来道秀視点
 二段落 芽久菜視点
 三段落 第三者視点(子供)
 四段落 僕視点
 五段落 女の子視点
 六段落 おばあちゃん視点
 七段落 第三者視点(司会)

 で、それぞれ統一されていると思っていましたけれど、違うのかな。渡来道秀視点のラストが人称としてはこずるい感じがしますね(そこは『効果』として許して)。
 佐紀さんが指摘する【わたしと自分】を書いているのはどこだろう。【自分がやられていやなことはあいてにしてはいけない】となっている部分は、広く親が子に言って聞かせる“自分がやられて嫌なことは相手にしちゃいけないよ”を下地にしている文章で、ここでの【自分】は“女の子たるわたし”でも“書き手たる『私』”でもないのだけれどな。
 それとも、七段落の【自分たちの理解できる範疇に落とし込んで】かな。この場合、“自分たち”が指しているのは【論者】です。
 うーむ、せっかく指摘してもらってもわかりませんでした。よければもう一回教えてください。
 もういっこ。七段落の第三者視点のことを言われていると思うのですけれど、第三者視点は二段落でも使っているから違和感は消えているはずでした。駄目なのかなあ。
 こっちはもうシナリオというかストーリの展開上、これしか思い浮かびませんでした。段落を増やすだけなら可能なのですけれど、一段落と五段落、二段落と六段落、三段落と四段落をそれぞれ関連させて綺麗に終わらせたつもりだったので、また新しく増殖させることができませんでした。もうちょっと試行錯誤したほうがよかったか。うーむ。
 うなごうじ祭は全国的にも有名でユニークなお祭りです。ぜひ、時代を超えたバトンを繋げてあげてください(今年も見に行きます)。
2008-01-04 16:09:02【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
 先ほど調べたら、24日は月曜日でしたw定休日ですね。。定休日は最近いくことはあまり考えないので、それと学校がw社会人はズルいよぉ……w

 一段落 渡来道秀視点
 二段落 芽久菜視点
 三段落 第三者視点(子供)
 四段落 僕視点
 五段落 女の子視点
 六段落 おばあちゃん視点
 七段落 第三者視点(司会)

揚げ足を取るようで申し訳ないですが、先ほどのものをコピペさせていただきました。
主人公目線というのは、例えば本一冊文書く場合には視線を統一しなければならないのです。
では敢えて聞きますが、主人公はだれでしょうか?読み手のほうはまず、最初に出てきた人をそう決めますね。古い読み方で、感情移入させる方法がありまして、これの場合は主人公が誰か明確にしないといけないわけですよ。なので、僕という風に、最初に主人公を決めたら全て見た光景を主人公からの目線にしなければならないわけです。例えば「〜〜が、靴を履いた」であれば「〜〜が靴を履くのが見えた」が理想です。これはあまり気にする人がいないのでOKです。
ただ、最初の段落別の目線で見るとおり、僕の目線と他人の目線が混雑しているんですね。主人公目線は書きやすいメリットと、より深い臨場感が味わえるわけです。
 まだあります。視点を多くことに、実はなんのメリットもないのです。少なくとも短い短編では。長編となれば大きなトリックをしかけたり、伏線を重ねたりで多くの目線を用いる事で話が広がります。短い短編で複数の視点を置くと、誰が誰だかわからなくなる場合があるんです。力技で何とかする手もあるのですが…かなり高度な技となるので避けたほうがいいと思います。
 人数とそれに要する理想の枚数は、実は法則的なものがあるんです。これについては参考とする本はあるので、調べるといいと思います。紹介するのもいいですが、おこがましいといわれそうなので^^;
 複数の視点の理想は、トリックなのでそれを多いに使いましょう。
 【わたしと自分】ですが、神様視点ならばわたし、ではなく名前をこの場合は用いましょう。
 確か、まだ休みかもしれませんがそちらの図書館にもこのような説明はあると思います。ぜひ読んでみるといいですよ^^文章指摘ではなく、これを判別すれば小説の世界が広がるだけで、私は文章力ではないと思いますが……あくまでシナリオ勝負ですから。

 寒いです。風邪ひきそう・・・。
2008-01-04 16:36:48【☆☆☆☆☆】佐紀
 あ。

>佐紀さま
 その日は会社の振替休日でしたよ。書き物をしていました。

 佐紀さんはザッピングそのものを否定しているわけですね。よくわかりました。作法と書いているので“同一段落の中でふたつの視点が混在している”のだと思っていました。と言うことは、この書き物を全否定じゃん。それどころか、叙述トリックを用いていないザッピング小説はすべて否定ですか。大胆なことを言いますね。
 指摘されてしまうということは、私がまだザッピングを取り入れるだけの手練がないのだと認識します。でも、この認識だと佐紀さんはまだ納得いかないのですよね。「ザッピングするな」が肝だと思われるので。

 そうだなあ、これはちょっと書きにくいところだなあ。自意識がかなり余分に分泌されそう。
 「ザッピングするな」という感想がいけないとは言いません。適切な相手の適切な書き物には適切な感想になると思います。知らず知らずのうちに一人称と三人称が混じってしまうような初心者を相手にする場合です。私の場合(自惚れ開始!)、ザッピングのメリットとデメリットを考えた上で敢えて書いています。ザッピングをしたくて書いているわけなので、「ザッピングするな」と言われてもなあ、という感じ。「ザッピングがうまく機能してないよ」というのでしたら素直に「そうですね」と言えるのですけれど。

 佐紀さんもザッピング小説を読んだことがあるようですけれど、それは叙述トリックが仕掛けられているものだけでしたか(もしそうだとすると、叙述トリックがトリックとして成立しない。文体だけでバレる)。ザッピングには叙述トリックを仕掛ける以外にもいろいろなメリットがあって、それを用いたいときには叙述トリックがなくても使用します。失敗している私が言うのもなんですけれど。

 私は【視線を統一しなければならないのです】というのは小説における基礎であって、基礎はそれを超えてこそ中級・上級に上がれるものだと思っています。佐紀さんが挙げているような小説の法則というものは無数にあり、それをすべて守っていては面白い小説どころか小説そのものが書けなくなってしまいます。小説の『べからず集』を見たことがあるでしょうか。『主人公が王家の血筋であってはならない』『トラウマがあってはならない』『秘密の組織に属していてはならない』『二重人格であってはならない』『双子であってはならない』『左右の目の色が違っていてはならない』『顔に傷があってはならない』『違装者であってはならない』とか、紙幅に限りがあるので書ききれませんけれど(『べからず設定』だけでももっとある)。その中には『すべてひとりの一人称であってはならない』や『主人公と呼べるものはひとりだけではならない』というものも含まれます。これでは佐紀さんが言っていることとダブルバインドなってしまうでどうすることもできません。

 簡潔に書いてしまうと“私は『臨場感』より『ザッピング』を選んだ”ということになります。
 そうでないと、【水を飲まない街】はどうやったって生まれてこれないのですから。

 で、最後っ屁になります。【『わたしと自分』ですが、神様視点ならばわたし、ではなく名前をこの場合は用いましょう】と書かれていますけれども、指摘された箇所はありませんでした。何度読み返しても見当たらないので佐紀さんの勘違いではないでしょうか。

 なんだか全文が反対文になってしまった……。別に、人間が嫌いで書いてるわけではありませんよ。
2008-01-04 17:59:29【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
 短くいいますと、ザッピングではこの文章量であなたの世界観を表現するのは無理ではないでしょうか?たとえ表現しても、読み手には伝わらないのではないでしょうか。少なくとも、私には人物の魅力が伝わってきませんでした。少々辛い意見ですいませんでしたが、理解してくれると嬉しいです。
2008-01-04 20:19:09【☆☆☆☆☆】佐紀
2008-01-04 21:07:35【☆☆☆☆☆】レン
 ほ!

>佐紀さま
 佐紀さんが『ザッピング』と『文章量』と『世界観の表現』をどう結びつけて考えているのかわかりませんでした。何度も感想をいただいたのに生かすことができず、申し訳ありません。

>レンさん
 …………。
 久しぶりに出てきたと思ったら。なにをしてるんですか? 『読んだ』フラグを立てのですか? えっと、ありがとうございました。
2008-01-05 02:07:22【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
失礼。読んだよではなく、面白かったよ……なんです。
お久し振りです。…でも次回は春になりそうです。それまで、ごきげんよう。
2008-01-05 10:49:38【☆☆☆☆☆】レン
 面白かったですか。それはよかった。私もよかった。
 まだ冬眠は続くのですね。それまで、ごきげんよう。
2008-01-05 15:49:13【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
一つ質問よろしいですか?

模造の冠を被ったお犬さまsの私に対するコメで、最初に「あ。」と「ほ!」とあるのですが、これを繋げると挑発にしか思えないのですが。もちろん、最初のを無視した上ですが。勘違いでしたらすいません^^;
2008-01-05 18:01:02【☆☆☆☆☆】佐紀
こっちおもろいです。ものすごく好きな空気です。第三段落だけちょっと置いてかれた感じはありましたが、事象の捉え方というか、登場人物によっては関心さえ持っていないところがいいです。でもこれはハリウッドじゃないな、この映画に音楽は要らん。
どうでもいいですが去年の夏に旅行で立ち寄りました、豊川。諸事情によりクルマ王国は嫌いなのですがあそこはいい所でした。
2008-01-06 00:15:23【★★★★☆】明太子
 …………、にぱ。

>佐紀さま
 そこに質問かい! 意識過敏ですよ。ただの感嘆詞。
 最初からそれを考えて書いていたとしたらスゴいですね。

>明太子さま
 こっちは褒められた。技術でいろいろ苦労すると駄目だしされて、感性で書くとノッてきてくれる。まあ、感性にまで駄目だしはできないし、駄目だしされたら終わりだけれど。
 これって音楽は要らない? 映像化すら自分でも難しい、立ち位置がわかってない書き物です。早産の子でした。
 豊川いいとこ一度はおいで〜一度来たならも一度おいで〜二度来たのなら三度来りん〜。
2008-01-06 02:05:13【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
初めまして。模造の冠を被ったお犬さまさん。
コアラのイメージがポップなだけに怖かったです。でも怖かったと言っても私の場合どこかコミカルな怖さだったので、もうすこしだけ怖くなりたかったです。惹かれたのは文章で、隙がない感じがしました。段落ごとのバリエーションに彩を感じまして、それぞれの文章が、好きです。
2008-01-06 09:11:58【★★★★☆】J
  感想だっっ!

>Jさま
 暗い部屋にたたずむ陽気なピエロ人形的な怖さを感じていただけたなら成功だと思っています。可愛い子ほど内心でなにを考えているのかわかりませんよね。
 隙がない感じ、か。うむ、そうだと思う。けれど、どこがそう感じさせているのかわからないんだよな。なにが起因だろう。そこはもっと伸ばしていきたい。
 バリエーションに関しては、そろそろ収斂してもいい頃合だと思っているのですけれどね。まだどうしてもバラけてしまう。いーかげん、歳を考えて落ち着けよ。もとより私の思考が似非パラレルだから、このほうが都合がいいのかも知れない。正直、同じ文体でずっと書くより書きやすい。
2008-01-06 12:55:06【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
読ませていただきました。よくわかりませんでした。ただ粗を見つけることは出来ませんでした。完成されているとは思いました。悪いところを指摘するのは誰でも出来るが、良いところを的確に助言するのは誰もが出来るわけではない、というわけであります。能力値の限界を感じております。粗があるとすれば、よくわからないことでしょうか。ハリウッドのパニックものにしては、私の中ではアニメで再生されました。失礼します。
2008-01-07 16:07:43【☆☆☆☆☆】メイルマン
作品を読ませていただきました。ゴマ切れの映像をつなぎ合わせたような不思議な感じです。ワンシーンごとは印象的なのですが、総体的には物語が不鮮明になっている感じを受けました。両手をあげて面白いとは言えないのですが、読後に得体のしれない面白味のようなものが残りました。さらにこの作品を読んだおかげで豊川稲荷がお寺に合祀されていることを初めて知りました。それだけでも読んだ甲斐がありました。では、次回作品を期待しています。
2008-01-07 22:48:47【☆☆☆☆☆】甘木
 よくわからない私です。

>メイルマンさま
 安定にも固定された状態での安定と、浮動した状態での安定があります。ライフゲームで遊んだことがあるでしょうか? あれがとてもわかりやすいです。完成している、ということはこれ以上は先に進まない安定した状態だと認識します。
 完成した書き物を見るにあたって、それが固定か浮動かによって必要な鑑賞眼が変わってきます。書き物における静止視力と動体視力です。いくら静止視力の優れた人といえども、動体視力はそれほど高くないかもしれません。
 ……書いている間によくわからなくなりました。
 これはハリウッドアニメなのです。

>甘木さま
 これはハリウッドアニメの詰め合わせ映像なのです。
 面白いか面白くないかが、評価の根幹なのですよね。どんなに奇を衒った、見たことのないものを書いてあっても面白いか面白くないかで二分される。二元論は嫌いなのですけれど、書いていればどうしても着いて回る評価ですね。このどうしようもない部分、【面白みが残った】という感想は風穴を開けてくれたように思います。
 ……やっぱりよくわからない。
 これを書く前の私は、たぶん甘木さんより豊川稲荷のことを知らなかったと思います。
2008-01-08 01:56:36【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
遅ればせながら拝読しました。シュール。あと荒唐無稽で面白い。細切れの情景を一人であっちこっち繋げてみたりセットにしてみたり一個一個を別個にしてみたり中々に楽しめました。コアラが振ってくるのか。良いなコアラ。現実にカエルが降ってきたり魚が降ってきたり家畜の糞尿が降ってきたり海からだいぶ離れていると思うのに海水が降ってきたりするので、コアラが降る日もそう遠くないような気がします。照さんが凛々しくてカッコよくてどうしようかと思いました。
2008-01-09 00:44:47【★★★★☆】水芭蕉猫
 YHAAAAA!

>水芭蕉猫さま
 あんまり千切ると組成が丸裸になってしまって紅潮しはじめるので、できるだけやさしくしてください。ちなみに、伸ばしたり縮めたり入れ替えたりするのもなかなか面白いです。つねると嫌がります。
 テレビで見た覚えがあります。魚が降ってきた田舎町。それはなぜかと訊ねたら。実は根性のあるトビウオの一群で、踏み切り位置を間違えたのでした。という真相です。嘘です。
 コアラは降りましたよ。舞い降りた、というほうが適切な表現かな。書き物を思いついたとき、まさしくこの頭脳に降り立ったのだ。ああ、なんと神々しいコアラだろうか。
 照さんは、普段はあまり役に立ちません。いざ、というときには50%の確率で信頼できる人間に変わります。
2008-01-11 01:11:41【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
にゃあ

今更すいません(マジで
点数入れるの忘れてました(かなりドジですすいません。
2008-01-17 19:45:30【★★★★☆】佐紀
 ありがとにゃあ。
2008-01-18 00:27:34【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
初めまして……ですよね。
茜丸です。

世界観っていうか、雰囲気が好きです。
そして、なんといってもこの作品で一番素晴らしいと思ったところは、キャラクター同士の会話です。
会話シーンが苦手な私にとって、流れるように会話をさせられているこの文章力には驚きました。
あと、やはりリアルって良いなあ……と思わされました。なにげない日常。そんなものを私は書く事ができないので、(苦手)はっきりいってうらやましい限りです。ファンタジーを書いている私でも、勉強になる事がたくさんありました。

これからも頑張ってください。
2008-02-01 20:57:41【★★★★☆】茜丸
 いやね、私も苦手。

>茜丸さま
 会話文って私も苦手です。書き言葉と話し言葉って、もう隔絶されていて行き来できないぐらい別物です。せっかく丹精込めて書いた地の文が会話文のせいで薄っぺらくなること、よくあります。会話文なんてないほうがよっぽど高品質を保てます。会話文のない文章、書きたいのですけれどね。ストーリが浮かばなくて断念中。
 こんな文章でも役に立てることがあったでしょうか。これからもがんばりマッスル。
2008-02-08 20:00:30【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
 こんにちは。今頃誰も見てないですよね?

 面白かったです。僕も古典的スタイルを重んじるほうだと思うけど、この視点変更はアリだと思いますよ。いくらなんでも小説ってそんなに不自由なものだとは思いません。あんまりルールを気にしてたらみんな同じ小説になってしまいます。

 いちばん面白かったギャグは、「古都たる京都や奈良が目ではないほど仏閣や神社がある」というところです。もうめっちゃ腹をかかえて笑いました。信長はんからもう500年近こう経ちますのに、いまだにコンプレックス持ってはりますねんなあ。むひゃひゃ。(東海地方の皆さんごめんなさい。悪意のない冗談です。ほんとに)
2008-09-12 21:53:08【☆☆☆☆☆】中村ケイタロウ
計:20点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。