『紅い薔薇と赤い少年』作者:瀰襌 / t@^W[ - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
サンタクロースの孫の三太黒須の初めてのおつかいです。※黒須の外見は16歳程度の少年ですが、その中身は100歳程度で時たま地上の人を見下して感じていたりしてます…。(汗)
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原稿用紙約16.25枚
白い中に咲いた紅い薔薇は、後を辿る様に点々と連なって咲いている。
けれどその薔薇は綺麗なものではない。

あまりに残酷。
踏み入る先は非道。
事の最期は無常。

生きる者の命は儚い物だと知っていても、それを疑問に持つ者はいない。
何故ならそれが当たり前の出来事に過ぎないからだ。
いくら長生きをしようと努力をしても、いくら100何歳まで生きられたとしても
それはただの足掻きに過ぎない。

クリスマス。それはキリストの聖なる夜であり神聖な日でもある。
そしてこの聖なる夜にこの薔薇は生まれたんだ。

 クリスマス。そう訊いただけで虫唾が走るほどの嫌気を感じた。しかも今年に限って、例年より少し肌寒くて外に出るのにも困難なホワイトクリスマスだ。
雪は夕方くらいから降り始め夜になった今も降り続いている。
犬と子供は喜び庭駆け回り、大人は屋根に積もった雪を払い交通の流れをよくする為に雪かきをして、猫は炬燵で丸くなる。初雪もホワイトクリスマスも行動パターンは例年通り。
ただ今年は例年とは少し違った。

 【紅い薔薇と赤い少年】

 ざっくざっくざっく。小さなブーツで広い広い雪の上を踏みつけて歩く小さな影と、四本足の影が真っ白い中に浮かんでくる。白い大地に小鳥の様な柔らかい黄金色の髪をたらした少年は大きな布袋を背負い直し、はふぅと綿菓子の息ひとつ零す。
左右に振られる頭から小鳥の様な柔らかな黄金色の髪の上からも羽毛の様にふうわりと粉雪が舞い落ちる頃、同時に肌寒さも感じてきた。
「……くっそお。だいぶ冷え込んできやがった。……えーと、確か次は…。あ、あったあった」
 見つかって、一息ついたのはいいけれど面倒臭い。いつもはきっと賑やかな中華風の町並みも雪化粧を施された今夜は深々と静けさが辺りを包み込んでいる。けれど少年が立ち止まった宿屋の窓のひとつからは暖かそうな灯りと一緒に騒々しい声が辺り構わず高らかに張りあがっていた。
「こーなったら勝負だ、勝負っ!」
「仕方ありませんねぇ」
「コラ襌(ゼン)、てめーもだよ!」
「…チッ」
 少しばかり口の利き方がなっていない、ケツの青い声が四つ。少年は背伸びをして窓の外からそっと部屋の中を覗いてみる。すると、大の大人三人と栗毛の子供が一人。ジャンケンをしていた。
「せーの、最初はグー!!じっけっしょ!!しょ!!しょ!!!」
 しかも眼が真剣(マジ)だ。
「―――――やった!!惷黄(シュンワン)の負け〜〜!!!」
「てめぇ、今ぜってえ後出しだったろーが!!」
「往生際の悪ィ男だ」
「はい惷黄、マントです。気をつけて行ってらっしゃい」
 止む事を知らずに吹雪く寒気に打たれながら暫く中の様子を眺めていたが、やはり限界だ。このままでは凍え死んでしまう。いくらなんでも命張ってまでこの仕事をやり遂げる予定は僕の辞書にない。だから、僕はこうした。
「………あのーっ。」
 まるで命知らずの泥棒の様に窓から、こんばんは。行動は堂々としていますが外見は普通の少年または神聖な日にジャストフィットな感じの童子が申し訳なさそうに声をかけると先程まで盛り上がっていた人達は一斉に僕を凝視した。それからぎこちなく一番背の低い栗毛の少年が、きょとんとしながら窓からあがってきた少年に近づき問いかける。
「……子供? どしたの、こんな時間に」
「えーと、はじめまして! 僕、三太黒須です」
 えへっ。とりあえず、まるい笑顔ではきはきと自己紹介すると彼等が居る所の時間だけが止まったか様に暫く動かなくなって僕を疑る眼で不思議そうに眺めていた。それもそうだよな、こんな数秒で納得してくれるわけないよね。見るだけでも僕の服装はサンタもどき同然だし、コスプレしているように見えるんだろう。
「……ふん、確か異教で言う処のクリスマスってヤツだったな、今日は」
「はじめまして、三太さん。いえ、思いのほかお若いのでビックリしました」
「え?サンタ!?マジで!?うおー初めて見たッ、ヨロシクな!!」
 少し気持ちに不安がよぎった頃、僕はそっと視線を彼等に向けた。すると今度の彼等は何も無かったかの様に笑いかけてすんなり納得してくれたご様子なんだけど、その中で唯一赤い髪の男だけがイマイチ納得していない様子だった。
「………ちょっと待てお前ら、5秒で順応すんなッ!!」
 多分この人以外、通常人はいない気がする。僕はそう思った。赤い髪の男以外の周りの人達だけは一応信じてくれているようで、なんて純粋で馬鹿な人たちなんだろうと心の奥底で思いながら三太はホッとして中身とは裏腹な子供特有の無邪気な笑顔で、にっこりと微笑む。
「ホントは僕、おつかいなんだ。サンタのおじさん、今風邪ひいちゃってて来られないから」
「そうですか、それは御苦労様です。こんな雪の中を」
「ところでお兄ちゃん達、どうしてジャンケンしてたの?」
「ああ、ホラ、外こんな雪でさ、ちょー寒いじゃん?誰が買い物に行くかでモメてたんだよな。買い忘れたモノがいくつもあってさ」
 それだけのことか。やっぱり、彼等はまだまだケツが青いな。
「ところで君は、どうして僕らの所へ?こちらの人達はあまり『良い子』とは言い難いんで、サンタさんとは縁遠いのですけど」
 赤い髪の男の二番目くらいに背高い眼鏡をかけた黒髪の青年が言う発言に対し、丁度四人の真ん中あたりの金髪の男が苦虫を噛んだ様な顔で黒髪の青年を睨みつける。
「…自分を棚に上げるな」
「うーんと、でもお兄ちゃん達にプレゼントして来るようにって、神様からもらったメモにちゃんと書いてあるよ」
「……神様って、仏教か何かか?」
「さあ?宗派が違いすぎやしませんか」
「なあ、ホントに俺達にプレゼントくれんの!?ラッキーやったー!!」
「はしゃぐな、みっともねえ」
三太は大きな布袋を雪の上にとすんと降ろした後に、えへんと得意そうに言い出す。
「はい、ひとりいっこづつ欲しい物を言ってくださ〜い。みんなが願ったものを、この袋から何でも取りだせるんだ」
「……“てじ●ーにゃ”ってカンジか?」
「今年はマジックブームでしたからねぇ」
「お笑いも流行ったぞ」
「いえいえ、やはり韓流ブームですよ。僕けっこうヨ●様に似てるって言われるんですけど」
「眼鏡で笑ってるだけじゃねーの」
「……なんの話だ、なんの」
どんどん話のズレていく彼等に、三太は頬を膨らませて言いました。
「ほらほら、早く決めてよ〜。オレ、まだこれから色んなトコに行かなきゃいけないんだから」 
 三太が、ぽふぽふと布袋をたたいて催促し出すと静かになったとたん、彼等は「どうする?」というようにお互いの顔を見合わせて顔を歪ませてみたり顔を横に振ってみたり、段々と話が脱線していったり沢山寄り道をして、結局この人たちはどうしたかといえば……。
「……ええと、それじゃあ遠慮なく……」



 ざっくざっくざっく。三太は次の町をめざして雪の夜道を歩く。それにしても、賑やかなやつ等だったなぁ。
しかも、たったひとつのプレゼントが、あんな物だけでいいだなんてね。
 いったん意見がまとまったかのように思われた会議の後も静まる事なんて無くて黒髪の男が台所に走り出したり、机に向かって黙々と紙の上でペンを走らせる赤い髪の人がいたりと目が回るほど周りは慌しく動き始めた。
それで改めて聞き出すと彼等が出した答は、こんなものだった。
 赤い髪の青年は「ハイライト」という煙草の一種を志願。金髪の男は「熱燗」で、栗毛の少年は食べ盛りなのかな「何でもいいからウマいモン!」だって。ある意味、抽象的過ぎて困ります。それから眼鏡の青年は「春菊」だそうで、これで今夜は湯豆腐が作れますとか主婦みたいな事を言っていた。
 ……言っちゃあなんだけど僕はパシリでもなんでもなんだからさ、もうちょっと考えてから答えればいいのになぁ。僕なんか、たったひとつしか貰えないって言われたら物凄い悩むよ。うんでも、「これで誰も買い物に行かなくて済んだ〜」って喜んでたから、まあいいか。
三太がにっこり微笑んで袋を背負い直すと背中でガチャンと音がした。
「?」
 なんだろう? 袋の中に何か硬いものが入っている様で不思議に覗きこんでみると、そこには小さなテレビのような画面のついた四角い機械が出てきた。確か、…本物は見た事ないけど、“かーなび”とかいう機械に似ている。
そういえばさっき、四人の後ろから白い竜の子供が、とっても切実なまなざしでジーッとこの袋を見つめていたような………。



 すっかり夜は更けて外の風は急激に冷え込み、辺りはなんの動くも無い真夜中。もう車もほとんど通らない道路で信号機がチカチカと黄色く点滅していて幸いここは雪もそんなに沢山は積もっていなくて嬉しい限りだが……下が滑りやすくなっている。
気ィつけなくちゃな。滑って転ばないように三太は気をつけて歩きました。
 「うーんと、次は……ここかな?」
 鼻の頭を赤くした三太は、夜に佇む大きな四角い建物を見上げました。えーと……こういうの、“まんしょん”っていうんだっけ?

「こんばんわ!僕、三太黒須ですっ」
「………びっくりしたー」
 三太が元気に開けたのはお風呂場のドアだったらしく、湯舟につかってのんびりと雑誌を読んでいた最中に僕が突然現れた事に対して口では「びっくりした」というお兄さんはあんまりビックリしていなさそうなうっすいリアクションで返事を返してきた細い目のノッポさん。
「どうやって入って来たの?」
ノッポさんは雑誌を屋根のように頭の上にのっけながら、そう聞きいてきた。
「フツーに、玄関からですけど」
「…哲也、また鍵かけないで出掛けたな…」
小さく独り言。
「あのね、三太黒須…サンタクロースなんですけど、僕」
「うん。それで?」
「えっと、プレゼント渡しに来ました〜!何かひとつだけ欲しい物を言ってみてください。この袋からなんでも出てきまーす」
「へえ?面白いね」
 三太が小首をかしげるとノッポさんも真似っこして小首を傾げ、そしてちょっと興味をひかれたように浴槽のフチに頬杖をついて僕に目を合わせた。綺麗な黄緑色のお湯がたぷんと音を立て波紋を生み出す。
「どんなものでもいいの?」
 との問いかけに三太が自信満々に頷くとノッポさんは糸のような目でしばらく天井のタイルをみつめました。
「…とは言ってもなぁ、直ぐに思いつかないんだけど。あ、そうだ。取調室で色々されたせいで眼鏡のツルが壊れてたっけ。眼鏡も買い直すとなるとけっこー高いからなぁ…」
 ……“とりしらべしつ”ってなんだろう。なんとなく聞けない三太であった。
「そうか、携帯も壊しちゃったしなあ。うーん……あのさあ」
「はい?」
「のぼせそうだから、とりあえず出てもいい?」

「――――うおっ、寒ィ〜〜〜!!」
 看板に“7”と書いてあるお店から、本を立ち読みし終えて出て来た男は自分の肩を抱いてブルッと身震いしました。見上げると雪はまだ止む気配もなく、真っ黒い空からどんどん生まれ落ちてきた。
三太は小走りに歩き始めた男の後を追いかけて声をかける。
「こんばんわ!僕、三太黒須ですっ」
「…あ?」
 鼻水をずびっとすすりながら男は振り返った。黒髪の隙間からアーモンドのような吊り目が訝しげにこっちを凝視している。
「えっと……、だから…。僕、三太なんです」
「へぇ…」
 1へぇ頂きました。って、明日のためにも雑学にもならないじゃん! やはりこちらもさっきのノッポさんじゃないけど反応がイマイチだ。しかも雪の降りが段々あられになってきた事に気付く、仕方ない……。
 ここからは知力と体力の勝負だ。三太は袋を差し出して毎度のような説明を繰り返し語りに語って、これでもかっていうくらい薀蓄のように云々語って身振り手振り説明した後に相手がほしいとお願いしたものを袋の中から取り出して見せた。
「だから僕、プレゼント渡しに来ました!ほら、……」
 これでもかってくらいに説明をしだし証拠を出してから約3時間。ようやく信じて貰えたようだ。
「おお〜〜すげえすげえ!!うまいじゃん、手品」
 ……前言撤回。。。信じてくれてません、この人。
「コレ、ホントにもらっちゃっていいの?」
「だから、プレゼントなんだってば〜。貴方が願ったから、それが出て来たんだよ。ホント」
「そっかそっか。うん、サンキュな」
「ホラぼーず、早くおうち帰らねーと誰かが心配して待ってるぞ?」
 男はそう言いながら上着のポケットにそれをしまうと、きししと笑いながら少年の頭をぐりぐり撫でました。その右手の黒い皮手袋はボロボロで、ところどころほつれていた。
……ああ、そうかぁ!!三太は、さっきののっぽの奴が何で「丈夫な黒い皮手袋」なんて物をプレゼントに選んだのかに、ようやく気がつきました。そして今この人が何で「新品の丈夫な眼鏡」をお願いしたのかも。
「? 何笑ってんだ?」
「いや、なんでもねえよ!メリークリスマス!!」
 三太は、なんだかとっても嬉しくなって男に手を振りながら外へ駆け出した。こんなに寒い夜なのに心がぽかぽかして、雪も溶けちゃうんじゃないかな。



「帰ったぞー!」
三太は、満面の笑顔で家の扉を開けました。
「ああ、おかえり。」
 三太が戻ると、お留守番していた本物のサンタのおじさんはベッドに腰掛けてコーヒーを飲んでいた。ふわふわと黄色の髪に粉雪を踊らせながら少し微笑み返して、ゴホッと軽く咳き込む。
「って、ダメじゃん。ちゃんと横になってなきゃ!風邪直らないだろー!」
「ああ、わかったわかった。……悪かったな、おつかいなんかさせて。大変だったろ?」
「いや、全然。むしろ楽しかったよ。色んな人に会えたんだ」
「そうか、良かった。」
 三太は赤いほっぺをふくらませて、サンタのおじさんを叱りつけた後に軽く苦笑いを浮かべながら真っ赤なコートを脱いで壁にかけている小さな横顔は本当に楽しそうでサンタのおじさんは少しホッとしながら三太を眺める。
「最後んトコはね、眼帯のおっさんと髪の毛の少ないヒゲのおっさん所だったんだけど」
「うん?」
「クリスマスの夜でも仕事なんだって。サンタでもないのに大変だよね。で、何が欲しいですかって聞いたらさ、暖かい缶コーヒー二つだけだったんだぜ? 良かったのかな、あんなので」
「でも、その人達は喜んでたんだろう?」
「うん。コーヒー飲んで、さーて頑張るか〜って気合い入れてた」
「ならいいじゃないか。その人達はきっと、今を大事にしてるんだ。まだ見えないずっと先の事よりも、な」
「ふうん…。……そっか。そうかもしんないね」
 三太はこくこくと頷きます。サンタのおじさんは、おヒゲのはえた口許を優しく緩ませて、そしてまた咳きをゴホリとひとつ。咳を聞いて、すぐさまサンタのおじさんの傍に駆け寄ってきて心配するどころか、おおきな瞳をキラキラさせながらおじさんに問いかけました。
「…ねえ、僕今日頑張ったからさ、特大の報酬貰えるよな?」
「特大の報酬?もう君は貰ってるじゃないか」
「―――え?」
幸せになる人々の笑顔と温かい気持ち。
それには形は無いけれど、心がそれを受け取ったんだ。
「メリークリスマス!クロス」
「…メリークリスマス、エドワード」

どこにいても、どんな世界でも、願わくばみんなみんな、温かく幸せな夜を。

  “Merry Chrismas”
2007-10-01 18:37:07公開 / 作者:瀰襌
■この作品の著作権は瀰襌さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
補足説明と紹介:
始めに:
シリアスかと思ったら、案外そうでもなかった(笑)初めまして!瀰襌(ミゼン)と申します。
今回、シリアスもどきの始まりなのに何故か後半になるとファンタジー?;;

各キャラの名前について:
名前の殆どは当て字です。主人公、三太黒須は単純にサンタクロースを当て字にしたもの。
「サンタ/クロ(ー)ス」と分けて考え一発変換の結果「三太黒須」とたまたまなったので、そのまま。
そして最初に出てきた中国あたりの団体さん達はそれなりの名前の形で当て字もあれば、ほぼ偽中国辺りの名前もあります。
そしてカタカタ読みは適当です(苦笑)そういえば本文中に出たのは襌(ゼン)(金色の髪の男)と惷黄(シュンワン)(赤い髪の男)だけですね。
因みに栗毛の少年は、明壺(ミョウチョウ)。で、眼鏡かけた黒髪の男が豚清(トンチン)という名前案が挙がってましたが…。
カタカナが連なるのは何となく避けたかったので、あえてあげませんでした。

題名について:今回「紅い薔薇と赤い少年」をお読みくださりありがとうございます。
さて、この「紅い薔薇」というのは「花言葉」に因んで話を進めてみました。紅い薔薇の花言葉は「情熱」以外に「温かい心」という意味があるそうなので、ちょうどいいかなぁ…と。
それから問題の?この「赤い少年」は別にベタ血で返り血ばっかり浴びて、それを隠すために真っ赤っかなコートを着ている訳ではありません。(言い方、怖いです;;)
これは単純にサンタクロースの衣装が赤だからです。
今頃、先ほどのような設定で考えてたら聖なる夜に事件が起きますよ。奥さん(笑)

最後に:今回「花言葉」に因んで季節物をやってみました。季節でもないのに早すぎるメリークリスマスですよ(苦笑)まぁ、色々と寒いようで温かいんです(ぇ)
書き直してみましたが…どうでしょうか?; よろしくお願いします。
この作品に対する感想 - 昇順
 タイトル名が出てくるまでがシリアスだという解釈の仕方をすれば瀰襌さまと認識が合致するのでしょうか。
 感想を述べる前に。半角カタカナは読みにくいのでやめたほうが良いです。登竜門の『小説の書き方(正規表現)の[必ず守って欲しい事の欄]』を破っています。
 『だ・である文章』と『です・ます文章』が混合しています。文章の起伏として使うのならわかりますけれど、効果を上げていないようですので統一したほうが良いと思います。
 では感想。少年がサンタクロースになるという設定は面白いと感じました。その設定があるにも拘らず、少年がその仕事について深く考えていないのがせっかくの設定を殺していると思いました。私なら雪道が大変ならそれを心情に挟むし、サンタクロースだと信じてもらえないならその葛藤を書くし、相手が喜べばその嬉しさを逐次描き、サンタクロースのおじさんが少年を諭す部分ではもっと気を利かせます。もったいないなあ、と思います。
2007-09-22 20:22:17【☆☆☆☆☆】模造の冠を被ったお犬さま
計:0点
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