『掛け違えたボタン』作者:鴇と鴫 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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今日も、いつもと変わらない日常。
僕はこの学校にきて、二年目まあまあ慣れてきたという感じ。それに僕には気になっている子がいる。でも、僕はその子と二年間一度も話したことがない。

「はぁー今日もつまらない日」そんな彼女の声を、今廊下で聞いてきたばかり。そしてその声は頭んなかでさっきから、グルグルとまわり続けている。
「あーなんで、頭から離れね〜んだよさっきからずーとグルグルグルグルと。僕の頭は壊れてんのか?」そんな独りごとを呟きながら、どうやってその子に話しかけようかを考えながら、授業を聞いていた。

「よーまたお前は変なこと考えてんのか?」
そんな声が、いきなり隣りから聞こえてきた。こいつも、俺と同じであの人の事がきになってるらしい。こいつのほかにもあと、3人いる。かなりモテモテなようだ。みんな知らないふりしているくせに、バレバレだ。その3人とは、滝、翼、智、そして僕。だけのはずなんだがこの4人以外にも、はっきりとはわからないが結構いるようだ。ちなみに今話しかけてきたのが、滝。
「うん?僕は今人はどうやったら永遠の命を手に入れることができるか考えてた」
「…」

こんな日々が続いていたある日、翼があの子と付き合っているという噂がながれてきた。あ然とした。でもまあ、翼も結構かっこいいから、しょうがないか。と軽く受け止めて、あきらめようとしていた。
そして、数週間でその二人は別れたらしい。その時僕は「どーせ翼が、あの子にあきられてふられたんだろ。」と思ったがそうではなかった。なんと、翼の方からふったらしい。
「なんで?なんでお前は、あの子をふったんだ?」そう問いただしてみる。だが、沈黙。意味あり気だったのでそこまでにしておいた。

翼と仲のいい智に聞いてみた。
「あーそれはな…。」ちょっと周りに誰も居ないか確認してから話し始めた。
「実を言うと翼は、あいつのことが本当に好きだったんだ。それは、今でも続いてるらしい」
「うん?どうゆうことだ?翼の方からふったんじゃないのか?」
「それはそうなんだけど…その理由がなぁちょっとなー。」と、間をおいてから話しだした。
「まず、あの子が翼に告白したんだよ。好きですってな感じで。で、もちろん翼はそれを、承諾したわけだよ。」僕は相ずちをうちながら聞く。
「そのあとわかったらしいんだけど、翼に『昇降口のところで待ってて』ってあいつが言ってきたらしいんだけど。」さっきからこいつは、〈あの子〉のことを、〈あいつ〉呼ばわりか。まったく。そんなことを思いながら話を聞く。
「それで、実は呼んでたのは翼だけじゃなかったわけ。滝も呼んでたの。あいつが。」
「はあ?つまり、同時に呼んでたって事?」
「じゃあねーんだよなー」
「じゃあどういうことだよ。」
「それはつまり、まず滝を翼の待ち合わせの1時間後によんでたわけ。」
「なんで?」
「だから、それを今から話すから最後まで聞け。」
「…」
黙ることにした。
「なんでかっていうと、つまりだ、もしも翼に断られたら困るから滝は、滑り止め、つまりあいつは滝を保険のような感じで呼んどいたってわけ。で、それを知った翼は…。」と、そこで智は話す事を、やめてしまった。
「どうした?続けろよ。」
「…後は自分で考えてくれ。」

つまり、翼は滝のことを思ってあの子と別れたらしい。そして、そのことのおかげで、翼と滝の関係は、かなり気まずいものになってしまってるらしい。
「まったく、ひどい女だなー。しかし翼もよく別れられたなー。友達思いとは、いいことだ。僕も見習わなきゃなー。」と、思いながらまた今日もあの子とどうやって話そうか考えていた。
2007-06-01 23:06:29公開 / 作者:鴇と鴫
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