『散歩道(仮)  短編』作者:東雲 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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 それは十月のとある日の出来事であった。
 俺はその日、いつもと同じように学校から帰ってきて愛犬の散歩に出かけた。
「クロ。散歩に行くぞ」
 家から出て右に曲がり、突き当たりまで行きまた右に曲がり、一つ目の分かれ道を左に行き、そこから二つ目の分かれ道を左に行く。今度は道なりに行く。ところがその道なりを歩いていると見たことの無い道があった。
 俺はこう言っちゃなんだが好奇心旺盛だ。
「クロ…この道行ってみるか?」
「クゥ〜ン」
 クロは俺の呼びかけに答えてくれた。
「それじゃぁ行くか」
「ワンッ」
 初めて行く道は結構楽しい。何処の道につながってんのか。それとも行き止まりなのか…わからないから面白い。
(昨日までは無かったよなこの道…)
 確か俺が昔読んだ小説にもこんな感じの話があった。その小説の内容は…。
《ある日いつものように学校から帰る途中に知らない道があった。少年は親に「寄り道をしないで帰ってきなさい」と言われていたが好奇心に負けて道に入っていった。
 しばらく歩くと景色が変わり、辺り一面が廃墟と化していた。さすがに少年は恐ろしく思い、来た道を戻ろうと振り返った。その瞬間黒い影が見えた。
「誰か居るの?居たら返事をして!」
 だが少年の言葉に返事をするものはいない。
「はっ早く帰らなくちゃ…」
 少年は焦っていて気が付かなかった。…黒い影が近づいてイルコトニ。
【少年よ。お前の名は何だ?】
 背後からかけられた言葉に少年は答えなかった。
 否。答えられなかったのだ。
【もう一度聞こう。名は何だ?】
 黒い影の声は、有無を言わせない感じだ。
「名…名前は○○○ ○です」
 少年は名を言った。しかし不思議なことに、名の部分は音にならなかった。
【そうかお前の名は私が貰った。今度からは○○と名乗れ】 
「わかりました」》
 ざっとこんな感じだった。もちろんこの先も話は続いているし、省いている部分もある。
 道を歩いていても別に景色が変化する事は無かった。ただオカシイ点が一つあった。
 誰も居ない。
 人の気配も無い。
 家はある。ためしにインターフォンを押してみるか…
「ピーンポーン」
 鳴らしてみたがやはり誰も出ない。今度は叫んでみるか。
「誰かぁー居ないんですか?」
 誰か居るかな。
「呼びましたか?」
 いつの間に居たんだ?気配はしなかったはずだ。
「聞いてますか?」
「何でしょうか」
 本当に何で居るんだ?誰もいないと思っていた。
「あなたは何でコノ場所に居るんですか?」
 いきなりそんな事を言われても…
「知らない道があったからです」
「………」
 俺は正直に答えた。嘘は言っていない。
「あの…俺変なことでも言いましたか?」
「…何か質問はありませんか?」
 質問ねぇ。まずは名前を聞くか。
「あなたの名前は何ですか?」
 何て呼べば良いのかわからないからな。
「名前ですか?狛黎(はくれい)って言います」
 狛黎さんって言うのか。かっこいい名前だなー
「他に質問はありますか?」
 うーん。これを言っていいのかな?でも聞かなきゃわからないよな。
「ココってどういう場所なんですか?」
 一番気になるのはそれだ。ココが一体どんな場所なのか。何で人の気配が無かったのか。
2007-03-17 21:21:37公開 / 作者:東雲
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この作品に対する感想 - 昇順
短すぎてよくわかりませんでした。
2007-03-16 22:16:19【★★☆☆☆】アナハイム
計:2点
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