『盲』作者:黒罪 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
主人公と呼ばれる人物は居ませんが一人一人の読み方、解釈が出来る作品です謎を多く残してみました
全角2952文字
容量5904 bytes
原稿用紙約7.38枚
  第一幕 石
「はぁーーねむてー」
目擦りながら私は起きた…
私の名前は河野信二(コウノシンジ)仕事はサラリーマンかな?
趣味は中学から続けているスケボーだ
私の生活はとてもつまらないものだ…毎日同じ仕事場に行き
帰ってご飯を食べて寝る
実につまらない…
結婚はしてない…
本当につまらない人生だなって思ったろ
余計なお世話だ!!
ただ1つだけ他の人とは違うことがある
何かって?
その話をする前に1つ約束がある…
この話は絶対に他の人には話してはいけない…

じゃあ話すぞ

石を見たことは有るか?
まああるよな…
じゃあ紫石を知っているか?
知らないだろ、そんなものは存在しないからな、だが?
紫石ってのはなぁ
現実には無いが、心に出来るんだよ

言っている事が解からないか?

じゃあまず胸に手を置いてみろ
そうしたら置いた手をぐるぐる回してみるんだ
次にその手を水に漬けてみろ

どうだ?細かな石が見えないか?
見えてる奴は心が悪に染まっているんだよ…

見えない奴は…まあ偽善者だな
誰しも心に悪を持っているんだぞって事を言いたいんだがな…

何?石の話になってないって?まあ慌てるな…
ここからが本当の話だ


それは一週間ぐらい前のことだったかな…
先輩のSから聞いた話だ
「なあ、お前石の秘密知ってるか?」
そう先輩は俺に聞いてきた…俺は
「何だよ石の秘密って?」
っと答えた
「良いか誰にも言うなよ…石の中に盲目の老人がいるって噂」
私は思わず笑った
「何だそれ!?」
「その老人に会うと一度だけ過去をやり直せるんだってよ」
先輩は嬉そうに言った
「知るかよ…夢ばっかり見てると夢に食われちまうぞ」
私は冗談交じりで言った
それから三日後…

先輩から連絡が入った

「俺…見つけちまったんだ…どうしよう!!河野!!助けてくれ…」
私は一瞬何の事を言っているのか解からなかった…
「先輩…何を見つけたのですか?」

「盲目の老人…過去をやり直せる…しかし…でも…やり直……」
そこで電話は切れた…

いたずら好きな先輩の事だしあまり気にしていなかったが
だんだん気になり始め…先輩の電話にかけた

プルルルルル…プルルルル…

ガチャ

「S先輩大丈夫ですか?」
「目を…目を取られる…お前は見つけても…助かる…たすか…」
しばらくの沈黙の後

「うわわわっわあああああああああああ!!!!!」

プーップー
電話はそこで切れた…

「先輩…」

私は怖くなり急いで家路に着いた
その後、先輩は死んだ 正確に言うと殺された…解からない…だが殺されたのは間違いない…
先輩は死ぬ間際に目玉をくり抜かれている…
そして私は先輩の部屋で1つの石を見つけていた…

そして私は今日ここで石の中を見てみようと思う
「何が出てくるんだ…」
私は石に手をかけた…


   第二幕 噂×噂


ピピピピピ ピピピッピピ
「うるさいなあ!!」

そう言うと私は眠い目を擦りながら起きた

俺の名前は新藤雄二(シンドウユウジ)仕事はオカルト研究

つまらない仕事だって?

うるさい!好きでこの仕事をやってる訳じゃない

大学時代の教授に頼まれてやっているだけだ…

そんな生活の中、教授に1つ頼まれ事を受けた

最近噂されている石についてだ

何でも紫石と呼ばれ、その石を見つけると一度だけ過去をやり直せるらしい

「バカバカしい…」

俺はあまり信じてなかった

しかし噂の追及をしていくと、噂にも色々なパターンが有る事が解かった

その中でも、もっとも多い盲目の老人と呼ばれる石の精の話だ

内容はこうだ

その昔盲目の仙人がいた…仙人は人々の願いを聞きそして叶え皆を幸せにした

しかし村の人々は仙人に恐怖を感じてきた…人間離れした姿

怪しげな術…そうしている内に様々な噂と憶測が飛び交い

結果村人たちは仙人を…殺すことを決意した

こうして仙人を殺そうと村の人々達は結界を張ったという

そうして結界事、仙人は石に封印されたという伝説らしい

以後、石を見つけたものに石から出してくれれば願いを叶えるという伝説話になったらしい

「実にくだらないな」

私は噂の追及ファイルに目をとおしながら言った

後輩に河野信二と言う奴が居る 奴ならこういう話が好きそうだな

「石…願いを叶える石…噂…盲目…」

私は不思議に思った

大体噂というものは、何かが起こり、そして噂になる

そうしてその噂には怖い話になる傾向がある

なのに不思議だ…あれほど壮絶な過去の話があるのに…なぜ…

なぜ幸せ型の噂になったんだ…

石は実際に存在するのか?


次の日

朝っぱらから後輩の河野か電話がかかってきた

「なんだよこんな朝から…」

眠たい目を擦りながら電話に出た

「はい…もしもし」

「先輩…噂は本当でしたよ…午後二時にいつもの喫茶店に来てください」

それを言い終えると同時に電話が切れた…


喫茶店 MU

俺と河野が良く大学の帰りに寄った喫茶店だ


俺が店内に入るとすでに河野は来ていた


「先輩…石の話、私にする予定だったでしょう…」

「まあな…しかし何で、お前が石の事知っているんだ?」

コーヒーをすすりながら聞いた


「先輩…私は……」

河野は急に黙ってしまった

「良いから話してみろ…俺はオカルト研究の仕事をしているんだぞ…信じられない話はたくさん聞いてきた」


「先輩…本当は先輩は一週間後には死んでいました…私は過去をやり直しました…先輩の為に」

「話…続けろ…」
俺はそう答えた

「未来を変えてしまったのです…本当は先輩が石を見つけて…それを使って死ぬはずでした…」

俺は答えた
「お前はなぜ石を使って死んでないんだ?」


「それは…言えません…前の世界の先輩との約束です」

「そうか…」
コーヒーが冷めてきた


「先輩…目を契約したのですか?」

「何の話だ?」

「何でも無いです…」


しばらく沈黙が続いた後

「先輩…もう一度やり直して来ます…人生を」

「えっ…何言ってんだ…」

そこに河野の姿はもう無かった

机の上に手紙があった

こう書いてある

「S先輩へ…私は未来を変えすぎた…代償が要る…老人に言われた…過去で人を殺さなければ代償の代価にはならない」

「先輩の周りの人が死んだときは近づいてはだめです。運命に巻き込まれますよ…ヒントは近づくな遠くにあるほど危険にはならない」

河野信二

「河野…お前は神にでもなったのか?」
2006-12-03 23:01:39公開 / 作者:黒罪
■この作品の著作権は黒罪さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
続く作品に力を注ぎたいです。
誤字脱字多いかも…

申し訳ない
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