- 『神様に愛された少年』作者：夏樹 空 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
- 非日常的な内容
- 全角2319.5文字神を信じますか――――――――
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原稿用紙約5.8枚
信じます、でも私が信じているのは女神だけです。
神を信じますか――――――――
はい、でも僕が信じる神は死神です。
人はお祈りをする。大切な人が病気になった時、何かに合格したい時、そして何かに勝利したい時。でもそれはあくまで通例であり、尋常な事であり、人はこれを当然の事のように行う。宗教の関係上、その行為が人生の一部であり、生活の全てであると考える人もいるが、それは人が勝手に行っている事だ。神を信じれば天国へ行ける――――そんな陳腐な思想は世界に多く存在する。しかしただ存在しているだけ。何故か？答えは一つ。神は人を助ける気が全くない―――ただ一つの条件を除いて。
ピアノ演奏コンクール最優秀賞、人権作文「中学生の部」金賞……負けたことが生まれて一度もない人間、神童誠。人は彼を“天才”、“神の子”などと呼ぶが、彼はそうは言わないし、思ってもいない。ただ“運がいいだけ”と。どんな勝負事にも負けた事はない。特別な事は何もしていない。ただ運がいいだけ。彼はこの人生を好いてはいなかった。全く不変のない人生、それでいて普遍ですらない。壁のない一本道、これが彼の人生。しかし彼は気づいていた、女神の存在を。そして彼は気づいた、突如「一本道」に現れた別れ道を………。
六月十四日、降りしきる雨が地面を打つ。校庭は校庭ではなくなり、校舎は校舎でなくなる。学び舎は外の天気に連動し、騒がしい。窓を打つ雨の音、交じり合う風、遥か遠くで轟く雷鳴の叫び、全てが生徒の好奇心を煽る。授業は授業ではなくなり、生徒は生徒ではなくなっていた――――二年B組を除いては。そのクラスではある特別な出来事が起こっていた。誰もが緊張する瞬間、好奇心が爆発的に沸いてくる瞬間。それは誠の「運」をもってしても避けられない事である。なぜならそれは「運」命の出会いだったから―――
「はじめまして、大阪から転校してきました。斎藤神治といいます。よろしく…」
少し緊張気味なその言葉は、生徒たちの心を安心感で満たした。彼の風貌から察すると、何か人を寄せ付けない雰囲気を纏っていたから。いつもなら教室が盛り上がる状況だが、豪雨と雷鳴がそれをさせなかった。パラパラとした一貫性のない拍手はかき消される。神治はそれでもかまわないと思っていたし、むしろこの天候は自分のせいとさえ思っていた。彼はいつも“自分には「運」がない”と言う。しかし人はそれを“偶然だ”と言う。この学校では誰もわかっていない――――神治が不「運」を運ぶ男だということに。
神治は誠の隣に座る。お互いに一言「よろしく」と交わした。これから友達になろうとか、何の部活に入るのとか、そんな言葉は交わさない。代わりに前の席に座っている武田が好奇心をぶつけてきた。「何の部活やるの？」―――神治は部活をやるつもりは全くなかった。自分に「運」がないと思っているから。思い込みかもしれないが、思い込みではないかもしれない。「まだ考えているところ。」と一言。彼は自分から話しかける人間ではなかったが、今回は違った。「君はどんな部活に入っているの？」―――「俺は野球部。」丸坊主の頭を見せびらかし、そう言った。神治は野球に興味がないし、ルールさえも知らない。何より団体競技というものに無縁であった――いや、無縁であるように仕立て上げたのかもしれない。わざと避けて通ってきた道、それが団体競技である。不意に「僕は何にも部活に入っていない。したいことをやっている。」と、誠がぼそっと言う。「したいことって？」思わず声が出た。「自分がしたいことではない。というか、やらされていることっていうのかもしれない。」――――「親がやらせたいことって意味？」――――「いや、神様がね、僕にやらせたいことだ。」――チャイムが鳴った。先生の号令で授業が終わる。生徒たちはそそくさと神治の周りに集まってきた。神治はまだ誠と話したかったが、そうもいかないようだったし、誠はすでにいなくなっていた。神様という言葉が引っかかる。それは僕が信じているような「神」なのか、それともまったく別の「神」なのか、ただの冗談なのかもしれない。その真偽を確かめたかった。「大阪のどこからきたの？」、「学校案内してあげるよ。」―――神治は生徒に連れられて学校を回った。迷惑と感じなかったが、それと同時に感謝も感じなかった。ただ虚無に、無感情に、愛想を振舞う。図書館、実験室、体育館…ほとんど全ての教室に案内された。その中で神治は架空の自分を作り上げた、友好的な転校生を。そしてそれが今後の学校生活において有益なものだと信じていたし、これから自分と自分の周りに起きるであろう不可解な出来事の原因にされないためにもこの行為は必要なことだった。案内人たちは部活のため、解散する。武田は神治に部活も見とけよと言ってきたが、無論、神治にその気は微塵もない。しかし形としては必要だろうと、武田のいる野球部へと足を運んだ。
負傷者11人。それがは治が野球部に見学に来たときに怪我をした部員の数である。神治は見学に退屈していたのでそれが家に帰る口実になった。彼は知っていた―――それが自分のせいであることに。彼は自分の思ったことがそのとおりになった。自分にとっては幸福だが、相手にとっては不幸なことだけ―――だから不「運」を運ぶ男。
誠はピアノの教室に通っている。本人は行きたくはなかったし、両親も強制はしなかった。しかし誠はそれをしないと嫌われることを知っていた。だからピアノを習う。 - 2006-10-24 22:50:38公開 / 作者：夏樹 空
■この作品の著作権は夏樹 空さんにあります。無断転載は禁止です。 - ■作者からのメッセージ
授業中暇だったので書いてみました。
未完成です
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こんばんわ。祟られる者です。
まだ途中という事ですが、読ませていただきました。
この先どれ程の長さになるかは分かりませんが、運の強い「神童誠」と不運な「斎藤神治」。対照的な設定ではありますが、この二人がどうなるのか、今後がわかりませんね。
神についての作品なわけで興味をそそる内容ではありますが、製作時間が短いのでしょうか、少し雑です。
細かいミスがいくつか。
・６時間目（と思われる）に転校生が来るのは不自然
・登場人物の名前が何と読むのかが読者には分からない
・「したいことって？」と言ったのが斎藤神治なのか武田なのか分からない
細かいミスとは別のミスを二つ。
一つは序盤。
『そんな陳腐な思想は世界に多く存在する。しかしただ存在しているだけ。何故か？答えは一つ。神は人を助ける気が全くない―――ただ一つの条件を除いて。』
という文がありますが、
「（ただ存在しているだけなのは）何故か？」
という問いに、
「神は人を助ける気が全くない」
では、意味が食い違います。
二つ目は終盤。
”何故野球部員が怪我をしたか”です。
斎藤神治が転校して来た日の放課後の出来事の筈ですから、校庭は雷雨に曝され使えない筈です。他の部活もあるようなので、体育館なども使えないでしょう。教室で筋トレ……これは厳しいですね。
雷雨の中でやったのなら、１１人負傷者が出るのは当然でしょう。その後ＰＴＡに叩かれて顧問はクビでしょう。
少し急ぎすぎたのでしょうか。せっかくなので続きはじっくりと作ってみて下さい。
続きに期待しております。
2006-10-25 19:46:33【☆☆☆☆☆】祟られる者＞祟られる者様
感想ありがとうございました。言われてみればそうだなと感じる点が多く、これから精進したいと思いました。
ちなみに「したいこと」のせりふを言ったのは神冶です。
矛盾点が多すぎてすみませんでした。続きはもっと気をつけて書こうと思います。2006-10-25 20:17:48【☆☆☆☆☆】夏樹 空文章は一定水準で書けている。だけれどもこの作品に限ってはそれが仇になってしまってますね。というのは、ティーンの子が主人公で登場してくるのにこの文体はミスマッチ。しっかり書けば書くほど、苦しくなっちゃいますねえ。そのギャップの妙味を狙って計算してこの文体をチョイスしたとしたら、発想の面白さはあるとしても、作品自体はちょっと滑っているかなあ。
こういうガチガチの文体でこういう設定こういうシーンを描いてはならない、っていうことじゃないんですよ。それを逆手に取る面白さというのはある。でもそれには周到な準備が必要。ただ単に「自分はこういう文章が書ける」というだけでは不足ですね。そういう自分の文章をいかせる虚構のフィールドをちゃんと準備する必要があります。もしくは文体を変えるかね。
また冒頭ね、そのあとのパートでこの部分の意味合いをどういう風にケアし、フォローし補填するのか、そういうのがちょっと見えなかったですね。冒頭で仕掛けた読み手のクエスチョンマーク、読み手の内面に兆した誰のどういう意味合いの声か解せないという不協和音をどこで回収するのか。それは長く引っ張れば引っ張るほど、問題が解決した時のカタルシスへとつながっていくけれど、しかし一定線を越えてしまうと不協和音は不快な音になってしまうだけなのですね。何か哲学的な感銘を受ける答えを準備しているのだろうか。であればその回答にまでどうやって結び付けていくか、そのあたりは巧緻な計算を要するものです。
総じて、書きたいものをポンポン並べている印象があって、それを統御してひとつの作品に調整するという作業があまり見受けられないなあと。2006-10-25 21:51:22【☆☆☆☆☆】タカハシジュン＞タカハシジュン様
感想ありがとうございます。少し文章の矛盾点が多いことに反省しています。
的確なご指導を参考に続きを書くつもりです。2006-10-25 22:52:39【☆☆☆☆☆】夏樹 空不運な男と運のある男がどういった関わりの中で物語を作っていくのか、気になります。文法として、倒置法が多く使われすぎていてリズムを崩してしまっている感がありました。
二人が同時に存在する空間はいわゆる“矛盾”した状態、夏樹さんがこれからどう描くのか、楽しみにしています。2006-10-27 17:57:13【☆☆☆☆☆】走る耳初めまして。読ませていただきました。率直な感想としては、授業中に書いた？からなのか、感情的な文章になりすぎている感があります。自己満足で終わる作品であればそれでよし、ただこの掲示板に貼る以上は読み手に対する配慮を考えなければならないと思います。物語の基盤である起承転結をまず徹底して考えるべきである点、そして恐らく主軸であると思われる「神」という存在に対し、もっと明確に、あるいは自分の主張や思想をそこに盛り込みたいのであればそれを仄めかす行為、情景等を書き綴るとよいでしょう。
僕もまだ未熟な書き手なので図々しく思われるかもしれませんが、ご勘弁を。この先の展開を楽しみにしています。2006-10-27 20:26:24【☆☆☆☆☆】オスタ＞走る耳様
感想ありがとうございます。少しなぞめいた世界を展開するつもりでいますが、またご意見のほうよろしくお願いします。2006-10-28 00:48:59【☆☆☆☆☆】夏樹 空＞オスタ様
感想ありがとうございます。もう少し熟考してから貼るべきでした。すみません今後は起承転結に重点をおき、読みやすい作品を目指します。2006-10-28 00:50:31【☆☆☆☆☆】夏樹 空計：0点 - お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。