『I want』作者:ぶれい / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
主人公「由梨(16)」はいきなり医者から「長くもって二ヶ月」と宣告される。それに絶望を覚える。由梨だが由梨にはどうしても逢いたい人が二年前からいた。それは幼馴染で元彼の「諒助」だ。二年経った今でも諒助に由梨は恋心を抱いていた。そんな時同じ病気をもつ軽い感じの「朔」に出会う。最初は朔には抵抗気味で厳しかった由梨もどんどん朔になついていく。そんな中朔から急に「病院を抜け出さない?」と誘われる。諒助に逢うために由梨は同意し、朔についていくのだが!?結構リアル(?)な恋愛小説です。
全角2143.5文字
容量4287 bytes
原稿用紙約5.36枚
聞こえるのは雨の音だけ
             見えるのは白い毛布だけ


          「 I want」



心は絶望という言葉二文字に占領されていた
耳を通して聞こえる雨の音  電気のあかり  全てがどうでもよくなって


たった今知った自分の病態
今まで看護婦さんとか「順調♪順調♪」って笑ってたくせに
全く違うんじゃん

        「長くもって二ヶ月」

冷酷に条件だけをさっさと述べた医者
確かに重病とは知っていた
だけどここまでは想定外だった
自分の甘い考えに強い仕打ちが当たってきた
当たったにもかからず私の心は血さえ出ない

そんなに簡単に言わないでよ
          そんな簡単に決めないでよ
                     私の人生なのに

だけど誰が悪いわけでないこの事実に医者を恨む事はできない
ただただ運命を呪うばかりで
親が横で泣き崩れているのに涙さえ出せなかった
そしてすっかり精神も安定してない時に
医者はとどめをくれた
           「外出禁止」

何それ  何もせず静かに死ねって言いたいの?
後悔だけが残るじゃん   やってらんないよ

私は生きてやりたい事がまだ沢山あるのに
それもできないまま息を引き取るのかな
どうしても私は2年も前からやりたい事があるのに

いつからここにいたんだろう もう気づけば16歳
入院したのは確か14歳  もう二年もいるんだ
刺激もなければ楽しみもない辛くて寂しい病院生活
一生お付き合いしなきゃいけないんだね

どうせ死ぬなら最後に一回一番の望み
      諒助に逢いたい
もう二年前からずっとこれだけが望みだった
諒助が来る事はない だったら私から行きたいの

諒助の私は生まれた時から仲良かったらしくずっと一緒だった
世間で言う「幼馴染」ってやつだと思う
諒助はお調子者で明るくて一緒に居てすごくすごく楽しい奴だった
私の持病の事も知っていた
だけど私の持病は幼稚園の時に悪化してから何もなかったので
もう悪化するなんて私も諒助も思ってなかった
そんな時私は自分が諒助に恋心を抱いてる事に気づいた
最初はとまどいと恐れから関係を壊したくないと必死だった
だけど、諒助のたまに見せる笑顔や、優しさがたまらなく愛しくて
「私だけの物にしたい」と我侭な面をもつようになった
そしてこらえられず諒助に想いを語った
諒助は真っ赤になって一回頷くと私の手を強く握った
それがOKのサインという事に数秒して気づき
私達の関係は「恋人」という段階に昇格していった
それから私達は楽しく幸せに愛し合う時をすごした
毎日が愛しくて離れたらもう逢いたいくっついたらもう離れたくない
私は諒助を一日ごとにもっと好きになり溺愛していた

そんなある日ふと視界があやふやになり気づくと病院にいた
横にいる家族と諒助  話によると持病が悪化したらしい
私が頭が混乱してる時に諒助は一人で泣きながら誤っていた
何で?何で諒助が誤る必要があるの?悪いのは気づかなかった私だよ?
だけど私の頬に大量の涙が伝っていて上手く言葉が喋れずにその言葉を飲み込んだ
ただ私は左右に首を振る事しか出来なかった
しばらくすると深刻な顔で恋愛どころではないので別れなさいと言い放った
私は意味がわからなくて反論した そうしてそんな理由で別れなければならないのかと
大声で反論する私を諒助の大きな腕が包んだ そして手をひいて外へ行った
私は怒りと悲しみ全てが混ざりこんでただひたすらに怒鳴っていた

「諒助は私と別れたいの!?」
語勢を強くして必死に叫んだ しんとした夜に響く声
すると諒助は泣きながら首を振り私を抱きしめた
「別れたくない。別れたくないよ」
そう連呼した。諒助の服に私の涙が私の服に諒助の涙が染み付く
「だけど」
言葉を濁し諒助は呟いた
「今日の夜が最後なんだ」
そう言った 言葉を理解したくなくて私は否定し首を振った
諒助は何も言えないという顔をして私に優しくキスした
1回、2回 唇を重ねる事に二人の寂しさと悲しさをぶつけ合った
息ができなくても立てる状態じゃなくなっても二人ともやめなかった
どのくらいの時間が経ったのかわからなかった
二人は存分に口付けをし疲れた体を無理矢理立たせた
そして諒助は最後に「守れなくて、気づけなくてごめんな」そう呟いた
違う 諒助に私は守られてた そういう前に諒助は私に背を向けて歩いていった
ここで振り向かせたらいけない気がして私は諒助の震える肩をただ見つめていた
自分の下にも水溜りになるんじゃないかというくらい涙が溜まっていた
それが本当に諒助との最後の夜だった 

それから月日は流れ16歳になった今でも私は諒助に恋心を抱いている
ねぇ今貴方は幸せに笑っていますか?私を忘れてしまいましたか?
私は今でも貴方の事を忘れる事なんてできません




2006-07-08 17:38:47公開 / 作者:ぶれい
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■作者からのメッセージ
ここに書くのは初めてで緊張しています
読めるものかどうかはわkりませんが
よかったら読んでください
ちなみに説明に書いた「朔」は後々出てきます
この作品に対する感想 - 昇順
 詩・小説ですね。
 冒頭、この表示のしかたは凝ってます。
 携帯サイトみたいです。
 そこが特徴でもあるのですが、全体的に何か重みがないと感じました。あなたの中で話が先行してしまって読み手がついてきていません。なので感想レスが付きづらい……小説って難しいです。頑張って下さい。
2006-08-20 14:17:47【☆☆☆☆☆】黒井あか
計:0点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。