『僕ら金中スロパン部!』作者:ストレッチMEN / AE - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
全角2642文字
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原稿用紙約6.61枚
「お!今パンツ見えた!」
「馬鹿!声が大きい…」
「見逃した…くそっ! ずるいよ雄太ぁ!」

14歳、夏、学校、2階スロープ下

そこに僕達はいた

今日もPTG(パン・チラ・ゲット)の為に…



第一話 僕らは金中スロパン部!

スロープパンチラゲッチュー部
通称スロパン部は僕が中2にあがって3日したかしないかぐらいの時に結成された
部といってもかなり非公式かつ極秘で作られた部活なのでこの金田中学校でも知っている人間は部員3人を除いて存在しない…はずである
活動内容はいたってシンプルでスロープ(渡り廊下)の下から上りのスロープへ上がっていく女子生徒の下着を鑑賞するのが主な任務である。
簡単に言えばスケベ3人組がパンツを覗いているだけとも言えるが、一度しかない青春
後悔はしたくないとかなんとか言ってごまかしておこう


「で、何色だったの?ねえ!」
大柄で太っちょな広の体が雄太に迫る
スロパン部一の巨体にしてBカップ 82キロ 柔道部
斉藤 広(さいとうひろし)
スロパン部の守護神でお菓子とエロを親よりも大切にしている男だ
エロ本の為に隣町のエロ本自動販売機(僕達は夢ボックスと呼んでいる)まで
自転車で1時間はかかる所を30分で行ったという脅威のギネス記録を持っている
「うるせーな。白だよ白!暑苦しいんだよお前は!」
口は悪いが抜け目がない
いつも得する男、170センチという長身 悪巧みに関してカリスマ級の計画性を持つ
山木 雄太(やまきゆうた)
以前、隣のお姉さん覗き作戦では巧妙な計画を立て実行したが
広のでしゃばりによってあえなく失敗に終わった(結局見たのは雄太一人だった)
「白?白だけじゃ想像できないよ!もっと詳しく教えてよぉ〜」
「うるせーなぁ。じゃあ次きたら合図するから自分で見ろよ」
「そうこなくっちゃ。 あ、悠も見える場所にすっからね!」
広はにこにこしながら僕の隣に来て、雄太は後ろに回った
「広、張り切ってる所悪いんだけど…」
高木 悠(たかぎゆう)
僕の名前だ。一応スロパン部リーダーでまとめ役
自分で言うのもなんだがとてもリーダーには向いてないほうだと思う
ただ、僕は二人と違って先生に信頼されているという理由で全責任を背負っている
表の顔は真面目な生徒 裏の顔はハレンチ集団のリーダー
なんとも情けない肩書きだが、これが僕の姿だ
「昼休み、終わってるぞ」
キーンコーンカーンコーン…
チャイムが校内に鳴り響く
まずい、5時間目のチャイムだ
5時間目はなんだっけ?社会だったらヤバイ、非常にヤバイ
担任の岡田は遅刻にうるさい。5分も遅れれば怒鳴り声が教室に鳴り響くだろう
「やばい! 走るぞ!」
僕は言うやいなや教室に向かって全力ダッシュした
すぐに雄太が追いついてくる。後ろでは出遅れた広がドスドスと巨人の様に走ってくる
「次の授業って社会だっけ?」
僕は走りながら雄太に聞いた
「ああ、火曜の5時間目は社会だ。 時間は…チッ! 間に合いそうもねえ。悠、作戦A頼む」
「作戦A? でもあれは一人しか助けられないぞ。広はどうする?」
「あいつは仲間の為に犠牲になってくれる奴だ…く、あいつの死は無駄にはしないぜ」
雄太は涙を拭う振りをしながら親指を立てた
「OK。二人だけでも助かろう」
犠牲がなければ誰かを助けることはできない。同情は被害を拡大するだけのものだ
それがスロパン部の厳しい掟だった


「すいません遅れました!!」
僕と雄太は教室へ入るなり頭を下げた
(打ち合わせどうりにやれよ)
雄太は僕にアイコンタクトを送った
「どうして遅れたのか理由を説明しろ。話はそれからだ」
社会担当の岡田は表情ひとつ変えずに言った
こりゃ相当怒っている
心の中で広に黙祷をささげた
「斉藤君が鬼ごっこから開放してくれなくて…遅れてしまいました」
「僕たち、何度も授業に行こうって言ったのに斉藤君が無理やり…」
僕と雄太は作戦Aのデマカセを言った
「そうか、わかった。斉藤には授業後、注意をしておく。二人とも座れ」
僕と雄太はにやりと気づかれないように微笑んだ
これで僕と雄太は怒られる心配はないし、気の弱い広のことだから
岡田のマシンガンのような説教の嵐で言い訳もできないだろう
友情というのは時にははかないものなのである


2分ほど遅れてやってきた広は頭を下げて謝罪したが、岡田は授業後に来いとだけつげ
授業を再開した。広は状況がつかめずぽかんとした顔をしていて、それを見て僕と雄太は
手を合わせて念仏を唱えておいた
案の定、放課後の20分にわたる説教を終え、2歳ほど老けたような広が校門前にやってきた
「ひどいよ二人とも…僕に責任押し付けるなんて」
「しょーがねーじゃん。ま、お前のおかげで助かったから感謝感謝!」
雄太はぽんぽんと広の肩を叩いた
「こんなのってないよぉ…」
「あ〜もう泣かないでよ。雄太も悪ノリしすぎ」
僕は雄太を指差しながら言った
「わーったよ。ほら、お詫びにアイスおごるって」
「ほんと!?」
広は今まで泣いていたことなど嘘のような笑顔を向けた
「ほんと広はお菓子に目がないな。そのうち糖尿病になるよ?」
「僕、お菓子で死ねるなら本望だよ」
広はニコニコしながら答えた
「悠、いまさらこいつの大食い注意したって無駄だって。生まれつきの過食症だ」
雄太が先を歩きながら言った
「まったく…太りすぎると年とった後がつらいぞ」
「悠ってなんか老人っぽいよね〜。なんかいつも健康のことばっかり言ってるし」
「まぁ、こいつの健康オタクっぷりは小学校からだろ。長生きが夢の小さい男さこいつは」
二人は哀れみのようなまなざしで僕を見ている
「な、なんだよ!せっかく人が心配してやってんのに…」
「悪い悪い! じゃあさっさとアイス買いに行こうぜ!」
雄太はそう言うと走り始めた
「おい!なんで走るんだよ!」
僕も走り始めた
「逃げ足の鍛錬だよ!広、特にお前な!」
「ま、待ってよー!」
広はありあまる腹の脂肪を揺らしながら走っていた
蒸し暑い夏の夕方、僕ら三人の笑い声だけが響いていた


第2話 水泳・着替え・大作戦
に続く 
2006-06-14 22:29:51公開 / 作者:ストレッチMEN
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■作者からのメッセージ
第一話 書き上げました
思ってたより短いorz
次回はもっと長く書きたいです
この作品に対する感想 - 昇順
はじめまして。時貞と申します。作品を拝読させていただきました。こういったテンションのお笑い系小説は、書くのも読むのも大好きな僕です。終始にやにやしながら読ませていただきました。ただ、テンポ良い台詞の掛け合いで面白さを押し出すのは良いのですが、描写不足のせいでちょっと(小説として)物足りない印象を読後に受けてしまいました。しかし、基本的には下ネタながらも独特なお笑いのツボ・センスをもっていらっしゃるようですので、今後の更新に期待しております。最後に、正規表現に気をつけられた方が良いと思います。老婆心ながら、改善されない場合削除対象ともなりかねませんので。それでは、次回の更新もぜひ頑張ってください。
2006-06-15 14:00:36【☆☆☆☆☆】時貞
 初めまして。読ませて頂きました。仲の良い友人の爽やかな楽しさが伝わってくる面白い話でした。続きが読んでみたいと言うのが正直な感想。ただ、時貞様も指摘してますが、正規表現を! あなた様の場合、具体的に言うと、最初の段落は一マス空ける。……三点リーダーは二個つなぎ。半角英数字は使わない。! や? の後ろは一マス空ける。但し「」の中の最後別です。後、気になったのが、文章の最後になぜ、【。】を付けないのでしょうか? と言った感じです。あと、描写不足で台詞が誰の発したモノか分かりにくい場面もありました。三人いると台詞の掛け合いなど、テンポの良さを重視すると分かりにくく、かといって、書き込み過ぎればノリが悪くなる。程よく書き足す、がよろしいかと。
 簡単な手直しです(正規表現)。では、続き楽しみにしております。
2006-06-15 18:12:52【☆☆☆☆☆】ミノタウロス
計:0点
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