『人造少女   〜?章〜』作者:NEO / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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昼食が終わるとクラスの生徒は次の科目の用意をし、また遊びに行く。

俺の場合、読書だが。


時が経ち、やがて五時間目が始まった。


「気をつけ!礼!」

日直が号令をかける。

「はい、じゃあ始めるぞ。・・・教科書を―――」

また、退屈な時間の始まりだ。

俺は外を眺める。

外では小鳥が囀りながら飛び回っている。

平和だ。

「―――じゃあ、ここ解いてみろ。・・・三上。」

俺はすぐさま三上の方へ振り向く。

「34。」

「正解。・・・じゃあ―――」

「86。」

先生が言い終わる前に回答してしまった三上。

「くっ・・・正解だ・・・」

正解だというのにムっとしている教師。

プライドというやつが許さないのだろう。

この光景は実に、面白い。

「ククク・・・」

「おい黒澤!何笑ってる!!」

ヤベっと思った頃にはもう遅かった。

でも面白い物はしょうがない。

そんな事を考えている内に、俺は先生に胸倉を掴まれていた。

「なんですか?先生?・・・当てられたからって俺に八つ当たりしないで下さい。」

当然、教室中は笑いの渦だ。

「ぐぅ・・・」

胸倉を離す。

お返しだバーカ。と、心のなかで呟くと、くしゃくしゃになったえりを直しながら席に座る。

それからまた授業は続いた。


残りの時間も三上は自分の天才っぷりを発揮し、次々とムカつく教師らを蹴散らしていった。


下校時、帰りの私宅をしている時、

「三上、お前って頭いいんだな〜〜!すげーよ!」

「そう・・・」

あまりに無反応な返答。

「・・・なぁ、どうしてお前って―――」

「起立!」

言い終えない内に号令がかかり、急いで立ち上がる俺。

「礼!」『さようなら〜〜〜!』全員が声を合わせ言う。

途端に教室中が騒がしくなる。

「なぁ、三上!ちょっと待―――」

「・・・さよなら」

一言残し、俺に後ろを向け歩いていく三上。

その「さよなら」は何故かいつものと違う・・・

何かもっと・・・重い意味のような・・・

残された言葉が俺の中で響く。

「・・・そんな悲しそうに・・・言うなよ・・・」

本当に小さな声で呟くと、俺も教室を後にした。

2003-11-06 16:50:03公開 / 作者:NEO
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この作品に対する感想 - 昇順
ちょっと失礼かもしれませんけど、最後の「さよなら」がなんか「エヴァ」のレイと頭のなかでダブりましたね。
2003-11-06 22:39:33【★★★★☆】Rue
おもしろいですよ!!
2003-11-07 17:13:36【★★★★☆】はるか
Rueさんと同じで、「エヴァンゲリオン」の、零ちゃんと、ちょっとダブっちゃったな〜あの、「・・・さよなら。」が。  次回作が、楽しみです、すっごく♪
2003-11-07 19:45:26【★★★★☆】みーな
計:12点
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