『空に散る千の雫 一〜四』作者:ゅぇ / V[g*2 - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
百人一首をベースにした短編集。
全角26237.5文字
容量52475 bytes
原稿用紙約65.59枚
 



 ――壱――



 【秋霖寂夜】


 

 秋の長雨――秋霖とはよく云ったものだ、と思った。かれこれもう一週間以上も雨が続いている。九月も中旬を過ぎ、長かった大学の夏休みも終わりを迎えようとしていた。団地からふたつ公園を抜けて、バイト先へ向かういつもの道。
 「翔ちゃぁぁあん!!」
 どすっ、と背中に衝撃を感じて、俺は眉を吊り上げ振り返る。飛びついてきた相手の傘が無遠慮に雨雫をばらまいて、まだ半袖だった俺のTシャツを濡らした。
 「……っんだよ……なぁおい凛チャン。そうやって人を背後から襲うのはやめろって何回言ったら分かるわけ?」
 「ねえ、知ってる?」
 「――何を」
 彼女の話が唐突なのは、いつものことだった。自分の気分でひょいひょいと話題を変える小柄なお姫様に付き合うのにも、もう慣れてきたと自分では思う。
 「猫がいるの」
 「――どこに」
 「ほら、あれ。あそこ」
 何を指差すでもなく、凛は、あれあそこだよ、ほらぁ、と繰り返す。脈絡もなく“あれ取って”とのたまう中年の旦那みたいだ。これにも慣れた。
 「あれ、あそこじゃ分かんない。どこだって?」
 ぷぅ、と凛は白い頬を膨らませた。
 「翔ちゃんバイト行く途中でしょ?」
 また話題が変わった。いったいどこまでこの子は俺についてくるつもりなんだろう、と思いながら俺は何も言わない。ただ降り続く秋雨が鬱陶しい。
 文学部の友人は“この秋雨が日本の風物詩なのよ、これが風流なの。もののあはれってやつよ”とわけのわからないこと言っていたけれど、俺からしてみれば雨はただの雨。風物詩もクソもないもんだ、と思う。シャツは濡れるし、道は泥だらけで靴も汚れるし。
 「あたしも行こっかなぁ……」
 「はぁ? おまえいっぺん帰れよ、家」
 「ケーキセットおごってよ、ねぇ翔ちゃん」
 「……なんで俺が」
 翔ちゃんの作るケーキが食べたいのよぅ、と凛はぱっちりとした猫目で俺を見上げてくる。俺のバイト先というのは自宅から歩いて十分ほどのところにあるカフェで、凛はしばしばそこを訪れる常連客である。
 雨のせいで凛のセーラー服が濡れていて、何ともいえない微妙な感じで下着が透けているのが困る。ああもう、俺がいないときに男に襲われたらどうするんだ。決して贔屓ではなく、東村凛はそこらのアイドルよりずっと可愛い。絶対ストーカーの一人や二人、いると思う。
 「とにかくおまえ、家帰って着替えてきな? 透けてるよ」
 「――――やぁだ、翔ちゃんってばヘンタ〜イ♪」
 「はいはい」
 凛は終始この調子――もう変態と言われようがスケベと言われようが、動じない自信が俺にはある。
 「何でもいいから、着替えてきな。そしたらケーキセットおごってやるよ」
 風が吹いた拍子に、ぱたぱたっと傘から水滴が散って落ちた。
 俺や凛が住む団地から、少し公園をふたつ抜けて大通りに出る。角にガソリンスタンドのある交差点を渡り、左に歩けばすぐそこがカフェだった。
 曇天の空から雨は性懲りもなく落ち続けている。店先に敷かれたレンガが雨に濡れて、艶々と光っていた。
 「じゃあ約束よ、用意しといてね。モカナッツトルテ〜!!」
 叫びながら、凛が踵を返す。何だかんだとくだらないことを言いつつも、結局彼女はいつも俺の言うことを聞く。何を考えているのか分からない子だけれど、決して悪い子ではなかった。
 (猫の話はどこにいったんだっつの)
 結局彼女が何を言いたかったのか分からないまま、俺はからんからんと音をたてて店内へ入る。
 雨音はまだ続く――少しばかり雨が強いせいか、今日は客も少ない。店内をさりげなく見渡しても、近所の高校の制服を着た数人の女の子しか見当たらなかった。



 ※ ※ ※ ※ ※ ※


 「だからね、猫がいるの」
 ケーキを食べて満足した凛は一度帰宅し、俺がバイトから上がる夜十一時半に再び店先に姿を現した。
 危ないからやめろ、と常々言っているにも関わらずまるで聞かない。凛の家は母子家庭で、母親が夜の仕事をしているためにほぼ毎日凛はひとりだ。きっと寂しいのだろうと思うから、俺もそこまで厳しく来るなとは言えないのである。それに、バイトが終わって外に出たときに誰かが自分を待っていてくれるというのは、意外と気持ちのよいものでもあったから。
 「どこに」
 「公園に、よ」
 夕方だって素直に“公園”といえば良かったのに全くこいつは、と思う。公園と一言いえばすべて通じるのに、わざわざ“あれ、あそこ”などと意味不明な説明をするから厄介なのだ。
 いつもいつも、幼い頃からいっつもそう。
 「ね、ほら」
 通称「水の公園」と呼ばれて親しまれているその公園は、意外と大きい。たまに晴れた日などは、浮浪者が新聞紙の上で鼾をかいて寝ていることもあるが、雨続きの最近はそんな姿も見られなかった。
 木々や茂みも多く、それらがこの公園をちょっとした森のようにも見せている。
 「こっちよ」
 凛がどんどん進んでいく。迷ったり怖がったりする素振りを見せないところをみると、どうやら幾度か足を運んでいたのだろう。雨に濡れた落ち葉が、数少ない街灯に照らされて光っているのが目に留まった。
 俺が踏みしめると中途半端にくぐもった音が聞こえるが、凛がまるで跳ねるように歩いても足音ひとつしない。それが少しばかり儚くて、俺はふと切なくなった。
 いや、別に俺がそんな感傷に浸るようなことでもないのだけれど。単純に俺のほうが体重があるってだけの話だ。

 ――みゃ、みゃぁぁ。

 か細い声が聞こえた。
 「タマちゃん、寒かったでしょぉ」
 その段ボール箱は、茂みの奥深くに雨を逃れるようにして置かれていた。しとしとと降り続ける秋雨に濡れた箱には、舞い落ちた落ち葉や草葉がへばりついており、ひどくみすぼらしい。凛がそっと両手で抱き上げた仔猫は、濡れていた。
 額にくっついた雫を嫌がるかのように、仔猫はぱちりぱちりと瞬きをした。その動きにあわせて、雫が地に落ちる。
「三匹もいるのか」
 雨に濡れたからといってすぐに死んでしまうほどには小さくなかったが、やはり段ボール箱に放り込まれて濡れそぼった仔猫の姿は痛々しい。凛が抱き上げたのは、白と黒の斑である。
 凛に抱かれた斑の仔猫は、逆らうでもなく己を抱き上げた人間の顔をじっと見つめていた。不幸そうでもない、何も知らない純真な双眸が、なぜか凛の双眸と重なってみえた。
 「連れて帰ろうよ」
 
 ――俺は口を噤んだ。
 「ね?」
 「誰が育てる? 三匹連れて帰るのか?」
 凛が、不思議そうな顔で俺を見つめてくる。雨は少しばかり小降りになって、ダンボールの中では残った二匹の仔猫たちが、もぞもぞと動いて寝場所を探しているようだった。
 「三匹は無理よ……だからね、この斑の子」
 「連れて帰ってどうするんだよ」
 「どうするって、餌あげて……育てるの」
 何にも考えていない瞳だ。今、凛の頭には仔猫への同情しかない。現実をしっかり見つめきれていない――と思うのは、意地悪すぎるのだろうか。
 「いつまで?」
 「いつまでって、ずっとよ!」
 母親が夜通し働いても、凛の学費を払うことで精一杯である。一晩二晩ならば、凛の小遣いで猫の餌くらいは買えるだろう。けれど。
 「無理だよ、やめとけ。あんまり無責任なことをしないほうがいい」
 「……何よ、翔ちゃんなんでそんなこと言うの」
 安易な同情心で仔猫を拾って、結局死なせてしまった経験が俺にはある。
 この仔猫は、今哀れなのだ。今助けてやらなければならないのだ――凛の思うとおりにすればいい、と心のどこかで思うのに、何か大人ぶったことでも言いたいのだろうか。自分でもなぜこれほど頑なに凛の行為を認められないのか分からない。
 「おまえ、育てられるの? 金もないのに?」
 猫砂だって猫缶だって、ずっと飼い続ければ相当の金額になる。数日程度世話をして、あとでまたここに返せばいいかもしれないけれど、それは凛には絶対無理だ。必ず情が移る。
 「お小遣いが少しあるもの。この仔くらいなら……」
 「あとの二匹は見殺し? 見捨てるの?」
 どうにも意地悪なことを言ってるな、と我ながらそう思った。きっと自分の無責任で仔猫を死なせたことが、まだ心に残ってるのだ。俺と凛は違うはずなのに、ついつい自分と重ね合わせている。
 「もういいよ!」
 仔猫をダンボールの中に戻して、凛がこっちを睨みつけた。
 「……凛」
 「もういいわよ、翔ちゃんって冷たい!」
 あ、しまった。そう思ったときには遅かった。完璧に彼女が拗ねてしまったことが、俺を見上げる視線の色で窺える。
「おい、危な……」
 ああ、怒っている。ご立腹の凛が踵を返して走り出した。彼女が走り去るときにはやはり、濡れた落ち葉はほとんど音を立てなかった。


 



 秋の長雨――秋霖とはよく言ったものだ。凛を怒らせたその翌日も、雨はしとしとと降り続いていた。いつもならバイトに行く途中、必ず後ろから襲われるはず。けれど今日のバイトへの行き道は、ひどく平穏だった。翔ちゃん、という明るく喧しい声は聞こえなかった。
 「あ、翔くんだぁ」
 制服を着た女子生徒のグループが、店内に入る俺に声をかけてくる。凛と同じ学校の制服だ、と思いながら俺は笑い返して厨房に入った。今日はいつもより客が多い。
 「すみません」
 新しく入ってきた客にオーダーを取りに行こうとした俺に、声がかけられた。
 (……あ)
 週に三度。いつも決まった曜日に、決まった席に座っている若い女の人だ。
 年齢はいまいち推測できないけれど、もしかすると俺とあまり年は変わらないかもしれない。
 すみません、と俺を呼び止めた彼女の左手が、白く細くてひどく綺麗だった。彼女が頼んだ紅茶はまだ半分ほど残っている。よく冷えたグラスに、水滴が無数に輝いていた。
 「この紫陽花っていうの、どんなデザートなのかしら」
 彼女の綺麗な人差し指が、メニューを指差した。
 「紫陽花の色に似せたゼリーケーキですよ。こちらに写真が」
 彼女の視線が、ついとそちらに向けられる。伏せた睫毛が長く、まるで頬に影を落としそうだ。ひとしきりデザートの写真を見つめてから、彼女はふと雨のそぼふる外を見やり――そうしてから静かに紫陽花のゼリーケーキをオーダーした。
 「ここのケーキ、ほとんどあなたが作ってるんですってね」
 思いがけず声をかけられて驚く。品のいい言葉だったが、声色は意外と明朗だった。
 「え、はい。そうですが……」
 凛のためにしょっちゅうお菓子作りをしていたのが、だんだん趣味へと変化して。大学を卒業したら、製菓の専門へ行くのもいいかもしれないと思っていたりする。
 ここのケーキのほとんどを俺が作っているなんて、いったい誰から聞いたんだろう。いやまあおおかた店長か誰かが喋ったんだろうな、と思いつつ俺は若い女性を見つめた。
 「とても美味しいわ」
 ここのケーキを食べるのが楽しみなの、と彼女は静かに微笑んだ。
 「…………ありがとうございます!」
 思わず本気で喜んで――昨夜凛を怒らせてから微妙に澱が沈んだような心が、ふと浮き立つような気持ちがした。





 ※ ※ ※ ※ ※

 
 (よく降るな)
 バイトが終わって店を出ても、いつものように凛はいなかった。いつも凛がしゃがみこんでいる場所が、妙にぽっかりとした空間に見える。
 「………………」
 別に俺が間違ったことを言ったとは思わないけれど、しかしいつまでも凛を怒らせているわけにもいかないだろう。やっぱり俺が折れなきゃダメか。自分の作ったケーキが美味しいと褒められることが、意外と嬉しいことに俺は驚いている。そのせいで少し気分が明るくなっていた。
 昨夜凛を怒らせた罪悪感なのか、それとも凛に見捨てさせた仔猫への罪悪感なのか。帰り道の公園入り口で、俺は自分でも予想通りに足をとめた。昨夜からずっと、仔猫のことが気にかかっていたのは事実である。
 「…………」
 ダンボールの位置は、昨夜から変わっていなかった。相変わらず濡れそぼったまま、そして落ち葉をへばりつかせたまま、ダンボールはそこにあった。
 もしかしたら誰かが仔猫を連れて帰ったかもしれない――それならいい。けれどもし、雨で弱って冷たくなっていたら?
 (そしたら……間違いなく俺のせいだよな)
 ダンボールの中から、何の声も聞こえてこない。ひどく厭なほうへの覚悟を決めて、俺はおそるおそる箱の中を覗き込んだ。
 濡れそぼった毛むくじゃらのまんじゅうが、三つ重なり合っていた。ダンボールの上部が中途半端に仔猫たちの上に差し掛かっているせいで、完全に濡れているのは底に敷かれた毛布だけで済んでいるようだ。けれどその毛布に水分が染み渡って、おそらく仔猫たちの体温を奪っているに違いない。
 (……ったく、冷たいだろうに)
 とりあえずさしていた傘を差し掛ける。一番右端でまるくなっていた黒の仔猫が小さく身動きした。どうやら皆無事らしい。ひどくホッとした。
 雨音はひどく静かで、しかしすぐ傍の通りを走る車が水を跳ね飛ばしてゆく音だけは耳障りなほどに響いた。弱い雨は冷たかった。
 間断なく降り続ける秋雨が、俺のシャツの袖を濡らしていく。
 何が仔猫たちにとって幸せか分からないけれど、ここで震えて眠るのはつらいだろう。 きっと、冷たくてつらいだろう。
 「バカかもしれない、俺」
 呟きながら。自分のアホさ加減を痛感しながら、俺は一匹ずつ仔猫を抱き上げる。いつまで降り続くかもしれない秋雨のなかに、仔猫を置き去りにする気分。
 責任がどうとか、そういったことではなくて――ともかく仔猫を放っていけるような気分ではなかった。
 (……しゃあない。凛に謝るか)
 俺のバイト代と凛の小遣いで、きっと何とかなる。そう思った。あたたかい塊をみっつ両手に抱え込んで、俺はダンボールに差し掛けた傘もそのままに歩き出した。
 秋雨はまだ続きそうである。三匹の仔猫を抱えてドアホンを鳴らした俺をみて、東村凛は驚いてからとても嬉しそうに笑った。








    秋の田の  かりほの庵の  苫をあらみ


                      わが衣手は  露にぬれつつ



                                 《天智天皇》








  

  ――弐――


  【青空の夢】

 

 眼を開ければ、いつもそこには白い天井があった。
 寝返りをうてば、いつもそこには白い壁があった。
 閉塞感いっぱいのこの部屋は、あたしを憂鬱にさせる――もう、慣れてしまったけれど。
 「ぁ、もう検査終わったの?」
 梅雨はまだ明けていないらしい。それでなくとも病院、という決して朗らかでない場所。せめて空だけでも晴れていて欲しいのに、と思う。確かに病院の中は冷房がよく効いているけれども、やはり何となくじめじめしている厭な空気は拭えない。
 あたしがMRIの検査を終えて出てきた、その検査室の前の長椅子に一人の男の子が座っていた。初対面の人に、こんなにも馴れ馴れしく声をかけられたのは初めてである。何と返答していいか分からずに、あたしはただひとつ頷いた。
 「痛い? 俺初めてなんだよね、この検査」
 「……痛くないよ。寝てるだけだから」
 ふうん、と彼は何ともいえない生返事をする。容貌はとても綺麗に整っていて大人っぽいけれど、何だか実は女遊びとか激しそう。あたしと同じような病院のパジャマを着て、長椅子の上に足を投げ出している。場所柄なのか何なのか、それほど警戒心も抱くことはなかった。
 「名前なんて言うの?」
 「楢木茉梨子《ゆうき まりこ》……そっちは?」
 「俺? 今村晴己《いまむら はるき》」
 彼の声は、少し低くて柔らかい。同年代の入院者が少ないこの病棟で、同じ年頃の人に声をかけられたことにあたしは少しホッとしていた。
 「はるき?」
 「晴れる、に己」
 今村くん検査室入ってきて、と看護師の声が飛んでくる。彼はゆっくりと腰をあげ、あたしよりも上背のある身体でこちらをふと見下ろした。
 「何号室?」
 「え――710」
 「おっしゃ。暇なとき遊び行くヮ!」
 優しそうだけれども少しやんちゃな、そんな笑みを浮かべて彼は検査室へ入っていく。こんなところで女の子ナンパしてどうすんの、と看護師に怒られる声がドア越しに聞こえた。


 ――――――――――――――――――――

 
 高校のクラスメイトが、『しゅーくりーむ工房』のカスタードシュークリームをお見舞いに持ってきてくれた。そういえば彼は甘党だと言っていた、と思い出して、あたしは六個入りのシュークリームの箱を店のロゴが入った袋に入れて立ち上がる。立ち上がったついでに襲ってきた眩暈を抑えるようにして、あたしはしばらく立ちすくんだ。
 今日はいつもより少し眩暈がひどい。眩暈がしたり、吐き気がしたり。そんなときに自分の病気をつい思い出してしまうけれど、それでもあたしは負けたりしない。
 シュークリームの味だってちゃんと分かるもの。
 あたしの病室を出て、廊下をずっと右へ行くと連絡通路がある。ここ新館と本館の連絡通路で、今村晴己はその本館のほうの個室に入院しているのだ。
 リノリウムの床が無機質で、少し切ない気持ちにもなる。歩くたびに、シュークリームの袋がかさかさと賑やかな音をたてた。
 「あら、茉梨子ちゃん。今日は茉梨子ちゃんからお出かけ?」
 毎朝点滴を替えにきてくれる看護婦が、ナースステーションから声をかけてくる。今村晴己と出会ってからまだ一週間あまりしか経っていないけれど、いつも晴己が足繁くあたしの部屋に通ってくる。あたしからこうして出向くことは珍しい。
 「うん、シュークリームのお裾分け」
 「食べ過ぎちゃだめよ〜?」
 今日も外は曇り空。窓の外に遠く見える山々を意味もなく見遣ってみても、あたしが得るものなんて何もない。ただ高校に行っていれば、春には競歩であの山に登るんだのになぁと、そんなことを思うだけである。
 夏になれば、あの山の左手に見える海のほうで花火大会が行われるのだった。山と海に囲まれたこの地域は景観も美しく、自然環境に恵まれていると思う。花火大会の夜は、外出許可をとらなくても自分の病室から花火がよく見えた。今年も花火を見ることができるだろうか、なんて。考えては打ち消し、打ち消しては考えてみる。
 連絡通路を通って本館の自動扉から中に入ると、すぐそこに待合室。
 よぼよぼのおじいさんがぼんやりとテレビのワイドショーに視線を遣り、腹巻をくっつけたおじさんが鼻糞をほじりながらスポーツ新聞を読んでいる。巨人弱くなったな、という彼の独り言がやたらとでかく、それに反応した別のおじさんが不調の選手に対する文句をつらつらと言いはじめた。
 その待合室を横目に廊下を進み、お手洗いを過ぎて廊下突き当たり近くまで行くと、その右手が晴己の個室になっている。スライド式の扉を開けて中に入ると、小さく音楽が聴こえた。
 「お邪魔しまぁす」
 洋楽のヒップホップらしいけれど、あたしには何を言っているのかさっぱり分からない。意味もなくコンポのほうを一瞥すると、気を遣ってくれたのか晴己は無造作に音量を下げた。彼にも見舞い客が途絶えないのだろう。ベッドの脇にあるテーブルが、お見舞いの品で溢れかえっている。「男の子のための」雑誌が数冊。丁寧にラッピングされていると見えるのは、どうやら幾枚かのトランクスらしい。
 (いったいどんな付き合いしてんのよ)
 それから手作りのようなクッキーの包みと、栗羊羹と描かれた細長い箱がひとつ。
 「オハヨ。夕方になったらそっち行こうと思ってたのに」
 そういって、ソファを指差した。座りなよ、という意味であることは間違いない。あたしはそっとソファに腰をおろして、持ってきたシュークリームの袋をがさがさと開けた。
 「あのね、友達がお見舞いくれたの。シュークリームね、ここのが一番おいしいのよ」
 シュークリームは、駅前の『しゅーくりーむ工房』のに限る。ふと見上げると、彼が何かひどく真剣な顔でこちらを見つめていた。
 「…………どうしたの、晴己」
 出会ってそれほど時間が経っているわけでもないのに、何だか閉ざされた病院という箱の中で、同じ仲間を見つけたような安堵感がふたりの距離を驚くほどに縮めていた。
 話も合ったし、お互いのクラスメイトが持ってきた課題なんかもふたりで一緒に解いたりした。
 あたしは駅の北側に行ったところの私立高校の生徒。彼は駅の南側にある公立高校の生徒。
 話してみると共通の知人なんかもいたりして、話は毎日尽きることを知らなかった。だからまだ会って一週間といっても、ずっと前からの仲良しのような気さえする。晴己の趣味は音楽を聴くこと。好きなのはヒップホップとR&Bだと言った。あたしは邦楽ばっかり聞くわ、というと、今度洋楽のCD貸してあげるよと彼は笑った。
 お互い恋人がいないという話をすると、最後に晴己が少しだけ照れたような顔をして。――他から見たら今の俺たちが恋人同士みたいなもんだろ、と言った。
感じる。お互いが、傍にいるという事実を噛みしめているような感覚。わけもなく胸が鼓動をうって、あたしはもう一度彼の名を呼んだ。
 「どうしたの、晴己」
 「ん? いや、なんでもない。そこのシュークリームうまいよね」
 箱をあけてシュークリームを一個取り出し、紙にうまく包んで彼に差し出した。受け取る晴己の指は男のわりにほっそりとしていて、まるでピアノを弾くかのように綺麗だった。
 「いつ梅雨明けるんだろな」
 皮の中にたっぷりと詰め込まれたカスタードクリームが冷たい。とろりとしたクリームが、心地よく喉をおりていくのが分かる。
 晴己は驚くべき早食いでシュークリームをふたつ平らげてしまった。うまいよねと言うわりに、あまり味わっているようには見えない。
 「最近……湿度が高くって、しょっちゅう気持ち悪くなるんだよね」
 夕食時は本当に食欲が失せるし、朝は朝で頭痛が激しい。晴己もあたしとどうやら同じ悩みを抱えているらしい。
 あたしと晴己は同じ病気――――膠芽腫。あたしたちは、脳に悪性の腫瘍を飼っている。
 殺してやりたい憎い蟲。こんなものに、あたしたちは命を脅かされて。
 出会って惹かれたその人と、そんな厭な偶然。死にたくないと思う、同じ気持ち。
 「夏が来たら花火、見に行きてぇな〜……」
 けれどあたしたちは、絶対に病気の話をしない。
 「部屋から見れるじゃん?」
 「おまえ、病室から花火なんて見るもんじゃないってば。やっぱり外出て見るのがいいんだよ」
 窓の外を軽く指差しながら、晴己は持論を熱く語る。女の子はやっぱり浴衣だな。男ってのは浴衣姿に弱いんだよ、そうそう、すぐに脱がせられるし。
 (バカ)
 ちょっと胸がはだけてたりしたら最高だよな、そうだ茉梨子おまえ花火大会の日浴衣着ろよ、と晴己は実に楽しそうである。ホテルの浴衣じゃあるまいしそんな簡単に脱がせられないわよ、と内心思いながらあたしは彼の顔を見つめた。
 吐き気や頭痛がいつもよりひどい日は、よく思う。
 こうして笑っているその下に、彼はいったい何を抱えているんだろう、と。
 あたしが自分の部屋に帰ったあとで、一人きりになったとき晴己はいったい何を考えているんだろう、と。
 泣いたり、しないのだろうか。
 「あ、そうだ。俺、手術の日決まったよ」
 あたしたちは絶対に病気の話をしないはずで、だから――彼の言葉は、突然だった。





 ※ ※ ※ ※ ※

 
 最も悪性度の高い膠芽腫の五年生存率は、六%。
 
 あたしが受けた去年の摘出手術、成功したのは奇跡だといわれた。そのあたしでも、しょっちゅう癌が転移しているのに――いつ死ぬか分からないのに。


 ※ ※ ※ ※ ※

 

 化学治療の副作用であたしは体調を崩し――おそらく梅雨どきの湿気も悪く作用したのだろうと主治医は言ったけれど――体調を崩し、数日間寝込んだ。
 「茉梨子ちゃん、ごはん食べれる?」
 あたしの親は、仕事が忙しい。ほとんどお見舞いには来なかったし、だからといって祖父母や親戚が来てくれるわけでもなかった。
 クラスメイトは仲の良し悪し関係なく、ほとんどの子が来てくれたけれど。でもここ数日は家族以外面会謝絶、という状態が続いていて、友達とも会うことができない。家族も来ない。だから必然的に、あたしが顔を合わせるのは医師と看護師だけになった。
 「いらない。食べる気しない……」
 「ここんとこ、ずっと食べてないでしょう。少しくらいは食べなきゃだめよ。身体が弱っちゃったら、治療できなくなるよ?」
 外はずっと雨。誰もあたしの傍には、いてくれない。自然あたしの気持ちは深く沈んでいって、何かもうどうしようもなく鬱陶しくて。
 看護師があたしを黙って見つめた。素っ気ないクリーム色の丼に、真っ白なお粥が電気の灯りを反射して光っている。食べる気にもならない。何となく頭が痛くて、気持ち悪かった。いつも優しくしてくれる看護師すらも、ひどく邪魔な心持ちだった。
(こんなまずそうなの出すなんて、治る病気も治らないわよ)
 見るからにまずそう、とあたしは心の中で毒づいてみる。
 「茉梨子ちゃん」
 ほんの少しだけ、看護師の声が厳しくなった気がした。廊下のほうで、がらがらと食事を運ぶ台車の鈍い音が聞こえている。夜ごはんですよ、という明るい声が耳障りだった。 ふと、晴己はどうしてるんだろうと思った。
 「茉梨子ちゃん。本館の今村くん、昨日手術だったのよ。彼頑張ったのよ」
 (――――ぇ、もうそんな日だったの!?)
 いや、日にちは覚えていた。七月八日。
 けれど体調を崩して息も絶え絶えになっているところに、日にちや曜日の感覚などがあるはずもなく。今こうして看護師に言われるまで、すっかり失念していたのである。
 「手術は!? どうなったの!?」
 思わずあたしは目の前の夕食をはねのけるようにして、身を乗り出した。
 「詳しいことは分からないけど――」
 まだ若い看護師は、一瞬言葉を選んだように見えた。
 「詳しくは分からないけど、頑張ってるみたいよ。昨日の今日だからね」
 今すぐにも本館へ。今すぐにも晴己のところへ行きたいと思った。
 なぜだろう、同じ病気だという連帯意識だけではないような気がする。いろんな話をして、性格を知って、笑いあって、そうして芽生えていく自然な感情。それが何という感情か、なんて無意識のうちに自分で理解している。
 「会いたいんだけど」
 会いたい、と思う素直な気持ち。
 手術の翌日だから今日は無理よ、と少し焦ったように看護師があたしをなだめる。何でこんなにも会いたいと思うのか、理由は分かっている。恋してるからだけじゃない。あたしたちは、いつ死ぬか分からないからだ。まさかあたしが死ぬわけない――そう思っている頭の遠く隅っこで、いつ死んでもおかしくないんだと悟りきっている自分がいる。
 あたしも晴己もまだ十六年しか生きていないのに、何でこんなに死に怯えてるんだろう。
 「頑張って、少しだけでも食べな?」
 晴己の顔を思い出しながら、あたしは入院時に持ち込んでいる割り箸を手にとった。


 
 青い空を夢見る。
 

 いっぱいお洒落をして、青春を謳歌している自分を夢にみる。成績に一喜一憂することも、授業中に居眠りをして先生にこっぴどく叱られることも、友達と喧嘩してひどく落ち込むことも、どんな悩みもたいしたことなんてないと思う。
 生きたいのに死ぬかもしれない、そんな恐怖と比べれば。
 五年生存率がたった六%の病気と闘うことが、どれだけ苦しいかなんて医師や看護師にだって分かるわけがない。今その気持ちを共有できるのは、今村晴己だけだった。
 小学生のとき、文集に冗談で「平凡に長生きすることが夢です」って書いたことを最近よく思い出すのだ。まさかあれが、本当の夢になるなんて思ってもいなかった。夢見るまでもなく、平凡に長生きするってことはあたしの中では当たり前だったから。
 たまに病院の売店に下りたとき、小児科の子供たちが友達同士で「死ね」と叫びあって笑っているのを見る。ああ、死ぬことの本当の怖ろしさを知らないからいえるんだ――今のあたしには、分かる。
 「………………晴己?」
 恋に落ちたと自覚した瞬間に、相手に恋人がいると知ったような感じに似ている。恋した瞬間に失恋するっていう、アレ。あれに似ている。
 トイレに行くついでにこっそり本館へ行ったあたしの瞳が、晴己の姿を映すことはなかった。
 ついこの間まで彼が寝ていたはずのベッドには誰もいなくて、病室はがらんと片付けられていた。誰かがそこにいた形跡が、まるで消えていた。ベッドは綺麗に整えられていて皺ひとつなく、その右手にあるテーブルの上にはもう何もない。お見舞いの品で溢れていたはずなのに、もう何もない。
 「晴己…………」
 電気も点いておらず、夕暮れの曇り空のために部屋は薄暗かった。ぺたり、と座り込んでみる。冷房はあまり効いていなかった。一瞬からだの中が沸騰したかのようにひどく熱くなって、それからすうっ、と寒くなった。鳥肌だっている。
 「ま、茉梨子ちゃん!?」
 廊下から声が聞こえた。看護師が開け放された扉の外から、あたしの姿を認めたのだろう。柔らかな足音をたてて、看護師のあたたかい手があたしの肩をゆさぶる。
 「茉梨子ちゃん……」
 「晴己は? 手術成功したんじゃなかったの?」
 看護師が眼を逸らしたときに、あたしは全てを悟ってしまった。



 

 『マジで好きだ〜! 退院したら付き合ってください!(笑) 手術頑張るぞー!』


 


 手術の前の日。
 お互い体調が思わしくなくて会えない中で、晴己が看護師に託したのだという。ルーズリーフを破った適当なやつで、ボールペンで書いた文字も汚かった。あ、両思いだったんだ――そう思ったときには、遅かった。





 ※ ※ ※ ※ ※


 今村晴己が手術後に肺炎を起こして死んだのは七月十日のことだった。彼と仲の良かった楢木茉梨子は、看護師たちが心配したほど動揺した様子もなかったが、彼女もまた晴己が死んだ数日後に容態が急変した。
 去年の秋に行った、腫瘍摘出の手術は一応の成功をおさめている。しかし脳という限られた狭い場所の中で、腫瘍のすべてを摘出することはできなかった。化学治療の副作用は、十六歳の細い身体をずいぶん前から蝕んでいたのだろう。そして、脳にできた癌細胞は全身に転移しはじめていた。
 容態急変を知って駆けつけた医師と看護師たちは、彼女が握り締めていた紙切れが床にひらりと落ちるのをその眼で見た。



 七月二十日、今村晴己のあとを追うように楢木茉梨子が死んだ。その日梅雨明けが発表され――――ずっと続いていた曇り空が消えた。彼女が息をしなくなったその日、待ち望んでいた夏が訪れた。



 ――夏が来たら、一緒に花火見に行きたいなぁ……。

 



  空が青い。






     春すぎて  夏来にけらし  白妙の  


                     衣ほすてふ  天の香具山


                                  《持統天皇》






 



 ――参――


  【月夜】

 

 ――おまえのこと、愛してるから。

 
 彼の声が脳裏に蘇った瞬間、わたしはハッとして傍らの男の腕をはねのけた。ひと呼吸おいて、ふと遮光カーテンをあけて窓の外をみあげると、くっきりと輝く満月が浮かんでいる。
 「…………」
 男は眠っていた。乱れたベッドを一瞥してみたものの、何か妙な罪悪感に襲われてわたしはすぐに眼を背ける。駅前のちょっと小洒落たラブホテル――体だけの関係は、確かに楽だった。もう一年半も連絡のない彼を、恋人と信じて待つにはわたしは少し歳をとりすぎた。彼の知らないところで、男友達と体だけの契約を結ぶことなんて造作ない。まだ二十五歳とはいえ、恋愛に対する幻想はよほど薄れてきている。道徳心なんて――わたしにはないのかもしれない。

 
 ――おまえのこと、愛してるから。だから待ってて。

 
 (……まただわ)
 渇いた唇を、冷蔵庫の烏龍茶で少しばかり湿らせる。男の枕元に乱雑に置かれていたタバコとライターを見て、思わずそのライターですべてを燃やし尽くしてしまいたい思いに駆られた。
 普段から思い出すまいと努力しているだけに、一度思い出してしまうともう止まらない。彼の言葉が、彼の声色が頭の中をぐるぐるとめぐり、わたしをどうしようもない憂いの渦へと巻き込んでゆく。そうして、思い出してしまうと苛々して落ち着かなくなるのがわたしの常なのだった。
 「ねえ」
 渇いた声で、惰眠を貪る傍らの男を起こす。
 「わたし、帰るわ」
 「…………帰る? 泊まらないの?」
 枕元の腕時計を見た男が、だるそうな声でわたしを見上げた。ぞくり、と鳥肌たつ。なぜだろう――彼のことを思い出した直後は、いつもこんな感覚に襲われる。これがもしかすると罪悪感なのか。
 時計はすでに夜中の2時を指していた。
 「面倒だからもう泊まってこうぜ」
 わたしは黙って《お帰り》と書かれたボタンを押す。料金を問い合わせる機械の声が、ひどく耳障りだった――そういえば、彼とこういう場所に来たことはなかった。今思うと、わたしの知らないところできっとこつこつ貯金でもしていたのだろう。
 「ったく……何でそんな気まぐれなんだよ」
 舌打ちをしながら男がベッドから立ち上がり、ベルトの音を響かせてズボンを穿く。その光景を一瞥して、わたしはヴィトンの財布から1万円札と千円札をそれぞれ1枚ずつ取り出し、機械の口に突っ込んだ。中途半端な音量で流れる有線にもまた、妙な嫌悪感が募った。
 部屋を出て、1階まで降りるエレベーターの中は静まり返っている。男は勘弁してくれとでも言いたげな双眸で壁にもたれかかっていた。この沈黙の中で感じる痛いほどの虚脱感。募る虚しさ。どうしてわたしはこんなことをしているんだろう。あの人がいれば、他の男の温もりなんて欠片もいらないと思っていたのに。
 わたしのような女が高校の教師をしていると知ったら、世間の人々はいったいどう思うことだろう……。自嘲気味に唇を歪めてみる。

 


 *

 
 
 「またイラクでテロがあったそうですよ」
 「最近どこもかしこも危ないね」
 わたしは古典の教科書をめくる手を止めた。傍の机で、社会科の教員同士がコーヒーカップを手にしたまま話し込んでいる。正義正義といいながら、あんなものは己が一番偉いと勘違いした人間たちのひとりよがりだ。
 テロをするほうもするほうだし、それに武力で対抗するほうもするほうだとわたしはぼんやり思う。
 「自衛隊はともかく――現地の日本人は無事でいられるんですかねぇ」
 「ま、でもこの状況であんなところに行くくらいなら、よほどの覚悟があるんだろ」
 「それか日本に未練がないとかね」
 (未練がない…………か)
 そうかもしれない。恋人に黙って貯金して、一言の相談もなしに遠い異国の地へ旅立ってしまったあの人。日本にも、わたしにも、何の未練もなかったのかもしれない。
 「センセ。白石センセ?」
 クラス委員を務める女生徒が、怪訝そうな顔をしてこちらを覗きこんでいた。ああ、と頷いてわたしは姿勢をただす。机の右端に積み重ねていたHRクラスの古典科ノートを彼女に託し、『白石美彩子:国語科』と書かれたネームプレートを机上に出した。
 毎日変わらない仕草、日課、仕事。真夜中に帰宅してから、結局一睡もしていないせいでわずかに頭が重い。
 とりあえず試験に通って、とりあえず教員になってみたものの、この仕事に何を感じるわけでもなかった。生徒と過ごすことは楽しかったけれど――教員同士の些細ないがみ合いや派閥争い、保護者や地域住民の理不尽なクレームばかりを目の当たりにしていると、気が滅入る。
 それでも彼が日本にいた頃は良かった。彼が、メールや電話でわたしの愚痴を聞いていてくれたから。けれど山国悠人――彼は、一年半前に戦渦中のイラクへ行ってしまった。あれから、わたしはニュースを見るのが嫌になった。


 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 
 イラクでのボランティアのために、必死で貯金していたのだと彼は言った。向こうからわたしに電話をかけてこないわけも、滅多にデートしないわけも、そのとき分かった。唯一の救いは、他の女のための貯金ではなかったことかもしれない。
 「俺、マスコミとかの言うことだけに左右されたくないんだ」
 彼の祖母の親友は、原爆で死んだのだという。広島出身の祖母や祖父から話を聞くたびに、彼は戦争というものについて深く考えるようになったらしい。
 「アメリカ側からの視点だけで、ものごとを見るのは嫌なんだ。俺、自分の眼で確認したいんだよ」
 出会ったときから、悠人はアメリカを好ましく思っていないようだった。近所のハンバーガーショップで一番安いハンバーガーを頬張りながら、こんなものを食べておいてアメリカ嫌いっていうのも子供じみてて嫌なんだけどさ、と彼が苦笑していたのをわたしはよく覚えている。けれどそんな自分の子供じみたところをよく自覚しているところが大人だと、わたしは思った。
 「戦争は駄目だとか、可哀想だとか言うだけの人間に俺はなりたくない」
 イラク行きをわたしに告げた日、彼はそうはっきりと言ったのだった。あなたひとりが頑張ったって、何も変わらない――そう言いたい言葉をわたしはぐっと飲み込んだ。
 「戦争なんかで死ぬ人は、ひとりでも少ないほうがいいに決まってる。そうだろ?」
 何も変わらない、と叫びたいのは、彼がわたしの恋人だからだ。彼を行かせたくないからだ。人が己の人生を賭けてものごとに打ち込んだとき、そこでは必ず何かが変わる。たとえどんなに些細なことでも。
 「…………危ないわ」
 それでもそう言うのが精一杯だった。小綺麗にまとめてあるわたしの部屋、ふたりで撮った写真を入れてある写真立ての前で申し訳なさそうに微笑む悠人の表情が、痛かった。 彼の双眸は、申し訳なさそうな色を湛えながらも揺るがない。どんなに危なくても俺は行くよ、とその眼が語っていた。
 「何も変わらないかもしれない。でもひとりくらいなら、もしかしたら俺でも力になれるかもしれない。理不尽な死に方をするのを、防げるかもしれないじゃん」
 「そんなこと言って――そんなこと言って、悠人が死んだらどうするわけ? それこそ理不尽な死に方じゃないの!?」
 「俺、もしそれで死んでも理不尽だとは思わないよ。自己満足かもしれないけど、悪いことじゃないと思う」
 自己満足? 嘘だ、あなたのそれは自己中だ。わたしは唇を噛みしめる。あなたはそれでいいかもしれないけれど。あなたに助けられたイラク人はそれでいいかもしれないけれど。じゃあわたしは? あなたの両親は? 残された人間はどうなるの。
 「ごめんな、ミサ」
 彼は泣き喚いて止められるような男ではなかったし、私も泣き喚いて止めるような女ではなかった。
 残されたわたしたちはつらいけれど、彼の人生は彼が決めるものだから。そんな大人ぶったことを必死で思いながら、わたしはただ黙って涙をこらえるだけだった。
 「おまえのこと愛してるから。だから待ってて」

 
 あれから一年半、彼からの連絡はないままだ。


 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 
 わたしの担任クラスは、高校3年2組である。夕方の個別進路指導で、ひとりの男子生徒がわたしの顔色を窺うようにして言った。
 「俺、大学行かないで働いて、ボランティアとかしたい」
 思わず言葉に詰まった――あんたたちの人生なんだから、あんたたちが好きな道を行きなさい――いつもそう言っていたわたし。教師としてそう言わざるを得なかったし、わたしにとって生徒たちは悠人ほど大きな存在でもなかったから。
 けれどその男子生徒が、おそらく悩んで悩んで悩みぬいた結果であろう自分の夢を言葉にしたとき、思わずわたしは不安になった。これが老人ホームとかそういった次元の話ならいいのだけれど、もしも悠人のように外国へ行くと言い出したら。
 「……ボランティアって?」
 「ちょっと前に本読んでさ、それでボランティアのほうに行きたいと思って」
 「どんな本?」
 生徒たちは、こちらの質問に的確に答えることはあまりない。最初は、このガキどもはいったい耳で何を聞いてるんだと苛々したものだが、もうそれにも慣れた。教師は体力と忍耐だと思う。
 「ん〜、何かイラクの本。イラクでボランティアしてる日本人が書いたやつ」
 頭の奥が、ずきりと痛んだ。
 寝ていないせいか、それともイラクという固有名詞を聞きたくないと身体が無意識に拒否反応でも示しているのか。とりあえず、動揺を抑えてへぇ、と返事を返す。普段から遊び惚けていて成績も悪く、いったい何を考えているのか見当もつかなかったその生徒は、シャツのボタンを三つほど開けた少々だらしない格好で椅子に座っている。その彼が、自分の口でしっかりと夢を語ったことに、わたしは軽い驚きを覚えていた。
 わたしが頭ごなしに否定しなかったせいか、彼は幾分饒舌になった。
 「な、ちょっとカッコいいこと言ってみていい?」
 「何?」
 どうしても言いたそうな顔をしている――その表情が純粋だ。
 「“戦争は駄目だとか、可哀想だとか言うだけの人間に俺はなりたくない”」
 男子生徒の進路のことなど、その瞬間に頭から吹っ飛んだ。高校の教師から、わたしは白石美彩子というひとりの女に戻っていた。顔色が、もしかすると変わっていたかもしれない。
 「……それ、何ていう本なの!」
 「え? あー……何だっけ。祈り、とか何とか」
 本なんか書いてる暇があったら、わたしに連絡のひとつも寄越せ。ひっぱたいてやりたい思いに駆られたが、不思議と恨む気持ちは湧き起こってはこなかった。その後の進路指導で、自分が何を喋ったのかわたしは覚えていない。

 











 “戦争は駄目だとか、可哀想だとか言うだけの人間に、俺はなりたくない”

     

            『祈り――Misa――』

 


 僕は、戦争というものをこの眼で見た。
 戦争が憎悪を生む瞬間も、僕はこの眼で見た。
 平和な国に住んでいる人々は、憎悪してはいけないと説くかもしれない。
 けれど大切な人を奪われた人々は、憎悪することでしか悲しみを紛らわせない。
 僕たちにはまるで理解できない感情が、ここにはあった。

 
 きっと僕も、大切な人を奪われたなら、憎むだろう。
 きっと僕も、大切な人を奪われたなら、怒るだろう。

 
 僕には大切な人がいる。
 僕がイラクに行くと知ったとき、彼女は黙ってただ泣いた。
 申し訳なくて、申し訳なくて、そして僕もまた寂しくて、
 思わずイラクへ行くのをやめようと思ったけれど、
 それではいつか必ず後悔すると思った。
 何て我侭な人間だろうと思ったけれど、それでも彼女なら分かってくれると
 そう信じた。

 
 今、彼女は何をしているだろう。
 今、彼女は何を想っているだろう。
 そんなことを考えながら、僕は今日も血を流す人々の姿を見る。

 
 首から上が吹き飛んでしまった赤ん坊がいた。もしも彼が生きていれば、いったいどんな人生を歩んだだろう。
 手足を失った少女がいた。もしも彼女が手足を失ったりしなければ、いったいどんな人生を歩んだだろう。義手義足のその少女は、わたし陸上選手になりたいの、と眼を輝かせた。
 孫を空爆で失った老人がいた。もしも孫を殺されていなければ、彼はいったいどんな老後を楽しんだだろう。
 婚約者をテロで失った青年がいた。もしも婚約者を殺されていなければ、彼はいったいどんな結婚生活を送っただろう。

 
 眼を失った少女。腕を失った少年。恋人を失った女性。妻を失った中年の男性。子どもを失った若い夫婦。未来を失った無数の若者たち。命を失った無数の人間たち。

 
 僕は知った。戦争は、失うことだらけだ。得るものなんて、ひとつもない。
 僕は知った。綺麗ごとだけ並べていても幸せにはなれない。けれど綺麗ごとを口にするからこそ、前に進めることもある。
 僕は知った。失うことの恐怖を目の当たりにすればするほど、愛しい人の存在がますます大きくなることを。

 
 僕にはまだすることがある。
 僕にはまだ見るべきものがある。
 僕にはまだできることがある。
 だから僕は祈りながら生きる。
 彼女が、僕の帰りを待っていてくれますように――。

 


 ――Misa I love You――

 





 * * * * *



 結局のところ、わたしはやはり彼を愛しているのだろう。彼はわたしを忘れていなかった、それだけでこんなにも安堵している現実。
 《ミサ》
 彼がわたしを呼ぶ、あの声を思い出す。ぐずぐずしていた心が、少しだけ晴れた。彼の心にちゃんとわたしがいるのなら、彼の人生をおとなしく受け入れてもいいかもしれない。
 寂しさは、まだ消えない。遠い遠い異国の地は、いろんな意味で遠すぎる。わたしが太陽を見ている時間に、彼は月を見ているのかもしれない。わたしが生徒たちと談笑しているときに、彼は生命の危険にさらされているのかもしれない。それを思うと、わたしと彼の距離はあまりにも遠すぎる。けれどあの本のタイトルは、わたしの揺らぎを確実に止めた。
 『Misa』。
 たったあの4文字で、再び彼は見事にわたしを絡めとってしまった。ずっと伏せていた写真立てを、わたしはしばらくぶりに起こす。少しお茶目な顔つきの山国悠人が、笑顔でわたしを見つめた。
 今日もわたしは独りで眠る。遠いけれど、心は近いと信じる。
 今日もわたしは独りで眠る。遠いけれど、同じ空の下に生きているのだと信じる。
 
 

 二度目にあの男子生徒が進路相談に来たとき、わたしは掻き集めたイラク関係の資料を彼に渡した。死なない程度に頑張りな、と言うと、彼は思いがけないほど純粋な笑顔を浮かべた――悠人とよく似た、爽やかな笑みだった。






      あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の 

                 
                      ながながし夜を ひとりかも寝む

                                 
                                 《柿本人麻呂》

 





  ――四――


  【冬は凛々】

 

 ――ぁぁあん。
 (……誰だよ、あんなエロい声出してるの)

 ――ぁ、ぁあぁん。
 (何なんだよ、ヤるなら静かにやれや……)

 ――くぁぁぅ。
 (……ん?)

 ――きゃぁぁぁっ!
 (凛!?)

 がばり、と俺は起き上がった。




 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 
 髪の毛は肩にかかる程度だった。人間の耳らしきものは見えず、そのかわりに髪の中から覗く猫耳がぴょこん、ぴょこんと動いていた。くるりとした双眸は少しばかりつりあがっていて、これこそまさに猫目なのだと思われる。肌の色は、俺の隣に座る東村凛に勝るとも劣らぬ白さだった。猫耳が生えていることと、あとひとつどうしたって見落とすことのできない事実――少女の臀部あたりから偽物とも本物ともつかない尻尾がひょろりと飛び出ていることをのぞけば、彼女は確かにひどく可愛らしい容貌をしている。
 「……これって、あれじゃないの? 萌えっていうんじゃないの?」
 萌え――萌え。コスプレ。オタク? ショートしかけた頭の中で、なぜ凛はこうもけろりとしているのだろうと不思議に思った。さっきまでは幽霊が出た、猫が化けた、ときゃあきゃあ泣き叫んで俺にしがみついてきたくせに、今彼女の双眸を見てみるとどうしたことだろう。きらきらと輝いている。
 「ねえ翔ちゃんてば。萌えるんでしょ?」
 萌えるより何より先に、俺は何が起こったのかを知りたい。何の理由もなくこんな生き物が現実世界に現れるなんて、萌えを通り越して怖い。女の適応能力は、もしかすると思っていたよりも凄いのかもしれないと俺は思った。それとも単にこの東村凛の神経がおかしいだけなのかもしれなかったけれど。
 今日は凛の母親がいないから、ということで俺が泊まりにきていたのである。そりゃあ彼女と同じ部屋で寝るわけにもいかないので、用心棒よろしく階下のリビングにおいてあるソファでうたた寝をしていた俺。
 夜中の悲鳴で起こされた挙句、こんな不可解なものを見せられるなんていったいどうしたことだろう。
 「いやおまえ、萌えるっていうかさ…………」
 少女が、きょとんとした瞳で俺のことを見上げていた。不審がっているとか、不安そうにしているとか、まるでそんな色の見えない瞳であった。俺のことをよく知っているかのような、きらきらとした美しい瞳。
 「あの、君――どこから……」
 「んにゃぁぁ」
 右手をあげて耳の後ろを掻く仕草が、猫以外のなにものでもない。真っ白の猫耳と真っ白の尻尾。
 あなたのことを知っています、あなたのことを信用しています、とでも言いたげな純粋な双眸が、俺には痛い。そしてその少女の横に、ついこの秋拾ってきた仔猫がちょこんちょこんと並んで座っているのだった。ぶちが一匹、虎が一匹――まるで兄妹か何かのように少女の横に座り込んでいる。
 そこで俺はふと重大な事実に気がついた。
 「……………………凛」
 「何?」
 何でこの子はこんなにも平然としているんだろうと思いながら、訊ねる。
 「おまえ、ほら。シロは? あいつどこいった?」
 この時点で、途切れていた俺の思考回路は繋がりはじめる。秋に拾った仔猫は三匹。でも目の前にはひとりの猫耳少女と、二匹の仔猫。猫のかたちをした生き物が、一匹足りない。真っ白の毛並みの仔猫シロがいない――そのかわりにお行儀よく座っている白い猫耳と尻尾の少女。まさかまさか、と思う気持ちよりも強く、確信が生まれる。
 「だから、シロが化けたのよきっと」
 凛が勝ち誇ったような顔つきで、少女を指差した。嬉しそうな顔をしている凛が、今は未知の生き物にみえた。化けた、という言い方が正しいのか見当はつかなかったが、確かに目の前の少女が「シロ」だと考えるのが一番妥当だと思われた。
 きっと俺は今、世界一の愚か者に違いない。猫が猫耳少女になって現れるなんて有り得ないに決まっているのに、俺はどこかでこの女の子が猫だと思っている。友達にこんな話をしたら、俺は一生頭のおかしくなって変態として語り継がれて――きっと友達も消えてゆくに違いない。
 「…………シロ?」
 それでも俺はバカのように純粋に、目の前の少女に呼びかけてみる。
 「にゃぅ」
 彼女がぺろりと舌を出して、唇のまわりをひと舐めした。どう考えても、人間が普段するような仕草ではなかった。俺は思う。ああ、きっとこれは夢なんだ。そう、きっとこれは夢に違いないんだ――……。




 
 三度もバイト先で皿を割って、散々心配されて帰ってきた俺を猫耳の彼女は笑顔で出迎えた。凛の家にはもう母親が帰っているので、さすがに東村家には居られなくなったのだろう。
 “シロのことよろしくね。いくら萌えても手を出しちゃだめだよん(≧∀≦)♪凛♪”
 そんな凛からの置手紙と、猫缶が三つ丁寧にテーブル上に並べられてあった。たとえば小説だとか漫画だとかで猫耳少女が出てきたとき、主人公が意外にすんなり適応してしまうことに俺は多大なる疑問を抱いていたものである。おまえそんなことがあるか、と半ば心の中で嘲笑していたし、だいたい猫耳とかそういった類のものに俺はそれほど興味がなかったし。
 だが今のこの状況――少し面食らいながらも、ごく普通にシロに対してただいまと言っている自分に驚愕する。見事に適応しているといって間違いなかった。
 「おまえ猫缶食うの?」
 「にゃ〜ぁぁ」
 ぷいっ、と彼女は顔を背けた。シロは勝手気儘な雌猫である。二日続けて同じ猫缶は食べなかったし、一緒に暮らすもう二匹の猫たちと同じ場所で寝ることを嫌った。不思議な猫だった。顔を背ける気儘な様子が、彼女=シロだということを証明しているような気がする。
 開けかけた猫缶を置いて、俺は冷蔵庫を漁った。明日はバイトが休みだから、ゆっくり夕食に食べよう――そう思って今日買った刺身の盛り合わせ。チルドルームに入っていたそれを真っ先にシロのディナーとして考えたわけだが、さすがに千円はたいて買ったそれを猫にやるとなると尻込みする。少し考えて俺は刺身のパックをチルドルームに戻す。刺身はやめて、もっと他のものを探そう。そう思ってチルドルームを閉めた瞬間、服の裾を引っ張られた。
 まさかと思ってふりむくと、そこにシロが満面の笑顔で立っていた。
 ああ、猫って生き物は――本当に侮れないものだ。いつもは四つ足で歩いているから色々と不便不満があるに違いない。人間の姿をとれたのをいいことに散々俺に何か要求してくるんではなかろうか。
 「……………………」
 ぴくぴく、とシロの鼻がうごいた。面倒だから刺身パックをそのまま彼女の前にあけてやると、俺が食べていた親子丼の器を指差してぷいと顔を背けるのである。そんな適当な食事の出し方はするな、といいたいのか。戸棚から食器を出し、醤油とわさびはゴミ箱に捨てて刺身だけ器に移す。それをテーブルの上に出してやると、何ともいえない純粋な笑みを浮かべて俺のことを見て啼いた。
 彼女は幼児のような手つきでもって箸で刺身を突き刺し、無論醤油もわさびもないまま美味そうにそれを平らげた。俺の刺身を、見事に全部平らげた。俺に少しでも分けてやろうとか、そういう気遣いは皆無だった。




 ――――――――

 
 シロは、俺の一番お気に入りの仔猫だった。気儘で喧嘩っぱやいところが好きだった。人間に媚を売らないようなその風情も、気品のある真っ白な毛並みも、何だか穢れていないようで好ましかった。凛の家から自宅へ帰ろうとするとき、俺はいつも凛にバイバイと手をふる。それを凛と一緒にいつも見送っているのは、シロだけだった。あとの二匹は、いつでもソファの上でまるくなってぐうぐうと眠りこけているのだった。
 俺の姿越しに外を見つめるシロの視線は、もしかすると外界への憧れだったのかもしれない。


 ――――――――


 「ん〜……っていうかね、窮屈なの」
 俺のバイト先はカフェである。週に三度。いつも決まった曜日に、決まった席に座っている若い女性がいる――いつだったか彼女と大学構内で思いもかけず出会ってから、よく喋るようになった。まさか同じ大学だとは思っていなかった。落ち着いた美人だからもっと年上なのかもしれないと思っていたら、意外にもたったふたつ上の院生であった。
 彼女は、結婚していた。
 「結婚生活が?」
 学部は違ったが、お互い時間があるときはこうして大学内のカフェテリアで話をする。住んでいるところもやはり意外と近かった。
 「そう。彼はね、家の中でおとなしく妻をしてるのがわたしの幸せだと思ってるの。気持ちはありがたいけど、わたしにはそれが窮屈」
 だから意味もなくあのカフェに入り浸ったり、用もないのに大学に出てきたりするのよ、と彼女は微笑む。たったふたつしか違わないのにも関わらず、すでに結婚している彼女は俺には幾分遠い存在である。それほど結婚願望のない俺には、なぜそんな早くに結婚をしてしまったのか分からなかった。
 「親の決めた結婚で――留学とかもさせてもらったし、あまり迷惑はかけられないから断ることもできなかったしね」
 そう、たとえ親の決めた結婚だとしても、なぜ己の意に添わぬ結婚をしてしまうのだろう。
 自由が欲しいのだ、と彼女は言った。わたしが欲しいのは庇護ではなくて、自由なのだと。危うくなったときにふと手を差し伸べてくれる、そんな愛があればそれだけでいいのだと言った。
 金持ちに生まれなくてよかったと、俺は彼女の話を聞くたびに思う。
 「朝菜さん、もっと自由気儘に生きたほうがいいスよ」
 彼女の名は、宝珠山朝菜(ほうしゅやま あさな)という。聞くからに金持ちそうな上品な名前だった。
 「そうかなぁ……」
 「じゃないとストレス溜まって爆発して、結局みんなが嫌な思いしちゃうんじゃないです?」
 「渥美くんは気儘に生きてる?」
 「まあ、ほどほどにね」
 俺は彼女を朝菜さんと呼んだが、彼女は俺のことを翔とは呼ばない。どこかで一線をひくように渥美くん、と苗字で呼んだ。大学の女の先輩は、みんな俺のことを“翔ちゃん”と呼ぶ。だから彼女のその呼び方は、少しだけ寂しいような気がするのだった。
 彼女の左薬指にはめられた美しいダイヤの指輪が、やはりいつ見ても彼女を束縛しているようだった。
 翼があるのに、それを広げられない。確かにどれほど窮屈なことだろう。翼を広げられる場所を――飛び立てる場所を、彼女は必死で探しているようにみえた。
 その切ない姿が、一瞬シロと重なったのはなぜだろう。
 「悪いことでもして、いっそ親から勘当されちゃおうかしら。ね」
 ケーキ用意しとくから悪いことはしちゃダメっすよ、と俺も彼女に笑顔で返した。




 



 シロがうちに来て一週間が経った。凛の家と俺の家とを、彼女は幾度か行き来して気儘に時を過ごしていた。
 「ホント、おまえいったいいつになったら猫に戻るの?」
 「にゃふっ」
 耳の後ろを掻きながら、くしゃみをする。シロは、気が向いたときに自分から俺に触れてくる。そのほとんどが、メシと風呂を要求するときであった。それ以外で、俺が無意識に耳のうしろを掻いてやろうとすると、俺の手をすいと避けるのだった。なのに今日は様子が違う。
 「あんまり好き嫌いしないで食えよ」
 刺身のほかに、彼女の大好物である鮭フレークを添えてやる。猫の姿のときも、彼女は鮭の匂いを嗅いだらすぐにひょこひょこと足元に現れていた。他の焼き魚をやっても気のなさそうな顔をするくせに、鮭だけは鼻をにゃふにゃふと鳴らして一生懸命に食べる。だから今日も、夕食に一目散に向かっていくのかと思った。
 「ぁあん」
 可愛らしく二度啼いて、彼女は突然俺の膝に乗ってきた。ああ、シロの本来の姿が猫だと知っていて本当に良かった――こんなに可愛い顔をした少女に突然密着されて、平然としていられる男がどこにいようか。
 シロが強く俺の胸に顔を押し付けてくる。彼女の白い耳が、俺の喉もとに触れてひどくこそばゆい。この我儘娘がどうしたんだ、と思いながら俺はつい可愛くて彼女の喉を掻いてやる。人間の身体をしているくせに、シロは器用にも喉をぐるぐると鳴らした。
 「こらシロ、おまえ……」
 にゃぁ、と啼いて彼女は俺の鼻をぺろりと舐めた。あのざらざらした猫の舌とは違って、今のシロの舌はとても柔らかく、猫に舐められたときの痛さはなかった。ひとしきり俺の膝でじゃれついてから、彼女はひょいと身体を起こし、そして何事もなかったかのように刺身を食べ始める。
 それきり、シロは俺にひっついてくることはなかった。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 
 シロは、俺の一番お気に入りの仔猫だった。気儘で喧嘩っぱやいところが好きだった。人間に媚を売らないようなその風情も、気品のある真っ白な毛並みも、何だか穢れていないようで好ましかった。凛の家から自宅へ帰ろうとするとき、俺はいつも凛にバイバイと手をふる。それを凛と一緒にいつも見送っているのは、シロだけだった。あとの二匹は、いつでもソファの上でまるくなってぐうぐうと眠りこけているのだった。
 俺の姿越しに外を見つめるシロの視線は、もしかすると外界への憧れだったのかもしれない。
 
 自由が欲しいの。わたしが欲しいのは庇護ではなくて、自由なの。そう言った宝珠山朝菜の言葉を俺は思い出す。
 シロが欲しかったのは、まさに自由だったのかもしれない。たとえ飢えてもかまわない、たとえ途中で傷ついて倒れてもかまわない、それでも自由が欲しかったのかもしれない。あの三匹の仔猫の中では、確かに異端だった存在。
 凛に手をふる俺の姿越しに、シロは広がる外の世界を見ていたのだろう。
 
 初めてシロが自分から俺の膝に乗ってきたあの日の翌日、シロの姿は消えていた。凛に聞いてもシロの行方は知れなかったし、街中で真っ白な猫を見かけることもなかった。本来の猫の姿に戻ったんだろうと思う。食いだめをして出て行ったのか、テーブルに置きっぱなしだった猫缶は3つとも空になっていた。




 最近、俺は携帯のフォルダを見るたびにシロを思い出す。幾枚も凛と一緒に写メを撮ったから。



 
 最近、俺は起きて窓の外を見るたびにシロを思い出す。遠くに見える山に雪が積もっていて――その美しい純白の雪が、シロの毛並みにそっくりだから。

 


 


     田子の浦に  うち出でてみれば  白妙の 


                   富士の高嶺に  雪は降りつつ


                                  《山部赤人》




 
2005-09-03 17:52:12公開 / 作者:ゅぇ
■この作品の著作権はゅぇさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
《田子の浦にふと出て見遣ってみると、富士の高嶺に純白の雪が降っていることだ――……》

 最近ペースダウンしているゅぇです。長篇の合間に短編を書きたくなる病気もちのゅぇには、この短編集というスタイルは非常にありがたいもののようです(笑)今までの三話は少しばかり重かったので、ちょっと今回は軽めにしてみました。翔ちゃん凛ちゃんの再来です(笑)和歌とほとんど関係ないだろうが、というツッコミもありがたく頂戴します。和歌と繋げるのはさすがにむずかしい!!だって地名出てるし〜!!(涙)さてさて、これでしばらく玉響に集中できそうです。いい加減小説ばっかり書いてないで、しっかり勉強しなくてはいけない身なのですが、こればっかりはどうにも。よろしければ感想いただけると幸いです。ではでは。
この作品に対する感想 - 昇順
ほうほう。神夜が好ましく思うのんびりほのぼので進行して行ってくれるこの物語。クーラが直に聞いて手が悴み始めた神夜には、いい感じに心温かくなれるお話でした。猫……こういうダンボール猫を助ければいつか、猫耳美少女になって恩返しに来ないものか。来ないですよね、わかってますってば(オイ)しかしこれはもしや、このまま連載し続けるのか。一話一話形式が違う物語なのか、それともこの話で続くのか。もし前者ならばゅぇさんの頭の中のネタの多さを羨ましく思うこの頃。次回の出方を楽しみにお待ちします。
2005-07-12 23:32:39【☆☆☆☆☆】神夜
始まりましたか百人一首ゅぇさん流斬り!すっごい面白い試みだと思いますよ〜。ならばあたしは万葉集で!大伴家持とか……いえその、馬鹿は無視してあげてください。ほんとに面白いと思うので、次はなんだろうとワクワクお待ちしますね^^うちの子も子供産んだことあったんですが引き取り手のなかった子もいましたので、ちょっと切なくなってみたり。命に責任を持つということは重いです。凛の考えなしなところを正面からたしなめる厳しさに好印象でした。友達だからできることですね。優しいのはいいことだけど、優しいだけではできないことのほうが世の中多いのかも、なんてひねくれ始めた二十歳の夏(笑 でも最後には拾っちゃったのね^^;うん仕方ない、シャカリキ稼ぐんだぞ!とエールなんぞ送りまして、それでは次回も楽しみにお待ちしておりますね〜。きっと猫を立派に育ててくれると信じてっ。
……毎度あほなこと書いてごめんなさい。
2005-07-12 23:46:49【☆☆☆☆☆】有栖川
こんばんわ。ああ、やっぱり百人一首短編もの、やって良かったじゃないですか。と馴れ馴れしく接する菖蒲です。最後まで読んでから考えると、趣のある句に乗せられてストーリーがより際立ちますね。何より、始まってスムーズに終わりへとまとめられるところが凄いです。話の中に日常性だとか些細な思考のすれ違いだとか、常に間を置いて進められる読みやすさが好きです。では、次回はどの詩を選ばれるのかなぁと期待しつつ(あ、でもやはり順番にいかれるのかな?)次回更新楽しみにしてます。
2005-07-13 00:08:48【☆☆☆☆☆】菖蒲
百人一首ですか、ようするに百の短編をお書きになる気ということですか。それとも長編の形を取りつつ入れていくのか。どちらにしろ尊敬に値します。ええ、そりゃあもう、押井監督や谷口監督、神山監督に知らなかったら宮崎監督くらいの尊敬に値します。のんびりとしたテンポで進んいくのが気持ちよく、ちょっとした日常の変化がうまく書かれていたと思います。って、なに偉そうなことをいっているんだろうか。ダメダメな私が言えることなど、この程度です。
それでは、次回作になるのか、更新になるのかわかりませんが、期待しております。
2005-07-13 01:23:40【☆☆☆☆☆】天風
初めましてこんばんわ。私は記憶力があまり良い方ではありませんので、読みながら感想を少しづつ書いていく事をお許し下さい。まず表現の仕方や漢字の選び方が文学小説を彷彿とさせますね。凛チャンはとても良いキャラクターをしていると思います。話が唐突な部分が凛さんの印象を最初から深く私の中に刻み込む要因となっております。凛は猫目、性格ととても合っていますね。基本的に彼女は人の話をあまり聞かない子なのかな。自由気ままな猫のような性格。そんな印象を持ちました。翔ちゃんはすごく良い奴ですね。好感が持てるし感情移入しやすいです。こういう奴私は大好きなんですよ。友達になりたい奴って感じですね。雨の表現、傘から飛び散る滴やシャツは濡れ靴は汚れる、下着が透ける、風が吹いて傘から水がぽたぽたと落ちるといったモノ達がとても良く書けていて、なんだかこの物語の雰囲気作りとこの物語のテーマを示唆している様に感じ取りました。丁寧に書かれていて私が見た限りでは誤字も見当たりませんでしたし、読みやすく想像を途切らされる事も無かったのがすごく好印象です。凛ちゃんは翔ちゃんがすごく好きなんでしょうね。寂しいからだけじゃないと思います。また翔ちゃんも凛ちゃんを守ってやりたいという気持ちがあるんじゃないかな。だから構ってあげられている。描写綺麗です、雨の表現、枯葉、土、本当に良いですね。全体的に纏まっていて、読んでいて気持ちが良いです。濡れたダンボールに在った三匹の子猫。うん、想像すると本当に痛々しいし飼ってあげたくなります。描写が上手いからこそ、私にそう思わせる事が出来るんですよね。子猫を連れ帰るか帰らないか。私は凛ちゃんと翔ちゃんの考え、どちらが正しいとは言えないですね。私も同じ経験があるんですよ、本当に生まれたばかりのまだ目さえ見えていない赤ちゃん猫二匹が公園で捨てられているのを見つけて、その時私はその子猫達を拾って育てようと思ったんですけど、当時小学校二年生だった私には到底そんな事出来る訳もなく、親に内緒で飼っていたので頼る事も出来ず死なせてしまった。それから私はペットを不用意に飼わなくなりました。でもいまだにあの時の判断が間違っていたのかどうかわかりません。と、すいません。脱線してしまいました。文章一つとっても、何かを示唆している様で深読みしたくなります。例えば濡れた落ち葉はほとんど音を立てなかった。という表現など。うん、やっぱり描写が綺麗です。グラスに水滴が無数に輝いて――の一文なんか私は好きですね。凛ちゃんとの喧嘩はどちらが悪いとも言えないかな。ただ、考え方の違い。理想と現実。子猫を心配して見に来た翔ちゃんの優しさに少し心が和みました。本当に良い奴です。実は私、百人一首クラブというモノに高校時代入っておりまして、全国大会にも一応出ました。一回戦はなんとか勝利出来たのですが(相手も素人同然だった為)二回戦で東大生と当たってしまい……。ちなみに百人一首は全国大会予選とか何もなしに出場出来るので全国大会出たなんてすごいと言われる事はありません(笑)翔ちゃん、馬鹿だっていい。きっと翔ちゃんの判断は間違っていないよ。そう信じたい。だってそうじゃないとあまりにも悲しいもの。とても楽しい時間をありがとうございました。また次回も宜しければ読ませて下さい。私は感想をまとめる事が下手が故に長くなってしまうので、長ったるくて邪魔だと思いましたら仰って下さい。それでは次回楽しみにしております。
2005-07-13 03:21:51【★★★★☆】鈴木太郎
おやおや、もう始められたのですか――はやいなぁ。皆様書くと言って書かれるまでの期間が短過ぎますよ。京雅は筆が遅いので一度に一つの作品しか書くことを許されない身の上、ああ、百物語も読みきりもFTも書きたいなぁ。おっと、愚痴ってばかりいないで感想を綴らねば。たしかに命の責任は重い、易易と手を差し出してはいけない事も解っています。けれどきっと愚者な私は連れて帰ってしまうのだろう。もし私が拾わなかった事で仔猫が……そう考えてあとから後悔するのは厭で御座いますから。財があるわけじゃあないので他の飼い主を探す事になるやもしれませんが、ね。うーん、未だ未だ子どもだなぁ私って。ずんっと圧し掛かるような衝撃はありませんでしたが、じわじわと沁み込むような噺で御座いました。和歌の要素を取り入れつつ噺を繋げたり絡ませたりするのは相当に難しい事だと思います。伏線ははらねばならぬしどこか意味合いを含ませなければならない。しかもはりすぎてはならないし回収してゆくのも困難で御座います。その制御をどのようにしてなされてゆくのか己の参考にもなりますゆえじっくりにんまり読んでいこうと心に誓っております。何やら文が乱れておりますけれど、そこはどうかご容赦を。殆ど戯言ばかりを書き込みました、申し訳御座いません。次なる噺を楽しみにしております。猫好き京雅でした――。
2005-07-13 05:38:40【☆☆☆☆☆】京雅
連載いっぱい、ものすごいエネルギー・・・。百人一首を絡めていくんですね。短編を百個書くんですか?そうだとしたらソレなかなかすごくないです?私は和歌とかそういうものにはあんまり詳しくないけど、歴史なら好きです。日本史オタクです。学校のゼミでちょうど天智天皇のあたりを勉強しているので、親しみを持ちながら読めました〜。何かタメになりそうなので、とりあえず「小説で読む百人一首」みたいな感じで読ませてもらおうと思います〜。頑張ってください。
2005-07-13 07:23:20【★★★★☆】有佳梨
おはようございます〜。ここです、ここ。ガーナです。ガーナサッカー協会会長ニャホニャホタマクローさん(実名)の家にいます。ねl?ニャホニャホさん?「にゃほ!b」 とチェリーと登場です(ぇ なお体の大きさは小さいままです(ぇ 読ませていただきました。いやぁいいですねぇ。心温まります。とても、ほわぁんと私の心に染みてきました。最後の終わり方、とても良かったです♪ゅぇ様さすがです!とひとりこの小説を読んで歓喜と感服していました。ぱっちりした猫目・・・・・・かわいいですねぇととある想像をした私。いやいや、それではこの物語と次元が違うでしょ!とひとり突っ込み。まぁなんの想像をしていたのかは秘密です(笑) 今回もゅぇ様ワールド、といっていいのか(笑)とにかくそれを堪能できました。ではでは、ん?次回作になるのでしょうか、更新になるのでしょうか。わかりませんが、あ、とりあえずどっちもということで期待してお待ちしております。
2005-07-13 10:30:40【★★★★☆】チェリー
百人一首かぁ。もっぱら坊主めくりならばやれますが、百人一首全然知らないです(笑 いつもと違う感じなのは主人公が男で一人称だからですね。なんかとても男性っぽい。今回出てきた二人中心に話が進んでいくのかと思いきや、どうやら違う感じですね。出ては来るけど、主人公はまた違うみたいな? 勝手にそう捉えてますけど、ぶっちゃけどうでもいい(笑 面白ければ良し! またこの雰囲気も良し!(笑 ダンボールに入った猫は見かけませんが、見かければ拾うかもしんない。動物愛護は大切ですが、やはり金の問題はシビアだなぁとか思ってました(マテマテ 次回も楽しみにしてます。
2005-07-13 15:15:45【☆☆☆☆☆】影舞踊
はじめまして。タイトルに魅かれて読んでみました。いつも読むの専門なので感想書きなれてなくてすみません。最後にいくまでまさか百人一首を持ってくるとは思ってませんでした。私にも似たよぉな経験があるので、軽く読み飛ばしてしまうことができなかったように思いマス*。゜*:゜・。*凛とゅう女の子のキャラも可愛いヶド、私ゎ翔のほうが気に入ったかな。「毛むくじゃらのまんじゅう」っていう表現が何か年寄り臭くて気に入りました(←シツレイ。 作者メッセージを見ると、何だかとても斬新なスタイルで進めていかれるようですNe!! てゅぅか、百個短編書くんですヵ!? だとしたらャバスゴィと思いますぅ!! 頑張ってくださぃッ★☆★
2005-07-13 16:26:28【★★★★☆】めぐ
今日渋谷からフラフラ歩いていたら、近所の高校(本当はそんなに近所でもないですけど)に「祝 百人一首部全国大会出場」との垂れ幕が下がっていて、そんな部もあるのかと感心していたら、なんと、ゅぇさんが百人一首を題材に連載を開始している。偶然なのか運命なのか……早速読ませていただきました。凛をたしなめる優しさ(あれは優しさだよなぁ)と、仔猫を救ってしまう優しさが巧く絡めてあって面白かったです。仔猫の鳴き声は心を揺さぶりますよね、ましてや雨続きだったら、模試私がそれを聞いてしまったら、家に帰ってきても落ち着かないだろうなぁ。でも、アパートだから飼えないし……辛い。そんな雰囲気が良くでているから読んでいて辛くて、最後に救われた気分です。百人一首全部書くとしたら凄いなぁ、でも何首でもかまいませんからこの作品の緩やかな雰囲気を楽しみ続けたいです。では、次回更新を期待しています。
2005-07-13 21:04:20【☆☆☆☆☆】甘木
前の『水底へ』と違って強烈なアレがないぶん、このまま淡々と終わるかと思いきや、あのおねいさんの出し方がさりげなく美味。一見起伏のない展開に、きっちり転調的起伏ができております。この登場人物たちは、やっぱりボレロのようにさりげなく反復しながら高まって行くといいなあ、などと思いつつ読み終えたら、やはり再登場アリのようで楽しみです。
2005-07-14 03:23:03【☆☆☆☆☆】バニラダヌキ
こんにちは。拝読いたしました。京雅さまの『拝読』をパクりました。雫の表現がとても印象に残っております。おいしい企画だと思われます、百人一首。しかしながらとても難しいとも思われます。和歌、俳句、短い中に驚愕の圧縮を施した、雅なる一瞬を書き出すこの文章に沿った物語を書こうというのは非常に難しいかと。沿うべき歌を深く汲み取りきらねば早々にできないことかと。ゅぇさんは歌をここまでの質量に解凍しております。雫という歌自体を飾る中で最も重要な部分を巧く取り入れ、これを比較的強く描写することでスムーズに歌とのつながりを作り、さらにはキャラクター、噺に持続性を持たせ、次の歌への連なりを含ませていると、自分は勝手に感じております。すごいですな。失礼しました。
2005-07-14 11:42:40【☆☆☆☆☆】戮煦
※神夜さん※>羨ましいです、クーラーが正常に作動する部屋が。心温かくなっていただけて嬉しいですっ。ああ、猫耳美少女ね――ああ、萌えか。ふぅん、萌えね。あはは(´∀`)笑。そしてこれは一話一話違う形式のものでした、と。しかもほのぼのではありませんでした、と。ごめんなさい、ほのぼの大好きの神夜さん。でもまたそのうちほのぼのも出すので見捨てないでお付き合いくださいっ!! コケて三つになったと思ったアザは、結局よく見たら四つになってました。ええ、コケたんですあたし。ふふ。

※有栖川さん※>百人一首は百首だから何とかなるけど、万葉集はヤバイでしょう!?爆笑)山上憶良の貧窮問答歌なんて、どうやって短編にすんだって――難しそう、やってください是非!笑。あたし的にはね、百人一首の現代短編版と、平安短編版とどちらも書きたい気持ちでいっぱいなのですが。さて、凛と翔を友達で終わらせるか、発展させるかすごく迷ってます。いつも通り行き当たりばったりのこの書き方、絶対誰かに反感かってそうだし(汗 さてと、お互いテスト頑張りましょう、と呟きながら今後もよろしくでございますっ。

※菖蒲さん※>どうも(6∀6)やってよかったんですかねぇ。どうですかねぇ(笑。めっちゃめちゃその場のノリと思いつきで書いてるので、何かもう支離滅裂なんですけども。何て自己中な作者なんでしょう。ごめんなさい。ちなみに今回はまだ一応順番通りですね♪ 本当は季節ごとにまとめたりしたかったんですが、それだと何かそのうち飽きそうな気がして。とりあえずはのんびりやっていこうかと思います。読んでいただいてありがとうございました。

※天風さん※>短編ですね、短編でいこうと思います。長編にするとあたし、飽きるので(コラ)ええ、監督――全然知りません、ごめんなさい(笑)何であたしはこんなに色々なことに疎いんだろう??
もしかすると家の傍にある公園をモデルにして書いたのが日常的な感じを出せた原因かもしれません。少しでも息抜きかなんかになれば嬉しい限りです。読んでいただいてありがとうございましたっ。

※羽堕さん※>幼い頃にはありがちですよね、そういうこと。あたしもそれでいったいどれだけ泣いたことか。ついにはモズの幼鳥を拾ってきて育てていたら、どうやらそれが法に触れるということを知り、動物園にまで預けにいきました(笑。翔くんの行動で少しでも暖かい気持ちになっていただければ嬉しいです。まっ、今回の短編は微妙に救いようがありませんが――そこらへんはお見逃しくださいね♪

※鈴木太郎さん※>ぷぁ〜!!めちゃ長い感想ありがとうございます――っていうか初めまして。とっても嬉しいです、長い感想♪ あたし自身が気に入っている表現を、鈴木さんにも気に入っていただけたようで、それがとても光栄でございます。そして百人一首クラブ!? そんなんあったんですか。でもあの大会って、皆鬼気迫るものがありません? 和歌はねぇ、もっとじっくりとゆったりと味わうものだと思うわけですよ。あんな必死こいてやってたら、味わえるものも味わえないよぅ、と何となく不満持ちのゅぇです(笑。とかいいつつ、高校内の百人一首大会でひとりマジで頑張ってたのはあたしですけれども。さて、とりあえずそれは置いといて、どうぞこれからもよろしくですっ♪

※京雅さん※>早いんです、本当に。あたし、同時進行マニアなんです(爆笑)でもすべてきっちり終わらせますので、見捨てずにお付き合いくださいねっ。伏線などの張り方も難しい――とのお言葉ですが、申し訳ありませんっ。すべて勘です。インスピレーションです。適当なんですぅぅぅ(叫。まるで深く考えてないバカ作者をお許しください。一話完結型なので、とりあえずは軽く読んでいただけることを目指して頑張りますので、よろしくお願いしますねっ♪

※有佳梨さん※>初めまして。ありがとうございます。日本史オタク――いやいや、古典マニアのあたしにはもう何も言えませんので(笑)ちなみにあたしは天智天皇のことなんてまるで知りません。っていうか、日本史ならやっぱりあたしは中古と幕末かなぁ。好きなものは何でも小説に突っ込んでしまいたい悪癖もちなわけですが、どうかこれからもよろしくお願いいたします。

※チェリーさん※>にゃほ!!笑――と挨拶してみたり。心に沁みる小説を書こうと努力中(嘘)のゅぇでございます。え、ゅぇワールド? どんなワールドなんでしょう。っていうか自分のワールドがバレている!? ……ずぅっと秘密にしてたのにおかしいなぁ…(バカ でもでも少しでも心温まっていただければ嬉しいですね。そういえばアメリカンチェリーは嫌いだけれども、日本のさくらんぼは大好きだ、とふとチェリーさんの名前を見て思ったり。ぁ!?そういえば今のあたしの携帯着信画像もさくらんぼだ、と気付いたり。なんて意味のないことを呟きつつ、これからもどうぞよろしくっ♪

※影舞踊さん※>坊主めくり――あたし、坊主好きですから!!(何の話。
だから影舞踊さんも坊主にしましょう。レッツ坊主!!「なんかとても男性っぽい」ええ、実はあたし男ですから!!なんていう冗談は怖いから言いませんけれども、違和感ありませんでしたか? たまに男の一人称で小説書くんですけどねぇ。殿方から見て違和感ないかどうか、時々不安になったりしています。ていうかぶっちゃけどうでもいい、とかアナタちょっとコラ!(爆笑。少しでも楽しんでいただけたらなぁ、と思います。ダンボールに影舞踊さんが入っていたら、あたしは間違いなく拾って帰ります。そしてひとしきり楽しんだあとまた捨てます(≧∀≦)笑――ハィ、ごめんなさい。

※めぐさん※>タイトル悩みました。いくつか候補があったんですが、仲良しに候補をあげて「どれがいいかねぇ?」と意見を仰いだ結果、その人とあたしの意見が一致して『空に散る千の雫』に決定(笑)タイトルに魅力を感じていただけたようで、とっても嬉しい限りですっ。年寄りくさかったですか。あたし、いやまだ若いんだけどなぁ……。ャバスゴィという不思議な新語に微笑みつつ、感想どうもありがとうございました。

※甘木さん※>偶然ではありません、運命です(?)緩やかな雰囲気を楽しんでいただけましたでしょうか。けれどもすみません、今回の更新分はそんな緩やかな雰囲気がまるで粉砕されております(笑。怒らないでくださいねっ。最近暑いですが、甘木さん体調のほうは大丈夫でしょうか。何気に心配してるんですよぉ(≧□≦)軽くさっぱりと読んでいただけることを目指して、これからも頑張りますのでよろしくお願いいたしますっ。

※バニラダヌキさん※>「あのおねいさん」といわれて一瞬誰のことかまるで分からなかったあたしは、ええ、作者として失格でございます(爆笑)「転調的起伏ができております」と言っていただけて嬉しいのですが、はて、自分ではいまいちよく分かっていない。どこに起伏があったんだろう、と首を捻っている始末です。本当にアホです(笑……なんか書いてて自分が情けなくなってきたもん。百人一首ということで先は長いので、ゆっくり登場人物をリンクさせていこうと。ともかく楽しみながら書いていこう、と画策中なわけですが、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

※戮煦さん※>ああ、やっぱり難しいことに首を突っ込んでしまったのでしょうか。皆様には、けっこう大変だよ、というお言葉をいただくのですが、当人まるで深く考えずに書いているのでございます(汗。どうしましょう。えっ、ていうか噺に持続性!?すみません、考えてもいませんでした(絶望)ああ、どうしようどうしよう。いやもう許してくださいっ。だってだいたい壱と弐の間に何の関連性もありませんもん。そのうち繋げていこうかなぁ、とか何とかぼんやり考えているだけで。ホントにもう……こんな作者なんですけれども、どうかどうか見捨てずにお付き合いいただければ幸いですっ。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 皆様読んでいただいてありがとうございました。何か思っていたよりもこの百人一首企画への反応が大きくて、すでに怖気づいてたりします(笑)頑張りますのでこれからもどうぞよろしくお願いいたします。
2005-07-14 14:22:36【☆☆☆☆☆】ゅぇ
なんだろう、似たような展開のを最近書いたせいか余計に感情が………。すれ違いの感情は人の心に穴を穿つ。その穿たれた穴から出てくるのは悲しみでしょうか、同情でしょうか。はい、意味が分かりませんね。私はアホです。
病院という限られた空間での偶然の出会い。確率的にはどのくらいなんでしょうね? 病室が同じではなく、離れていて会う確率というのは。暗い話だろうがなんだろうが楽しめるものは楽しいものです。そこに他の感情が入ろうが、そこは同じ。
それでは、ワケのわからないことをつらつら書きましたが、次回更新も心待ちにしております。
2005-07-14 15:35:28【☆☆☆☆☆】天風
あ、この話すごい好き。読んでの感想がそれでした。こうした何て言うのだろうか、わざわざ「泣け、これは泣くために作った小説なのだわはは」みたいなノリの話、それが病院モノだと神夜は鼻穿りながら「はいはいそれはすごいですね勝手に愛を叫んでいてくださいハナクソですよ」と見向きもしないわけです。ですがこれは好きである。結局両方が思い合った末に死んでしまう、というのは素直にツボです。前回のようなほのぼのも好きなのですが、こういうお話もすごい好きな神夜。今回は前回より深く入り込めたような気がします。猫耳出てきたらさすがにあれですが(笑)さてさて、最後の最後で雰囲気をぶち壊しつつ、次回更新をまた楽しみにお待ちします。
2005-07-14 15:52:27【☆☆☆☆☆】神夜
点数入れ忘れたっ。すいませんっ。
2005-07-14 15:52:44【★★★★☆】神夜
二話の感想です。細かに書かれているのでわかりやすかったです。私は風邪すら滅多にひかないほどの健康体なので癌の辛さとか全然わからないですが、切ないですね。好きな相手がいなくなって初めて両思いだったことに気付くなんて……。やはり最後の句が物語をうまく締めてくれている気がします。百人一首はですね、始まる前に皆さん床を叩いて札を取る練習するんですよ。だから会場中バンバンッという音が木霊する。初心者はびっくりしますよ。「えっなに!?」ってw私もそんな初心者の一人でしたから。札の中には一文字だけ読んで札が取れるものありますからね。本当早いですよ。私も札を頑張って覚えましたけど、覚えるのだけで精一杯で意味とかは全然。次回も楽しみにしています。
2005-07-14 17:00:05【★★★★☆】鈴木太郎
神夜様の感想がものっそいツボ(いや、面白いとかじゃなくてまんま影舞踊の気持ち 「はいはいそうですか。凄いですねほじほじぺたぺたはなくそ」みたいな部分が。「泣け」系統の病院話にはそんな感じなのですが、これは凄い好き(やはりもろかぶりか あーだめだ。よし、ここからは違いますよ(なんか長くなりそうな気がします)今日朝起きたら、意味もなく泣きたくなりまして。そのせいかこのお話が物凄い心に染みました。死んでしまうのだけど、青春だなぁと噛み締めました。書置きの演出が憎く、胸が締め付けられました。
ではふと思った点を、「お互い恋人がいない〜」は過去のことで、その後の「わけもなく〜」はおそらく今のことですよね? だと思うんで影舞踊としては改行してもらったほうが時間軸に引っ掛からず読めました(おぉ真面目意見 いや、もしかしたら読み違えかも知れないんすけどね(汗 それから二人同時ではないけれど、こんな風に死んでしまうのはあると思いますよ。金さん銀さんみたいに(あれは老衰だけれども 
p.s 坊主にはならないといけないのか。この前バイトでも坊主にしろと冗談で言われた(ふざけんな(笑 影舞踊はダンボールなんかに捨てられません。そんな小さいところに納まる男ではないのですよ(何? あったとしてもダンボールをベッドにして寝てるぐらいです。――ええ、やはり長くなってしまった。はい、ごめんなさいョ。
2005-07-14 20:30:15【★★★★☆】影舞踊
どうもこんにちは。お早い更新なのに内容がしっかりしていてとても読みやすかったです。物語の題材からも、二話目は本当に人が活き(生き)ている話だなぁと思いました。切ないけれど温かい、若さ故の無邪気さだとかが溢れていますね。中学生時代に暗記した一句一句が、最後に思い起こされて懐かしさがこみ上げてきます。では、第三話も期待してます。
2005-07-14 21:11:27【★★★★☆】菖蒲
瀬渦中(一発変換)とか何とかお涙頂戴モノがあふれる昨今、もともとひねくれ気味の有栖川はそういうのあんまり感動しないタチなのですが。書き方にもよるんですけどね。これは素直に入ってきました。何から何まで気持ちよく一本筋が通ってて、ぐらぐら翻弄されない分、まっすぐ読むことが出来るというか。ずっと女の子の一人称でとことん叙情的に流れてきて、最後の視点変換がちょっと技巧的な印象でしたね。ひょっとして茉梨子は助かるんじゃなかろうかなどと思ってましたが、ついに切ないまま物語が閉じて、最後の最後にぽんと置いた青い空の景色が二人の魂をすうっと天上に運んでいったような……ってめちゃめちゃ恥ずかしいこと書いてないかあたし。とにかく最後が綺麗でした。なんかこう、ゅぇさんらしい(?)作品だったと思います。ごめんなさい知った風な口を利きまして。。それでは次回もお待ちいたしますね〜。
2005-07-14 21:20:07【★★★★☆】有栖川
なんか呆けてたんでしょうか、私は。内容の濃さが全然違うのに「似たような展開」って。すみません。さらに、この感想で余計なご迷惑まで。前の感想は呆けてたんです。ええ、ですから許してください。あ、あと、呆けてて入れ忘れた点を入れておきます。誠に申し訳ありません。迷惑かけ過ぎ………。
2005-07-14 22:23:48【★★★★☆】天風
ああ、なるほど、うん――と意味不明に呟きつつあれで御座いますよ、素直にいいと思ってしまったのです。いや、実を言うと初めのほうはそうでもなかったしただただどんな物語であるのだろうと勘繰りつつ読み進めていたのですが。場面の構築が巧いと感じました。どうなのだろう、私がこのように書けと言われて書けるわけないのですがもし書くとして(難しい表現で御座いますね……)、ラストから前半の展開を生み出していったのかなと。そのシーンを際立たせるために、他の文章等を組み立てていって結果ヒトの心をぐっと掴んだのだと勝手に推測します。そのせいか前半中に過文があった様にも思えましたが些細な事で御座いましてそこまで気になる事ではなく、京雅としての感性によるもので御座いますね。いやいや、失礼を解っていつつ書き込んでいるこの所業をお許しください。何故って、戯言を語らねば「面白かったです。」の一文で終わってしまうから。さて。百人一首集という事で話と話に当面繋がりはなくてもいいかなと。全てが繋がる必要もないし。前半の歌につかわれた設定を据えた作品を後半にもってきてもいいかとも思いますし。はたまた何も繋がらずともゅぇ様物語集として纏まりますし。ただ、それらを踏まえた上で語るならやはり歌番は連ねていったほうがよろしいかと。個人的な意見で申し訳ない。と言うかやたらと長く書き込んでしまってすみません!次回更新そして諸諸の連載にも期待してお待ちしております。
2005-07-15 04:26:41【★★★★☆】京雅
このスコンと晴れた夏空を見上げる時の哀しさに似た透明感は、実にまあなんとういうか、死というものの『ぷつんと途切れる』静けさを醸し出して、身につまされてしまいました。『残された者』の独善的な哀しみを強調する物語の多い中、「てめーが何を失ったのかが問題なんじゃなく、失われたものがどうであったかが問題なのだ!」などと叫びがちな自分なのですが、本当はこの『ぷつんと途切れる』のが、真の哀しみという気がしてしまいました。すなおに感謝です。
なお前回のおねいさんにつきましては、あのシーンがある事で、ドラマ的に、翔ちゃんの心境の変化にしっかり流れが出来たということなのでした。ただ気が変わって子猫保護、それだと今一弱いわけで。
2005-07-15 05:29:32【★★★★☆】バニラダヌキ
どうも。ニラ→聖に変わりました。まあ、そういうことは置いておき…。
ほのぼのとした雰囲気がとてもよく、そして柔らかい感じだったので、とても読みやすく、みずみずしい作品だったと思います(何の感想だ? ゆぇさんの作品には「暖かい」感じがあって、長くて面白いです!!次回更新を楽しみにしています!!
2005-07-15 11:31:01【★★★★☆】聖藤斗
コンニチヮッ*。゜*:゜・。*めぐでつ(∂∀∂)ぇぇと、他の方々ゎ涙モノに強いみたいですが、私ゎヨワヨワなので、普通に泣きましたッ))ワラ 小学生のときに何かの病気で亡くなった友達を思い出したりなんかして、とっても心打たれました...てゅぅか、撃ち抜かれました。ワラ 短編で、次回の予想が出来ないだけに超楽しみでぇす!! 頑張ってくださぃ!!
2005-07-15 14:41:47【★★★★☆】めぐ
続き読ませていただきました。以前CTスキャンを受けたとき、凄く不安だった記憶があります。なのに茉梨子はMRIこれを何も感じない(当たり前となっている)あたりが、病気の重さをよく描いていてリアルですね。、健康体(?)である私ごときが同情すらできない状況なのに、作品そのものは普通の(?)日常のように書いてあるのが凄く巧いと感じました。脳腫瘍か……昔三叉神経痛で病院行った時、取り敢えず脳腫瘍の検査もしたなぁ。関係ないことを思い出してしまいました。三叉神経痛であれだけ痛かったんだから、脳腫瘍だと想像を絶するものがあるだろうなぁ。ところで皆さんがどう望んでいたのか分かりませんが、私は茉梨子が死ぬことによって、物語がリアルさを持ったまま終わった印象です。でも、僅か16年で死にたくはないだろう……リアルだった分、辛さが残る印象深い作品でした。では、次回更新を期待しています。
2005-07-15 23:02:50【★★★★☆】甘木
やばい。遅ればせながら読ませていただきましたが、やばいですよ。涙ぐんでました、普通に。これで茉梨子が死ななかったら、まあありきたりの普通のお涙ちょうだいの物語になるんでしょうけど、今回のは茉梨子も死んじゃうから良かったのではないか、と。ふたりとも死ぬんだけど、それほど暗い感じは受けませんでしたね。
2005-07-24 09:39:18【★★★★☆】有佳梨
のんびりほろほろ。ほのぼのころころ。
流れるように読んで行きました、とても楽しくて、なぜか、心が温まりました。なぜでしょうかね。哀しい物語もあったのに、なぜか心が温かい。
きっと、ゅぇさんの言葉が優しかったからじゃないかな、などと思っています。
一つ一つの場面がよく練られていて、うわー、と文字書きとして素直に羨ましい今日この頃。とても面白かったです、ありがとうございます。
こんばんは、座席です。
2005-08-05 20:58:32【★★★★☆】座席
※天風さん※>読んでいただきありがとうございます。どれくらいの確率なんでしょうね。同じ病室――だと、恋愛には発展できませんしねぇ。そう、そういえば私は過去に何度も入院したことがありますが、やはり大部屋よりは個室がいいです(何の話だ)何かすごく詩的な感想をいただいて、嬉しい限りです。レス返し遅れましたがご容赦くださいませ。ではでは、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

※神夜さん※>「ハナクソですよ」って…何と笑える感想をくださるのでしょうか、夜の神様。ええ、最初は茉梨子のほうが死ぬ予定だったんです――死ぬのは茉梨子だけの予定だったんですが、何だかそれではいまいちなぁ、と思い直し、まあ暗いけどしゃあないいっか!!のノリで、晴己と茉梨子、ふたりして死んでもらっちゃったのでした。現実にはないだろう、というような話ですがそこはそれ。小説ですしね(´∀`)暴言)いつか猫耳も出しましょうね。笑

※鈴木太郎さん※>百人一首を使ったのは正解だったでしょうか。和歌のほうにも注目していただけているようで、作者としては嬉しい限りです――古人の和歌に助けられているともいいますが(笑)床叩いて練習…しますねぇ。あれはあれで風情があるといえるのかもしれませんが、やはり和歌はゆったりと琴の音にでも乗せて味わうのが一番かと。あんな早業で何をどうしろ、と!!笑)百人一首は歌意が命です、と力説するゅぇなのでした。

※影舞踊さん※>「ほじほじぺたぺたはなくそ」。あなたは夜の神様2号ですか、と爆笑しながら感想読ませていただきましたよ〜。書置きの演出、よかったでしょうか。あれ、最初は別に書く予定とかなかったんですが(っていうかむしろネタすらなかった)、いつの間にか無意識で書いてました。あたしはどうやら夢遊病者のようです(ぇ。 あっ、ていうかもう8月5日じゃないですか。テスト終わりましたね? 終わりましたよね? お疲れ様でしたっ♪

※菖蒲さん※>あたし、ずっと菖蒲さんのこと《ショウブさん》と読むのだと思ってました。そりゃ《あやめ》と《しょうぶ》なら前者ですよね、すみませんっ(爆)やはり百人一首、菖蒲さんも暗記されましたか。あたしもそういえば中学時代に暗記したなぁ、と思いつつ――こうして書き起こしてみると、やっぱり以前よりも歌意が胸に沁みるというか、ね。そんな感じなのでございます。百人一首にもこうして注目していただけると嬉しいですっ。自分が詠んだわけでもないのに(笑)

※有栖川さん※>うちのワードは一発変換で「背渦中」と出ました。そして一発変換で、「有栖川産」と出ました。どこですかソレ。『最後の最後にぽんと置いた青い空の景色が二人の魂をすうっと天上に運んでいったような』というご感想。これ、本当嬉しかったです。そうそう、そうなのよそんな感じなのよまさにあたしの中では!!みたいな感じで、喜んでました(笑)わたしの中では「青空」というのは結構悲しみの象徴だったりするのですね。なぜか分かりませんが。美しすぎる景色なんかを見ると、ふと哀しくなったりするわけです――少しでも同調していただければゅぇはものすっごく喜んで「ですよね!?」と叫びます。

※京雅さん※>どうも〜!! 自分の中ではそれほど面白い面白いとも思っていなかったものなので、面白いと言っていただけると幸せです。過文がありましたか――ど、どこでしょう(笑)もうすでにそこからして理解できていないゅぇは、もうこの際直す気もないのに聞き返したりするわけでつ。怒らないでください(笑)歌番は連ねていったほうがいいとのお言葉。そのお言葉で、ええ、歌番号どおりに進めることを決意いたしましてございまする。季節もばらばらになりますが、うん、そうなったらゅぇのつれづれなる短編集って形でまとめてしまえ!!ということで、見守っていただければ嬉しいですっ。

※バニラダヌキさん※>『このスコンと晴れた夏空を見上げる時の哀しさに似た透明感』――このご感想もまた、有栖川さんのご感想と同様、「そうそう、そうなのよ!」と感激して頷いてしまいました。何なんでしょうね、この人間の不思議な感性は。でも青空を見て哀しみを感じることのできる、そんな感受性は大事にしたいものです。あっ、あと前回《壱》の解説までさせてしまってすみませんっ(土下座。っていうか、自分の作品を他の方に解説させるなって感じですよね(爆)バニラダヌキさんの説明を見て、「ああなるほど」と頷いたボケです。あたしにはもっと構成力が必要らしいです…↓

※聖藤斗さん※>お久しぶりです。暖かい作品を書こうとして書いているわけでもないのですが、結果としてそういう評価をいただけるのは嬉しい限りでございます。うん、半角「!!」を見ると、やっぱりニラさんだぁ、としみじみ思いますねぇ(笑)お忙しいと思いますが、暇なときにでもお付き合いくださればと思っておりますっ♪

※めぐさん※>泣かせてしまって申し訳ありません(笑)心を撃ち抜いてしまったようで――っていうか、「心撃ち抜かれる」って、藤井隆と乙葉の結婚記者会見を思い出すなぁ。もしかして、見てました?(爆)わたしにも次回の予想がついておりませんので、どこでどんな突拍子もないネタがあがってくるか自分でも不安です。見捨てずにお付き合いいただければ幸いでございますっ。

※甘木さん※>ええと――そこまで考えてませんでした。はい、ごめんなさいっ!! わたしがCTとMRIを受けたときのことを思い出して書いていたんですけれども、何せわたしがまったく不安を感じていませんでしたので…(汗)ふむ、どこぞの流麗もきっと受けたんでしょうね、こんな検査。脳腫瘍、ときくだけで何だか嫌な感じがします。健康体でいられることの幸せだとか、それから作者としてはリアルさとか感じていただけたのであれば、とってもとっても嬉しいですっ!

※有佳梨さん※>二人とも死なせてよかったぁぁあ!!……と改めて皆さんの感想を読んで思うゅぇなのです。いや、何か言い方が微妙ですけれども。わたし自身、あまりに見え透いた「お涙ちょうだいタイプの物語」は好きではないので――好きではないわりに、よく泣くんですが――二人とも死ぬ結末にしたのは、良かったのかなと満足しております。暗さを感じることがなかったのであれば、これもとても嬉しいです。ありがとうございました。
2005-08-05 21:19:02【☆☆☆☆☆】ゅぇ
まあ戦争という奴は、所詮資源と生命の浪費です。史上かつて、帳尻の合った戦争など存在しません。間に立って資源や生命を転がす立場の人間だけが利益を享受し、それらの転がし屋にとっての経済活動とやらが盛んになるので、世の中金で動く限り、人の心も愛や憎悪も、自主的に動いているつもりでも、結局転がされ続け搾取され続ける訳です。とゆーよーなシラけたことを言いつつ、もうメロメロにその愛や憎悪に荷担してしまう私としては、今回もしみじみ「うんうんうん」などと肯いております。でも、浮気はして欲しくないなあ――なんて到底女性に言えた義理じゃないだろう、俺。などとひとりツッコミを入れつつ、今後は大丈夫っぽいので吉。まあ男は男で勝手にやってるのだから、何があっても仕方ないよなあ。現実的には、ほとんど離れて行ったほうが甘くて悪い。でも、甘くて悪いくらいじゃないと、男同士、愛せないような気も。いや、だから俺が彼を愛してどーすんだ。すみません。今回はほとんど独り言になってしまい、感想になってませんね。自衛隊やボランティアの方々に常々エールを送りつつ、小泉さんやブッシュさんはどう見ても寸足らずに思えてしまう自分です。残された女性はそんな妙な男でなく、私がお相手して――違うって。もとい、慰めてさしあげたいと思います。
2005-08-05 22:03:01【★★★★☆】バニラダヌキ
さて。……、――さて、どうしたものか。神夜には近頃、無性に研ぎ澄まされる瞬間がある。神経が研ぎ澄まされる、とかそういうのではなく、なんというかこう、気持ちが針のようになることがあるのです。今回はなぜかそういう精神状態で読んだため、普段使わないような脳みそを活用して考えていたわけなのですが、やはり普段使っていない脳みそを活用させようがどうしようが、戦争に対して無知な自分がこの作品に何か偉そうな批判やら感想やらを書いていい道理など一切にあるわけもなく、しかし何かを書かなければならないと焦るばかりで、上手い具合に浮かんでこないのです。少しだけ話が変わり、つい最近、自分の大切な人から「若者は戦争について知るべきなのだ」と、そのような言葉を受けて、無知な自分は何かしらを考えるわけなのですが、やはり現段階ではどうしようもないらしいです。もうちょっと知識を蓄えた後に、この作品の感想を書くのがベストなのではないか、と思う神夜なのでした、と。……さてさて。訳のわからないことを書き殴ってすいませんでした。こっからはいつもの神夜で。ゅぇさんの小説は本当に、どこからどこまででも対応するから驚きである。唯一無理と言えばホラーくらいではないだろうか。驚くべきゅぇさんの思考回路を心底羨ましいと思いつつ、最後の最後で猫耳出してくださいとそれまでの雰囲気を吹き飛ばす言葉をほざきながら、今回はこの辺で。
2005-08-05 22:28:17【★★★★☆】神夜
こんにちは、菖蒲です。
名前のことに関しては、私の説明が足りないばかりにときどき勘違いされたりしますね。<ショウブ>でも嫌いではないのですけれど。う〜ん、申し訳ないです。私は、この三話目が今のところ一番好きでした。ミサ−Misa(祈り)の掛け合いがとても素敵で、戦争について彼が語る本の内容を読んだときも鳥肌がたちました。ゾクッとする良文とはこういうものをいうのですね。勉強になると同時にちょっと感動です。(いえいえ、ゅぇさんの作品にはいつも感動ですが)一人の人を好きでいるって大変なことですよね。夢を果たすことと一緒に彼女への愛情を言葉として遠くから届けた彼が一途でありました。場面転換は、きちんと区切られているのでわかりやすいですが、でもちょっとだけその移りが大きいかな、と。何というか、学校のことに意識がとぶときの距離が長いというか…?ああ、またわけのわからないことを言ってすみません。次回も楽しみに更新お待ちしております。
2005-08-06 01:05:49【★★★★☆】菖蒲
拝読しました。前回はけっこうストレートに心にくる系統で御座いましたけれど、今回は遠くのほうからずきずきと伝わってくる感じでとても快で御座いました。戦争はなぁ……それで歴史が積もっていると言っても過言ではないくらい実は身近で、もっと真摯に考えなければならないのだろう。それでも未だ平和の中でのらりくらりと生きている京雅にとって「戦争は駄目だとか、可哀想だとか言うだけの人間に俺はなりたくない」と言う言葉はほんとうに胸痛みますね。皆が皆一つの心をもっていれば戦争は無くなるのかな、でも、人の心って自己中で自己満足の塊で御座いますからね。誰も傷つけない世界なんてものは、神様でもつくれないのではないかなぁ――おっと、戯言ばかり語って申し訳ない。素直に面白かったです。歌に合っているのかどうかは置いておいて(おい 次回更新御待ちしております。
2005-08-06 13:41:45【★★★★☆】京雅
時間がない。どういうことか時間がない。睡眠不足を我慢すればいいのだろうが、そんなことは出来ず(オイ)やはりこうして遅れて読書。はいごめんなさい(へこへこ 最近とある人からイラク戦争やらチェチェン紛争の話を聞いて、どうしようもなくテロとかの理由についても納得していたりで。戦争の渦中におられる人々は辛いのだろうが、でもやっぱり悲しい思いをするのは平和をしている側の人間でもあるのだなぁとかこれを読んで思いました。百人一首に絡めてつむがれる良質の物語はとてもいいです。やはり恋愛という要素は軽んじれないなぁとつくづく痛感(何を? 時間の都合で、やたら荒れてます。お許しを。
にしてもショートが書きたい……時間がねぇ!
2005-08-06 22:45:47【★★★★☆】影舞踊
戦争なんていうのは、自国の威信と力を示すための単なるデモンストレーションでしかなく、それで人が死のうが恨まれようが、こっちは知ったことじゃない。そういう考えを持つ人が国を中枢で支えているからこそ、大国ってやつは戦争をしたがるのではないでしょうか。そして、それをどのように捉えるかはその人しだいであり、この話の彼のように自分の目で、肌で、心で感じる事で「戦争は駄目だとか、可哀想だとか言うだけの人間に俺はなりたくない」という自分の思いを体現しようと悪戦するのでしょう。戦争は何も得るのものはありません。でも、だからこそそれについて考えようと思うのではないでしょうか。
何だかよく分からない感想を書いてすみません。それでは、次回更新も期待しております。
2005-08-06 23:14:57【★★★★☆】天風
続きを読ませていただきました。現実を知りたいという自己満足を求める男、その男を許すことで自己満足を得る女。○○の大義と銘打って行う戦争という国家の自己満足。所詮我々人間が行うことは本質などない事象のみ、どれも真実であり欺瞞でもある。皮肉が効いていて良かったです。私的には戦争には行きたくないけど、戦争や飢饉がないと世界の人口は増加する一方だしなぁ……すべての人間が成人まで生きる地球があったら、その地球は水不足で滅びるだろうなぁ。とかく日本人は自分の生活は維持した上で、貧困を救え、戦争を無くせと声高に叫ぶ。我々が戦争の原因をつくっていることに目を向けず。我々日本人がどれだけの水を諸外国から奪い輸入していることか……水不足は飢饉を生み、戦争を引き起こす。戦争を生み出す戦争犯罪人である我々に、戦争を語る資格は果たしてあるのだろうか? と、真面目なようなことを書いていますが、甘木はベッドの上で世界平和をお題目のように唱えるだけのチキン野郎でございます。では、次回更新を期待しています。
2005-08-06 23:38:59【★★★★☆】甘木
実は投稿されてすぐ読んでいたのですけれど。どうにもこうにもうまく感想を書けなくて、うだうだしておりました。ごめんなさいっっ。
そしてここからはさらにさらにごめんなさい。
戦争、しかもイラク――ということで、おいそれとは語れない題材だと思うのですよね。感想をためらっていた理由がまずそれで。じっさいに『自分にも何か出来るはず』『現実を知らないまま、いい悪いを論ずるのは嫌だ』と言ってイラクに渡るという話は聞きますが、どうも理解はしても納得はできない私です。地球に国境と宗教がある以上、思想とか倫理とかをさらに越えたところには、とくに日本人みたいな平和ボケ民族が首を突っ込んではいけないラインって、あるんじゃないかななんて思って……なんて……ここで言っても仕方ないんですけれど。なので彼のことも、良くも悪くも日本人だなあ、という感想をまず抱いてしまいました。って、こんなことばっかり書くくらいなら感想書かないほうがマシですよね!だからやめようと思ってたんです、ごめんなさいゅぇさんホント心からあやまりますッッ。お話としてはまとまってましたし、いつものゅぇさんの優しい筆遣いもすごく好きなんです。小説として読めばかなり面白かったんです。評価点は本心です。でもでもでも。自分のフィルターを通して読んだとき、ミサも裕人にも、どうしても気持ちを重ねられなかったというのが包み隠さずの本音でしたっ。でもある意味、ここまで考えさせてくれてありがとうございました本当に。あぁ、なに書いてんだ私。もう、ごめんなさい。とことん。
2005-08-07 22:27:36【★★★★☆】有栖川
※バニラダヌキさん※>読んでいただいてありがとうございます。あたしはまあ外ではごちゃごちゃ言いませんが、家の中ではニュース見て悪態をついている小娘でございまして――まあ世間知らずでまだまだ何も分かっていないため、家の中でしか文句を言えない内弁慶なのですが。テロリストに対して、《おまえらどうせやるならもっと標的絞って的確にやりやがれこのバカチンが!!》と呟いているような(いやもちろんテロなんてないに越したことはありませんが)。ちなみにこの《参》は、皆様イラクやら戦争やらのほうに気を向けていただいたようですが、バニラダヌキさん仰るように浮気してるんですよねぇ美彩子サン(笑)裏切り行為は消えないのよ、と呟きつつ、まあ小説だし何とでもなるわな、とふざけたことを言いつつ書き上げた次第でございます。だめだなぁ(笑)ちなみに小泉さんは郵政民営化のことで頭がいっぱいいっぱいらしいですからねぇ(´∀`)イラクのことなんて忘れているんじゃなかろうか。

※神夜さん※>気持ちが針のように――うぁ、ごめんなさい。いや、あたしが謝るところなのかよく分からないけれどもとりあえずごめんなさい(笑)
戦争に無知、といいますが、それは何だかんだあたしも変わりません。ただ同年代のほかの子よりは、少しばかり多めに本を読んでいただけの話なのです。ただこれからこの世の中を生き抜いていくためには、たとえば大切な人と将来末永く幸せに生きていくには、やはり戦争とか平和とか(っていう言い方があまり好きではないゅぇなのですが)命だとか、そういったことについて考える必要はあると思うのです。たとえば中国や韓国との諍いについてもそうなんですねぇ。あたしは決して中国や韓国が好きだとかそういうわけでもないんですが、今のまま靖国神社には英霊が祀られているからということにこだわって諍いを続けるのと、ともかく少しでも譲歩して周辺諸国と仲良くして平和に穏やかに過ごしていくのと、どちらが戦争で死んでいった人々の供養になるかということを考えるのですよ――最近あたしは。大事なものが何なのか、色々と忘れているような気がしますね。もしも将来また徴兵制度なんかができて、大切な人が戦地へ送られるなんてことになるのは、あたしはまっぴらごめんです。愛する人を国家による戦争で殺されたりなんかしたら、あたしは国会議事堂爆破して政治家全員ぶっ殺します(どんな話だ!!笑)まっ、綺麗ごとといわれればそれまでなのですが、綺麗ごとが大好きなゅぇなのです(爆笑)さてと、長くなりましたが、あたしホラーくらいちょちょいのちょいですよ(´∀`)うふふ。知らないんですか、あたしのホラー好き。ハィ、ごめんなさい嘘つきました。今頃神夜さんはケッタでしょうか(何の話だ

※菖蒲さん※>いえいえ、アヤメ様ですね。うん、綺麗な響きだ(≧∀≦)さてさて、この《参》が一番好きだというお言葉、嬉しい限りでございます。いろいろと捉え方の異なる作品であろうと推測して書いただけに、そういったお言葉をいただけるのはとても嬉しいことなのですっ♪しかも美彩とミサを賭けるのは、本当に途中で思いついたことでした――本のタイトルをどうしようかと思ったときに、「あ」と思いついたという適当さ。
さてさて、あっ、そうだ。学校のことに意識が飛ぶまでの距離が長い――とのお言葉ですが、すみません、ゅぇはいまいちそのご指摘の意味が理解しきれませんで…(コラ)どどどどうしたら良いのでしょう(笑

※京雅さん※>昔はそうでもなかったのに、今ではもう戦争はとても身近に感じられるものになってきましたよね。いや、身近っていうかなんていうか。こう――今日も明日もあたしは平和に無事で生きていられるよ、という絶対的な安心感がなくなってきたというか。いつ戦争が起こってもおかしくない(そりゃあもうそんな簡単には起きないでしょうけども)時代になってきたような。このままいくと、そのうち日本はまた軍国主義に戻っていきそうな危うささえも感じるのでございます。徴兵制度なんてなったらどうしよう、そんなことで大切な人を戦地に行かせるようなことになったりしたらどうしよう、なぁんて考えたり(笑)「歌にあっているかどうかは置いておいて」――グサ!!(爆笑)ホント痛いところを突いてきますね京雅っち!! ひどいわっ(号泣)まっ、どう絡めようかと思った結果、「離れて眠る山鳥」→「会いたいのに会えない恋人」という構図ができあがり、そこにイラクネタを突っ込んだわけなのでした(適当だなぁ)こんな作品を読んでいただき、本当にありがとうございますっ♪

※影舞踊さん※>時間がないんですか。睡眠を我慢しましょうよ、影舞踊さんってばw いや、いえいえ、読んでくださるだけでゅぇはホントに感謝してますよ♪ふむ、確かに平和な人間が哀しむってこともあるんでしょうね。たまにあたしは、「死ぬ」ってどういうことだろうとか、何だろう。こう、「死ぬ」ということを想像してみるわけなんですが――やっぱり想像には限界があるわけでして。「死んでみたら分かるかもしれない」けれど、「死んでみる」こともできず(笑)やはり想像して、出来る限り自分の視点を重ねて書く以外にできることのない小娘なのですねぇ。さてさて、何だかんだ言いつつ丁寧な感想くださってるじゃないですか、ありがとうっ!! ショートも楽しみにしてますよっ♪

※天風さん※>ちょっと前から、終戦六十年&広島長崎原爆投下日ということもあいまって、テレビの特集が多いですねぇ。それを見ながら、大国のエゴって何じゃらほい、と考えていたゅぇなのですが――もう何せ、あたしが何を言ってもまだまだ何も知らない人間のいうことですから、何の力にもならないのが現状で(笑)原爆を開発・投下・撮影した科学者が、被爆者と対談して言っていました。まあ前後の話の流れはありますが、「私も友人が徴兵されて、戦争で友人を殺された。だから私が原爆を落としたことを謝る必要はない。むしろあなたがたのほうが謝るべきだ」みたいなことを。いや、ちょっと要約しすぎかもしれませんが。そりゃあね、日本も悪いですよ。何をされたか、ではなく、何をしたか、ということを日本はもっと考えなくちゃいけないと思うし。でも軍人ではない民間人を何十万人も殺しておいて、平気でいられる――もしかすると心の中はもっと違ったのかもしれませんが――ような人間には、あたしは反感を抱くばかりでした。ん?何の話をしてるのか分からなくなってきたぞ?笑
いや、とにかく考える、という行為は大事だなぁと。そして読んでいただいたことへのお礼をともかく述べたかったゅぇなのでした。笑

※甘木さん※>「とかく日本人は自分の生活は維持した上で、貧困を救え、戦争を無くせと声高に叫ぶ」――日本人だけに限らず、そうですよね。まっ、あたしはそういう点でアメリカが大嫌いだったりするわけなのですが。太平洋戦争で日本が負けていなければ、こんなことにはならなかったのだろうか、と思いつつも、いや負けてなかったら日本はもっともっとヤバめのイカレた国になっていただろうしなぁ、と苦悶するゅぇでございます。「戦争を生み出す戦争犯罪人である我々に、戦争を語る資格は果たしてあるのだろうか?」――戦争という事実を知る義務はあると思いますねぇ。自分たちが何をしているのか、という見つめなおしやふりかえり、というものは大事だと思ったり。語る資格はないんでしょうけれども、やはりそのことについて何かしら考える必要があるのではないかと最近よくぼんやりと思います。特にこんな世の中ですものね↓ちなみにゅぇは、ベッドの上で世界平和をお題目のように唱えながらおいしいお菓子を食べるだけの食いしん坊でございます(爆

※有栖川さん※>有栖川さん、本当に感想くださってありがとうございます。これはもう本当に賛否両論あるだろうことを推測して書いておりましたので、全然気にしないでくださぃっ。イラクですから、おいそれとは語れない――なんていうのかな、リアルタイムじゃないですか。太平洋戦争とか湾岸戦争とか、そういったものとは違った難しさがあったんですね。でもやっぱり書いてみないことには始まらないだろう、と。いやまあ、最初からイラクネタが決まってたわけではなく、書き始めたらこんなんになったわけなんですが(ぉぃ)「地球に国境と宗教がある以上、思想とか倫理とかをさらに越えたところには、とくに日本人みたいな平和ボケ民族が首を突っ込んではいけないラインって、あるんじゃないかな」というご意見、ぶっちゃけた話同感ですョ。平和ボケもいいところ。あたしは日本という国土は好きだし、日本人も時には好きだけれども、たまに日本人の国民性が大嫌いになることがあります(笑)主人公たちに気持ちを重ねられない、という気持ちはとってもよく分かります、安心してくださいっ(爆笑)あたしは悠人がいないからって浮気する美彩子が嫌いだし、悠人も微妙に自己満足っぽくてあまり好きではなかったですもの(それでいいのか)でも、まあ自分の命を差し出す覚悟で行くんなら、それはそれでいいのかな、という気持ちもあります。たとえば悠人みたいな人間がいなかったせいで、子どもがひとり死にたくないのに死んでしまった――ってなことになるくらいなら、自己満足でも何でも、悠人みたいなボランティアとかがいてくれたほうがマシじゃないか、とか。死ぬ人間はひとりでも少ないほうがいいじゃないか、とか。そんなところはあたしの本心でもありました。まあね、死んだほうがいいんじゃない? って思う人も時々いますけどね、うふふ。でもホント、感想がとっても嬉しいんですよぅ。見捨てないでくださいねっ。本当にありがとうございました。
2005-08-09 23:35:51【☆☆☆☆☆】ゅぇ
※座席さん※>申し訳ありませんっ、見逃してました(汗)ごめんなさあぁい(≧□≦)読んでくださってありがとうございます。のんびりほろほろ、ほのぼのまでは分かりましたが、ころころの一言に微笑んでしまったゅぇでございます。哀しい物語も大好きなゅぇですが、今度は暖かくならない絶望まみれの話でも書きたいなぁ(ぇ 哀しい物語もあったのに、なぜか心が温かい。あっ、はじめましてこんばんは、ゅぇです(笑。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
2005-08-10 09:55:53【☆☆☆☆☆】ゅぇ
猫にゃーっ!!(マテコラ)……おお、久しぶりに猫耳少女を見た気がする……っ!神夜にとってはそうだな、たぶんオフの暇潰しでセロヴァイトの紀紗に猫耳つけて拓也とホニャララ、が最後の思い出ではないだろうか。巫女ブームが舞い降りる昨今、猫耳に手を出したゅぇさんに拍手喝采を。さてさて、物語の内容の方ですが、猫耳少女の出現に困惑いちゃ駄目なんですよやっぱり。素直に受け入れて、膝の上に座ったときに耳が顔に当たるあの感覚を楽しまねばならないのです。それこそが萌えの基本なのだ!!(神夜の感覚でね(オイ)猫耳にだけ見つめればもはや点数など満点を捧げてもいいのですが、ストーリー的に見ると何かちょっと物足りないかな、と思ってしまう。やはり猫耳が出るとすぐにすべてを吹き飛ばすこの思考はイカンのか、それともこのお話はそういう目線で見てこそ意味があるのか。うむむ、難しいところだ。しかしシロ、そのまま神夜の家来ないかな。ただ神夜の家に来たら監禁するので自由は手に入りませんが(笑)
2005-09-03 19:14:09【☆☆☆☆☆】神夜
思わず笑ってしまいそうになりました。いや、てか笑ったのですがwwこれあれですね、猫耳少女を書きたかっただけですねきっと(爆 翔と猫耳の絡みを書きたかっただけなのではないかww シロが猫耳少女になった理由が「自由になりたかった」というのはわかるのですが、やっぱり少し弱く感じました。……あぁ、慣れない感想は難しいなぁ(苦笑 翔と凛の関係はどんな感じだったけかと頭をひねらせながら、あー他人の恋なんてどーでもいいやな影舞踊です(マテ あぁ、またバカな感想……鬱。。
2005-09-03 20:54:04【☆☆☆☆☆】影舞踊
途中途中神夜様は如何反応するかなとわくわくしつつ、感想書こうとして既にあってびっくり。うん、それは監禁罪です、してはいけないことなのです。さて。拝読しました。前半ほのぼの、後半ちょいと切ない、しかしながらすこしばかり物語性は希薄かなぁと思います。朝菜の件と絡めて、窮屈さや自由への憧れは提示されておりますけれど、どうも、プロセスをふんでいない気もします。いや、もう、これはただただ神夜様へのプレゼント(おい ふむ。繋ぎ、なのかな。これから先朝菜のはなしをもってくるための、そんな感じもしますね。それにしても、和歌集、ふふ……。次回更新御待ちしております。
2005-09-04 06:23:14【☆☆☆☆☆】京雅
※神夜さん※>ありがとうございます。ええ、京雅さんにはもうすでにバレていますが、プレゼントです。シロを(笑)ただストーリーでみると物足りなかったということで、これはもうむしろ自由などと絡めずにそのまんま猫耳コメディに突っ走ったほうがよかったでしょうか。いやでもそうすると、シロを猫に戻したりなんだりするきっかけが掴めなさそうだったので――夢オチも考えたんですが、夢オチもありきたりだよなぁ、と。いうことで、こんなお話になってしまったのでした。ちなみに巫女ブームなんて舞い降りてませんからぁ!!笑)そうですね、書き手の立場からいえば、まぁシロ可愛いなぁ、と思っていただければそれだけで嬉しいです。久々に凛と翔も出したかったし♪あまり意味のない、猫耳重視のお話でした(笑)

※影舞踊さん※>何でバレてるんですか。やっぱりバレますか。猫耳少女を書いてみたかっただけです、おっしゃるとおりです。で、あとは神夜さんへのレス返しと同じようなことを申し上げるしかないのですが(笑)まあでも自分の中で軽めにした、ということもあり、皆様の感想はおよそ自分でも感じていることなのでございます(ぉぃ)自由なんかのテーマを絡めないほうがよかったのか、とも思うのですが、それ以外にどうこの話を締めくくっていいのかいまいち掴めないアホウな作者なものでして、こ〜んな終わり方になっちまいました(汗 さて、翔と凛の関係や如何に!!(でももう出てこないかもしれません。 影舞踊さんは自分の恋にしか興味ないんでしょ? 鳴●ちゃんみたいな、ねぇ(爆笑)何はともあれ感想はとっても嬉しいですよ。ありがとぅっ!!

※京雅さん※>監禁罪といいますが、神夜氏はそれすらも厭わないほどの猫耳少女萌えのようです。怖いですね(笑)ああ、でもそうですよッ京雅さん。前半ほのぼの、後半ちょいと切ない、物語性はちょっとねぇアンタ的な感想はまさにあたしの予測していた感想でございます!!まっ、シロを神夜さんへ生贄として捧げた物語ですね。物語性は、今回あまり重視しておりません――本当はね、冬ネタとして阪神大震災をもってこようと思ったんだけど、【弐】【参】と命関係のものが続けてきていたので、故意に抑えたんですよ。あたしの中では前回までの流れがすごく「考える」ネタであり、重いものだったので、今回はやはり軽め軽めでいきたかった。最後自由だのを絡めたせいでちょっと中途半端になったのかもしれません。朝菜の話をもってくるのはいつになることやら。さて、プロセスをふんでいないということですが、やはりだめなんでしょうかね。プロセスは重視すべきか。ある程度のプロセスは明確にしておかなくてはならないのでしょうけれども――どうもねぇ、プロセス考えてしっかり構築して書くっていうのはあたしには合わないみたいなんです。ので、もしもプロセスふんでない!!というのが京雅さんの肌に合わないものでしたら申し訳ありません(汗)それでもお付き合いください、とゴールインを懇願するゅぇなのでした。
2005-09-04 11:58:18【☆☆☆☆☆】ゅぇ
じゃあ、ちょこちょこと語ってみましょう。ええ、語師京雅で御座いますよぅ(笑)。わたくしのね、言っているプロセスってのは小難しいはなしじゃあ御座いません。はなしには道があって、筋が通っているかどうかって目で見るとこの書き物もしっかりとしております。ただ、京雅が鈍感なのかどうなのか、感情や道理やら、そこへ至る段階(階段)を一段踏んでいない気がしてしまうのです。それは物理的な、まあ、文量であったり、心情展開だったり。しかし、これって主観的なわたくしの尺度であって、他の方は違うだろうし、どこへ合わせるかチャンネルをどう弄るか、そのあたりは全てゅぇ様の加減で御座いましょうや。重視すべきかどうかと言うより、プロセスの無いはなしは無い。調節は題材にもよります。短編のなかにあれこれ挿れようとすれば、そりゃあねぇ、些かプロセスも傾きますよ。とは言え、肌が合う合わないはそこじゃあなく、文体や文字から薫る雰囲気や、そのようなもので御座いましょう。それならほら、こんなにも周波数が合っていて、心地好いもので御座います。だからね、わたくしが寝不足で倒れていなければ御付き合いしてゆくつもりで御座います。それにしても御姉様なのですよねぇ、ゅぇ様って……(微笑)。
2005-09-04 12:22:03【☆☆☆☆☆】京雅
何を仰いますやら京雅姐様。そんな微笑で――(怯 ええ、たまに見当違いのことを口走る癖がありますので、そこのところもどうか寛容なお心で抱きとめてくださいませ(笑)物語性は自分の中でも薄かったものの、たとえばシロの思うところであったり翔の心の中であったり、そういったことはあたしの中ではやはり無意識のうちに段階踏んでいて、で、この物語に至ったわけなのですが、それが読み手に伝わらない場合はそりゃあもう、よよと泣き崩れながら己の無力さを歎くばかりです(笑)歎いてもなかなかそう簡単にはいきませんで――困ったもんですよホント京雅さんってば、と泣きついてみる。しかしそれを抜いても、文体や雰囲気がもし京雅さんにとって心地よいものだと言っていただけるのであれば、それはそれでもうとても嬉しいんですけどねっ♪笑 語り上等、ありがとうございます☆☆
2005-09-04 16:01:56【☆☆☆☆☆】ゅぇ
作品を読ませていただきました。感想が遅くなってすみませんでした。まさかゅぇさんの作品で猫耳を読めるとは思わなかった。嬉しいような、ヘタな感想を書いたら後が怖いような……猫耳の次は何かな? ニーソックス? それとも巫女さん? って、浮かれている場合じゃない! いかん、精神が朝っぱらから病んでいる。感想書こう。シロの日常をもう少し描いて欲しかったな。絶えず窓から外を見ているとか、玄関が開くたびに視線を送るとか、外界に対する憧れのような描写を入れて、ラストを臭わせておいても良かったかな。でも、猫は家につくと言うから、いずれ戻ってくるかも。と言うことはシロリターンズもあり得るのかなぁ。ワクワク(笑。ともかく物語が唐突に進みすぎた感じでした。でも、シロが可愛いから許しちゃうけど。では、次回更新を期待しています。
2005-09-05 08:21:23【☆☆☆☆☆】甘木
読ませていただきました。パソコンのバッテリーが死に掛けてて三十分くらいしかつけられないので大急ぎで書いてます。遅くなっちゃってすみません。
シロと朝菜さんの対比は物語が進むにつれてなるほどという感じで心地よく読めたのですが、ラストがちょっとばかり流れていて消化不良な印象かと思ったりしてしまいました。同じいなくなるにしても、そこに何か読者をハッとさせる、あるいは前もって張っておいた伏線をここで解く、など何でもいいんですがとにかく何かあるとすごくすっきりしたと思います。全体的には軽くて読みやすくて、自然な短編という感じで良かったのですけれどね。でも一番最初に何を思ったかって、うわぁ猫耳出したよゅぇさん、でした(笑)次回作品を期待しておりますv
2005-09-05 10:57:54【☆☆☆☆☆】有栖川
※甘木さん※>あっりがとうございます。もう猫耳が全てでした。そうそう、シロの日常をもう少し入れるべきだとあたしも思いました。時間があればちょちょいと修正してみますね。そうなんですよ、あたしはシロの日常というよりも「シロと翔の暮らし」をもう少し詳しく書いたほうが良かったかなぁ、と投稿した瞬間から後悔していたわけなのですが。いかんせん反省が行動に結びつかない幼児なもので……(汗)笑。窓から外を見ているってのはいただきですね。甘木さん――そんなネタ、提供してくださって嬉しい限りです(パクるのか シロの日常を増やすぶんにはたぶん簡単に増やせるので、修正頑張ってみますね♪

※有栖川さん※>何せ朝菜は後づけでした(冷汗)このままシロがいなくなっても意味わからんでなぁ、と思った結果むりやり途中で突っ込むという暴挙に出たわけなのです。ははぁ、あほですね?あたし(笑)何かそれがたぶん結構裏目に出てるような気がしないでもないです。さて、何か読者をハッとさせる――というものが思いつかなかったゅぇ。だめだめだなぁ。それならいっそまじでリターンズでも出すか。百という大きな枠があるから何でもできる、何でもアリ、みたいな気の緩みが如実に出てしまった今回ですが、まぁだからこそシロの可愛さで許してくださいお姉さん、と愛想笑いをふりまいてみたり。ええ、猫耳でも巫女少女でも何でも出しますよあたしッ!! だってこの短編集のどこかに、カインと流麗出そうかと画策しているくらいですから(爆笑)

 と、ともあれ、読んでいただいてありがとうございましたっ♪
2005-09-05 13:45:18【☆☆☆☆☆】ゅぇ
げ、マジ少女型猫耳にすり寄られてここまで理性を保てる男がこの世に存在するのか――すみません。ただの猫型猫耳にも言い寄ってしまう男の意見です。
淡々と少女型になりまた淡々と自立して行ってしまう猫、ほぼそれだけのモチーフに寄るとすれば、やっぱりもっとシロそのものの肉付けが欲しかったような気がします。甘木様のご感想にあるような。そうすれば、「いきなり猫耳」も一場の夢も立派なファンタジーですし。
しかしなんぼなんでも淡白すぎやしないか翔ちゃん。……すみません、しつこくて。過去大煩悩少年が猫耳ちゃん相手にドタバタする話など書いてしまったことがある、巨大煩悩中年です。しかし、この淡白さが本音では清水のように快いのも確かなのでした。
2005-09-05 22:58:47【☆☆☆☆☆】バニラダヌキ
※バニラダヌキさん※>ありがとうございます。さて、男の理性は謎です。なかなか簡単に理解できるものではなく、また彼らの煩悩妄想に関しては謎が謎を呼ぶって感じで(爆笑)こう、気持ち的にあんまり猫耳相手に翔暴走、も厭だったのでこんな感じにしてしまいました。そしてやっぱりシロ描写はもう少し必要でしたね(笑)今はどのように修正しようか考え中です。遅くなるかもしれませんが(笑)巨大煩悩中年という言葉に思わず爆笑してしまったゅぇなのでした。感想、ありがとうございます♪
2005-09-06 07:56:03【☆☆☆☆☆】ゅぇ
遅ればせながらも拝読させていただきました。菖蒲で御座います。奇抜であり、それでいて感情移入をやすやすとさせる登場者の人間味深さは毎度ながら感服致します。リアルな日常の中に非日常が入り込んできたとき、人って案外順応できるものなのかもしれませんね。今回のお話はそれを如実に表現していたかなと思いました。猫は確か、死期が近づくと姿をくらませてしまうということなので、最後の去り方とも何か関係があるのかなぁと思ってみたり。でも、実際に知り慣れた猫が人間の姿となって目の前に現れたら、嬉しいのでしょうね。言葉を話せないということは、私が無類の動物に感じるどうしようもない隔たりなのですけれど、見かけが近づくだけでだいぶそれも和らぐものなのかなと想像します。シロと朝菜さんの重なりは技だと感じますし、読み手の意識を惹く題材は本当に面白いので、今後も楽しみにお待ちしておりますね。シロが人型となった理由に関してもう少し何か記述が欲しかったかなとは、失礼ながらも思ってしまいました。次回更新もお待ちしております。
2005-09-11 22:09:30【☆☆☆☆☆】菖蒲
計:100点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。