『学校の階段』作者:Rue / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
全角784文字
容量1568 bytes
原稿用紙約1.96枚
「なぁ、聞いた?」
「聞いた、聞いた!」
「怖いよな〜。」
「あんなん、ウソやろ。」

小学校の昼休み。
5年3組の教室は、さっきからこの話題で盛り上がっている。

「夜中に幽霊が出るって?」
「どこに?」
「屋上に行く階段。」

どこにでもあるような話だ。
昔、階段から落ちて死んだ女の霊がでるらしい。
この先の展開も決まっている。

「今日、9時に門の前に集合な。」


夜9時。
珍しく誰も遅刻しなかった。
といっても、4人しかいないが・・・。
4人は抜け穴から学校の中に入っていった。

皆、いろんなものを持ってきている。
懐中電灯はもちろん、軍手、ヘルメット、金属バット、コンパスまで持ってきている奴もいる。
4人は慎重に階段を上っていった。

問題の階段の前に着いた。
案の定、何もいない。
それから十数分、4人は隠れて待った。
やはり、何も出ない。
あきらめて帰ることにした。

4人はがっくりしながら、階段を降りていった。
内心ほっとしている奴もいたが・・・。
2階まで降りてきた。
4人の足が止まった・・・。

下の方から足音が聞こえてくる。
例の女の幽霊だろうか。
いや、違う。男だ。
ナイフを握った人間の男だ。

こいつは最近この町を騒がせている通り魔だろう。
電柱の張り紙を見たことがある。
固まっている余裕はない。
4人は各々武器を手に取った。

男が向かってきた。
正直、力ではかなわない。
逃げるが勝ちだ。
4人は命からがら逃げ切った。

その後、警察に通報し、通り魔は捕まった。
4人も親に捕まり、こっぴどくしかられた。
しかし、今回の一件で4人は悟った。


本当に怖いのは、幽霊なんかより人間なんだ・・・。

2003-10-31 00:17:13公開 / 作者:Rue
■この作品の著作権はRueさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
この題名の温度 摂氏−23℃。
この作品に対する感想 - 昇順
はじめまして。そんな寒くないですよ。台詞の関西弁もいい味だしてましたし。この短い長さでよく描き切っているなあとびっくりです。
2003-10-31 00:43:51【★★★★☆】ねこ
初めまして、麻衣と言います。とても良い味出していましたので…面白かったです。
2003-11-01 17:01:41【★★★★☆】麻衣
はじめまして。タイトルに惹かれて読んでみました(笑)。シンプルで読みやすかったです。最後の言葉が心に響きました・・・。
2003-11-02 11:24:56【★★★★☆】灰猫
計:12点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。