『創造主』作者:さるお / V[g*2 - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
全角973.5文字
容量1947 bytes
原稿用紙約2.43枚
 僕は想像することが大好きだ。小さい頃から頭の中で、自分の世界を作るのが至福の時だった。
皆もそんな経験がないだろうか。自分を売れっ子ミュージシャンであると想像して、歌を歌ってみること。はたまた、自分は奸智に長けた泥棒であり、次に盗みの働く家を値踏みしている状況を考えてみたりとかね。
 僕は十八歳の男だ。私立高校に通っている平凡な学生で、卒業を間近に控えている。成績は中の上と言ったところだろ。部活はサッカーをやっていて、毎日がとても充実している。サッカーは小学校三年の頃から始めて、中学では関東トレ選のエースストライカーだった。
 彼女は現在募集中だけど、別にとりたてて欲しいとは思わない。そんな暇があったら、部活に熱中したい。こういうのを部活が恋人って言うのかな。
 僕には両親がいない。僕が中学三年生になったばかりの頃に、父が運転していた車が、酔っ払いのトラックに正面衝突された。同乗者の母と共に即死だったそうだ。
 それからは父方の祖母と同居することになり、祖母の家がある岐阜県へと引っ越すことになった。祖父は僕が生まれる前に亡くなったそうで、僕は祖母と二人っきりで細々と暮らしていた。
 しかし、僕が高校受験を控えた一ヶ月前に祖母も亡くなり、止む無く独り暮らしをする運びとなった。施設の話もあったのだが、人に頼るのは嫌だったので断った。
 高校はスポーツ推薦で、サッカー部が全国大会常連校であるS高を選んだ。僕は一年からレギュラーで、高校三年間で、S高を二回全国優勝へと導いた。最後の大会では得点王にもなった。
 そんな僕をJリーグのチームが放っておくわけがなく、僕は五チームのプロサッカーチームから誘いを受けている。テレビでは連日、十年に一度の逸材だとか騒がれて、僕の動向が話の的になるといった始末だ。僕はこれと言って好きなチームはなく、条件の良いチームに入ろうかと思っている。だが、将来はイタリアセリエAでプレーしたい! これだけは譲れない。
 これからの僕は、日本代表、ワールドカップ得点王とか夢が広がるばかりだ。

 「たかしさん! ご飯よ〜!」
母が呼んでいる。どうやら夕飯のようだ。自分の部屋の和室から食卓へと向かう僕の体は、実に頼りないもので、剥げた頭からは白髪がまた二、三本ヒラリと床に落ちた。
2005-06-11 00:30:40公開 / 作者:さるお
■この作品の著作権はさるおさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
何となく文を書いていて、書きながら考えて作りました。また、感想を宜しくお願い致します。ご指摘がございましたら、遠慮なくお教え下さい。
この作品に対する感想 - 昇順
拝読しました。老人の僕による妄想若しくは思い出ってとこでしょうか。題名から言えば前者か。と言うか、最初の三行は要らない気もします。何より短過ぎて読後残らないと言うのが本音です。失礼な事を書き込みました、気に障ったら謝罪します。できるならさるお様の構成などを練った纏まった作品を読みたいですね、連載ものとか。次回作に期待しております。
2005-06-11 00:59:30【☆☆☆☆☆】京雅
初めまして。正直に言うとあまり面白くなかったです。
え?これで終わり?って感じでした。行き当たりばったり感が否めない。
やはり考えながら書き込んでいたからですかね。推敲とかほとんどしてないんじゃないでしょうか。さるおさんの本気に期待しています。
2005-06-11 11:11:31【☆☆☆☆☆】ペプシ飲み屋
羽堕です(o*。_。)o読ませて頂きました♪短くは感じましたが、楽しく読めました(*ノノ)オチは、不幸な話も織り交ぜることによって、解りにくくなってはいたのですが、やっぱり少し想像ついてしまったので、でも実は本当だったって感じで行くと良かったかもと思います( ̄∇ ̄*)ゞって私の考えは単純ですね、ごめんなさい(ノヘ;)本当に短ければ、短いほどオチって難しいと思います( p_q)では次回作、頑張ってください(。・_・。)ノ
2005-06-11 12:29:15【☆☆☆☆☆】羽堕
初めまして。読ませて頂きました。
少々短めの小説ですが、ストーリーにはグッ、と引かれるものがありました。
題名の意味も気になるところです。次回作も期待してます。
2005-06-11 15:00:11【☆☆☆☆☆】蒼眼
はじめまして。すごくスラスラと読めました。感情を表した言葉がなくて、すごく淡々と文章が進んでいくのが、心地よかったです。次回作を楽しみにしております。
2005-06-12 03:32:56【☆☆☆☆☆】風間 リン
計:0点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。