『ずっと君を見ているよ』作者: / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
全角1143.5文字
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原稿用紙約2.86枚
「ずっと君を見ているよ」

そう書かれた一枚の紙と、何もない部屋。
何日前から其処にいるのだろう。
三度の食事は気づくと置かれていて、トイレや風呂も初めは見られていると思うと恥ずかしく、我慢していたが、一回入り、二回入りとやっていくうちについには慣れてしまった。

何不自由ない暮らしだが、いつまでも此処にいるわけには行かない。
今まで逃げようと、色々考えてきたが無駄だった。
扉もない、窓もない、そんな部屋の壁を抜け穴がないかと叩いたり、実は床に扉がないかと調べたりしてはいつも諦めていた。


しかし、いつまでも此処にいるわけには行かないのだ。
それには変わりなかった。

今日と言う今日は出てやる!そう決意すると、いつものように腹が満たされて体力のある食後に床や壁をくまなく調べだした。

ドンドン!ドンドン!ドンドン!ドン、ドン!ドン、ドン。ドン…
壁を叩いて数時間…もしかしたら分かもしれないが嫌気が差してきた。叩く手の力が抜けかけて…いけない!今日は脱出するんだった!ハッと我に返り、首をふってからまた壁を叩いた。

それを繰り返し、今度こそ諦めそうになった瞬間。

ゴンゴン

「あれ?」思わず声に出して言ってしまった。
もう一度壁を叩く。ゴンゴン。明らかに音が違う。

抜け穴に違いない!脱出できるんだ!

歓喜の声を上げ狂ったように食事用のナイフで其処を掘り出した。

そんな日が続いて数ヶ月、先に抜け穴があると思われる部分の壁に掘った穴はだいぶ深く、大きくなっていた。

もうちょっと…もうちょっと…
そう自分を励ましては、血のにじむ手で握り締めたナイフで壁を掘った。

ガッ…。

壁である最後の部分がなくなったらしい。其処に直径二?程度の小さな黒い穴が開いた。
外からの光が降り注ぐと期待してた私には予想外だった。

とりあえず穴の先を見ようと穴に目を近づけた。

先は真っ暗だった。

外はどんな感じだろう。外に触れてみよう。私は穴を広げようと穴にナイフを突き立てた。


「ぎゃっ。」


ナイフでほじろうと思った穴から赤い液体と、卵の白身みたいなのがどろりと出てきた。
「痛いなぁ。」
穴の先から声が聞こえた。
ナイフの先をぼんやりと見る。明らかに生き物の眼球に刺さったらしかった。
暗い穴だと思っていたのが、壁の向こうの誰かの黒目だったのだろうか?
じゃああの目は…あの目の主は…ずっと…

「君を見る大切な目が片方駄目になっちゃったじゃないか。」

赤く染まった目がぐちゅりと瞬きした。

「言っただろ。ずっと君を見てるって。」
2005-05-21 00:08:31公開 / 作者:I
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■作者からのメッセージ
グロ描写が少し入りました。すみません。

相変わらずホラーです。

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この作品に対する感想 - 昇順
んっ?むっ?読解力に劣る私には概要が掴めなかった……すみません。最初は部屋自体が「見てる何か」だと思っていたのに、ナイフで掘り進んで、目玉の一つが無くなって……それまでどこから見てたんでしょうかね。うーん、愚かな私には難し過ぎた。次回作までには読解力を鍛えておきます。
2005-05-20 21:31:36【☆☆☆☆☆】京雅
その引き金を引いたのは俺だ!←意味が不明。
失礼いたしました。読みましたぁ〜♪はじめまして。姫深です。
こわっ!!想像してみると絵を思い描くとかなりやばいです。というかグロイ…ホラーは私は苦手なんですが読んでしまったので…感想を。SSではもったいないというか知りたいなぞが多いですね。次回作品を期待しています。
2005-05-20 21:56:07【★★★★☆】姫深
何と言うか、簡単に言うと「惜しい」です。例えば、壁に目がついていて、そこをいじって「ぎゃっ」なら分かるのですが、壁の向こうとなると透視眼でも持っていたのでしょうか。
余談ですが、文頭は一マス空けたほうが。でも一文で一行だと意味ないか……(ブツブツ)
あと、ゴンゴンとか効果音だけの文っていいんですかね。そこら辺が未だに曖昧なんですよ。私は。
色々言いましたが発想はよいと思います。次回が楽しみです。
2005-05-20 21:59:39【☆☆☆☆☆】ずっぽぱ
「リスの檻」ですか? あっちは哲学的展開になりましたけど……感情を排除した作品に感じ、うまく言えませんが作品の世界に上手く乗り切れませんでした。では、次回作品を期待しています。
2005-05-20 23:04:07【☆☆☆☆☆】甘木
うーーん。と悩む貴志川です。
なんだか文章自体は普通なのですが、最後のオチがどうしてもわかりませんでした。俺も京雅さんと同じで、部屋自体が(以下略)とおもっていたのが、最後のオチで逆に混乱してしまいました。うーん、つまり目は壁の向こうにあったのか? そうなるとどうやってみてたんだろう? 壁自体が目とか? と思いましたが、それでも見えることはないので。
それにオチから逆算してもやっぱり食事が置いてあるとか、その辺りの矛盾がわからなかったです。まあ、オチ事態わかってないアホウな貴志川ですが【汗
では、ながながと失礼しました。
2005-05-20 23:37:17【☆☆☆☆☆】貴志川
ちょっと修正しました…と言ってもほとんど代わっていないのが現状です
(ーへー;)
「壁の向こうに何かがいてずっと主人公を見ていた」って内容にしたかったんですが…
2005-05-21 00:10:28【☆☆☆☆☆】I

 うぃ、こんばんは、初めましてですね。
 んーまー。なんというか……。あえて修正前にレスをいれずに、修正後と比べてみましたベルですが(苦笑
 はいまあ……。修正すべき場所はソコディスカッ とちょっと心の中で突っ込んでみたり。暗い穴、もっと序盤にも中盤にも出現させた方が良いんじゃないですか? 壁のそこら辺りとか、天井とか。床とかに。そうすれば最後の主人公の心情「じゃあ、あの眼は…」のところにも説明つくと思いますけど(苦笑
 うんまあ眠たいので批判はこれまでに…。えらそうにすみませんでした…。ではではー
2005-05-21 00:15:52【☆☆☆☆☆】ベル
読ませていただきました。う〜ん、矛盾があると思われますが大丈夫!最初はみんなそうです!・・・・(私だけかな? 経験一番!頑張りましょう!しかし読んでるとやはり怖いですねぇ。敵は壁の向こう成り!失礼。しかし見られているというのはとてもいやですねぇ。これ読んでるとなんだかどんどん怖くなる・・・・・・。次回作はこれよりも怖いホラァを期待してみたり♪またホラァもあれか・・・・・・。まぁとにかく次回作品を期待しています。どもでした〜♪
2005-05-21 01:13:22【★★★★☆】チェリー
初めまして、菖蒲と申します。
意外な結末です。一体女の子、もしくは女性はどうしてこんなことになってしまったんでしょうか?気になりますねぇ…というか彼女がいた場所は目玉から見て何かの内側だったのか、それとも外側に目玉がいたのかがわかりませんでした。壁をぶち破ってから呆気にとられた様子が想像できましたです。
2005-06-15 16:14:54【☆☆☆☆☆】菖蒲
計:8点
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