『「連続無差別殺人事件ー1〜4」 』作者:ちゃーしゅうめん / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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「東京無差別殺人事件1〜4」

3「脱出計画」
 妹との面会時間も終り、俺は再び牢屋の中に戻った。だがさっきまでの暗い表情とは違い、生き生きとした表情で目も輝いていた。俺はもう死なない。無罪を主張し続け、絶対に妹の家に帰る。妹ともそう約束した。もう死の恐怖なんかない。だが世間では連続無差別殺人犯ともネーミングがついている俺を、無罪と言うのは難しいかもしれない。そもそも、もう裁判は俺が死刑と言うことで終ってしまった。このままだと俺は死刑で死んでしまうのは時間の問題だ。
 考えろ。何か言い方法はないのか。俺が死刑にならなくてもすむような、いい方法を・・。俺は、無意識に頭の中に逃亡と言う文字が頭をよぎった。逃亡してすぐつかまったら、死刑期日が少なくなるのは分かっている。だが、逃亡してなにか真犯人を見つけなければ俺の無罪は無い。
 「逃亡しかない」俺は心の中でそう呟いた。もう頭の中には、収容所の脱出計画を作っている。前回言ったように、牢に設置された防犯カメラは24時間俺を見張っている。脱出は難しい。まてよ、防犯カメラを逆に利用するんだ。ケガをしたように見せかけ、牢を開けてもらい、その隙に脱出する・・・。いや、無理だな。逃げたところで奥にいる、警察が俺を囲み捕まる。そして、死刑期日が短くなるのが落ちだ。だったら、火災でも起こすか。いや無理だ。火を起こせるような物もないし、そんな光景をみられたら真っ先に警察が駆けつけてくる。大体、収容所を脱出した例も無い。いや、完璧なはずが無い、ただ例がないだけだ。絶対何処か、見落としている部分がある。その部分を見つけるんだ。そうすれば、脱出は出来る。
 その時、車の音が外で聞えた。そして俺は小さな窓でその車を見た。車は、食事の材料を運ぶトラックだった。
「そういえば、外には防犯カメラが付いていなかったよな」俺は心の中でそう呟いた。外にはカメラが付いていないが、高い壁があり、さらに壁の端についているセンサーに当たったら警報ベルが鳴ってしまう。唯一外に出ることが出来る時間は、自由時間といって自分のお金で食べ物(果物やお菓子)が買える時間があるが、当然その時、外には沢山の警察がいる。やはり、外に出るなら夜しかない。
 ある時、俺はこの収容所では囚人達に労働をさせるために鉄パイプや、スパナ作業をやるところがあることに気付いた。そのスパナで、城壁を上るためのはしごを作ることが出来るかもしれない。
 俺の計算は早稲田の一流品だが、まず必要なのはやはり人手がいる。人手ぐらいは、なんとかなるだろう。この収容所には「でたい」と思う人は沢山いる。その中から、残り11ヶ月かけて有数のエリートな犯罪者を見つければいい。単に、罪が重いからといってその犯罪者がエリートではない。むしろ、銀行強盗のような泥棒やインターネット関係の犯罪者の方が良い。
それから一ヶ月がたち、俺の脱出計画は完成した。

 「計画は、完成した。これから、最も重要な人で探しだ」
自由時間になり、俺は外に出た。今すぐにでもこの城壁を登り脱出したいが、今はその時ではない。早稲田大学のIQと頭脳をふんだんに使って出来た俺の頭の中にある計画は完璧だ。
 刑務所内の囚人は俺の噂も大きいが、裏社会で生きる泥棒や悪質犯罪のした噂も大きい。結構エリートな犯罪者は噂により簡単に見つけられる。俺が目をつけた犯罪者は全部で4人いる。一人目は、熊谷銀二31歳。銀行強盗として名を知らした有名強盗。だが、信用していた仲間に裏切られ身元が分かり、逮捕された。二人目は、阿久津 義明28歳。インターネットのプロだ。昔は、偽造ホームページで詐欺をやっていたのだが、だんだんエスカレートして銀行を中心に活動し、お金を盗み始めた泥棒。3人目は木村 勇人29歳。詐欺のプロ。その手口は凄まじく俺の見つけた4人の中で一番お金を持っていた男だ。その手口はすごいが、お金のために何人もの女をとりこにした男だ。4人目は、村島 弥生18歳。爆弾娘と裏社会で言われた女。コンピューター関係も苦手で、全て爆発させている。頭脳は無いが、爆弾の技術はすごい。この4人を俺は目をつけた。
2005-04-23 18:20:09公開 / 作者:ちゃーしゅうめん
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■作者からのメッセージ
なんとか、話をつなげました。
この作品に対する感想 - 昇順
まだ読んでいないのですが、前回の分に更新されたほうがいいのではないかと。
2005-04-23 18:51:43【☆☆☆☆☆】京雅
続き読みました。まずは京雅の指摘されるように前回分に更新しましょう。ところで主人公の刑を死刑から無期懲役ぐらいに変えませんか? 日本では死刑囚の共同作業はありませんし、仕事も(役所にお願いして行う請願作業と言います)独居房内で行われる軽作業だけです。運動場で他の死刑囚と一緒になることもありません。テレビ(週に2、3回見られます)も独居房内で一人で見ます。また、各部屋には監視カメラの他に集音マイクもついているので死刑囚同士の会話もモニターされています。冷たい言い方ですが、日本の死刑囚を主人公にするなら大前提から崩壊していることになります。もし、脱獄の話を書かれるのならデニス・リーマンの『囚人同盟』(光文社文庫)が刑務所の雰囲気をよく描いています(著者自身が武装強盗罪で終身刑で服役中です)。参考にお勧めします。長々と書いてすみませんでした。
2005-04-23 22:27:57【☆☆☆☆☆】甘木
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