『002』作者: / V[g*2 - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
全角2100.5文字
容量4201 bytes
原稿用紙約5.25枚

002
わたしはそう呼ばれてた。
ただ、002って。ゼロゼロニって。
すこし、『いらいら』して。
手が上にあがって。
ふっと下におろされて。

わたしは、002じゃない。

そう言いたいだけなんだと伝えたくて。
自分が真っ赤になったときは、なぜか、
眼から水が

「う、わあああああああああ!!」

すこし、いらいらして。

「002、やめろ・・・!」

上にあげて下におろすと、どうなるのかわたしは知ってる。
うん、うん。
なんかさ、コレけっこう楽しいな。

「がっ…」

そこらじゅうに人形がたおれてた。
ぜんぶ、赤い。
なんでだろ。なんでだろ?

眼から水が。

----------------------------------------------------

ぽちょん。
「あ、水」
わたしは、噴水のところまできた。
まわりはまっくらだった。何でだかは知ってる。夜っていうの。
「なんで、こんな赤いんだろ」
そういいながら噴水の中に入った。
じゃばじゃばと体を洗う。
服は、邪魔なのでぬいだ。
その服から、染み込んでいた赤いものがでていく。
水が赤くなっていく。
「…あれ?」
ピリ、と体がうなる。
「い…」
痛い!!
突然、まわりが明るくなった。
「002、お前は包囲されている!」
まぶしい。上が赤く光った車が、いっぱいあって。
囲まれている。
それよりも。

また、002って、ゼロゼロニって、
「言った…」
噴水からでた。走って、その人のところへ。
「な、なに…!?」
あなたも、赤くする。なんでだろうね?
あなたたちは、手を上げて振り下ろすと赤くなって。
人形になる。

ぶしゅ、って音が、心地いい。

「…はぁ、はぁ」
すごくいらいらしてたから、息がきれた。
また、人形が。
何だろう。
『記憶』のなかに誰かいる。

“002、おまえは、ほんとうは”

あのひとは、なにかいってた。
なんだっけ   なんだっけ
メガネが似合ってて、白い服を着てて、
なにか紙をもってた。
紙の名前は、
ショルイ?
わたしの物だっていって、みせてくれた。

「002ーーーーーーーーーー!!!これで、死ねェっ!」
爆弾が投げられた。

コナゴナニ、ナッタ。

「やったーーーーーーーー!!!」
「おい、アイツもう粉々だぜ!?」
「やっと壊れたか!」

マタ、メカラミズガ。

「早いとこ処理しようぜ。」
「ああ、また動いたら大変だ。」

“002、おまえは、ほんとうは”

『ショルイ』には、
 
みう、ミウ、深胡・・・・。

って、書いてあったの。

みうって。

“002、おまえは、ほんとうは”

“深胡っていう名前があるんだ。”

ああ、そうだ。そういってた。あのひとは。
そういったとき、あのひとは
眼から水が。

「おい、こいつ、目から…」
「これは…」

わたしのなかには中と半端な知識しか入れられてなかった。
あのひとが入れなかったらしい。

“お前に、必要ない言葉は入れないからな”

水を流しながら誓ってた。

“ごめんなぁ、お前を作ってしまって”
“感覚まであるなんて…”

わたしは、あのひとの何なのだろう?

“でも、いつでも泣くことができるようにしておくから”

“素直に感情がだせるように”

感情?感情だって。
わたしにそれがあるらしい。

“お前の中のコアがやられると、もう何もなくなる”
“お前は、いなくなるんだ”

わたし、できたときのことおぼえてないよ。

“こんな発明を私情でしてしまった私は、バカだ…!”

あのひとからもっと水が出た。
なんだろう。わたしも同じ気持ちになった。

“深胡、ごめん”

その時何人かの人がきた。
わたしは連れていかれる。

“さよなら”

なんだろうね。最後のあのひとの言葉がすごく大きかった。
…違うの。小さかった。聞こえた。
そして余計あのひとと同じ気持ちになるのがわかった。

「気持ちわりぃな、こんな機能ついてたのか」
「涙だよなこれ。なんで今でるんだよ」
「知るかよ。ぶっこわれちまったからじゃねーの」

冷たい言葉は、欲しくなかったけど。
しょうがないの?





…おとうさん。



もう消えちゃうよ。
最後に何か話したかった。
ずいぶん前にたくさん話した気がする。
でも突然離されちゃったんだ。
気づいたら道路が目の前にあったんだ。

また目覚めたらあなたがいたの。

あいたい。


あいたい。


あいたい。


あいたいよ。


-----ポッ-----


ナミダの最後の一粒をこぼして、002はゴミとなった。









END
2005-03-29 18:38:22公開 / 作者:茗
■この作品の著作権は茗さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
えーと、昔に作ったものをリメイクしました。
改行しすぎでしょうか…。
つたない文章でなにを伝えたいのかわからないと思いますが読んで下さった方、ありがとうございましたm(_ _)m
何かアドバイスをくださると嬉しいです。
この作品に対する感想 - 昇順
初めまして甘木と申します。作品読ませていただきました。確かに改行が多いです、改行が多すぎるせいでせっかくの文章がスカスカしている感が否めません。意地の悪い書き方をすると、場面(状況)描写すべき部分を、行開け行為(読者に想像させる行為)済ませている印象でした。話しがアンドロイド(?)の深胡が、あり得ない感情と子供のような無垢さを持ってしまったための、可哀想(?)な話しなのにもったいない。あまりにも読み手の想像力に頼りすぎているように私には感じられました。勝手なこと書いてすみませんでした。次の作品を楽しみにしています。
2005-03-29 21:55:54【☆☆☆☆☆】甘木
初めまして、読ませていただきました。んまぁ、甘木様が仰ってることが指摘なので、言う事は特にないです(マテ バッドエンドでしたが、文章の要領。それまでの過程が少なかったため、どうしても感情移入(同情?)ができませんでした。いいテーマだと思いますが、よく書かれるテーマでもあるので、その分良い物を期待されるテーマですね(笑 後味が悪い気がしましたが、短編としてまとまってはおりました。次回作も頑張って下さい!
2005-03-29 23:19:30【☆☆☆☆☆】影舞踊
初めまして、スズキという者です。早速ですが、感想を書かせていただきます。あまり知識が入れられて無い深胡の視点ということで、しょうがないのかもしれませんが、私ももう少し描写が欲しいなあと思いました。想像力は豊かな方なのですが、最後の方の展開は一瞬混乱してしまいました。えと、お父さんが事故で亡くなった深胡さんを何かで蘇らせたんでしょうか(違っていたらすみません)、それを何故連れていかれてしまうのかなー、と。思いました。読解力無くてすみませんm(- -)m。色々書きましたが、好きな感じでした。次も頑張って下さい^^
2005-03-30 00:16:28【☆☆☆☆☆】スズキ
どうもお初です。貴志川です。改行が多すぎるってのは省くとして、ちょっと「???」というのが多すぎる作品でした。なんというか、最初のほうは「ふんうん」と言う感じだったのですが、進むにつれて「……?」「…??」「???」となっていく自分……。あまりはっきりさせずに上手いこと考えさせるのは重要なことですが、これはちょっと描写や心理が(まあ、心理はいいのか)すくなすぎて、読者を置いてけぼりにしている感じがしました。ただ、アイディアはなかなかいいものがありますので、今後の活躍に期待しますね。
2005-03-30 01:22:37【☆☆☆☆☆】貴志川
甘木様>アドバイスありがとうございます。やっぱり改行が多いですよね。読み手の想像力に頼りすぎてる部分、確かにあったと自分でも思います。反省…。勝手なことだなんてとんでもない!どうもありがとうございました。
影舞踊様>要領悪いですよね、もっと過程を増やせばよかった…。自分の中で話ができすぎていたかもしれません。自分ではまとまりがないなぁと思っていたので最後のお言葉は嬉しかったです。ありがとうござました。
スズキ様>描写が少なくてスミマセン…。わかりにくいですよね。えーと、連れてかれたのは、発明品として素晴らしかったからです。深胡は機械として蘇ったのです。
(またわかりにくい言いまわしですみません)「好きな感じ」というお言葉でまた希望を持ちました。ちなみにスズキ様の読解力がないのではなく私の力不足です。ありがとうございました。
貴志川様>読者を置いてけぼりに…ということはやっぱりひとりで独走しすぎていたのですね、きっと。大事なアドバイスありがとうございます。今度はもっと?となくすようなものを作ろうと思います。ありがとうございました。
2005-03-30 16:12:37【☆☆☆☆☆】茗
こんちあ。初めましてですね。個人的にはこういう作風はとても雰囲気が出てていいと思います。でも一つだけ分からなかった点が。深ウ(002)は人造人間なのか? それともただの機械なのか? そこです。深ウの設定があまりにも朧朧にしか明かされず、物語の本筋が良く見えませんでした。
何かの発明を投入されたアンドロイドが脱走したストーリー、と受け取ればいいのですが、あまり読者任せな部分しか見えなかった、というのが本音です。
しかしそこを無視して読み進めると、なんだかジーンと来ました。感動というよりおそらくは……アレです(何 言葉で表現できない何かによってジーンと来ました(ぁ 欲を言うなら、最後の二行は正直いらなかったと思います。一人称で進めていったのに、擬音と神視点で描いたことで、せっかく出ていた雰囲気が台無しになった、と自分は思います。いやアクマで自分ひとりだけと思うので気にしないでくだせえ(無理
かなりお上手にかけているので、今度は状況描写をもっと細かく入れたらとても言い作品になります。断言です(何
ではでは〜
2005-03-31 10:50:24【★★★★☆】ベル
ベルさん>こんにちは、初めまして^^深胡は人造人間です。アンドロイドです。ただ、「できすぎてしまった」人造人間です。(あれ?もっとわかりにくくなった…?!)読者任せな部分が私の弱点のようです。最後の2行は自分でもつけようかどうしようか悩みました。つけない方が良かったですね〜。後悔。アドバイスとお褒めの言葉ありがとうございます。今度はもっと頑張ります。ありがとうございました。
2005-03-31 12:06:58【☆☆☆☆☆】茗
計:4点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。