『綺麗な物 1話〜最終話』作者:神月 凪唆(♀) / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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1話

「おはよう。亜季。」
「............おはよう。......皐月。」
「......朝から何そのテンポの遅さは。」
「............何が?」
「...もう良いよ。」
道端に咲く一輪の華。 少しだけ萎れてる。
いつもは見ない場所なのに 気になる。
その場所だけ 輝いて見えるから。

心の華

「そういえばさ今日って転校生が来るんだよね。」
「.........そうなの?」
「何か凄い格好良いらしいよ。」
「...............ふーん。.........興味無いけど......。」
今日は何故か皆が騒がしい。
そんな事亜季には関係無くて 亜季はこの毎日が退屈で仕方なかった。
(.........何がそんなに楽しいんだろうか。)
「じゃー赤瀬は橋本の隣へ行ってくれ。」
(.........赤瀬か。.........女?男?......どっちでも良いや。)
櫂は一歩ずつ亜季に近付き隣の席に着く。
「これから宜しく。橋本さん。」
「..................宜しく。............名前...何?」
「俺は赤瀬 櫂だよ。」
「.........ふーん。......男だったんだ。.........」
「はは橋本さんっておかしな人だな。」
亜季は感じた。心の中の何かが咲き始めたのを。
「橋本さんの下の名前は?」
「............亜季。」
「亜季って云うんだ。可愛い名前だね。」
亜季は皆とは違う接し方に少し動揺しながら会話を交わす。
(.........私より......君の方が変だよ......。)
少しだけ顔が緩んだ気がした。

「亜季ー。御免今日残らなきゃ駄目だから一緒に帰れないや。」
「..............そっか。」
今日は雨。何となく嬉しい。
(............あの一輪の華............どうしてるかな。)
そんな事を考えながら歩き出す。
でも 今日は傘を持っていなかった。
亜季はその場に座って雨が止むのを待った。
「亜季さん。」
聞き覚えがあるような無いような声が後ろからした。
「...............誰だっけ.........。」
名前が出ず思わず聞く亜季。
「......残念だな。覚えてくれてないなんて。亜季さんの隣の席なのに。」
少し苦笑いをした彼は亜季の隣に静かに座った。
「.............あ。」
「思い出してくれた?」
「.........太郎君。」
「......太郎...。いや俺は櫂だよ。赤瀬 櫂。」
「.......そうそう。そんな様な名前だった。」
「き君は...。まぁ良いや。面白いし。」
ふっと笑う櫂の横顔が何となく嬉しくて。
ずっとこのまま肩を並べてたいと思った。
「雨...止んだね。」
「............うん。」
「.........一緒に帰らない?」
「............良いよ。」
また肩を並べて歩き出す。
「............あ。」
「何?」
「............華。」
「華?華屋はさっき通り過ぎたけど...」
「............違う。一本だけの華が..........咲いてるとこがあった...から。」
「そうなんだ。...見に行く?」
「.........うん。」
何となくあの華は綺麗に咲いてる様な気がする。
萎れかけてたあの華
もしかすると自分の心の中にある華なのかもって思った。
「咲いてるね。綺麗だ。」
「............うん。」
また顔が緩んだ。
「亜季さん......笑ったとこ始めて見た。」
「............は?...。」
(.........見られた.........。)
「はは亜季さんが笑った顔綺麗だね。」
やっぱり亜季の心の中には華がある。
そしてその華はだんだん開花していく。

2話

「いってらっしゃい。亜季。」
「...............行ってきます。」
いつもと違う様な違わない様な
何か起こりそうな予感がする今日は
特別に嬉しいのか嬉しくないのか。
自分でも分からない気持ちが溢れてて
でも出そうで出ないその気持ちは
ずっと自分の心の中で閉じこもったまま。

黒い空に浮かぶ虹

「おはよう。亜季さん。」
「...............おはよう。......えーっと.........。かか...。」
だよ。」
「.........そうそれ.........。」
「......なんか他の人にない独特の性格してるよね。亜季さんって。そこがまた良いとこだったり。」
(............良いとこ?............どういう事だろう............)
開花した亜季の心の中の華になにかが掛かった。
それが何なのかはまだ分からないけど
何となく気持ちが良くて涼しげがあるような。
「おーい櫂ーっ。屋上行こうぜーっ。」
「あぁ今行くよ。じゃぁね亜季さん。」
「...............うん。」
(.......あれ。何だろう.........。何か変...............。)
さっきまであった華の上に掛かっていた何かは
急に無くなって何となく華が萎れた様な気がした。
太陽が無い亜季の心の空は今日は雨。
「ねーぇ?亜季ぃ...。最近櫂君と仲良いんじゃないのー?」
「...............は?............。」
「うぅ............あんたさ好みのタイプとか無いわけ?」
「...............好み.........オムライス。」
「御飯の話じゃないわよっ!男の好みだって!」
「...............男には......興味無い.........」
「やっぱりね......どういう神経してんだか。」
(............こういう......神経.........)
もうすぐ授業が始まる。
心の中の華はもうすぐ元気になる。
もうすぐやって来る。あの人が。
「櫂ー。転校早々授業に遅れるなんて...どういう神経してんだ?御前は。」
「すいません。こういう神経です。」
「......早く座りなさい。」
「はーい。」
亜季は笑い掛ける櫂の顔を見て少しだけ笑った。
櫂の頬は赤らんだ。
(............真っ赤.........変。)
「亜季さん。顔赤いよ?」
「..................は?..................」
やっぱり今日は何か起こりそうな予感というのは当たっていた。
櫂と同じ。顔が赤くなった。
それがどういう事なのか。分からない。
でも一緒って何か良い。良いと思った。
そして心の中の華は咲き心の空に掛かっている何かは明らかになった。
七色に輝く虹。
今まで暗闇しかなかった亜季の心の中は
だんだん輝き出している。
「わぁ虹っ!!」
「本当だ!しかもちゃんと半円になってる。」
「始めて見た...こんな綺麗な虹...。」
クラスの皆が立ち上がって授業なんかそっちのけで
目をきらきらさせてるから気になった。
そんなに綺麗な物なのか。見てみたい。
「亜季っ!見てみなよ!綺麗だよねー...。ってあんたに云っても何も興味示さないよね...。」
「..................綺麗だね............虹。............。」
「.........はっ?!今なんてっ......居ない.........。」
「亜季さん。虹見えた?」
「............うん。........綺麗だった。」
「そう。じゃぁ俺も見てこよう。」
「...............」
窓から虹を覗く櫂の後姿は良かった。
少し寒い風に吹かれて靡く髪。
友達と笑いながら話す横顔。
虹と同じ様に綺麗と思った。
亜季の心の中に飛び切り大きな虹が掛かった。
それを知るのは誰も居ない。

3話

今日は待ちに待った修学旅行。
大きな鞄を持って何故か現地集合。
亜季は顔には出さないだけで
心の中はうきうきだった。

誰かの心

「よーし。皆集まったか?」
「先生ー。亜季が来てませーん。」
「...またあいつか...。」
「先生ー。亜季が来ましたー。」
「っ橋本ーっ!御前は何処をほっつき歩いてたんだっ!」
「...............鳥が............。」
「鳥?」
小さな小さな亜季の手のひらには怪我をして衰弱しきってる鳥の姿があった。
羽の骨が折れているのか片方の羽しか動かない。
苦しそうに鳴いている。
「そんなものほかっておけ。もうあっちの人を待たす様な事をして...。」
心の中に痛い物を感じた。とてもとても痛かった。
教師の冷たい言葉が亜季の心を突き刺した。
何か嫌だった。
「何をやってるんだ橋本。早く捨てて来い。」
「............嫌だ。.........」
「何を云ってるんだ。もう時間が無いんだ。御前が捨てないなら先生が捨ててくる。」
教師の手が亜季の手に触れたとき教師よりも自分の手よりも温かい手が触れた。
「いい加減にして下さい。まだこの鳥は生きてます。捨てるなんて可哀想じゃないですか。」
大きな温かい手は亜季の手と鳥を優しく包んでいる。
(..................櫂...............)
「じゃぁどうしろと云うんだ。御前が預かるとでも云うのか?」
「は?何を云ってるんですか。近所の人に預ければ良いだけの話じゃないですか。
そんな事も分からないんですか。教師のくせに。」
櫂は鳥を片手で優しく包み込み亜季の手を引っ張った。
「............ねぇ............。」
「何?」
「..................有難う。」
「............」
少しだけ見える櫂の横顔。真っ赤になってる。
「..................何で赤くなってんの?」
「...煩い...。それに...生き物が死ぬのは嫌だからね。」
「...............うん。」
櫂は大きな手で亜季の小さな手を強く握った。
旅館に着いて班ごとに分かれる。
亜季は偶然にも櫂と同じ班。
亜季は副班長を務める。
何でこんな奴がと思うだろうが成り行き的にこうなった。
何せ班長が櫂なのだから。
「亜季さんは写真を撮るんだよね。」
「..................うん。」
「亜季さんが興味を示した物で良いからいっぱい撮ってね。」
「............興味。」
「そう。」
亜季はじーっと櫂の顔を見てカメラを構える。
「えっ?俺撮らなくて良いよ。」
「............横顔が............」
「横顔?...まぁ良いや早く行こう。」
亜季にカメラを持たせると櫂の横顔ばかり撮ろうとするから
代わりの人に写真を撮ってもらう事にした。
そして夜。
「そういえば此処ってテレビ見れるんだよな?」
『只今の時刻11時28分。未だ犯人は○×旅館に立て篭もっているもよう。
旅館の主人と中に居る総勢30人の生徒達を人質にとり
車と100万を要求しています。』
「.........え。○×旅館って...此処じゃん......。」
「...って事は何。俺たち人質にとられてんの?!」
「馬路かよーっ!!」
きゃーきゃー騒ぎ出す生徒達は気にせず
亜季は横になっていた。
「ねー亜季。うちら人質にとられてんだってー。」
「..................ふーん。」
「ふーんってあんた...こんな時までそのテンポの遅さやめてくれないかな......。」
下の方から誰かが登ってくる音が聞こえてくる。
きっと犯人か旅館の主人か...。
「てめぇら!静かにしろ!...殺されてぇのか...。」
犯人だった。
「...こんな事してどうなるって云うんだ。何が目的なんだ。」
そう云い出すのは櫂だった。
(............櫂....危ないよ。...犯人.......包丁持ってんのに............)
「うるせぇっ!...御前から殺してやろうか......一人くらい死んだって...。」
犯人が櫂に包丁を突き刺そうとした。
亜季には何故かスローモーションの様に見えていつの間にか駆け出してて
櫂の前に立ってた。
大切な人だと分かってるから。死なせてはいけない存在だと分かってるから。
この人だけはずっと生きていてほしいと思ったから。
目の前が 真っ暗だ。

4話

「..................っ」
(...............ちょっと......痛いかも.........)
「嘘...っ。亜季...?!亜季ぃっ!!」
呆然と立ちすくむ櫂の顔も
だんだん見えなくなって...。

夜空の星達

「な...亜季...さん...。」
痛いのなんて一瞬だった。後は何も感じない。
このまま死んでいくんだ。頭の中が黒か白か分からない色に変わっていく。
心の華はもう枯れていた。
「...な...俺は...俺は殺すつもりなんか.....。」
駆け出す犯人を見向きもせず櫂は亜季を抱き上げ亜季の頬にそっと触れる。
「...あ...亜季さん...亜季さ....ん...亜季...亜季ぃっ!!」
何度も自分の名前を呼ぶ声が遠くの方で聞こえる。
このまま逝ってはいけない様な気がして。
何かまだ云い残してる事がある様な気がして。
心の華はまだ生きたいと鳴いている。
櫂も 泣いてる。
「亜季...何でだよ......俺の事なんか......亜季...。」
櫂の涙がぽたぽたと亜季の頬に落ちる。
「..................まだ生きてんだけど................」
下を向いていた櫂は目を見開いて亜季を見る。
そこには苦し紛れにも目をこじ開けて必死に櫂を見ようとする亜季の顔があった。
「亜季......。君...痛くないのかい...?」
「...............痛いよ.......血出てるし............何か......遠くの方で....櫂の声が聞こえたから。」
「....初めて...俺の名前云ってくれたね......。」
涙を拭い笑う櫂の顔が少しぼんやりとして見えるけど
これだけははっきり分かる。
自分の心がだんだん温かくなるのを。
「................そんな事より.........病院...。」
「...そそうだったっ!!救急車っ!!」
大慌てで旅館の主人の元まで走って行く櫂の姿を見届けてから
亜季は横になった。そして病院へ運ばれた。
カーテンを開けて夜空に浮かぶ星を眺める。
櫂も同じ星を見てるのかな。
同じ物を見るということがこんなに嬉しくて
温かい物だなんて始めて知った。
「亜季さん...大丈夫かな...。」
そっと窓を開けて夜空に浮かぶ星を眺める。
小さくても光り輝く星達は何故か今日だけとても綺麗に見えた。
「寒い!櫂っ!早く窓閉めろよっ!」
「わわりぃ...。」
そして修学旅行も無事(?)終え学校生活が再び始まる。
「あぁ!亜季!もう大丈夫なの?!」
「..................うん。」
「入院してもその話し方は変わらないのね...。」
「亜季さんっ!!」
「あ櫂だ...。じゃぁ私先行くねっ!」
「亜季さん......ももう大丈夫なの?...」
「...............うん。」
(...............走って来なくても......教室で会えるじゃん......)
「............ぷっ.......。」
「...今...笑った...?」
「...................遅刻するから.........早く行くよ。」
自分でも分かるくらいに顔が熱くなってる。
こんな気持ちは初めてだった。
むしろ感情を持つという事自体始めてだった。
櫂のおかげでこれからの人生が変わりそう。
「亜季さん待ってーっ!」
(..................頼り無さそうだけど.........良いな。......こういう人。)
入院してる時願った。
病室から見た流れ星初めて見たから願った。
いつまででも輝き続けてと。輝き続けるのは当たり前かもしれない。
でも亜季にとってはどうしようもない事でも大切な事。
そこが亜季の良いところ。

最終話

「亜季さんっ!」
「.....................何。」
「.........は話があるから......放課後......近くの公園...来てくれないかな。」
「................別に良いよ。」
いつもと違った表情をした櫂は
いつもと違う髪形をして
いつもと違う人みたいだった。

瞳に映る大切な人

「...はっ?!櫂に呼び出された?!」
「..................うん。」
「...はっはーん。さては櫂の奴...。」
「...............何。」
「ん?ううん?何でも無いよ?まぁ頑張って?」
「.....................意味が分かんない。」
本当に何でも無いのかあるのか。
そんなの亜季には関係無くて少しずつこの毎日が楽しくなってきそう。
だんだん心が見えてきそう。
放課後公園に行くとブランコに櫂が座っていた。
(...............一人でブランコ?)
「あ亜季さんっ。」
「..................話って何。」
亜季には聞こえた。
顔を赤くして下を向く櫂の胸から鼓動が響くのを。
緊張しているのか手足が震えてる。
櫂の目は亜季を見たり下を見たり。目が泳いでる。
「..................ねぇ。」
何も云い出さないから云ってみた。
櫂は体を震わせて意を決したかの様に
真剣な眼差しでこちらを見てくる。
「ああの...。俺...俺......っ!」
「ママー。ブランコ乗りたーい。」
「今お兄ちゃん達が乗ってるから後からにしましょうね。」
「嫌だーっ!乗りたいーっ!」
「..................降りてあげなよ。」
「...へっ?あうん。」
少し恥ずかしげに立って小さな子供に謝る。
やっぱり真っ赤な顔は変わらなくて。
あそこで話そうとベンチを指差した。
「........................で話って?」
「...うん。...俺...亜季さんの事...好きなんだ。」
「.........................ふーん。」
「...ふーんって...。」
「...............どの辺が?」
「...分かんない。...でも好きって気持ちは分かってて。
...何となく良いなって思ったんだ。だから...
だから...付き合ってもらえないかな...。」
「.....................。」
「亜季さん?」
「............一緒って良いよね。」
「へ?」
「...............私も......同じ事考えてた。何となく.........良いと思った。
「好き」ってなんなのか分からないけど..................「好き」ってこういう事なんだなって。」
「...じじゃぁ...」
「..................良いよ。」
「...ややった...。やった。やったーっ!!」
今日の空はいつもより大きく見える。
雲も綺麗。櫂もいつもより綺麗に見える。
嬉しさでいっぱいの櫂は何回も飛び回って
子供に笑われて照れながらも喜びながら。
つい笑ってしまった。
「はははっ...............。」
「......はは...あははっ!」
それから二人は子供たちが居なくなるまで話して
笑い合った。
こんな気持ち初めてだった。
今までにない温かい気持ち。
亜季の心の中には心いっぱいの華が咲いてる。
大きく咲いてる。
心の空も太陽も輝き続けてる。
今の櫂も亜季もとっても綺麗。
貴方にとっての綺麗な物は何ですか。
2005-02-26 20:24:57公開 / 作者:神月 凪唆(♀)
■この作品の著作権は神月 凪唆(♀)さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
初めての投稿です。
読んでくれると嬉しいのですが...。
この作品に対する感想 - 昇順
拝読させて頂きました。私にはもうすり切れてしまった感覚の文章を読んで何となく郷愁じみた気持ちにさせられてしまいました……同時に自分が随分と世馴れして薄汚くなっているのを突きつけられた気持ちです。戯れ言はこれくらいにして、お節介かもしれませんがアドバイスを。文中に出てくる「......」は「……」と中央にある形にした方がいいと思います。最初は亜季のダウナー的な性格を表すため、わざとやっているのかと思いましたが違うようなので……この形で何かの応募に投稿された場合、第一段階で落とされる可能性もありますので気を付けたほうがいいと思います。文中に出てくる「華」なのですが、綺麗な字面だとは思いますが多用しすぎな気が……1991年のスウェーデン映画『ヨーロッパ』はほとんどが白黒画面なのですが、印象づけたい部分だけがカラーになるのです。例えばバラの花とか列車の非常停止装置のレバーとかだけに色がつきます。私がこの映画を観た時、それが非常に印象的だったことを覚えています。分かりづらい例えで悪いのですが、その映画のように神月さんの作中に出てくる「華」を通常表現では「花」として、最後の心の中の「はな」だけを「華」と強調して、読み手に印象づけるのも一興かもしれませんね。長々と一人勝手なことを書いてしまってすみません。次回作を期待しています。……ところで、亜季って中学生? それとも高校生?
2005-02-26 21:36:52【☆☆☆☆☆】甘木
ちょっと指摘っぽい感想が多くなってしまいますが。まず描写が少ないと思いました。物語の舞台のイメージを読み手にがんがん植え付けて良いと思うので、教室の様子や宿の絵、病院の雰囲気をもっと描写して良いと思います。
 「……」というのはセリフとセリフの「間」や、セリフを言い終わった後の微妙な空気を表わしているのだと思うのですが、「……」をちょっとした説明を加えた上で地の文に置き換えてみてはいかがでしょうか。
 というのも、登場人物の性格や他の人物との兼ね合いで、「……」が持つ意味合いは全く変わったものになり、作中では登場人物達の性格や他の人物との兼ね合いがしっかり説明されていないと思うからです。
 最後に、ちょっと包丁で刺される展開はおかしい気がしました。それまでの雰囲気と合っていない気がします。
 と、こんな感想でよろしかったでしょうか。失礼します。
2005-03-01 10:51:51【☆☆☆☆☆】メイルマン
計:0点
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