『マニアあーんどオタク』作者:弥由姫 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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 一話

 さゆり、14歳。
 苗字なんてどうでもいい。それが私の名前で、『仲間たち』や『彼氏たち』の携帯にはその名前で登録されていて、戸籍もその名前で入っていると思う。
   

 ずっと前からそう呼ばれて、私も、『私はさゆり』と認識しているから、それでいい。

  明日、2時にファミマ集合♪
『仲間』の1人からメールが届く。
すぐに了解の返事を送り返す私がそこにいて、寂しくはないけど
「こいつは本当に私を心から誘ってるのか」と聞きたくなることがあった。

 友達らしい友達がいない。一緒にいる皆は『仲間』であって友達ではない。すぐに捨てれるし、捨てられる。

 1ヶ月くらいぶりに学校に行ってみた。
皆私をめずらしそうに見てくる。授業は、教科書を覗きながら話を聞いていたらなんとなくわかった。
 勉強は昔からできたけど最近はサボってて、私の頭に期待していた両親も今は別居状態。

    幸せなんて思わない。
      思えない。


「さゆりちゃん」


「・・・ん・・・」
さゆりは寝ていた。数学の長い時間が過ぎていて、横の席の美紀がゆすって起こしていた。
「さゆりちゃん・・・」
美紀はまたさゆりを呼びながらゆする。
「何・・・?」
 朝方まで遊びまわっていたさゆりはとてつもなく眠かった。眠いときは寝る。それがさゆりの生活だ。
 イキナリ起こされたさゆりは美紀を睨んだ。
「あ、ごめん・・あの先生が呼んでたよ・・・」
比較的静か、というか普通の人という感じの美紀は少し戸惑いながらさゆりにいった。
 さゆりが気が付いたときには数学の時間は終わっていて、周りは帰ろうと身支度をはじめていた。

「・・・家には帰っているのか」
担任の一言。
「ハイ」
単調なさゆりの言葉。
教師の言うことなんて聞いてはいないさゆりはすべての言葉を聞き流し、すべてハイと流している。
「学校は楽しいか」
「ハイ」
「授業はわかるのか」
「ハイ」
「悩みでもあるのか」
「ハイ」
「何だ、相談にのるぞ?」
「ハイ」
「・・・・。おい」
「ハイ」

「・・・・」
「ハイ」
「・・・おまえ、美術部に入ったらどうだ?」
「ハイ」
「入るのか!?」
「ハイ・・・・ってえぇ!?」
流石にさゆりも戸惑った。99%聞いていなかったが残りの1%がここでようやく働いたのだ。


2005-02-18 23:33:12公開 / 作者:弥由姫
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■作者からのメッセージ

あーなんか、実話をもとにって感じです(´∀`)ノ
この作品に対する感想 - 昇順
初めまして、読ませていただきました。「友達」よりも、「仲間」のほうが格上のような気がする影舞踊です(笑 携帯に入れられている名前。確かにその人の名前になってしまうかもですね。実際この人のフルネームなんだっけ? みたいな事もありますし(笑 突き放した感じの文章が読みやすかったです。物語のタイトルがどのようにかかってくるのかも楽しみにしておりますので、次回の更新も頑張って下さい。
2005-02-19 02:13:45【☆☆☆☆☆】影舞踊
弥由姫さんが、どんな小説を読むのか気になり読んでみちゃいました。自分はこの小説の書き方が好きです。会話が多いと、読みづらいとよく周りの友達に指摘されちゃいますが…自分は会話が多いのが大好きです。それから、さゆりの言動に対する言葉がけっこう好きだなぁ〜と思い読みました。続きはどんなセリフが聞けるか楽しみにしてます。
2005-02-19 15:31:11【☆☆☆☆☆】トロヒモ
どうも〜♪読ませて頂きました。題名にかなり魅力を感じましたね〜。内容から察するにギャクもあるのかなぁ、と思ってみたり(笑)
とにかく続きが楽しみです!
2005-02-19 19:56:11【☆☆☆☆☆】朱色
計:0点
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