- 『正月痩せ ショートショート・ギャグ』作者:つん / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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原稿用紙約3.53枚
正月というものは実に、実に恐ろしい。
大晦日に接ぐごちそうがわんさか出てくる。
海老にぃ、カニにぃ、モチにぃ、お雑煮にぃ、御節♪
どれもこれも口に合う。
さすがに年明けを祝うだけあって美味なり。
そして求めれば無限の量がある。
ダイエットに専念する乙女にすれば天敵のようなものだ。
酷いときはカニとモチの掛け合わせで体重が一気に……。
うわ〜、おそろしい。
という訳で、今回正月を迎えるに当たって、私は新兵器を持ち出した。
それはヘルシア!
きょう日コンビ二でも買えてしまう、ちょっと高めのダイエット飲料である。
高校生の分際にちょっと高いのはキツイが、美を求める乙女の執念は恐ろしいものだ。
お年玉をはたいて勝ってしもた。
山ほど抱え準備OK!
使い切ってしまった5000円に涙を注ぎながら会場に向かう。
「うわァ、凄っ! これ本当に全部食べていいの!?」
ムム、予想以上の敵の顔ぶれ。
ステーキまで出てきちゃったよ……。
迫力負けのため、ヘルシアを一本、食事の前に飲み干してみる。
うげ、苦い。
これで痩せないんだったら誰もこんなの飲まないわよねェ。
しかし苦いと効き目がありそうな気がしてくるのだ。
いただきます! 手始めにステーキを貪った。
う、うまひ♪
ダイエットのため最近粗食だったからなおさら……。
しかし胸焼けがするくらいの?が胸につかえる。
ここはヘルシア出動じゃ!
一本空けた。
お次はモチ! 今朝ついたばかりのもち米の美味さといったら〜!
一本空けた。
おまちかねの御節w
ラムの骨付きとキャビアはもらったァ!
一本空けた。
ムム、さすがにお腹が膨れてきたぞ……
しかししかし、お雑煮だけは外せない!
一本空けた。
「ふぁあ〜! もう限界じゃあ!」
私は屈むも立ち上がるも億劫になるほど食べこむと、そのまま長椅子にダイブした。
ああ 食後の休息ほど安らいだときはない〜♪
ヒトが気分に浸かっていると、妹がちょこちょこやって来た。
「お姉ちゃん、食べてすぐ寝ると牛になるよ〜」
うるさし!
私はきょうヘルシアがあるからいいのじゃ、なにしても!
いや、本当はそういうわけでもないのだが……
とにかく、例のアレをもう一本空けてから、私は惰眠を貪った。
二日後。
「うわ〜、しむ〜! 血が足りねぇ〜!」
私は貧血に苦しんでいた。
どうやらヘルシアの威力は想像以上だったようである。
いや、飲んだ量が半端なかったのか……。
「うう、部屋が回る〜、足元が崩れ落ちるゥ!」
ついでに寒気もする。
しかも家族は自業自得とせせら笑うばかり……。
くっそお、カワイイ娘が死ぬ目を見てるというのに……。
私のことよ、私の!
しかし貧血のせいで、結局雪合戦もできなくなってしもた。
体重は増えなかったけど……。
皆もダイエットのし過ぎには注意しましょーね!
おわり
※ヘルシアは用法用量を正しく守れば、
効果的に働いてくれます。
私が貧血になったのはたんに飲みすぎただけなのであしからず…… - 2005-01-27 13:10:42公開 / 作者:つん
■この作品の著作権はつんさんにあります。無断転載は禁止です。 - ■作者からのメッセージ
小説というよりはコラムのようになってしまいました。
実話です。
今回は小説の腕前を試しに来たのではないので
あんまり厳しいことは言わないでくださいw
- この作品に対する感想 - 昇順
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読ませてもらいました。初めまして、影舞踊と申します。実話ということですが、面白かったです。途中、「ていうか飲みすぎでしょ」と突っ込みを入れてしまいました(笑 しかし、ヘルシアの飲みすぎにそんな副作用があったとはw楽しかったです。次回作も頑張って下さい^^
2005-01-28 20:57:00【☆☆☆☆☆】影舞踊計:0点
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