『悟り薬』作者:神無月 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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「遂に完成したか。これを発明するのにだいぶかかったな」
博士は隣にいる助手に向かって話しかけた。
「そうですね博士。ですが何なんですかこの薬は?」
と助手はうなずくと同時に薬の効果についてすかさず突っ込んだ。     「おう、そうじゃった。そうじゃった。すまなかったな。これはな警察からの要望で発明された悟り薬という極秘薬じゃ。だから今までに誰にもこの薬について話さなかったのじゃ」
「そうだったのですか。ですが悟り薬とはまた面白そうなものを発明しましたね。・・・・・・そうだ! この薬のテストどうかこの私にやらせてくださいませんか? 確かまだテストはしてませんでしたよね?」
「ほーう・・・・・・この薬のテストを自ら進んでやりたがるとは。わしもいい助手をもったもんじゃよ。だが本当にこの薬のテストをやってくれるのかね?」
「もちろんですよ。きっとこのテストなら私じゃなくても受けたがるとおもいますよ」
その助手の言葉に博士はすこし不安を感じた。
「君は少し勘違いをしてるんじゃないのかな? 悟り薬の効果は・・・・・・」
と博士が言い終わらないうちに助手は博士の手に握られている悟り薬をひったくり一粒取り出して飲み込み、
「そんな悟り薬の効果なんて名前を聞けば分かりますよ。それでは博士すこしの間町中を散歩してきます」
と言って走って研究所から出ていった。

その後町中に着いた助手は片っ端から人々の心を悟ろうと耳を立てていた。 
しかし、一向に人々の心を悟ることはできないので助手は考え始めた。
(もしかすると的を絞った人間の心しか悟ることが出来ないのかもしれないな・・・・・・)
そう思った彼は近くの喫茶店に入り(これだ! )と思う人があらわれるまで待つことにした。そして数分後にスタイル抜群の美女が喫茶店に入ってきてまむかえのカウンターに座りこんだ。
(おおぉ!遂に来たぞ。よし、あの女の心を悟ってみるか。きたばっかりにもかかわらずにこちらの顔をちらちらと見ているし案外一目ぼれされたかもしれないぞ)
と彼は美女のことを凝視しはじめたが一向に悟る気配はない。それどころか周りの人全員が彼のことを見てひそひそ話をはじめた。そんな周りの人たちを見て彼は喫茶店にいずらくなり遂には悟るのをやめテスト結果を報告しに研究所に一度戻ることにした。

そして研究所についた助手はすかさず博士に向かって文句を言った。
「博士! この悟り薬失敗作でした。おかげでこちらは変人扱いされましたよ」
〔そうか! 失敗作の可能性が高いって分かってたから研究所出る前に僕を一度止めたのか〕
と助手が愚痴を心に思った途端に博士は言った。
「何を言っておる! この悟り薬は失敗作などではおらんよ」
「ですが博士。実際に僕は町中に言って試してきたんですよ。ですが人っ子一人悟れやしない」
〔また言い逃れしてるよ。博士の悪い癖だ・・・・・・〕
とまたまた助手が愚痴を心に思った途端に博士が言った。
「言い逃れなどではおらん! それにわしにはそんな悪い癖はない!!」
そんな博士の言葉に助手はどきっとした。
「博士・・・・・・何で僕の思ったことわかるんですか?」
「この馬鹿者が・・・・・・まだ気づかんのか! これは飲んだものが他人の心を悟ることが出来る様になる薬ではない。飲んだ物の心を悟ることが出来るようになる薬なのじゃ」
2004-10-24 21:42:00公開 / 作者:神無月
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■作者からのメッセージ
ショートショートに仕上げるつもりだったんですが結構長くなっちゃいました。それに伏線がすこし分かりづらいかもしれません。
この作品に対する感想 - 昇順
初めまして、ねこふみと申します^^早速、読みました♪ちょっと話のネタ(?)が、『キノの旅』の『他人の痛みがわかる国(というようなサブタイトルかな?)』と似ている気がしますが、内容的には全く違っていたので、大丈夫でしょう(汗)
えっと、読んでみてですが、「・・・」という表記は三点リーダーというモノを使う事をオススメします。それは利用規定にも書いているので、読んでみてください^^他にも多々おかしな部分がありますが、利用規定を読み、これから書いていくうちに、わかってくるでしょう^^
あと、自分もそうなのであまり言えないのですが(マテ)誤字や改行間違いがあり、多少ナリと読みづらい場所がたたみうけられます。他の方の小説を読んで観れば解ると思いますが、人というのはやはり読みやすいものを好むと思います。なので、もう一度見直してみることをオススメします。

えっと、指摘ばかりですみません^^;
ただ、これから色々書いていくうちにより面白い作品ができるのでは!?と思うので、これからもがんばってください^^ねこふみでした♪
2004-10-24 22:22:07【☆☆☆☆☆】ねこふみ
読ませていただきました。卍丸と申します。神無月さんの作品に感想を書くのははじめてだと思われますが、以後よろしくお願い致します。今作ですが、ワタシの感覚としては星新一を思わせる、まとまりのあるショート作品に仕上がっていると思います。結末は、予想外と言うほどの驚きは感じなかったのですが、何かスッキリとした読後感を覚えました。軽妙なSFショートといった感じで、ワタシ的には好印象です。会話主体の文章の中にもう少し情景描写等を盛りこむと、更に読み応えのある作品に仕上がると思われるのですが。何箇所かの誤字も気になりましたが、メインを成すストーリー自体は面白かったです。今後の作品にも期待しておりますので。
2004-10-24 23:00:06【☆☆☆☆☆】卍丸
はじめまして。読ませていただきました。卍丸様のご指摘にもありますが、もう少し情景描写がほしかったかもしれません。それにしても悟り薬、怖いですね。自分だったらやっぱりテストはお断りします(笑)。飲んだだけであれだけおかしな注目を浴びてしまうなんて。でも警察では確かにいい使い道ありますよね。事情聴取受けてる人に飲ませれば、その飲んだ人の心が読めるわけですし。では、これからも頑張ってください。
2004-10-25 17:49:54【☆☆☆☆☆】エテナ
はじめまして、夢幻焔(むげんほむら)と申しますm(_ _)m さっそく読ませていただいたのですが、冒頭の部分から『なぜ警察に頼まれたのか?』という疑問が引っかかってなりません。SSとしては難しいかもしれませんが、警察が博士に依頼するきっかけとなった理由なども書かれれば、さらに分かりやすいものになると思いました。それと私もよく見落とすのですが、誤字には気をつけてください(汗) 作品の内容としては、私の好みの部類でしたので、やはり情景描写などをもう少し取り入れれば、さらに面白くなると思いました。それではこの辺で(o_ _)ノ
2004-10-28 21:27:13【☆☆☆☆☆】夢幻焔
初めまして、夢幻花 彩と申します。すみません、「警察に頼まれた」って言う時点で「あ〜、確かに容疑者に飲ませたら一発で犯罪者かどうかわかるもんなぁ〜」と思ってしまいました。それをキーワードにストーリーを進めていくなら面白いと思ったのですが……。それと、この薬ハリーポッターの「真実薬」に似てませんか?パクリではないんだろうなぁという事はよくわかったのですが・・・。かぶりやすいネタなのでストレートに使ってしまうと難しいと思いますよ☆助手の勘違い辺りはわりと好きです(笑 ではちょっと辛めない件になってしまったことをお許しください。それではっ☆
2004-10-29 19:14:42【☆☆☆☆☆】夢幻花 彩
計:0点
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