『デート前日の決心』作者:シヅ岡 なな / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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デートの前日って、いつだって無意味に夜更かしなんかしちゃってさ、翌朝クマさんができた顔、鏡で見てから後悔するの。
きっと自分で思うよりもずっと、ずっとずっと緊張してるのわたし。
明日youに逢えるってことは、素敵過ぎる一大事。

デートの前日って、忙しくってクルクル、目が回る。
一人ファッションショーしなくちゃいけないし、毛穴パックしなくちゃいけないし、ソイエで全身つるつるにしなくちゃいけないでしょ。
ネイルもきれいに塗りなおして、ふやけるぐらい長風呂しちゃう。
お風呂上り、鏡の前のわたしはグラビアアイドルで、卑猥なポーズでyouを誘惑。

youにおやちゅみってメールを送信したら、ニベアのリップをたっぷり薬指にとってから、スタンドの電気を消すの。
暗くなった部屋、ベッドにもぐり込んで、たっぷりリップのついた薬指で、ヌルヌルと唇をなぞりながら。
明日、あ、ちがうもう今日になっちゃったよ。
今日、youはわたしにちゅうしてくれるかな。
なんて考えながら、ヌルヌル、唇以外にも、パンツの中、ほんのちょっとヌルヌル。

女の子だって、えっちぃ事、したり、考えたり。
そんなの当り前だよ。
わたしが欲しいのは、youの心はもちろん、youのその身体もだよ。
抱きしめたり、口づけたり、指を這わせたり、舌を絡めたり。
youの身体に、いっぱいそういう事したいよ、わたしの身体にも、して欲しいよ。
あぁ、もう、わたし、ものすごくえっちぃ女の子かも。
パンツの中通り越して、なんだか太ももの間も、ヌルヌル、ヌルヌル。

youとわたしが恋人同士になって、来月でちょうど一年だね。
かなりの映画好きなyouとのデートは、やっぱり映画を見に行くことがほとんどだけど、たまに借りてきたDVDを、youの一人暮らしのアパートで、二人で一緒に見るの。
付き合って一年だっていうのに、二人きりで、しかもyouは一人暮らしなのに、youは、わたしのほっぺと唇にかぁーるくちゅっ、だけしか、したことなくって、そのことに、実は密かに焦りまくりのわたしが、官能的なラヴシーン満載の映画ばかりを選択してるって、you気づいてた?
結局、チャタレイ婦人の恋人もロリータもエマニエル婦人もラ・マンも、悲しいくらい完敗。
でもね、でもね、やっぱりアダルトビデオ(とくに和モノ)はどうしても一緒に見ようなんて言えないじゃない?
だって、だって、やっぱりそこは、女の子だし。
悪魔でも、そういう路線、狙ってるわけじゃないんだもん。

youはもしかしてアンチセックスな人?
まさかそんな男の子、この世にいるのかしら?
宗教?
体裁?
純粋に古風?
元来の日本男児ですか?
わたし、そんなに魅力、ないかなぁ、なんて、べっこり凹んじゃってさ。
自身喪失性欲健在。
youは神社で手を合わせてお参りするくせにクリスマスもばっちり祝うし、今は平成でシングルマザーなんて言葉も耳にしてるはずでしょ、女は結婚するまでえっちしちゃだめって言うんなら、じゃあ今すぐわたしと結婚して下さい!

あぁ、もう、わたしどうしようもなくyouが欲しいんだ。



なんとなくわかること。
うん、たぶんこれ、当たってる。
谷間深深キャミソールにも、超ミニ生足にも、グロステカテカ唇にも、youはちゃあんと♂(オス)を反応させてること、わたしこっそり気づいてた。
だから余計に謎だったの、あなたがわたしを食べちゃわない理由は。
きっとyouはさくらんぼで、でもそんなのは根本的な理由じゃなくて、youはきっと、たぶんきっと、点、点、点。

わかんないよ。
そんなの。
理解んない。



身長157センチで体重(推定)80キロ。
色白、ニキビ跡でデコボコな顔面。
首とか手とかにできてるかさぶたは、アトピーで掻きむしった印。

せっかく全身アニエスでセンス良く決めてるんだから、もっと胸をはって歩けばいいじゃない。
わたしはyouの恋人で、わたしの心も身体も、youのものなんだよ。
めちゃくちゃにして欲しいんだ。
自信の無さを忘れるほど、わたしだけに欲情して欲しい。
今日のデートの帰り道、わたしはyouを、もう一度、全身全霊で誘惑するよ。
だから、分厚いだろうけど、そのコンプレックス飛び越えて、来て。
わたし一人で濡れっぱなしなんて、さびしい。

youはね、誰が影でなんて言おうと、世界で一番かっこいい。
わたしはね、そんなyouに、めちゃくちゃ強く抱かれたい。









2004-10-17 01:50:40公開 / 作者:シヅ岡 なな
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■作者からのメッセージ
溺れて候。の、続きが書けないんでつよぅ。。
この話、なんか変な話。
でもいいや、書いたし、のせちゃう。
不納得な言葉を載せるあたちは、きっと物書きにはなれない。
この作品に対する感想 - 昇順
面白かったです。ほのぼのしてるけど純情なかんじで、
私は恋してないですけど、なんとなく「わたし」の気持ちがわかった(?)ような気がします。
Hな言葉(?)もありましたけど、このくらいなら問題ないかと。
それでは頑張って下さいね!
2004-10-17 03:28:29【☆☆☆☆☆】リトラ
読ませていただきました。相変わらず、(良い意味で)アクの強い文章はご健在ですね。シヅ岡さんの描く「性」はストレートで生々しいのだけれど、不思議と卑猥な印象を持ちません。今作も等身大な女の子のリアルな心情が鮮やかに、そして情熱的に語られておりましたね。個人的な事ですが、何故かシヅ岡さんの作品を読むと椎名林檎の曲が頭の中で流れます。下手に飾らずにオブラートに包まない文体は、かえって清々しくもあって大好きです。今後の作品にも多いに期待させていただきますので。この個性を大切になさってください。
2004-10-17 13:16:56【★★★★☆】卍丸
初めまして、ささら、と申します。読ませていただきました。一言。凄いっ。と叫びたくなるような作品でした。主人公の欲望丸出し、と言ったら下品な言い方になってしまうかもしれませんが、いい意味で方向性が一貫していると思いました。あんまり、こういう作品を読んだことがなかったので、凄く楽しめました。それでは。
2004-10-17 13:36:24【★★★★☆】ささら
うわぁ。。喜!
皆様ありがとふ。こっくんか。
んーりんごちゃん一時期すんごい好きでした。
あ、今も好きやけどね。
なにかしら影響受けたりしてんのかなぁ。。
なんか卍丸さん鋭いんですけど!焦っちゃう笑。
えっちな言葉→ここって、どのぐらいまで大丈夫なんだろうか。。?
なんかいつも、あかんゆわれたらどぉしよー・・ちょいはらはらして書いてます。

2004-10-17 18:01:16【☆☆☆☆☆】シヅ岡 なな
計:8点
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