『ヒーロー』作者:牡丹 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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ある時代
この世は乱れきっていた。
中でもこの国 ロングワーク は犯罪が最も多い国。
か弱い住民達を守るため彼らは立ち上がった。


その名も守護隊。

そのままの名ではあるが、実力はまぁ・・とにかくスゴイ。


1、初任務

「シロン・リーグ、アサカ・ルソー。お前達キングの初任務は護衛だ。」
ここは守護隊本部。彼らの上司ライルは言った。
背中に逆十字を背負った男とグラサンとツンツン頭がそれを聞いている。
通常守護隊は一部隊4人1組で行動するのだが、訓練実習で筆記&実技をパーフェクトで合格したため2人は特別部隊 キング となった。
彼らの下にはクイーン・ルーク・ビショップ・ナイトなどの部隊がいる。
「はい。・・・で、護衛するお方はどこですか?」
「あぁ。入ってきてもらえますか。」
ライルが呼ぶと、重たく無駄にでかい木の扉がゆっくりと開いた。
入ってきたのは、小柄で金色の長い髪。レースがたっぷりの白い厚手のワンピースに大きなトランクを抱えたいかにもお嬢様のような少女。
「その女の護衛をしろというのか。」
アサカが怒ったように問いかけた。どうやらこの任務にノリ気ではないようだ。
「そうだ。この方はクルーズカンパニーの社長令嬢で、ここから100km離れた街 シーク へと行かれるらしい。これは泊りがけの任務だ。」
「・・・俺達はキングだぞ、こんな任務できるか!」
ついにはアサカがキレた。確かにキングは守護隊トップである。
アサカは、トップの自分が小さな任務をやることに不満らしい。
「アサカ、僕らは確かに守護隊の中で一番優れていると判断されキングとなりました。けど僕らは今日が初任務の新人なんですよ!だから仕方の無いことなんです・・。」
自分より大きなアサカに内心びびりながらも立ち向かうシロン。
手袋をはめた手をぎゅっと握りしめていた。
「シロンの言うとおりだ!といいたいところだが少し違ってな、これからお前達一行が向かうシークという街はあの「赤い蝶」の本部があると噂されているところなんだ。だからお前達に任せたわけだ。」
話にでてきた「赤い蝶」とはこの国で最大級の悪の組織で密輸から殺人まで
幅広い悪事を働く。そういう奴らなのである。
「ふん・・・。少しは楽しくなってきたじゃねーかよ!」
「それでいい。ではお前達にまかせたぞ。」
「「はい」」
2人は少女をつれ、守護隊本部からでた。
今日はクリスマス。街は人でごった返していた。
あちこちに電飾が施され、いたるところから絶え間なくクリスマスソングが流れている。
「あ、あの今日はヨロシクお願いします。」
ようやく口を開いた少女。深ぶかと頭を下げる。
「あ、こちらこそ!ほらアサカも挨拶してください!」
「俺らの仕事はあんたの護衛、それ以外のことを俺はしない。」
口の悪いアサカにヒヤヒヤしているシロン。
「はい、それはわかっています。」
アサカの脅しにビビっている少女。
「えっと、僕がシロンでそっちがアサカです。呼ぶときは呼び捨てで結構ですので、あと・・名前を教えてもらえますか?」
遠慮がちに名前をたずねるシロンに少女は忘れていたのが驚いた顔をしてみせた。
「す、すいません!私はアンジュ・クルーズといいます。今回はシークにいる叔母に会いにいくために護衛を依頼したんです。」
「そうなんですか。で、どのくらいの時間がかかりそうなんですか?」
「1週間です。薬の調合を習うために行くのでそれ位かかってしまうんですが・・・大丈夫ですか?」
人の波をよけながらも話を進める3人。ようやく駅が見えてきた。
「お前確かクルーズといったよな・・・その叔母の名前はなんという?」
突然アサカが会話に参加した。とても意味深らしいが・・・
「叔母の名はコール・クルーズですが、お知り合いですか?」
アンジュから叔母の名前を聞いたアサカの顔が一瞬にして笑顔に。
「やっぱり!あのコールばばぁか!懐かしいぜ!」
けたけたと笑うアサカ。
「アサカ知り合いなんですか?」
「まぁな、昔よく世話になったんだ。」
任務の内容を聞いたときはあんなに嫌そうだったのに、今となってはすっかり喜んでいるアサカ。







続く
2004-10-10 11:40:16公開 / 作者:牡丹
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■作者からのメッセージ
お初です。牡丹と申します。
時間が無いのでびみょーなとこで終わりですいません。読んでもらえると大変うれしいです。
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