『黒い本(加筆・修正)』作者:新先何 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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原稿用紙約3.86枚
第一頁 小説家はテレビを見ない

午前10時
 サラリーマンや学生が椅子に座り仕事や勉強をしてる頃、私は睡魔と〆切に襲われ必死になってワープロに文字を打ち込んでいた。
 今書いているのは、サスペンスもので、タイトルは「黒い本」
 ストーリーとしては、竹田氏が自宅で何者かにナイフで殺害され、死体の横には破られたなんらかの本のページが置いてあった・・・・・・
 といってもそのさきが浮かばない。
 というか何を書けばいいのだ。思いつきで書いた話を編集者に気に入られたがトリックも何にも考えてなかったので悩むのは当然である。
 気分転換にテレビのスイッチを入れた。本当なら見る暇もないのだが体が引き寄せられた。
 普段使わないのでホコリがたまっているためか画面の映りが悪い。
 軽快な音楽とカメラ目線で笑顔のアナウンサーがニュースの始まりを告げていた。
「それでは最初のニュースです。
先日、東京に住んでいる竹田氏が殺害されました。そして死体の横には何らかの本のページが落ちていました。警察はこれについて只今捜査中との事です。」
 私は耳を疑う。
「犯人はまだ分かりませんが、ナイフで殺害された模様。」
 ・・・・・・合ってる・・・・・・
 しかし偶然として処理した。そうとしかできなかった。
 ただの文章を保存したりする機械に文字を叩き込んだだけなのにその物語がブラウン管を通してニュースキャスターが読むなんて現実で考えられるだろうか?
 テレビのスイッチを切りしばらく黙る。
 その時私はワープロに恐怖を感じた。冷たく光る機械が私にほほえみ「おいでおいで」と言ってる様な気がしてならない。
 その幻聴が私の体を支配して気づけばワープロの前にいた。
 そしてワープロに犯人の名前を考えて打ち込む。
「大木」
 赤いスポーツカーで逃走。
 ナンバーは「品川 30 ひ 65−00」
 すると体が解放されすぐさまワープロから離れベッドに入る。
 寝る前に一瞬やな予感がした。
翌日、午前11時
 テレビを見るとアナウンサーが私の書いた原稿を知っているかの様に言葉を発した。
「先日お伝えした竹田氏殺人事件で新たな事実がわかりました、犯人の名前は大木氏で赤いスポーツカーに乗り逃走中、ナンバーは品川 30 ひ 65−00です。見かけたら110番に電話して下さい。」
 私は確信する。
 私は人を殺せる。
 凶器を手に入れた。私の後ろでワープロが笑っていた。
 面白くなり今度は「大木が殺される。」と打ち込む。
 そして殺害者はためしに自分の名前を書いたが、すぐ消してしまった。
 そのかわり大木は銃によって殺され。目撃者もいない。
 つまり完全犯罪という事になる。
深夜2時
 その夜私は寝付けなかった。
 窓の外から車のクラクションが鳴っていた。
 私はうっとうしくなりポケットに手を突っ込みながら窓の外を見下ろす。
 赤いスポーツカーだった。
 クラクションは止まらない。
「うるさい」
 と怒鳴りポケットから手を抜く
 そこには銃がある。引き金を引いた。
 もちろん誰も見てないし、誰も銃声を聞いていない。
午前7時
 朝のニュースなんか見なくても分かる。
 どうせ大木が殺されるが、犯人は分からないだろう。
 何日ぶりかのコーヒーをゆっくりと飲む。
 体にまとわりついた鎖がやっと外れて心がリラックスししばし眠りに入る。

 その時ワープロの電源が入りディスプレイに文字が浮かび上がった。
 私は数分後に来る訪問者も知らずに深く眠る。
 永遠の眠りが足音をたてながらやって来た。
2004-10-06 21:40:03公開 / 作者:新先何
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■作者からのメッセージ
書きなしてみましたが、やっぱり難しいです。
描写も皆さんの様に上手くいかないしダメダメですね。
引き続きアドバイスお願いします。
この作品に対する感想 - 昇順
サクサク読めちゃうみたいな。それは展開が早いってこともありますけど
世にも奇妙な物語とかぶってたんですかー。確かによくありそうな話なような気もしますけど普通に面白いお話だとおもいましたー。
もっと今の文を残しつつ細かく書いてくとよくなるかな?とおもいましたー。シナリオももう一ひねりできるとすごいよくなりそうです。
2004-09-30 22:34:36【☆☆☆☆☆】おんもうじ
読ませていただきました。卍丸と申します。自分の思い描いたストーリーが、現実の事件として再現される……面白いアイディアですね。テンポ良く読めるのですが、全体を通して描写が軽いため、淡々とし過ぎる印象も否めませんでした。ですがこれは、今後色々と書きつづけていくうちに解消される事と思われます。今後のご執筆も頑張ってください。
2004-09-30 22:42:58【☆☆☆☆☆】卍丸
読ませていただきました。設定は面白かったので、展開にもう少し凝って色々な要素を足せばもっと良くなりそうだなぁ、と思いました。それでは失礼します。
2004-10-01 13:54:56【☆☆☆☆☆】メイルマン
この後、主人公はどうなるのか気になります!!
でも、やはり、描写が少し無いかなぁ?と思ったりしています。すこし、雰囲気を暗くさせるのであれば、描写で暗い雰囲気を出すと、もっと話しが深めになると思います。
全く書いている物は、上手くないのに、こんな事欠いてしまい、すみませんでした!!
2004-10-01 17:27:26【☆☆☆☆☆】ニラ
早速のお返事ありがとうございます。
皆様の言うとおりでございます。
自分でもわかっているのですがどうすれば上手くかけるか苦悩しております。
皆様の様に上手くかける様に精進しいていきます。
2004-10-01 20:18:30【☆☆☆☆☆】新先何
読ませていただきました。これは短編なのでしょうか。それとも「黒い本」シリーズのうちの一短編なのでしょうか。短編か続き物かどうかで感想が違ってくるので、書いていただきたいと思いました。ちょっと気にかかったのが、普通では流れないニュース。ナンバーまでは言わないですし本がどうこうも普通はないので、もう少し主人公が「力」を確信するところに工夫が欲しいです。最後の三行はちょっと曖昧なので、はっきりと何の文字が浮かび上がったかを書いた方が、ぞくりとした終わり方になると思いました。失礼いたします。
2004-10-06 23:10:26【☆☆☆☆☆】メイルマン
ご指摘ありがとうございます。
これをもとにまた書き直してみます。
えっと、これは短編です。
2004-10-07 06:36:18【☆☆☆☆☆】新先何
計:0点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。