『青春バトルロワイヤル?』作者:結憂☆王子 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
全角2422文字
容量4844 bytes
原稿用紙約6.06枚
いつもの放課後。雑談の場所は法実さんの教室だ。ちなみに崇行さんは今日は休みなのだ。

「急性聴覚障害?」
「うん。」
「それってどんな病気なの?」
「耳が聞こえにくくなる病気らしい。何でなったのかは判らないってさ。」
「・・・・・・そうなんだぁ。」
「こないだ横断歩道を歩いてる時によろけたのもそれのせいなんだって。ほら、耳悪くするとバランスとれなくなったりするって言うじゃんか。あれだよ多分。」
「あぁー、まじかぁ。それは大変だなぁ。」
「最近、あいつおかしいと思ってたんだよ。会話にちゃんと入ってない時あるしさ。」
「まさか病気にかかってたなんてね。」

体育祭が近付いてるっていうのに本当、可哀相だった。

「今日遊ばね?」
「どこで?」
「んー、にっぺんちは?」
「あ、うちは今日ちっと・・・・・・。」
「なんなんそれ。じゃあ佐久間さんちでいいや。」
「いやいや!うちもダメだから!」
「ケチだなぁ。じゃあ・・・・・・、法実さんちは?」

「・・・・・・ごめん、うちもダメだわ。」

「まじで。ゴンちはどう?」
「あ、いいよ。」
「じゃあ今日ゴンち行こっか。」

各々荷物をまとめて椅子から立ち上がる。

「あ、おれコジー(小島先生)んとこに封筒持ってかねといけねんだった。ちょっとにっぺついてきてくんね。」
「は?」
「あ、じゃあ一人で行って来ます・・・・・・。」

むろは階段を降りて職員室へ向かっていた。そんな途中の事だ。

「ヒソヒソヒソ・・・・・・。」
「?」

廊下。どこからかひそひそ話が聞こえてきた。廊下には誰も見あたらない。一体どこからこの声が聞こえてきているのだろうか。よく耳を凝らすむろ。

「んー?んー?」

どうやら、声は校長室の中から聞こえてきているみたいだ。

「あれ?この声、コジーの声じゃね・・・・・・?」

よく見ると校長室の扉が少しだけ隙間が開いていたので、むろはその隙間から中を覗いてみた。やはり中ではコジーがいた。話し相手はもちろん校長だ。

「・・・それで、うちの学校が”そのイベント”に参加すればどのくらいのギャラが出るんです?」
「ギャラはざっと10,000,000は出るそうですよ。」
「10,000,000ですかっ。よだれが出ますなぁ。」
「しかし、こんな”殺し合い的なイベント”にうちの学校の生徒を参加させる訳には・・・・・・。」
「い、いやっ、校長、何を言います!今や生徒は元気があり余っている状況でございます!むしろ私ら教師の手にも負えない程に・・・・・・。うちの生徒が参加すれば、きっと大盛況に”そのイベント”を成功させる事が出来るでしょう。ぐふぐふ。」
「ふむ。そうか。小島先生がそこまで言うのなら貴方に任せましょう。」
「ははっ。ありがたき幸せ。それでは失礼します!」

校長室の扉が開くと同時に、むろとコジーの目がピタリと合った。

「あ、あのコジー・・・じゃなくて、小島先生。」
「なんだむろ。このおれ様に何か用か、ん?」

その時のコジーは、妙に笑顔だったという。

「あ、これ、親から渡してくれって言われた封筒で。」
「お、わかったわかった。じゃあ気を付けて帰るんだぞ。ぐふふ。」

コジーは手を振りながら職員室に方へ歩いて行く。

「せっ、先生っ!!」
「んん?何だむろ。まだ何か用か。」
「・・・・・・あ、いやっ・・・。さようなら。」
「うむ。」
「(さっきの話、何だ?殺し合いのイベント?うちの生徒が参加?気になる・・・・・・。)」

その日、崇行を除いたみんなでおれの部屋に集まった。

「体育祭、もうすぐだね。」
「気付けばもう来週だもんね。え、てかホント早くね?」
「うん、早い。佐久間さんの生徒会長になるのも時間の問題だし。」
「はぁ。」
「じゃあ佐久間さん、生徒会長になる意気込みを一言!」
「えぇ・・・、えっと・・・、あ、頑張ります。」
「さっ、さすが佐久間さん!やっぱり人とは違うね!」
「いやいや。」

「迷うなぁ〜セクシーなの〜キュートなの〜♪」

「あ、”季節の香りダンス”の着うただ。ってことは山本さんからのメールだな。」
「えぇっ、それ、山本さんからなのっ。」

「えぇと、なになに。”今行きたい場所ランキング”。あ、そっか今山本さんとこの企画をメールでやってたんだ。」
「え、何なんそれ。」
「おれと山本さんがそれぞれの行きたい場所ランキングベスト10を作ってメールでお互いに送るっていう画期的な企画。」
「へー。で、何てきたん。」
「えっと、1位 ディズニーシー。おー、ディズニーシー!おれも行きたいなぁ。」
「山本さんらしい1位だね。」
「だねぇ。」
「ちなみにさっきから一言も喋ってないけど、にっぺはどこ行きたいん?」
「え、どこって言われても。」
「行きたいとこくらいあるでしょ。どこ?」
「え、いや、別に。」
「なんなんそれ。じゃあ佐久間さんはどこ行きたいん?」
「え、えー、て、天国。」

「ピリリリリリ、ピリリリリリ。」

「あ、今度はおれだ。電話か。」
「法実さんに電話なんて珍しいね。誰なん?」
「え、いや、ちょっと。」

法実さんは電話の相手を隠すように、電話に出た。

「ご、ごめんなさいっ。これから帰ります。え。えぇ。今、友達と一緒で・・・。あ、はい。解りました。」

「え、なんで敬語?誰からの電話だったん?」
「いや、何でもない。あ、おれそろそろ帰るわー。」

そう言って法実さんは一人部屋を出て行った。それにしてもぎこちない受け答え。一体誰からの電話だったのだろう。
2004-09-19 18:14:24公開 / 作者:結憂☆王子
■この作品の著作権は結憂☆王子さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ

この作品に対する感想 - 昇順
私とは初めてですね。いきなりですが、改行のことです。私も初心者なので、人に注意するのはなんなのですが、改行をぬかすと、とても短い文に感じられます。あとは、ウェブノベルの正規表現をきっちり守ればよかったとおもいます。話のアイデアは面白いと思いました。でゎ長々と失礼しました
2004-09-14 15:50:41【★★☆☆☆】カックロ
はじめまして。確かに短かったです、すみません。
これからもっと気を付けます。
2004-09-15 13:45:34【☆☆☆☆☆】結憂☆王子
アイデア一点買いです。
2004-09-15 14:48:52【★★★★☆】モビルスーツ
読ませていただきました。卍丸と申します。アイディアは面白いと思ったのですが、やはり改行が気になります。一行ごとに改行を入れると、かえって読みにくさを感じてしまいます。それ以上に気になったのは、極端に描写が少ない事でしょうか。科白主体というのもある種のテンポを生みますが、やはり小説として読ませるならば、もっと効果的に描写を盛り込んだほうが、読者としては状況が掴みやすいです。指摘が多くなってしまいましたが、今後もぜひ頑張ってください。
2004-09-16 00:13:49【☆☆☆☆☆】卍丸
計:6点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。