『ひとり―on one's own―』作者:紅霧ナガレ / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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原稿用紙約3.8枚

[>昴サン

今晩和。トイです〜。まだ六月だけど暑いデス。
今度オフするんだけど来ませんか〜?
日程は6月25日(木)でPM2:00 R駅前集合です。
今のところほかにも…ほめほめサン,江戸サン,ゆらサン,夏月水乃サンがいらっしゃる予定!
ぜひぜひ来てください!
来る,来ないの連絡はトイにメルください。そういえば昴サンから一度もメル貰ったことないよ〜。欲しいなァ。なんちって。
昴サンが来てくれるのを祈ってます!

>ほめほめサン

ごめんね〜。レス返し遅くなって。
オフの日程は>昴サン(↑ね)のとおりです。
大丈夫!?塾と重なってないっ?
もし重なってたら抗議しに行くー(笑
では!

                   fromトイ]

 [昴]ことオレは,キーボードに手を沿える。全ての指が動き出すと同時に,かたかた,と軽い音がつづく。
 [トイ]にメール。―それが目的だ。

[昴です。
オフ行かせて頂きます。2時ですよね?
黒いコート着てます。もし見つけたら声かけてくださると嬉しいです。

話は変わりますがトイさんは何歳ですか?
ちなみにわかたしは15です(中三)

では]
 送信ボタンをクリックする。ヒヨコが封筒を加えているアイコンが右往左往するが,すぐに元の画面に戻った。
 時計をみながら欠伸をしている間―パソコンから離れて,キッチンでコーヒーを煎れている数分のあいだ。すでに返事はきていた。急いでカップ片手にファイルをひらく。

[トイですっ。
すごいですね〜。タメですよ!わたしも中三の15歳です。

やった!昴サンも着てくださいますか。嬉しいですっ
わたしは赤いサンタさんみたいなコートなので,昴サンが裂き見つけたら声かけてくださいねっ。
ところで昴サンは部活入ってますか!?
わたしは音楽部の指揮者です。楽しいですよ〜。顧問と先輩怖いけど…中高一貫の活動なんです。
それではまた。]
 メールの返事をうつ。幾分の時間も要しない作業だが,今回はやけに時間を要した―ような気がした。時計の長針はたった60度しか回らなかったのだけれど。時間の錯覚の酔い…とでもしておこう。

[返信ありがとう御座いました。
同い年なんですね。もうすぐわたしは16になりますが。
誕生日が29日なんです。
わたしはパソコン部所属ですよ。とても暇で帰宅部同然なんですけれど。ゲーム製作くらいですかね。明確に「部活動」と称せる作業は。先輩後輩関係は全くなくて,いいクラブですよ。
頑張って下さい。いつかは最上学年になるのですから。

赤いコートですね。
声をかけます。
オフは何処で行うのですか?ほかの皆さまの服装ももし分かっていれば教えて下さい。以上です。]

 コーヒーをすする。シロップもミルクも入れていない,純粋なブラックコーヒーはいつも感じるよりやけに苦かった。はじめ熱湯だったそれはいつか,冷たくなっていた。それの苦味は喉にしみついてしまい,水を飲んでもコーヒーの味はぬぐえなかった。

 [トイ]に会いたかった。
 ディスプレイからもれる微かな蛍光。丁度オレの目前のカレンダーが「6月22日」を示しているのを照らしていた。そのまま向かったキッチンでコーヒーを紅茶に変え,またパソコンを見る。…またキッチンにいた刹那に返信が届いていた。「詳細は掲示板にかいています」とだけの真っ白なファイル。文字がかすれた汚れのようだった。
 
 [トイ]に会いたい。今はそれだけだった。
 

to next…続
2004-08-13 22:49:53公開 / 作者:紅霧ナガレ
■この作品の著作権は紅霧ナガレさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
はじめまして。紅霧と申します。
初めて書きます。小説は。
掲示板への書き込み,メールがほとんどを占めてしまいましたが,次は説明文のほうが割合多くなるとおもいます。

辛口で構わないので,どしどしアドバイス,お願いします。

次回,アテネの炎の余韻が波うつ頃に第二話を投稿します。眼を通して頂けると幸いですv

では。
この作品に対する感想 - 昇順
初めまして。
批評などは慣れていないのでとりあえず感想を。
会話はリアルな感じで良かったと思います☆
まだ、初めなので人間関係がどうなっているのかが気になります。
続き頑張ってください。
楽しみにしています。
2004-08-13 23:19:19【☆☆☆☆☆】とと
計:0点
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