『冬の扉』作者: / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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冬の扉

*No.1*
冷たい季節の足音

『バタンッ・・・!』
・・・冬だな。

私の心の中には幾つもの扉がある。
ピンク色した幸せの扉。
青いのは悲しみの扉。
優しさの扉は黄色だ。
たくさんの色と種類の扉があって、どれも様々な思い出がしまい込んである。
・・・だけどそこに一つだけ、何色にも染まっていない扉がある。目を凝らさなければ見えないような影の薄い扉なんだけれども、触れてはいけない雰囲気のどこか秘密めいた扉。
ガラスのようなその扉は、凍てついている。
冷たい季節の頃、開きっぱなしだったその扉は大きな音と共に閉まり、心をチクリと刺す。
それはつまり、冬の訪れ。
 


――――立冬。
冷たい季節の足音が、ただひたすら胸に直接響いていた。

「麻都ー、ポカリか何かない? シャワー浴びてなんかノド渇いちゃった」
「冷蔵庫の野菜室に入ってると思うよ」
「あ、あった。もらうよー」
「はーい・・・ってちょっとちょっと、お姉さん、少しくつろぎすぎじゃないかい?」
「まぁ気にしないで」
「気にするから(笑)」

仕事も休みの週末。
高校時代から腐れ縁の莉紗は今日も私の部屋に転がり込んでいる。
とは言うものの、同じアパートの隣同士の部屋なもんだからお互いの部屋を行き来することは私たちにとってトイレに行くくらい自然なものになっている。
「ねぇ、もうすぐじゃない?」
「何が?」
「片桐くんのお父さんの命日」
「そうだねえ」

毎年、冬が近付く度に私は胸を痛めていた。
それはきっと、神様が忘れることを許してくれないからだと思う。


若すぎた高校時代。少し気になっていたあの人。
今思い返してみれば、低い声とか綺麗な顔とか走ってた姿とか、思い出せるものはいっぱいあるのだけれど、
すべてに靄がかかってはっきりとしない。
まるで薄皮かカサブタのように、それはあの頃の思い出を覆い隠す。

・・・もうあれから10年。
少しは私も大人になれただろうか?


めくるめく高校時代。
早すぎた時間と幸せな日々。
そして、許されない過ち。





*No.2*
遠い記憶
『扉が閉まった日』


「・・・たりぃ」
モップ片手にそう呟く。
それが私の口癖。何がどう『たりぃ』と感じるのかも深く考えず、暇さえあればそう繰り返す。
でもまあこれは10年も前の話。

第一志望の高校に落ちた私は仕方なく通ったへボ高で悪態ばかりついていた。
授業中、仲間と抜け出して後で先生に怒られたり、放課後の誰も居ない屋上で一人、物思いに煙草をふかしたり・・・
とまぁ、いろいろやった。
私にとってある意味での高校デビューだった。
停学になるようなドジはしなかったし、悪知恵もはたらいて、親を泣かせるようなことはなかった。
まぁプライドが許さなかったのか、成績だけは一番をとってたし、先生達には幾分か進路面ではよく呼び出されたりもしていた。

だけど、どんなガキくさいことや悪態ばかりついていたって、所詮は将来に不安を抱いた思春期の高校生。
心に溜めていた悩みも少なくはない。いっそ堕ちる所まで堕ちてしまえばいいとヤケになりかけていたのも事実だ。

週末の飲み会とマルボロのゴールドが大好きだった私。
自分でも将来が不安・・・いやある意味楽しみだった私。
同級生や担任に同情しちゃうくらい“良い子”とは言い難かった私。
そう、それら全てが高校時代の私なのだ。

15歳。
若かったなぁ。


「麻都ー、今日片桐くんも来るんだって!」
「あそう」
「冷たっ! 麻都、本気で行かないつもり? ケーキだってもう予約しちゃったんだよ?」
今日は12月24日。
恋人達のクリスマスでもあり、2学期の終業式でもある。
つまり、明日からは待望の冬休み。

「莉紗、クリスマスってのは恋人同士で祝うもんよ? 私なんて行ったら、それこそまたあんたの彼氏に睨まれるっつの」
「またそんなこと言うー。麻都は少し被害妄想激しいからそんなこと思うんだよ」
「そんなんじゃなくて、彼氏の家に女の子が上がりこむのってあんまりいい気しなくない?」
「別に。だって麻都だもん。麻都は人の彼氏を取るわけないってわかるもん。へへ。」

この頃からずっと私の級友だった莉紗。
相変わらずおっとりしていて、ドジなんだけど、どこか憎めない。そんな“女の子”だった。
だけどその彼氏は、とにかく怖い。
ぱっと見はすごく性格がよさそうに見えないこともないのだけれども、あの目つきにはタジタジになってしまう私。
かつて見たこともないような瞳をしているのだ。まるで凍ってしまった眼球をそのまま埋め込んだような、そんな瞳。
いつだか2人きりでは恥ずかしくて会いづらいという麻貴に仕方なく付き添って2人の初デートにお邪魔したことがあった。あの時から私は彼の目つきの悪さに怯え、それ以来、彼に苦手意識を勝手に抱いているのだ。
だからまぁ、関わらないのが一番かなと。
2学期最後の登校日という最高のクリスマスイブにその彼氏の家でのパーティーにノコノコ現れたら・・・きっと殺されてしまうだろう。

「せっかく片桐くんが主催してくれるのにー」
「知らないよ。私、あの人苦手だし」
「なんで?」
「疲れるじゃん。あの人」
「疲れる?」
「うん。なんか変なテンションじゃない?」
「まぁー、言うことが斬新というか意味不明というか・・・」
「よーするにあの人にはつかみどころがないんだよ。だからこう、疲れちゃうんだと思う」
「あー、そうだよ。きっと。うん」
私の勝手な憶測に莉紗はかなり納得していた様子だった。

「じゃあね。メリークリスマス。」
「えっ、待って!帰るの!?」
「うん。昨日の球技大会がんばりすぎたから。帰って寝るよ。じゃね。」
私は走って教室を出た。
「まぁうちらのクラスMVP取っちゃったしね。3年にも睨まれ・・・ってコラ!待て!」

莉紗のことだからきっと追いかけてくると詠んでわざと人通りの多い西階段を避け、2年生しか通らなくて普段人通りの少ない東階段を走って押し通ることにした。
2年生は大掃除がないため私たち1年よりも30分くらい前の下校時間だったのを掲示板で見たのを思い出した。

「・・・誰も居なくて良かった・・・・・・」
予想通り、東階段には誰もいなかった。
ふと遠くから莉紗のやかましい声が聞こえた。きっとこっちの階段に来たのがバレたに違いない。
踊り場まで13段ある階段を2段飛ばしで駆け下りた。
なんだか追いかけっこをしているようで少し楽しくなった。
「あ! 麻都発見!!」
天井から莉紗の声がした。
どうやら見つかってしまったようだ。

「待て〜! ・・・って麻都! 前! 前!」
「えっ?」
しかし、いい年こいて久々にした追いかけっこは、2階の東階段中央であっけなく終わった。

―ドンッ・・・!―

「ってぇ・・・・・・」
「痛、ごめんなさっ・・・あっ」
「・・・あ」

「どうも・・・・・」
無愛想に一礼した。
「どうも、片桐です」
ホスト口調で意味の分からない挨拶。まさに彼だ。
どうやら私は本日のクリスマスパーティーの主催者に突進してしまったようだ。

「確かきみってタカシの彼女のリサちゃんの友達の人、ですよね?」
八重歯を見せながら微笑んで彼は言った。意識しているのか、やたらと滑舌のいい声が階段ホールに響いた。
・・・“タカシの彼女のリサちゃんの友達”。
そんな長い代名詞を覚えるくらいなら、名前くらい覚えろよって突っ込みたかった。
「どうかしましたか?あんまり1年生ってここ通らないよね。」
「いや、あの、気分っていうか・・・」
「気分?」
「いや、嘘です。実は莉紗が・・・・・・」

「片桐くん! その子、麻都捕まえて!」
上の踊り場から莉紗が叫びながら駆け下りてきた。

「あぁ、そうだアサトちゃんだ。思い出した思い出した。」
どうでもいいんだけど、どうしてさっきから人の名前を次々とカタカナで言うんだろう?この人は。
とまぁ、そんなことは考えちゃいられねぇ。
逃げなければ・・・・・・殺される。(汗)

と思ったけど、既に時は遅し。
私の肩はしっかり莉紗の腕に掴まれていた。
「捕まえたぁ〜!」
勝ち誇ったかのように嬉しそうに莉紗は私の腕をがっつり組んだ。

うそでしょ・・・。

どうやら私は追いかけっこに負けてしまったようだ。



―――――どうしてまぁ、こういう事になっちゃうんだろう・・・?

「カンパーイ!」
小ざっぱりとした10畳間にアルミ缶同士がぶつかり合う潤った音が聞こえた。

初めて入った隆史くんの部屋はテレビとテーブルとベットとクローゼットしかなかった。
相変わらず隆史くんは睨んでいるように私を見ていて、飲み会が始まっても私は緊張が解けなかった。
「ほらぁ〜、もっと飲んで飲んで。」
莉紗は片桐くんの前にあった缶をすべて開け始めた。
全部飲めってことだろうか?500(ml)の缶を?
「いやぁ、ダメですよー。俺の血はドンペリ・ピンクでできてるからさ。チューハイなんて飲んだら汚れちゃうよ。」
「ドンペリだってー! (笑)ウケル〜!」
そんな感じで彼は軽い冗談で交わした。
そして横目で見てた私に、さっきの缶を2,3本こちらに置いた。
「え?」
「全然飲んでないんで。よかったらこれ。」
「あ、ありがと。」
ふと触れた指先は冷たいアルミ缶に温かさを奪われてしまったように冷たかった。

「莉紗、もう酔っ払ってんの?」
「ううん、全然。」
「顔赤いぞ?」
「気のせいだよーっ」
「うそだー」
「えへへ」

「・・・ラブってますね。」
乳繰り合う隆史くんと莉紗を遠くに見ながら彼は言った。
「そうですねぇ。」
私はテレビを見ながらあっさり答えた。
「前飲んだときって、確か砂浜だったよね?」
「はい、確か9月に。」
「あ、そういえばあの日って残暑がすごくてめちゃめちゃ暑かったよね。」
「そうそう。」
「で、花火とか棒倒しとかだるまさん転んだとかやったんだよね。」
「うん。」
「あんまり記憶無いけど楽しかったなー。」
「すごい飲んでましたからね、みんな。」
「俺、下級生とあんなに親しくなってはしゃいだの初めてだったよ。」
「・・・懐かしいなー。」


「アサトちゃんは彼氏さんいるの?」
「・・・いますよ。」
1ヶ月前に別れたけど・・・。
「へぇ〜。順調ですか?」
「どうなんでしょうね・・・うまくいかないことばっかりです。」
「どんな人?」
「うーん・・・わからないです。」
「もしかして付き合って間もないって感じ?」
「まぁ・・・はい。」
「そっか。でもまぁ嫌よ嫌よも好きのうちっていうからね。無くて七癖ですよ。」
また意味不明なことを言って彼は笑った。

「・・・片桐くんは彼女さんいないの?」
「俺?いるよー。13人くらい。(笑)」
13人って・・・また微妙に生々しい・・・・・。
「へぇ〜。順調?」
「どうだろうな。うーん、うまくいかないことが多いです。なんてったって数が多いしね。(笑)」
「ふーん。・・・体力いるね。」
「ハ八ッ! アサトちゃんも結構そういうこと言うんだ? (笑)」
「まぁ、私も人間ですしね。」
「そうだなぁ、恋人っていうより愛人がほとんどだからね。体力勝負ですわ。」
「へえ。(笑)」
「あ、麻都ちゃんって、笑うんだね。」
意表を突くような一言だった。
「いやいや、そりゃあ私も人間ですしねぇ。」
「なんか人間っぽい麻都ちゃん初めて見た。」
「人間っぽい・・・? じゃあ、私サイボーグっぽいってことですか?(笑)」
「うん。そんな感じ。ラーメン食べてるところとか足の爪切ってるところとか全然想像できないもん。」
「えぇっ・・・」
「つまりあれだね、完璧すぎるんだよ。麻都ちゃんは。」
「完璧すぎ? 私が?」
「うん。生活感がまるで無い。」
「・・・普通に塩ラーメンが好きで、週に1回は足の爪切ってる女子高生ですよ。私は。」
ちょっと心外だった。
ので、ちょっとムッときた。
「そうなんだ。(笑)」


「ねえ、麻都ちゃん。」
「はい?」
「・・・手、握っていい?」
「は?」
彼の顔を見返すと、それは既に決定事項になっていた。

私と、そして彼の顔が赤くなっていくのがわかった。
私の方は急性アルコール中毒にでもなったんじゃないかなと錯覚してしまうくらい、急激に体温は上がっていった。
きっとどこか悪くなったに違いない。
悪さばかりしていたからだろう、体が音を上げて動悸がしているだけだ。
男の子と手を繋ぐなんてことは初めてじゃないのに、体が彼の動きに反応して、解けた緊張がまたぶり返ってきた。

なんかさぁ、これってダブルデート(言い方古い。)じゃないだろうか?
動きのにぶくなった脳みそをフル回転してそんなことばかり考えていた。

「煙草、ない?」
「え、あ、はい。どうぞ。」
「麻都ちゃん、動揺してる?」
「いえ・・・」
「照れちゃって。(笑)」
「どこが!」

「あー! 片桐くん麻都と手ぇつないでるー!」
「いいだろう」
「ラブラブっすねぇ」
「隆史たちには負けるってー」
どうして彼は話すこといちいちが冗談染みているんだろう?
いつもそうやってひょうきんなことを言って他人を笑わせて自分を隠しているんだろうか?
彼と一緒に居ると確かに疲れるって思うけど、だけどなんか・・・・・・
なんか痛い・・・。


自分を必死に隠してるみたい。冗談を言いながら。
それは見ていて本当に痛々しい。


言っている冗談が可笑しいんじゃなくて悲しくて、
笑う笑顔は綺麗なのにどこか不安そうで・・・・・・・・

「え? 麻都ちゃん?」
「はい?」
「なんで泣いてるの?」
「えっ? あ、ごめんなさい、泣いてないですよ。あくび出ちゃって・・・あの、もう帰ります。バスの時間なんで。」

「えー?もう帰るのー?」
「莉紗はもう少し居なよ。私ちょっと疲れてるからさ。帰って寝るよ。じゃあね。」
「え、ちょ、麻都?」


−バス停−
「はぁ〜・・・なんで片桐くんなんか見て泣くんだろ・・・・・・歳かな、私・・・。更年期とか?うわぁ、嫌だな・・・」
「すっごい独り言だね。」
後ろを振り返ると、片桐くんが笑っていた。
「え、どうかしたんですか?家、こっちじゃないですよね?」
「うん。なんとなくね。隆史たち2人きりにさせたかったからさ。麻都ちゃん送って来るって言ってばっくれて来た。」
「そうなんですか・・・。」

「・・・バス、来ないね。」
「あの、まだ来ないんで先帰ってていいですよ。ほんと。風邪引いちゃいますし。」
「あとどのくらい?」
「・・・たぶん30分は来ないかと・・・・・・」
「えぇ・・・どうしてこんな時間に出てきたの?」
「時間、間違えちゃって・・・。」

――――沈黙。
まずい。
そして気まずい。
どうしよう・・・。


「・・・麻都ちゃん、」
「はい?」
「散歩しない?」
「は?」
「大通りにでっかいクリスマスツリーがあるらしいんだ。見に行こうよ。バス停なら大通りにもあるし。」
「ツリー?」



−大通り−
「うわぁー・・・綺麗・・・・・・」
「キレイだねー。」
「はいっ。」

普段は散歩道となっている大通りの歩道。
歩道の街路樹には電灯が飾られ、その明かりに導かれるようにツリーはあった。
なんだか神聖な場所のように思えた。
凛とした張り詰めた空気が目に染みて、また少し涙で目が滲んだ。
このとき、私は初めて冬が好きなんだと気付いた。
胸が高鳴っていた。
見上げれば満天の星空が遠くに広がっている。
綺麗なものが本当にきれいに見える季節。
だから私は冬が好きなんだ。


「・・・聞かないんですね」
「え?」
「さっき泣いてた理由」
「うん。・・・女の子にはいろいろあるんでしょ?」
「まぁ、はい。」
そうは言っても、やはり彼のためにも言ってあげた方がいいと思った。


「・・・あのさ片桐くん、」
「ん?」
「無理、してない?」
「無理?」
「うん。なんかさ、いっつも冗談言って笑わせてるじゃない?」
「まぁ、性格的にね。」
「だけどそれって本当は自分を隠してるだけなんじゃないかって思って・・・。」
「どういうこと?」

「本当のことを言わないで自分を守ろうとしてるんじゃない?なんか、そういうのって見てて痛々しくて・・・・・・」
「そんなこと考えてさっき泣いてたの?」
彼の表情が明らかに曇っていた。
「・・・そんなことって・・・」

「あのさぁ、ぶっちゃけ言うけど、麻都ちゃんに何が分かんの?」
まずい。
まずそう思った。
そして今日あったことがすべてなくなればいいと願った。
「いや、失礼だったらごめんなさい・・・。私には何も分からないです・・・だけど分かりたいって思うか・・・・」
「そういうのってなんていうか知ってる?」
「え?」
「余計なお世話って言うんだよ。」
完全に怒らせてしまったようだ。

「ちょっと頭いいからって人のことズゲズゲ言わないでくれないかな。そいうのってすっげームカつく。」
「そんな・・・」
「それにさぁ、麻都ちゃん。分かったようなこと言わないでよ。親でもあるまいしさ。知ったかぶりされても、キモイよ?」
「・・・・・・・・・・・・」

「言い方強くてごめんね。」
「いえ・・・」
「まぁ、でしゃばるなってこと。」
「・・・・ごめんなさい」


『バタンッ・・・!』
扉は、勢いよく閉まった。
バスの中から見たツリーが窓ガラス越しに霞んで見えた。
高鳴る胸は、きっとクリスマスと冬の景色が楽しみだったから。そう思っとこう。わかんないけど。

そういえば、子供の頃、プレゼントを持って玄関に来てくれたサンタさん。
目を丸くしてサンタさんに憧れてたな。
将来はサンタさんと結婚するなんて言って、お母さんを困らせたりして。
だけど、あれはいつだったかな。
玄関の扉の奥に止めてあった、サンタさんが乗ってきた荷台にたくさんのプレゼントを載せた軽トラックを見たのは。
あの時はまあシラけたなー。

そんな冬の思い出を思い返しながら、扉はゆっくりと凍り付いていく。
解け始めるのは、きっと春かな。
それまでは高鳴る気持ちも、傷ついた心も凍らせておこう。

なんて思いながら、それから彼を避けた。

蒼の炎が胸を焦がして、そして凍らせた、
冬の思い出。
2004-08-01 21:41:31公開 / 作者:涼
■この作品の著作権は涼さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
まだまだ下等な駄文しか作れず、申し訳ありません・・・。
これからも日々苦戦しつつ書いていきたいと思っています。
15歳。
高校生。
・・・若かったなぁ。私も・・・・・。
なんて甘酸っぱい青春時代を思い返してニヤニヤしながら(オイ)書いております。
皆様に読んでいただければ光栄に思います。
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