『神様のマリオネット番外編『ミラ・マリア』伝』作者:茂木 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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原稿用紙約4.4枚
神様のマリオネット番外編『ミラ・マリア』伝
―――――――父上…
私から見る父は、なんだかとても遠かった。
「ふ―――、今日の課題は終わり」
私は父専門の図書館を借りて、一通り今日の勉学を終わりにした。
主に神話についての関わりや由来。
「ミラ様、神様がお呼びです」
メイドがドアごしに言った。
「ええ、すぐ行くわ」
『神様』は私の父。
バサバサバサッ
積み上げた本が机から落ちた。
「あ〜落としてしまった…」
私は気まずい顔をして本を拾った。
ここにある本は全てが貴重書物として扱われている。
「―――――――…あ……」
落ちた本の一冊に、私は目が付いた。
『太陽』―――――…
“太陽(神)に近づきすぎた者は、蝋で固めた翼をもがかれ地に落ち行く――――――”
きっとこの者は太陽(神)に近づく資格がなかったのだろう…
「…私も……?」
そんな事を考えつつ本を片した。
「ミラ様…?体調でも崩されましたか?」
静かにドアを開けてメイドは言った。
「いいえ、少し考え事をしていたの」
父は私など必要ないのだろうか――――…
「父上…?」
大きな黄金のドアが開くと、そこに父はいた。
「うん、良く来たねぇ!」
相変わらずニコニコ笑っている父。
「何か新しい事でも思いついたのですか?」
私もニッコリ笑った。
「ううん、今回はミラに新しい指令だよ!」
指令???
「どんな事ですか?」
「光のセヴンズ達への指令官を勤めてもらおうと思ってね〜」
ああ…例の。私はセヴンズの事は前から聞いていた。
「分かりました」
また私は笑った。
――――――――――――――――私は父上の何ですか…?
愛していますか?
それとも
ただの駒?
奴隷?
「なんでしょうね…」
私は細々言って部屋を出た。
「貴方〜ミラさん?」
はっとして顔をあげた。
「誰です…?」
本当に見たことのない女の子。
「えーっと、プラチナです!セヴンズの!」
そういえば唯一の女でプラチナという子がいると父から聞いた。
「そうですか…私、ミラです。ミラ=マリア」
とり合えず自己紹介。
「どうしたんですか?暗い顔をして」
う…プラチナちゃん察しが良いなぁ…
「ええ、じゃープラチナちゃんは女の子だからはなしちゃお」
くすっとわらって私は話を続けた。
「ちょっと父が遠い気がして…」
「お父さん?」
沈黙が流れる―――
「ゴットです」
ポカンとした顔をしたプラチナちゃん
「っえ――――――!嘘!」
「本当ですよ」
作り笑いで顔を見合わせる二人。
「それで…父が凄く遠い気がするんです。父は本当に私の事を愛しているんでしょうか…ただの駒として見ているのでしょうか…それとも、奴隷ですか?――――…なんて、プラチナちゃんに聞いても分かりませんね――――」
私は俯いた。
「ミラさん。それはちがうと思いますよ!だって、親を思わない子もいなければ、子を思わない親もいないと思いますよ?」
私の顔を覗き込んで言った。
「えぇ…でも!それをどうやって確かめろと?!!私は!父上に聞けません!怖いんですよ?何て言葉が返ってくると思います?私にはできない!」
ガチャ…
ドアが開いた。冷や汗がでるのが実感できた…
「ミ…ラ?」
そこにいたのは父。嫌な予感は的中した。
「…父上っ!!」
プラチナちゃんは何時の間にかいない…
「ミラ…僕の事そんな風に…??」
父は今にも泣きそうな目で言った。
「…………――――――」
私は深く黙り込んだ。
体が震える…何故だか…
「ごめんなさい」
私は精一杯の声で言った。
「ミラァ〜僕にさ、して欲しい事あったら言ってごらん?」
え…?
「ミラはさー、僕といるとき良い顔しないんだよね…」
全部知っていた…!?
「僕さ、ミラの事大好きだよ?…ミラは僕のこと…嫌い?」
私と同じくらいまでしゃがんで言った。
俯いて私は首を振った。
「違う…本当は…」
「もう良いよ!言わなくて!分かってるからね」
私は頷いた。
全ては神に成るべき神の為に――――――――…

2004-07-28 13:05:16公開 / 作者:茂木
■この作品の著作権は茂木さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
番外編を書いてみました。
内容のわからない方も多々居るかもしれませんが…(汗)
多分、少しは分かると思います。
こんな感じでどうでしょうか?
感想を下さい。何でもいいです。
では、失礼します。
この作品に対する感想 - 昇順
久しぶりですね、なんだか嬉しくなってすぐに読ませていただきました。今回は番外編ということですが……やはり少し言葉が足りないかと。もう少し間をおいて話を進めてもいい気がします。特に今回は本編のほうと異なり、文章の形態が標準に近いですから。改行や行空けは、上手く使えば思わぬ効果を発揮しますし。次にストーリーですが……やっぱりキャラがよくて(笑)。ゴットの思わぬ親ばかぶりとか。キャラクターの背景や性格がしっかり作りこまれているのは読んでいてわかるので、心情描写などを使ってその辺を上手く表現できれば、作品としての魅力はさらに増すと思います。最後になりますが、本編の方も読ませていただいています。しばらく更新がなかったので、もうやめたのかな……と、自分勝手にがっかりしたりして。僕は更新のたびに毎回感想つける人間ではないので。本編の方は、なにか大きなイベントが終わればまとめて、と思っています。これからも続けてほしいと思います。魅力的なキャラクター達がどこへ向かうのか、とても楽しみにしていますので。番外編とは関係ないことを長々とすみませんでした。それでは次回も期待しています。
2004-07-28 13:57:31【☆☆☆☆☆】ドンベ
計:0点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。