『天 界 地 天』作者:イソップ物語 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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第一天 - 『 Beginning.  』

天使のような悪魔の笑顔 遠い空を見上げ 何もないこの空に叫び入る
天使のような悪魔の翼  遠い海を越えて  何もないこの空を飛び入る

天使は守護神 悪魔は死護神 全てはこの時代に逆らって

天使のように羽ばたく羽 遠いオアシスを目指して
自由になりたい このカゴから抜けたい 天と地が逆さに見える

大空舞う季節に 落ちた天使です。

『 神に逆らった天使は羽をもぎ取られ 二度と天には帰されない。 』

これは私が住む祖国に伝わった伝説の一部です。
もし、この伝説が本当ならば私は人間になれるでしょうか?
『羽がなければ地を歩け。』
私もそう思います。 シック=マリア様。
シック=マリア様はこの祖国の神として祭られている人物です。
マリア様は幸運の神として、この天界を収められておられます。

   そしてここは天界一の教会。

「ああ 天の神・シック=マリアよ、どうか神のご加護がありますように。」

教会での決まりなのですがここは神父様がまず、第一に祈りを捧げるのです。

「おはようございます。天の神・シック=マリア様、神父・クラン=レイジ様。」
そして次に私たち天使が神に祈り捧げるのです。

「ああ、おはよう。天使・ロッジャ。今日も神に祈りを捧げに来てくれたのかい?」
「はいマリア様が今日もお力を貸してくださいますでしょう。そんな気がして。」
「はっはっは そうかい、そうかい。ロッジャ、君はよい行いをしている。」
「は、はい。ありがたきお言葉です神父・レイジ様。では私はこれで シック。」
この「シック」とはシック=マリアの名を取っています。
私は右腕を前に伸ばし軽く手のひらを握る。
そして深く腰を下ろすという体制で
マリア様に「シック」というのですがこういう挨拶は変わっていると
よく他の教会集団にいわれます。ですが、言われても仕方ありません。
なんせこれはこの教会での挨拶なのだから。私も少しこのやり方に対しては…
少し変だと思います。 恥ずかしい。

「シック」は「気のきいた」という意味を持つとされています。
簡単に言えばシック=マリア様はいわば「気のきく神様」ということです。

マリア様がこの地をおつくりになったのだから私たち天使がこの地にいられる。
つまり「気のきいたことをした」ということだ。

レイジ様は私に向かって「シック。」と一言言い継げると教会を出た。
教会に居るのはマリア様と私・ロッジャだけ。

私はロッジャ=ナイト=アウェイ。
この教会の神父・レイジ様に小さい頃拾われました。
天界でも、なんでも戦というものはあってそして親を亡くすということが多い
この時代(とき)に私は生まれてから直ぐ親を殺されたから
今、育て親といえば神父・レイジ。こういう幸運に恵まれて育っている。

…こういうときに「気のきいた」というのでしょうか…シック=マリア。

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2004-07-10 16:05:16公開 / 作者:イソップ物語
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