『私に希望を』作者:ニラ / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
全角6999文字
容量13998 bytes
原稿用紙約17.5枚
            <<私に希望を>>

     −−−−−<<私に希望を 第1話「歯車」>>−−−−−

少年は夏の猛暑の中、アイスバーを片手に歩道を歩いていた。「これが一番!!」と言いながら、少しずつアイスバーを口に持っていく。
しばらくすると、アイスが溶け始め、少年は慌てて残りを口に入れる。棒だけになると、少年は歩道にポイっと棒を捨てて、べとべとになった指をなめていく。すると、後ろから声がした。
「称くん!!何道にごみすててるの!!すぐに拾いなさい!!」
称と言う少年は、びくっと一瞬し、すぐに振り向く。そこには気の強そうな女性が立っている。称はおどおどしながら棒を拾うと、すぐ近くにあった公園のごみ箱に投げ入れる。
「あ〜あ〜これでいいんんだろ?ねーちゃん・・」
称は頭の後ろで腕を組みながら彼女に向かって冷たく言った。それと共に彼女から、何度も平手が飛んできて、称の頬に何発もヒットした。
称はしゃがんで痛みを堪えながら、摩擦で焼け焦げそうなほど、頬を擦る。
「痛いな!何すんだよ!!」
「何すんだじゃないでしょ!!さっきから声かけても無視するし、挙句の果てには道端でごみを捨てるし…」
全く、と彼女は言いながら称を困ったような眼で見ている。彼女は称の姉で、汚い事が大嫌いと言う性格である。
「…で、何?なんか用なの?」
称はまだ頬を擦りながら姉に尋ねる。すると、姉は怒ったような顔で称を睨む。
「何いってんの!!今日はあんた、特別な日でしょ!!私は先に行って待ってるからね!!」
称は姉が持ってきた予定表をまじまじと見る。そして慌てふためく。称は急いで家まで突っ走ると、称の部屋に置かれていたバッグを手に取る。
称の家は、あまり目立たないグレーの色だ。「因縁ありそう」と思ってしまう程、ボロボロの車庫(十数年車を使っていないため、車庫は整備していない)。
そして、称の家には父親がいなかった。父親の浮気が原因で、父はここ(称の家)を去ってしまい、行方不明なのだ
。称は家を出ると、改めて鞄の中のものを確認する。
「え〜っと・・・生活道具・財布・暇なときの遊び道具…よし・・確認完了!!」
称は鞄を閉めて、姉のいる駅まで駆けて行った。
…駅につくと、そこには沢山の人がザワザワと集まっていた。
電車のコールが鳴ると、すぐさま称と姉は電車に乗る。
しばらくの、沈黙・・…
すると、称はボソッとこんなことをつぶやいた。
−−初夏…どうしてこんなことになったんだろうね・・−−
そこにいるのは大勢の見知らぬ人と、姉だけである。【初夏】と言う存在は何処にも無い。
ガタンと何度も揺れている中で、称は足で揺れる地面を支えながらうつろな顔でじっと窓の外を見る。
気がつくと、そこは一面田んぼだった。ここは、称がずっと住んできた村であり、生まれ故郷でもある所だ。電線があまり無く、自動車も走る事があまり無い、まさに自然と一体化している所である。
称は、不意に1つの木造の校舎を見る。称は懐かしげにそこを見るが、目はずっと氷に入っていたような、冷たい目だ。
その校舎に、ぞろぞろと喪服を来た者達が、入っていくのを見る。
称は拳をきゅっと握り締める。姉が称を包み込むように後ろから手を回す。
「信じられないよ・・何で僕があんな事をやったのか・・」
目を閉じて何かを思うように称は姉に言う。
「もう、過ぎてしまった事でしょう?それに、初夏ちゃんもうれしがってたじゃない【希望をくれてありがとう】って…」
姉が震える声で称を励ます。この二人にとって、【初夏】という存在がどれほどの物だったのか、今の二人の姿を見ていれば、分かるであろう。
駅から出ると、校舎へ向かう。校舎では、多くの【初夏】の知り合であろう人々が集まっている。皆、目立つために嘘の涙を流していると称は考える。
唯一本当に涙していたのは同学年の物達だけだった。
もちろん、二人も【初夏】と知り合いであった。いや、称にとっては、知り合い以上の存在と言っても良いだろう・…
−−−話は数年前にさかのぼる−−−
称は、この村に一時的に住んでいた。
住まいはあまり良いとは言えないが、あるだけましだろう。
称は、いつもの通り、制服に着替え、鞄を持つと家から飛び出していく。むしろ、この頃の方が、まだ幸せだっただろう。
通学路は、毎日道全体に登校者が広がり、賑わっている。車もあまり通らないので、危険ではない。
称もまた、いつも通りに通学路を通っていた。ここには最近来たばかりなので、別に一緒に行く者もいない。
何故、ここへ称が来たのか・・それは、父親のせいである。
・・父親は、不倫をしていた。その事で母と喧嘩になり、父は黙って家を出ていったのである。母は、その後、仕事ばかりの生活のせいで過労になり、帰らぬ人となった。そこでこの村にある叔父叔母に引き取られたのだ。
称は、姉といつも一緒に登校していた(この頃はまだ姉も成人していない)。
称は毎日笑顔を見せていた。学校に着いても、姉を離れなかった事が何度かあった(この頃、称は小学六年)。
でも、称が変わり始めたのは、中学生からだった。
称は中学生になり、姉は高校2年になった。
称はいつも、学校へ一人で行っていた。
反抗し始めたのも、その頃である。
称は父親を憎んでおり、父の話が出ると、その場をすぐに離れていくほどである。
そして月日が進み、中学2年のとき、称は一人の少女を家に連れてきた。
称にとってはここから、運命の歯車が動き出したのだった。

    −−−−−<私に希望を 第二話「初夏」>−−−−−
 
称は、いつもの様に中学へとまっすぐ進む。別に友達などもいないし、作る気も無い・・それが称の心情だった。称にとって、学校とは「退屈な場所」でしかないのだ。
学校に着くと、称は鞄からノートを出し、教室のいたる所からスケッチをする。
笑う者、喧嘩する者、色々と称のノートには描かれている。
称にとって、これが学校で唯一の楽しみである。練習すればいずれ、夢が叶う。そう信じていた。
そして、今日もいつもの様にスケッチをしていると、後ろから声をかけられた。
「すごいね!! スケッチが好きなんだ・・」
称がその声に気づき、後ろを向くと、薄い茶色の毛でロングヘアーの少女が立っていた。称は思わず驚いていすから転げ落ちる。
慌てながら少女は称に手を貸す。
称はまともにその顔を見ずに引っ張ってもらうと、少女に尋ねて見る。
「何で・・俺なんかに話し掛けたの?毎日スケッチ描いているつまらない奴なのに・・」
その言葉を聞いたとき、少女は思わず笑い声をあげる。腹を抱えながらクスクスとずっと称を見ている。
「な、何がおかしいんだよ!!」
「だ、だって・・顔が・・真っ黒なんだもん・・」
称は慌てて顔を触ってみると、指に黒い物がべっとりついている。スケッチを何度も触った手で顔にふれていたからだろうと称は思う。
そして急いで教室の後ろにある水道で顔を洗う。
洗い終わると、彼女はゆびをOKマークにする。そこでやっと称はほっとした。
彼女の名前は「柚木初夏」と言うらしい。初夏は称と同じく絵が好きで、称が絵を書いているのを見ながら、うらやましそうにしていたと言う。
「ところで、称君は部活入らないの?」
「入ったって…なんにもならないよ・・」
称はひんやりとした冷たい態度でそう言い放つ。
称は前の学校では、美術部に入っていたが、やる気の無い顧問、いじめにしか興味の無い先輩に嫌気がさし、結局入ってまもなく部をやめたのである。
そこへ反論するように、初夏が称の目の前で大声を出す。
「そんな事無いよ!!ここの顧問の先生昔、芸術化だったし、結構為になるよ!!」
「で、でも・・・・」
「良いから!!1度入ってみなよ!!」
結局、初夏の押し勝ちで、称は1度だけ体験させてもらうことにした。
美術室はさっぱりとした様子で、集中するのにもってこいの場所だと称は思う。
「やあ!!君だね体験入部者は・・どうぞどうぞ」
先生が出てくると、一言も言わせずに美術室へ押しこめる。中では、一生懸命外をスケッチしている人、お互いの似顔絵を書いている人と、色々な事をしている。
先生が急に話をかけてきた。
「君は、絵を描いているようだね・・良かったら見せてくれないかい?」
先生の満面の笑みに負け、おずおずと自分のノートを差し出す。それをそっと取ると、真剣な眼差しで称の絵を見る。
「あの…どうなんでしょうか?」
称が尋ねる。先生は丁寧にノートを閉じると、また満面の笑みで、答えてくれた。
「良いね!!色々な所の情景が上手く描かれている。影のつけ方、どれを取っても上手いね!!」
ここまで誉められたのは、小学校の頃以来だった。あの頃は、姉によく見せていたっけ・と称はしみじみと思い出す。
その後、何かを決めたように、先生をひと睨みする。先生はドキッとしながら、
「な、なんだい?」と尋ねてくる。
称はいった。
「もし良かったら、この部に入っても良いですか!!」
ここに入れば、もっと上達する。その事だけを考えて、称は言った。
先生は待ってましたとばかりに称を抱きしめる。
「ありがとう!!君なら入ってくれると思ったよ!!」
「せ、先生くるし・・・」
しばらく、顧問の先生に抱きつかれたまま振りまわされていた。
ようやく開放されると、称は1つの画板に目が行く。机に上にポテンと置かれていて、裏にされている。称は、1歩づつ歩み寄り、画版を手に取る。表にしてみると、結局、何も描かれていない白紙であった。
それを見たことで、初夏は少し落ち込み気味で称に言った。
「実はね…もうすぐ、絵のコンクールがあるんだけど…何を描こうか決まってないの・・」
初夏はそう言い、ニコっと笑うと、美術室のドアをがらっと開けて、廊下へ出て行ってしまった。
称は、床に落した鞄を手に取ると、今日はそのまま帰った。
夕暮れで薄暗くなっている帰り道で、称はゆっくりと足を前に動かす。既に時間は五時を過ぎていて、人の声はしなくなっている。聞こえてくるのは、泥だらけになっていながら元気に走っていくちびっこ達の足音だけである。
帰り道の途中、公園に立ち寄った。称がここに来てから一人で遊ぶしかなかったときに、姉と共に遊んだ所である。称は公園の隅にあるブランコに腰掛ける。
上を見ると風で木がゆさゆさと揺れ、葉が数枚落ちてくる。
そこで、カリカリという音がする事に称は気がつく。何処からかと辺りを見まわすと、称を見ながら公園の中心にある滑り台の上で絵を描くための道具を広げている初夏がいた。称はブランコから立とうとすると、初夏は「ああ〜〜!!」っと声を上げる。驚き、称はブランコにまた座る。初夏は安心した表情で絵をまた描きつづける。
−−もう何分経っただろうか−−
称はそんな事を思いながらじっと初夏が描き終わるのを待つ。
「出来た!!」その一言に称はほっと一息ついて、立つ。そして初夏の元へ行く。
「一体何かいてたんだ?」
「へへ〜〜ン!!やっと決まったからこれにしたの!!」
初夏は自身満々に絵を称に見せる。そこに描かれていたのは、ブランコに座って静かに笑っている称が描かれている絵だった。
「どうしてこんな絵に?」
称が聞くと、初夏はうっすらと顔を赤くしながら答える。
「だってね…貴方に会えたのが凄く嬉しかったの・・私にとって始めての友達だったから」
初夏には友達がいなかった。来るのはその綺麗さから寄ってくる男だけ。女子はそれに嫉妬して、話をかけようともしない。
初夏にとって、別の事で仲良くなれた称が、嬉しくてたまらなかったのである
それを聞いて、称はからだ中から不思議な喜びが涌き出てくるのを感じた。
−−俺を、そう言う風に思ってくれていたのか・・−−
称は目から出てくる涙を初夏に見せないよう指で拭うと、初夏に弾んだ声でこう言った。
「今日さ、うちで飯食ってかないか?遅いからもうご飯出来てると思うし・・」
初夏は首が取れそうなくらい上下に振り、称の手を握る。そして、称をひっぱって公園から走って出ていった。
二人にとって、始まった幸せの運命を信じて・・

     −−−−−<私に希望を 第3話「そして…」>−−−−−
称はあの日をさかいに、付き合う事が多くなった。学校にいるときも一緒で、帰りも一緒である。
7月19日、この日が称と、初夏の間が最も縮まった日である。

この日、この町の近くの寺で、縁日が開かれる事となった。称にとって、縁日はとても貴重な体験の1つであった。称のいた地域では、縁日などと言う物は全く無かったのだ。
称はそう考えながら、家のポストに入っていた「縁日開催のお知らせ」と言うチラシを放課後の誰もいない教室の窓で風にあたりながら見ていた。生暖かく、体はその風でどんどん濡れていく。時折ある涼しい風は、称にとっては天国だった。
称が窓で呆けていると、後ろから目隠しをされる。「だ〜れだ?」と言う甘い声は、まさしく初夏の物だった。称は笑いながら「それくらいわかるよ」と苦笑いしながら手を握り、後ろを向く。
やはり初夏だった。初夏は悪戯な表情で、えへっと笑うと、称が見ていたチラシを称に見せる。
「ジャジャ〜〜ン!!今年もやってきました縁日!!称はもちろん行くよね?」
初夏は笑いながら尋ねる。もちろん称はOKサインを出す。
「じゃあ待ち合わせは何処にする?」
「ん〜・・じゃあ公園って事で!!」
そう言い残し、初夏は鞄を背負って帰ってしまった。
家に帰ると、称は早速財布の中を探る。中には二千円札と百円が五枚。祭りにはこの暗くらいあれば言いと称は考え、制服から私服へと着替えると、財布を持って外へ駆け出す。家を出た頃には日もオレンジで山へ見え隠れしていて、まぶしくは無く、まもなく夜になろうとしていたところであった。
公園についた頃にはすでに日は落ち、立派に三日月が姿をあらわしていた。
公園に入ると、ピンクと赤でコーディネイトされたゆかたを着た初夏がブランコに腰を落として待っていた。まもなく称を見つけると、称に駆け寄り、ぷんすかと怒り始める。
「遅いよっ もう始まっちゃうから早く行こうよ〜〜」
「ごめんごめん・・準備に手間取っちゃって・・」
称は手を合わせて初夏に謝る。初夏は全く・・と呟くと、称の手を引く。いつもよりも強く握られているのが称は分かった。二人は公園を出、神社へと向かった。
       __________________
神社は中々の大きさであった。周りのざわめきの中、二人は離れるように鳥居の前に立っていた。真っ赤に染まっている鳥居から見た縁日は、色とりどりの光で染め抜かれた夏のクリスマスツリーと言っても良いかもしれない。
称は初夏とはぐれないようにゆかたのすそを引っ張る。初夏は称の手を裾から離すと、ぎゅっと称の手を握る。その行動に一瞬称は戸惑うが、ぎしぎしとした歩き方で、ざわめきの中を通っていく。
たこ焼き、ヤキソバ、チョコバナナ、りんご飴、どれもこれも称には始めて物ばかりであった。称は財布から次々とお金を出して、色々な物を少しずつ買って食べてゆく。
縁日の中で、最も称の目を輝かせたのは「射的」だった。とても安全なコルク銃、倒れにくいレアな景品の数々、それはすぐさま称の気を轢かせ、あっという間に500円も使わせるほどであった(結局、景品は取れずじまい)。初夏は称の行動を見て、けらけらと爆笑していた。
縁日も終わりが近づき、だんだんと人気が無くなって暗くなってくると、二人は、神社の裏側にあるベンチに腰掛け、りんご飴をなめていた。既に二人はお金を使い果たし、りんご飴が最後の一品となった。
飴が無くなって来た時、初夏が話を書けてきた。
「ねえ…称君はさ、私といて楽しかった?」
「ああ!!マジさいっこう!!また来たいよ」
「良かったな…称君と来れて・・」
初夏は不意に並んで座っている称の肩に頭を置く。称は赤くなる。初夏は話と続けた。
「称君・・これからも一緒にいてくれる?」
「良いよ!!」
「良かった…」
気がつくと称の顔の目の前に初夏の顔があった。称はドキッとしながら、初夏の右頬に手を添える。だんだんと初夏の顔も赤く染まっていくのが分かる。
そして…二人は唇を近づけあう…
その時、鐘の音が神社中に響き渡り、驚いて二人は顔を離す。縁日の終わりの合図だ。称はそう思い、初夏に遠慮しがちに言った。
「そろそろ…かえろっか…」
「そうだね…」
二人は手を繋いで、神社を出るが、あまりの恥ずかしさに、二人とも顔を見る事が出来なかった。
しかしその後、称は少し惜しかったな…としみじみと思ったのであった。
2004-07-15 10:31:42公開 / 作者:ニラ
■この作品の著作権はニラさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
3話…この話の中で最も短いので、次の編集で、もう少し内容を細かくしますので…
この作品に対する感想 - 昇順
始めまして〜。田舎町とか良い描写だと思いますよ。主人公の気持ちもよくでています。だけど少し話の展開が早いうような気がしました。それと「!」や「?」などはひとマス空けると思いましたが違いましたっけ?w
称君が一体何をしたのか!? 話の続きが気になるところです。では〜
2004-07-06 01:37:06【☆☆☆☆☆】朱色
初夏って子に何があったのでしょうか。とても気になります。
何やら今回はかなり気合が入っているようなので最期まで期待して
読んで行きたいと思います。でわでわ
2004-07-06 12:26:56【★★★★☆】風
どうも、読ませて頂きました。アドバイスをとの事でしたので、参考になるかどうか解りませんが思った事を書かせてもらいますね。まだ、出だしなので、物語の内容については何とも言えませんが、構成は練られていて良いなあと思います。【初夏】の事とか、その発言の意味とか、田舎ののんびりした風景を持ってくるところとか。ただ、最初のアイスを食べている所が唐突すぎるのかなあと思います。せめて、何故いまアイスを食べているのかの説明があると、物語に入り易かったかなあと。少年がただアイスを食べている所を描かれても読者としては、何の感慨も受けないと思うのです。しかも、物語の出だしですから、ぐっと心を引く事を書かれてみては?
すみません、偉そうなこと言ってますが、ただ私が感じた事なので、こんな感想もあるんだなあ程度に思っていてください。
続き頑張ってください。失礼しました。
2004-07-06 19:09:59【☆☆☆☆☆】オレンジ
前回の作品は今はとりあえずお書きにならないということで、ちょっと寂しいです。ところで、この作品、序章みたいなのありませんでした?(私の勘違いだったら申し訳ありません(汗))前作に比べて、物語の流れ方がいいスピードになりましたね(^^)。描写なども増えていい感じですよ。ですが、ひとつ気になったのが、「称の家は、あまり目立たないグレーの色で、「因縁ありそう」と思ってしまう程、ボロボロの車庫(十数年車を使っていないため、車庫は整備していない)。」の文章です。私は一瞬、グレーの色のボロボロの車庫が称の家なのかと勘違いしそうになってしまいました(汗)。ですが、そうではなくて、グレーの色の家の傍らに、ボロボロの車庫があるんですよね。でしたら、この文章は「グレーの色だ。」で一旦区切りを付けた方がよろしいかと思います。あと1つ、やっぱり三点リーダーの不統一が気になるでしょうか。「…」と「・・」の混在使用がニラ様の譲れないスタイルなのでしたら強くは言えないのですが、やはりお直しいただいた方が作法的にはいいかなと思います。「!」と「?」は、これのあとに1マス空けるのが正しい作法みたいです。それから、人のことを「物」と書くのはどうなのでしょう・・・。どっちかといったらひらがなの方が印象がいいと思うのですが。物語の展開はすごく気になるので、頑張って書いていってもらいたいです。それでは、長々と申し訳ありませんでした。
2004-07-06 20:13:37【☆☆☆☆☆】エテナ
だんだんと良くなってきているような気がします。ストーリーなどはいつもどおりすばらしいですね(笑 ちょっと思ったことは、最初の描写が端的過ぎるような……。続いて少年のアイスを食べているところを微妙に細かく書いている……。いや、悪いことではないんですけどね(汗 バランスが悪いというか、まあ、そんなふうに思いました。ストーリーの進行がまだぎくしゃくしているかなという感じもしました。お互いに、少しずつ上手くなっていきましょう。
2004-07-06 20:25:23【★★★★☆】霜
僕は、アイスの描写がとても素敵だと思いました。このアイスの描写を通して、称の冷たい性格を表現しているような気がしました。ただ、やはり展開が早すぎる気がします。例えば、電車のシーンで「僕があんなことを…」と感情的になるのも、今ひとつピンと来ないし、むしろ、その二行手前で冷たい目をしている辺りで、どっちなんだろうと一寸混乱しました。しっかりと伏線を張ろうとしているところは、とても堅実でいて、続きが気になるところです。お待ちしております。
2004-07-06 21:59:15【☆☆☆☆☆】石田壮介
さ、さいこーーだよニラただ、短いかもね
2004-07-07 23:20:23【★★★★☆】ミジンコ
 読ませていただきました。雑談板の方でも言いましたが、もう少し踏み込んで感想を言わせていただきます。ニラさんの悩みと合わせて感じたことは、展開を急ぎすぎているのではないかな、と思いました。あくまで推測ですが、ニラさんの頭の中にあるストーリーを早く文章にしようとしていないでしょうか? 何故そう思ったかというと、「展開が早い」「行動描写が裸のまま並んでいる箇所が多い」「心情描写が少ない」ということが目についたからです。もちろんニラさんに「早く展開を進めようとを急いでいる」という思いがなければ、私の思い違いなのですが、その3つを感じたことは事実です。
「展開が早い」ことについては他の要素との兼ね合いもあって一概に言えませんが(私はそう思っています)、「行動描写が裸で並んでいる箇所が多い」については少し直された方が良いと思います。行動描写を何の工夫もなく並べるだけでは、読者にマンネリの印象を与えてしまうと思います(登場人物のキャラクターが確立されていない序盤は特に)。間に心情描写を挟むなりして(独特のキャラクター、殺人鬼などの場合は行動描写を異様な表現にするなり)、登場人物がどのような心情でいるかを、うまく読者にわからせてもいいのではないでしょうか(なかなかうまくやるのは難しいですが)。怖がっているように何々した、というのではなくて、怖がっている時のその人物の細かい心情に触れても良いと思います(しつこいですが序盤は特に)。人物への心情を行動描写で表そうとしているのなら、見当違いの指摘となりますが(汗。
 具体的には、あせらずに一つ一つの場面をゆっくりと書いていく。細かく分けて納得いくまで書いていく。ということでしょうか。
 登場人物の心情が緻密に描かれているだけでも、面白い小説になると思いますよ(自分は書けていないのになんですが)。この「私に希望を」の場合ですと、完全に第三者による説明によって進む展開の仕方ですから、登竜門の中では神夜さんの作品が参考になるのではないかと思います。「春に咲く菜の花のように」のような書き方で進めるのもいいのではないかと思います。会話が物語の主流を占める書き方になるでしょうか。晶さんの「欠落少年」も、心情描写と行動描写のバランスを学ぶには良い作品だと思います。と、生意気なことを長々と書いてしまったわけですが、不快になられたら申し訳ありません。いつでも批判は聞くつもりです。それでは失礼します。
2004-07-09 01:48:41【☆☆☆☆☆】メイルマン
色々とアドバイスありがとうございます!!アドバイスなら何でもOKです!!
皆さんのアドバイスを参考にがんばります!!
2004-07-09 17:50:06【☆☆☆☆☆】ニラ
全体的に良い感じだと思います。ただ、言わんとしているニュアンスは解るのですが、やはり、描写が少ないと思われます。例を挙げるならば、「…その綺麗さから寄ってくる男だけ…」これがどうして、彼女の主人公への注目へとなったのか。噛み砕くと、友達になろうと思ったのか。彼女の心理がどう働いて、そこへ向いたのか。傍から見たら、教室の隅で絵を描いてばかりいるのは気持ち悪いでしょうし、友達になろうと言う考えには至らないかと思います。そこまでの気力を与えたのは、何か?彼の絵を密かに好んでいたのだろうか?それとも、彼の日常に於いて、心惹かれる部分があったのだろうか?…と、そんな具合に掘り下げていくとキャラの深みが増して良いと思われます。
2004-07-14 19:02:19【☆☆☆☆☆】石田壮介
計:12点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。