『a ra ta / a i [4]』作者:さこ / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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原稿用紙約2.29枚
「ったく、暑いな。」
思わずひとりごちてしまう。新はまだ上がりじゃないらしい。きっとサボりがばれて(違うけど)コーチに搾られてるに違いない。部室では暑いので校舎の影に移った。
「はぁ・・・。」
何度目かのため息をついていると急に目の前に影が立った。
 
「楡崎?」

       ***       ***       ***

 ツヨクナリタイ
 ツヨク
 ツヨクナッタラ ヒトリデモツヨクナレタラ
 アタシヲミトメテクレル?
 ムカエニキテ クレル?

 人の集団ほど怖いモノなんて、無い。『みんなと違う』モノは排除したがる。『みんな』は、同じである事に安心し、安穏な生活を送る。
 中学の時、ある女の子をリーダーとするグループに囲まれて吐かれた言葉。
 「フフッ。あたし知ってるのよ。あなたの父親って人殺しなんでしょ?」
父親―――私が生まれた時はすでにいなかった。母親は私を端から認めていないみたいで、そんなことを訊くことすらできなかった。陰口を言われるのは私の異常さのためだけだと思ってきたから、反抗の言葉も思い付かず、愕然としていた。 今まで投げかけられたどんな言葉より罵声より、その言葉は痛かった。

       ***       ***        ***

「楡崎? 楡崎でしょ! ずいぶんいい御身分になったわねぇ〜。」
目の前にいる数人の女子。
そしてこのコ、知らずに震えが走る。
「女子に騒がれて嬉しいの?男装までして、そっちの趣味があったのかしら。」
「やっぱりまともには育たないのね、人殺」
「・・・メロ。ヤメロ。っ黙れ!!」
声も震えたが構っていられない。睨み付ける。
引く気がないようなので自分から去ろうとすると、他の女のコ達に行く手を阻まれる。振り返るとあのコは事挙げた。

「あたし達が、矯正してあげる。」


       ***       ***       ***


 マダツヨクナイ
 ツヨクナッテナイ ナレナイ
 イヤダイヤダイヤダ!!!
 ―――タスケテ


 「新!」   


2003-09-28 12:57:11公開 / 作者:さこ
■この作品の著作権はさこさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
[4]です。
暗いです。果てしなく。ぎゃっ★
これでも読んでくれた方々ホントにありがとうございます!
あと3話くらいで終わる予定;
初投稿で長編はムボーでした(++;
この作品に対する感想 - 昇順
高校生のときのくすぐったさを思い出しながら読んでました。続きが楽しみです。
2003-09-29 18:20:59【★★★★☆】青井 空加羅
計:4点
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