『死神と僕』作者:桜世界 / - 創作小説 投稿掲示板『登竜門』
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原稿用紙約5.81枚

〜死神との出会い〜

僕の名前は天土 海(あまつち かい)っていいます。
家のことを除けばどこにでもいるようなごく普通の中学2年生だと自分では思ってます。
成績だって学年155名中75番だし。
運動神経だって普通?でも躰道やってるから喧嘩は負けたことないかも。
でもそれだけであとは本当に平凡な男子です。

なのになんでだろう。

今のこの状況は。

【・・・・なにお前】
それはこっちの台詞なんですけど。
「・・・・・・・そっちこそ」
僕の目の前には空飛ぶ人間が。
【お前死人?】
「なんでそーなるわけ?」
【だって俺が見えるんだろ?】
「見えたらだめなの?」
【っつーかお前さ、俺見てなんかリアクションないの?】
「空・・・飛んでるねェ・・・」
僕は目の前の空飛ぶヒトをしみじみと眺めた。
この男の子すっごい美形だ。
銀色の髪に紅い目、バーテンダーのような黒い服を着ている。
でも年は僕よりも下に見える。
【お前馬鹿だっていわれるだろう?】
「まぁ時々」
【こーゆー時はびっくりしなきゃだめだぞ】
「・・・・君も馬鹿だっていわれるでしょ」
【まぁな】
「僕だって驚いてないわけじゃないよ。ただ顔に出ないだけで」
【出なさすぎだろう】
「それもよくいわれる。で?結局君はなんなわけ?幽霊?あーでも僕霊感ないしなぁ・・・・」
【幽霊なんかと一緒にすんな!俺は泣く子も黙る!死神様だぜぇ!!】
「・・・・そのいい方古いね」
【・・・お願い、せめて笑って・・・】


「ごめん、無理。でさ、さっき俺のことが見えるのか、とかどーとかいってたよね」
【あぁ、普通は見えねぇはずだからな】
「じゃあさ、さっきから人の視線が痛いのって・・・・」
【そーだな、周りから見ればお前すっげー独り言いってるみたいだろーな】
僕はショックを受けてちょっと右を見てみた。
40代くらいのおばさん3人組がひそひそ話しながら僕を盗み見していたところに目が合った。
僕は慌てて目をそらして左の方に顔を向けると、こっちでも高校生くらいの化粧の濃い女の人と目があった。その人は隣にいる友達と僕を指差して下品に笑っていた。
前も同じだった。通行人が僕を見て気の毒そうな目で見て通りすぎていく。
やたらに人が多いけど当たり前だろう。なんといってもここは東京の新宿なんだから。
後ろは・・・・
「やっと見つけましたぜ」
僕は、後ろの人も僕を見ているのか確認しようと思って振り向いただけなのに、一番見られたくない連中に、というより見つかりたくない連中に見つかってしまった。相手はガラの悪いヤクザ4人。殴り倒して逃げようとすればできないことはないけど、ここは人が多すぎる。
こーゆー場合は、逃げるに限る!
僕はばっ!と奴らと反対方向に、つまり死神の方に走り出した。
でも僕はすぐに止まった。
死神を見て僕はキレた。
だってのんきにぷかぷか浮かびながらうたた寝をしていたんだから!
僕は後ろにいる奴らの動きを確認した。
追いかけてきてはいない。余裕ぶっこいて他の連中に連絡している。
と、いうことは追っ手の数が増えるということ。じゃあ今の内に逃げなきゃ。
でもその前に・・・・!
僕は飛びあがり、浮かんでいる死神の腹めがけて握りしめた拳をめり込ませた。触れるかどうか不安だったけど手応えはばっちりだ。
僕はそのまま上手く着地して猛ダッシュで走り出した。


僕は人ごみに紛れて後ろにいる奴らの視野から逃れた。
そして向かう場所はハチ公前。
ここには、ただのメル友だけど誰よりも僕を僕として見てくれる「ソラ」という人が待っていてくれている。
確か目印として犬を連れてるといっていた。
そしてハチ公前で犬を連れている子は一人しかいない。
「・・・・・・・・・・・・・・・」
綺麗な女の子だった。歳は僕と同じかそれ以上で、清楚なお嬢様タイプだった。
ソラは静かに目を閉じて、手を膝の上に置いて、うっすらと微笑みを浮かべて座っていた。ソラの容姿にも目を奪われたけど、ソラが連れていた犬を見て、僕はもっと驚いた。
だってあの犬はどう見ても・・・
【おい】
・・・この声は・・・。
「こんな所で話し掛けないでよ」
僕は小声で後ろに向かっていった。
【ふざけんな!てめぇのせいであばらが折れたんだぞ!!】
「・・・ん?あ!お、おい!!いたぞ!!」
最悪だ。後ろからあの死神と、奴らがものすごい勢いで近づいてくる。
僕はもう逃げ切れないと思い、目の前にいるソラの耳元に囁いた。
「ソラ、海だけど今ちょっとヤバい状況なんだ。ゆっくり会うのはまた今度、うわっ!」
「え、海?ちょ、ちょっと待っ・・・」
ソラはすぐに反応していいかけたけど、その前に僕が奴らに腕を掴まれて引きずられていったので、いいかけた言葉を引っ込めてしまった。
「さっさと来んかい!」
「ぁいたたた、いくいく、行くってば!もーどいつもこいつもうっとーしぃなぁ!!」
僕は文句を言いながらだけど、潔く奴らの車に乗った。
向かう先はわかっている。きっとあの屋敷だろう。だとしたら本当に僕の命はないかもしれない・・・。
しかも車の後ろにはお腹を押さえながらふらふら飛ぶあの死神の姿が。
本当に、どいつもこいつもうっとーしぃ!

でもそれよりも、メル友のソラが連れていた犬が気になる。
だってあの犬、どっからどうみても盲導犬だったんですけど・・・。




2004-04-19 18:43:03公開 / 作者:桜世界
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■作者からのメッセージ
久しぶりの更新なので、海以下もろもろのキャラの性格がおかしくなっているかもしれませんっ!!申し訳ありません〜!!
そのへんの感想(ないことを祈りますが)ありましたらお寄せ下さい!!
この作品に対する感想 - 昇順
読ませていただきました。えーっと、序章ですよね。(泣)は、よくマイナスをつけられることがあるので、早く消した方がいいと思います。あと、もうすこく描写を増やすと長さも丁度良くなって、読む方にも分かり易いと思います。主人公のボ―ッとした感じと死神のからみが面白いと思いました。これからも頑張ってください!応援しています♪
2004-04-10 07:50:32【★★★★☆】冴渡
死神のキャラが好きです。懇願してる所がいい!がんばってください!!
2004-04-10 12:43:06【★★★★☆】森山貴之
面白かったです!続き楽しみにしています!
2004-04-10 14:57:11【☆☆☆☆☆】ニラ
点数忘れました
2004-04-10 14:57:24【★★★★☆】ニラ
この二人がどう転ぶのか楽しみです!続き期待してます。
2004-04-10 17:30:17【★★★★☆】岡崎依音
この後どんな展開になっていくのか楽しみです。続きを待たせていただきます。
2004-04-11 04:54:52【★★★★☆】メイルマン
死神のバラッドに似ていて、面白いですww死神の俺様っぽいところが特に気に入りましたw
2004-04-11 20:59:41【★★★★☆】奨
計:24点
お手数ですが、作品の感想は旧版でお願いします。