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『省エネ』 ... ジャンル:ショート*2 お笑い
作者:スピンナ
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閑静な住宅街の一角にその家はあった。
「何だ、また廊下の電気をつけっぱなしじゃないか」
男は、電気を切って、リビングに入った。
「あら、あなた、お帰り」
「ただいま」
男はネクタイをゆるめ、カバンを置いた。
「電気、またついてたぞ」
「あら、ごめんなさい」
「気をつけてくれよ、電気は高いんだから」
「そうね、エネルギーがこんなに貴重なんて、子供の頃は考えもしなかったわ」
「そうだな、大切なことは後になって気がつくものだな」
ビールをグラスにつぎ、乾杯をした。
「今日までお疲れ様」
「お前のおかげだよ」
二人は夕食を済ませ、風呂に入った後、二回に上がる。
部屋に入ると、人が入れるほどの大きさのカプセルが二台置いてある。
「じゃあ、電気を消そうか」
「そうね。こんど会うときは二年後になるわ」
「そうだな。しかし、いくら省エネと言っても、冬眠までしなければいけないなんて」
「仕方ないわよ、冬眠法が成立しちゃったんだから」
二人は、それぞれカプセルに入ると、眠りについた。
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2013/03/29(Fri)09:32:29 公開 / スピンナ
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