『わたしの妹の部屋で……』 ... ジャンル:恋愛小説 リアル・現代
作者:ニコニコニート                

     あらすじ・作品紹介
ある日、瑠奈は妹の美羽の部屋をひょんなことから許可なしに物色してしまう。しかし、そこで見つけたのは……

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「美羽ー?」
 妹の名前を呼びながらコンコンと妹の部屋を叩いている少女の名前は宮本瑠奈。
 現在高校2年生だ。
「貸してたノート返して欲しいんだけど……美羽ー?」
 アレレ、何ででないんだろ。
「美羽なら今お風呂入ってるわよー」
 リビングの方からお母さんの声が届いた。
「あぁ、ありがとお母さん」
 ……ノート返してもらうだけだし、勝手に入っちゃおうか。
 その部屋の主の許可を得ずに瑠奈は扉を開けた。
 カチャッ
 そーっとドアを開けた瑠奈が見た光景は2ヶ月ほど前に見たものとさほど変わっていなかった。
 床には本やら漫画やらが足場を無くしている。
 本棚も全部埋まっていて、どうやら置く所がないらしい。
 この散らばった本さえなければかなり見栄えがよくなると思うのだが―――
「相変わらず散らかってるなぁ……少しは片付ければいいのに」
 美羽は現在中学3年生だ。
 この年頃だと整理整頓は面倒くさいはずだ。
「え〜っと……ノート、ノート……もう、本散らばりすぎ」
 瑠奈は部屋をキョロキョロ見回した。
 そのとき、一冊の本を蹴飛ばしてしまい、その本がベッドの下へ滑っていってしまった。
「うわっやらかしちゃった。手届くかなぁ」
 瑠奈は手をベッドの下に潜り込ませた。
「あったあったこれだ」
 瑠奈はつかんだ本をさっき自分が蹴飛ばした本だと思い込み、それをサッと引き出した。
 パサッ
「…………?」
 それは表紙がピンク色の、妙に薄い本だった。
「なにこれ……」
 うぇ!? こっこれってもしかして……
「え、エッチな本……なのかな……」
 瑠奈の胸が突然熱くなってきた。
「美羽ってエロ本なんか持ってたんだ……」
 中学3年いうことを考えればそれほど不思議じゃないが。
 表紙は女の子のイラストだ。
 それもいまどきの萌え絵ってヤツだった。
 瑠奈は勝手に手が動いて本の表紙をめくった。
「……漫画?」
 パラパラと瑠奈はページをめくったが、それは漫画だった。
 しかし驚くべきなのはその内容―――
「お、女の子同士で!?」
 本の中間当たりだろうか。
 なんとセーラー服の女の子同士がキスをしていた。
「……しかも中学生で」
 ぱらぱら
「ドキドキ」
 パラパラ
「えっ、そんなこと……!」
 パラパラ
「うわ、うそでしょ!?」
 パラ
 カァァアァッー
 瑠奈の顔がトマトみたいに赤くなっていく。
「うわ、これって……」
「ふぃ〜」
「!?」
 突然、瑠奈以外の声色が響いた。
 それはこの部屋の主、美羽の声だった。
「お、お姉ちゃん!?」
 バスタオス姿の美羽はホカホカで、今まで風呂に入っていたことが一目でわかる。
 美羽の背中に広がる豊かな長い髪は濡れていて、いつも耳の辺りにつけているリボンは今はついていなかった。
 中3にしては背は結構低くて胸もあまり豊富ではなく、かわいらしい華奢な印象を与える。
「な、なにやってんの!? わたしの部屋で!!」
「あっ、えっと、その……」
「もーお姉ちゃん! いくら姉妹だからって、年頃の女の子の部屋に勝手に入らないでよね!!」
 美羽が顔を真っ赤にしている。
 それは怒っているというよりはなんか――恥ずかしくなっているっていうか――
「ご、ごめん。ほらさ、貸してたノート返してもらおうかと思って……」
「え、あぁノートね! そーいえば借りてたなわたし」
 美羽はさっき瑠奈があさっていたところとはまるっきり見当違いのタンスの引き出しの中に手を突っ込んだ。
「はい、ノート! 今度からは声かけてね!」
「うっうん……」
 瑠奈は美羽の小さい手の中にあるノートを受けとった。
「さあ、出てった出てった!!」
 美羽が小さい手で一生懸命に瑠奈の背中を押して、ドアの方に押し流した。
「あのさ、美羽」
「……うっ」
 美羽がその場で固まった。
「……見たの?」
「……うん」
 その言葉と同時にふたりの顔がさらに赤くなっていくのがわかった。
「うぅええぁ……」
 瑠奈の言葉を聞いた瞬間、美羽はガクリと膝を落とした。
「……あっ、あのね! 違うの! それを見ようと思ってとかじゃなくて偶然……」
 瑠奈が慌てた。
「……うん、わかってるよそんなこと……お姉ちゃんがそんなことするはずないし」
「わっわたしは別にいいと思うよ!! 趣味は人それぞれだしね!」
 瑠奈がガッツポーズをした。
「……」
 美羽が顔をふせたままだ。
 瑠奈はさっきよりも困った表情になる。
「美羽がいい子であることには変わりないし、あのほら……」
「も、もういいよお姉ちゃん……」
「と、とにかく気にしないから! 勝手に見ちゃってごめんね」
 瑠奈が意味不明の笑顔を浮かべた。
「……それじゃ、私は部屋に戻るね」
「……うん」
「おじゃましましたー」
 なぜが敬語の瑠奈。
 キィー、パタンッ
 部屋の中にはバスタオル姿の美羽だけになった。
 美羽の身体は熱を帯びていた。
 風呂上がりだから? ううん、違う。
「…………」
 ナハハ――
「……」
 最悪だ――
「おしまいだぁああああああぁぁああ」
 ガチャッ
「…………」
 パタンッ
 スタスタ
 ボスンッ
「……」
 瑠奈は自分の部屋に入るとすぐドアを閉めてそのままベッドへ倒れこんだ。
 うつ伏せになりながら自分の頬を手で撫でる。
「……顔、真っ赤」
 触った瞬間理解した。
 きっとさっきのまま、顔はまだトマト状態だ。
 ……美羽って、女の子が好きなのかな?

2012/03/25(Sun)01:13:27 公開 / ニコニコニート
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■作者からのメッセージ
短編にしようと思ったけど無理っぽいです(長すぎて
ちょくちょく更新していきたいと思います。
ちなみにわたしはノーマルでもBLでもGLでもおk派です。

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