『手紙』 ... ジャンル:ショート*2 未分類
作者:柚こしょう                

     あらすじ・作品紹介
一人の雨の日の物語

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 涙が出そうなほど寂しい夜だってある。
 そんな日は受け止めてくれる人が必要だけれど、いないのも私の寂しいところ。
 だから、一人で泣く毎日が続く。
 別に、それでも私は自分自身に満足しているからいいの。
 一人だって、生きていけるもの。

 外を見ると、雨が降り止む気配はないみたいだ。
 雨は嫌いじゃない。
 心まで深く濡らしてくれるし、窓の外の視界を消してくれる。
 完全に、一人になれる気がするから。

 マンションの10階の窓に作られる天然の曇りガラス。
 電気はつけなくても平気。
 私は暗闇は大丈夫な人だから。
 
 もう弾かなくなったギターやピアノ。
 しわくちゃのワイシャツも散乱してる……後でアイロンをかけなきゃね。
 
 せめて目の前の靴下の山をどうにかしようと探っていると、一通の手紙が出てくる。
 ベタな展開に噴出しそうになる。

「汚い字……」
 
 彼の文字を辿ると涙が出てくる。
 何かの号令にでもなったように。

 一人だったはずの部屋に、ケータイのバイブが響いた。
 私は立ち上がって電気をつけると、そっとケータイに手を伸ばした。
 

2011/03/23(Wed)23:52:46 公開 / 柚こしょう
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■作者からのメッセージ
初めまして。
ファンタジーばっかかいてて
初めてのジャンルに挑戦します。
ぎこちないですが、読んでやってください。

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2020/03/28:Androidスマホにも対応。Noto Serif JPで表示します。